大手電機メーカーで自律制御型のロボット開発に携わってきた花村平太は、会社と自分の研究の方向性の違いに限界を感じ、会社を辞す。自ら会社を立ち上げ経営も順調になってきた頃、不運にも自動車事故を起こしてしまう。相手の女性を半身不随にしてしまった花村は責任を感じ、私財を投じて再び自律制御型ロボットの開発を始め、彼女の介護に役立てようと考えた。自律制御の車椅子型ロボットの製造に成功し、匿名でそのロボットを贈った花村は、さらに進化したヒト型のロボットの開発にも乗り出す。新しいロボットが完成し、2台が出会った時、予期せぬ出来事が発生した…。最先端科学技術情報を満載したSFホラー大作。
一八二五年に川で溺死した十歳の少女アイリーンの事件は、バーキッツヴィルではブレア・ウィッチ伝説の一部であると噂されていた。調査を進めるケイドのもとに一通のメールが届いた。学校のキャンプを引率した女子高生セシリアがアイリーンの幽霊を目撃し、このキャンプでボーイフレンドを亡くしたという告白だった。戦慄のサバイバルゲームと化したキャンプの残酷な結末を綴った「水底の幽霊」他、映画『ブレアウィッチ2』の恐怖を増幅させる、オリジナル小説第二弾。
暮れから、江戸を荒らす賊、いたち小僧のやり口が江戸っ子の話題に。大名屋敷に押しいるついでに女を手込めにするのが許せない弦一郎は、この賊をあげようと躍起になる。そんなある日、池之端の出逢茶屋から娘が一人消えうせ、後には人気女形の死体が…。二つの事件のてがかりを追って、一匹狼の同心、弦一郎が奮闘する。
売れっ子ホストの有光は、人身売買ブローカーによって日本に連れてこられ、タイ人バーから逃げ出した女性・トウイを、自分の部屋でかくまい始める。しかしトウイは忽然と部屋から消え、死体として発見される。一方、まじめで通っていた女子大生が、学校からの帰りに消息を絶ち、そして有光の上客の女性も消えてしまう…。まるで無関係だと思われた事件に接点が生まれ、容疑者が捜査線上に見え隠れする。棟居刑事は、事件の奥底にある事実を探りだし推理を始める。歪んだ社会の、屈折した人の心を描いた戦慄ミステリー。
「見てはならないものを見てしまった…T字路の対向車線から、一台の大型トレーラーが強引に突っ込んで来て、ころんでいるバイクの青年をあっけなく轢いた…その頭を、すぐ目の前でメリッと…」成仏しろよ、そう念じたばっかりに、ソイツはやって来たのだった-著者自ら霊現象に見舞われつつ、取材した怪奇体験の数々。
ぼくは十三歳。小さな町の中学校に通っている。一昨年、母さんが死んだ。友達はいない。作る気もない。だけど、恋をしてしまった。三つ年上の、とびきりの美少女に。ぼくの周囲では、陰惨な事件が次々に起きる。まず自宅で親友が殺され、中学校の校内ではさらに奇怪な殺人事件が。そしてぼくは、自分が恋している相手が、神のような推理力をもつ名探偵であることを知ったのだった。でも…。緻密に練られた本格の野心作にして、鮮烈なる青春ミステリー。堂々の開幕。
いまわのVサインは何を意味するのか?財川財閥の御曹司が、新婚旅行先の伊豆で謎めいたダイイング・メッセージを遺して惨殺された。新妻の多津子は、発見者のチンピラ・水木が夫と瓜二つであることに驚嘆。そのとき、多津子の胸に奸計が浮かび上がった。水木の夫の替え玉に仕立て上げ、財閥の巨富を奪取しようというのだ。悪女と悪党の企みは、はたして正夢と出るか、逆夢に終わるのかー。
戦後の復興期に乗じて不動産業、観光業などの一大企業グループを築き上げ、いまだに絶大な権力を持つ五十嵐興産の会長・幸吉のもとに、ある日差出人不明の郵便物が届く。中身は驚くべきことに幸吉の後妻・妙子と長男の情交現場の写真だった。この事件を機に、五十嵐家を悪夢が襲う。身内を被写体にしたスキャンダラスな写真はその後も続き、さらに数週間後、本社ビルの金庫から十三億七千万円もの現金や手形が盗み出される。密かに調査を命じた幸吉は、一連の犯行が、己れ自身封印してきた過去の事件に原因があることを知る。
五月…ニューヨークでは、狂暴な暴力の発作を伴う新麻薬が蔓延していた。われらがヒーロー〈始末屋ジャック〉は、製薬会社の女性研究員から、謎のセルビア人ギャングのボス、ミロシュの調査を依頼される。ミロシュはこの新麻薬に絡んでいるらしい。一方製薬会社重役モネを尾行するジャックは奇妙な人体実験を目撃。荒れ狂う被験者のありさまは、新麻薬の発作と同じものだった!単なる脅迫と思えた事件は、奇怪な様相を見せていく。鬼才F・P・ウィルスンが放つ痛快アクションホラー巨編。
1995年1月17日未明、神戸を未曽有の大震災が襲った。一瞬にして崩壊した街で、私立探偵の有希真一は多くの死を目の当たりにする。ようやく彼が救出した友人の占い師探偵・雪御所圭子も精神に異常を…。そんな最中、バラバラ死体の消失、磔殺人と、連続猟奇殺人事件が発生する!著者自らの体験も色濃い渾身の筆致で、ミステリー界が驚愕した鮎川賞受賞作。
目を覚ますと、そこは一九四五年、第二次世界大戦下の東京だったー日下良治は大学教授で、政府の教育改革審議会の委員も務めている。審議会で徴兵制に道を拓く新法の答申がまとめられた翌日の朝、良治を揺り起こしたもんぺ姿の妻は、息子に赤紙が来たことを告げた。自分は二十一世紀に生きていたはずなのに…。平和や正義への思いは荒廃していき、家族のこころは、いつしか遠く離れてしまった。巨匠・赤川次郎が四編の作品を通して鋭く描き出す、現代人の心の闇。珠玉にして異色の傑作集。
テネシー州ナッシュヴィルのステーキハウスに勤める美人ウェイトレス、ケイシー。店長からセクハラを受け頭にきた彼女は、彼を殴りつけて店を飛び出す。気分転換にドライブするケイシーだったが、どことも知れぬ田舎道で車がパンク。助けを求めようとした彼女は、偶然恐ろしい殺人現場を目撃してしまうはめに。
偶然、殺人事件を目撃してしまったケイシーだが、恐怖と自己保身のために警察に通報できなかった。しかし、被害者が社交界の華、ドナと知って良心の呵責に苦しむケイシーは女性キャスターのブランディと組み、TVを利用した奇想天外な方法で犯人を告発する。しかし、その背後にはさらに大きな組織犯罪が。
ヒロが夢の中で何度も見かけた女の人は、しきりに助けをもとめていた。何をうったえているのか、なやむヒロ。そんな折、しんせきの周平さんが結婚すると言って紹介してくれた婚約者は、その夢の女性とそっくりだった…!マッキー、かっちゃんと、ヒロは、力を合わせてそのなぞ解きに挑戦する!大人気の「ぼくらの心霊スポット」続刊。