一九三〇年代、日本軍占領下の上海。栄華を極め「東洋のパリ」と称されながら抗日テロ組織の巣窟と化していたその街で、日中を祖国として育ち、その類稀なる美貌ゆえに歴史的舞台への登場を宿命づけられた女性がいた。敵対する二つの祖国、愛する家族、禁断の恋ー歴史の狭間に生きたその生から、魔都の闇を照らす。
広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう…伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ!消える人形、死体消失、毒殺魔の伝説。無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品。
11月5日の学園都市。上条当麻と一方通行(アクセラレータ)、そして浜面仕上の三人が、ついに交わった。しかしそれは、三者三様の『アンタ等何やってた訳』的、彼らを心配していたオンナノコたちへの落とし前イベント勃発を意味していた…。上条は、形見のゲコ太ストラップを握りしめ意気消沈中の美琴に妙なテンションで声をかけ、超電磁砲(レールガン)地獄を見る。さらに、同じノリでインデックスにも話しかけ…。浜面は、『負けたら屈辱のバニーだ!ゲーム』を続けていた麦野たちにようやく発見される。しかしその傍らには今は亡き『アイテム』元メンバー・フレンダにうり二つの少女がいて…。一方通行(アクセラレータ)は、押しかけてきた打ち止め(ラストオーダー)と番外個体(ミサカワースト)に辟易するが、いつもちょっかいをかけてくる番外個体が上条の前では大人しくなり、何故かそれに苛立ちを覚え……。科学と魔術が交差するとき、日常の物語(コメディパート)は始まる。
人は生まれながらにして生命・自由・財産を守る権利があり、国家の成立は、この人権を守るための人々の合意に基づく。ロックの唱えた人権、社会契約思想はのちのアメリカ独立宣言、フランス革命を支える理念となった。自由、民主主義を根源的に考えるうえで必読の書である。
第6巻は「超越論的な弁証論」の第三章「純粋理性の理想」を扱う。ここでは神の現実存在の議論が検討され、デカルト以来の伝統的な近代哲学の神の存在証明が分類され、すべて批判される。そしてこの存在証明に基づく神学の考察と批判が展開されることになる。
誰もが知っているグリム童話やロシア民話、ピノッキオなどが、ロダーリ流の現代的なセンスとユーモアやアイロニーでよみがえる。表題作ほか「魔法の小太鼓」「哀れな幽霊たち」「星へ向かうタクシー」「旅する猫」など。
こんどのドリトル先生は、動物たちと海の上の郵便局をはじめちゃいます!それも、世界最速のツバメ郵便!!世界じゅうの動物から手紙がたくさんとどいて、先生は大いそがし!しかも、いくさをしかけられたかわいそうな王国を助けたり、大かつやくもつづきます。やがて、この世で一番古いナゾの生き物から、秘密の湖への招待状が!動物たちが力を合わせ、おどろきのパワーを見せる感動の第3巻。さし絵63点。小学中級から。
幕末に国のあり方を憂い、指導者として、また人として志を貫いた生き方とは。いまこそ日本人が学ぶべき大切なこと。
19世紀のロンドン、暗く冷たい霧が立ち込めるクリスマスイブ。けちで自分のことしか考えないスクルージの前に、真夜中の鐘とともにクリスマスの精霊が現れる。精霊たちはスクルージを過去・現在・未来のクリスマスに連れていくのだが…。イギリスを代表する小説家、ディケンズの不朽の名作を、新訳=木村由利子、絵=ミギーで贈る、クリスマスストーリーの決定版!小学中級から。
ダーシーの屈折した恋の告白にエリザベスは反発した。だが、ダーシーの手紙で己の誤解に気づき、数ヵ月後の思わぬ再会で彼への感情は変化していく。そこへ、末妹の出奔、彼の叔母君の横槍が…。恋のすれ違いを笑いと皮肉たっぷりに描く、英国文学の傑作、決定訳登場。
溌剌とした知性を持つエリザベスと温和な姉ジェインは、近所に越してきた裕福で朗らかな青年紳士ビングリーとその友人ダーシーと知り合いになる。エリザベスは、ダーシーの高慢な態度に反感を抱き、彼が幼なじみにひどい仕打ちをしたと聞き及び、彼への嫌悪感を募らせるが…。
病気を治す腕は一流、厄介事を解決する知恵も一流、宗哲の医院は今日も大繁盛だ。今村芳生なる蘭方医が宗哲のもとを訪れ、“本道(内科)に限っては官医に蘭方を禁ずる”という幕府の達しに、激しく不満を述べた。宗哲が相手にしないとみると、漢方医で将軍家御匙の楽真院と老中首座に直談判に行く始末。辟易した楽真院から、今村の口を封じられないか、と相談を受けた宗哲だったが…。人情の機微に触れるシリーズ第3弾。