言語を人間のコミュニケーションの中にとらえ直し、戦時体験の語りからネット上の言語まで、現代の様々なコミュニケーション現象に迫る。文化・認知・社会を繋ぐ新しい言語学の試み。
新しい語用論の可能性を切り開く
認知言語学の基礎を押さえつつ、どのような試みがその基礎をふまえてなされているか、研究の最前線も提示する。入門と研究のギャップを埋めるべく編まれた新スタイルの入門兼専門書。
はしがきーー大野 晋
はじめに 考古学と日本語……大野 晋×金関 恕
『日本語の起源』のころ/土井ヶ浜の発掘で学ぶ/縄文日本人と米作/縄文・弥生の酒/稲・粟の種類と餅の形/弥生時代の墓と石,金属/ものを細かく見ない日本人/欧米流考古学と日本考古学/東の考古学,西の考古学/言語能力と文化/考古学者たちの思い出
形質人類学との対話……馬場悠男先生をお迎えして
日本語の起源ーータミル語と接触したのか/タミル人は日本へ来たのか/弥生人とは誰なのか/アイヌ人と縄文人/弥生人はどこから来たのか/昔の人類学は正確ではない?/渡来弥生人の拡がりかた/偶然とは考えられないタミル語との対応関係/稲作は中国から来たのか/タミル人は7000キロを旅したのか/タミルからは文化だけを受け入れたのか/沿岸地域に別の稲作文化があった?/骨から見た人類の変化
縄文学との対話……小林達雄先生をお迎えして
人間はいつから言語を持ったのか/縄文人の言語と文化/縄文文化は進んでいた/日本語とタミル語の対応関係/縄文語はどんな言葉だったのか/数詞をどう考えるか/縄文の言葉と文化はどこまで受け継がれているのか/縄文の言葉はどこまで弥生文化の影響を受けたのか/文化の伝播と東西のちがい/記号文とグラフィティの類似は偶然か
アイヌ語学との対話……中川 裕先生をお迎えして
「弥生以前」の謎/アイヌ語はどこでいつ話されていたのか/縄文人はアイヌ語をしゃべっていたか/アイヌ語と日本語は関係があるか/文明の受容と言語/アイヌにとってのカムイとは/アイヌ語にくわわった日本語/東の言葉と西の言葉/日本語はどこから来たのか
朝鮮考古学との対話……西谷 正先生をお迎えして
日本語とタミル語の関連について/考古学から見た日本・朝鮮・南インド/稲作文化の来た道をたどる/人々の流れをさぐる
おわりにーー金関 恕
『ナラティブ研究の実践と応用』は、「語り」すなわち「ナラティブ」の分析を通じて、社会が抱える問題の理解や解決を目指すナラティブ・アプローチの成果を一冊にまとめたものです。ナラティブ研究では、語られた人生の出来事や経験を読み解き、問題解決のために活用します。一人一人の語りを精緻に読み、解釈する手法は、質的研究の一つとして定着していますが、近年では言語コーパスの充実により、「質」と「量」の融合研究も注目を集めています。ナラティブ研究の理論と手法が日々アップデートされる中、研究領域は広がり、特に教育、医療、心理学等の分野で成果を上げています。本書は、このようなナラティブ研究の知見を、各分野の実践例とともに紹介しています。
Part 1「教師・ALTのナラティブ」には、言語教師として成長するALTおよび英語音声指導に奮闘する小学校教師の語り分析と、「教師のナラティブ」に関するコラムを収めています。Part 2「外国語学習者・グローバル人材のナラティブ」には、「英語学習」、「グローバル人材育成」、「留学」、「欧米とアジア」といった現代的テーマに関する論考とコラムを掲載しています。Part 3「社会を読み解くナラティブ」では、文学作品、ノンフィクション、高齢者のライフレビュー、そして大学生の語る「葛藤ナラティブ」の分析に加え、医療現場および現代社会における語りをテーマとするコラムが掲載されています。
本書には、教育、グローバリズム、文学、医療、人間関係等多岐にわたるテーマにおいて、ナラティブ研究の汎用性と専門の垣根を超えて学ぶ学際研究の成果が示されています。ナラティブ研究の導入・発展に加えて、外国語教育、留学指導、グローバル人材育成に関わる教師・研究者、そして文学、心理学、医療、社会学分野の研究者にとっても重要な示唆を得られる一冊となっています。
本巻では、認知文法論の観点から、文法の中核となる構文現象(使役構文、結果構文、二重目的語構文、中間構文、受動構文、再帰構文、等)やイディオムなどの分析を中心に、文法の動的メカニズムを明らかにしていく。さらに、能格性・対格性、構文の拡張、構文のネットワークなど、文法現象にかかわる主要テーマを認知言語学の視点から体系的に考察する。
本書は、1960年代の終わりに彗星の如く日本の言語学界に現われ、1970年代を疾駆して夭折した天才的言語学者の著作集である。音韻論関係二編と、本来の専門である統語論・意味論関係の論文で、公刊されているものを、ほぼ全て収録し、解説的論説に関しては、代表的と思われるいくつかの論説を収め、「インタビュー」、「座談会」の類を収録した。
本書は、困った場面・状況に遭遇したとき、どのように英語で対処すればよいのかという会話例を豊富に取り入れました。
長く日本語学の研究全般にわたり多くの業績を積み重ねてきた編者のもと、気鋭の研究者全36人の寄稿になる論集。すべての人間活動の基底にある言葉を、日本語の歴史総体の中で様々な視点からとらえる重厚な論考。
この本は、生態心理学の観点から日常の言語表現の意味を見直すことでどのような展望が開けるかを見ていきます。言葉について、言語学にとどまらない幅広い知見を踏まえて考えていきます。人間が周りの世界をどのように経験しているか、それが言語にどのように現れているかを見ていくことで、世界が自分や言葉とどうつながっているかが広がりをもって見えてくる喜びを味わってください。
言葉遊びや隠喩・洒落・誤用など従来の言語学が「よけいなもの」として見過ごしてきた言葉の無意識的現象を分析して言語学の脱構築をはかる試み。
第1部では、現代言語学の原点であるソシュールの言語学のわかりやすい紹介と、『一般言語学講義』とエングラーの校訂本を精確に読むことでソシュール論の核心をなすラングの本質を明らかにする。第2部では、やさしくみえても特異な文体のために時として不可解なサピアの『言語』を論理的に読み解き、印欧比較言語学の方法論を批判的に展開するサピアの言語史論の全体像を明らかにする。
読む、書く、聞く、話すーー私たちは何気なくことばを使って意思疎通をしている。古代ギリシャ時代から始まったともいわれる言語学研究は、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、応用言語学など、人間の営みにかかわる様々な分野に広がってきた。本書ではそんな言語学という不思議の国に魅せられた3人の英語教育の研究者でもある言語学者たちが自分たちの追い求める「白ウサギ」=不思議を紹介。表現や声の捉え方、世界の捉え方など、普段使っている中にこそ言葉の不思議は潜んでいる。音声から学習、思考にいたるまで、言語学・応用言語学への案内役となる一冊。
はじめに ことばの国のアリス
第1章 発音変化に見る音と綴り字のズレ
第2章 魅力的な声の秘密
第3章 あいまいな日本語の私
第4章 切っても切れないことばと心
第5章 ことばを通して世界を見れば
第6章 オーストリアはオーストリア語?!
第7章 通じる英語と通じない英語
第8章 英語が上手くなるための心得
おわりに オズのことば使い
本書では、日本語の格助詞に関するこれまでの認知言語学的研究を再検討し、格助詞の習得や使用に関する研究やデータをできる限り参考にしつつ、第二言語としての日本語教育への応用を試みる。
険しい雪山を越え、教授も訪れたという集落・ウタツに到着したハカバ一行。人間に似た見た目の人に出会ったり、暗闇の中で命がけの狩りをしたり、「分からない」をかみしめながら、少しずつ考えを巡らせてゆく。
本書は,これから言語学の勉強や研究を始めようという方や,言語学を始めてからまだ日が浅いという方が,「実験を用いた言語研究」の立場から言語について学び,科学的な研究を行えるようになるための入門書である。言語学,心理学,脳科学など多様な観点からの研究が取り上げられており,最先端の研究トレンドに触れながら言語学の基礎を固め,統計的な視点を養うことができる。
本書は次のような構成となっている。第I部(第1〜6章)では,言葉の世界を言語の単位(音,単語,文など)ごとに分けて紹介し,各章の前半でその章で取り上げる言語単位について知っておくべき基礎事項を解説する。各章の後半では,具体的な研究事例を掲載して研究手法や統計分析について紹介するとともに,興味深い言語現象なども取り上げる。第II部(第7〜12章)では,言葉の世界を運用の観点から分類し,解説する。第II部の各章も前半で基礎知識を身に付け,後半でより実践的な事例に触れられるような構成になっている。第III部(第13〜17章)では,言語の研究で有用な統計手法や統計ソフト,ならびにその使い方について,予備知識のない人にもわかりやすいように平易に系統立てて解説する。
各章末には,練習問題とさらに学びたい人のための文献案内が掲載されている。練習問題の答案ができたら,巻末の「解答の手引き」でチェックしてみてほしい。
発想とことばの関係を、日本語と英語で比較しながらやさしい「ことば探求」の旅に出発します。
言葉の表現で逸脱した用法が、かえって新鮮味をもち、新たな創造へのきっかけとなる。夏目漱石、川端康成などの近代作家の文例を、従来の文法規則論からではなく、認知言語学による新しいアプローチから考察する。