一二世紀のなかごろ、モンゴル族という、当時、未開の民としてこの世に生まれ、幼くして父を失う逆境の中から身を起こし、モンゴル族を統一して、東アジアや西アジアの文明地域を支配下に収め、ユーラシア大陸の大草原や諸都市を馬蹄の下に踏みにじり、文明の破壊とともに、東西交通の発展をもたらした成吉思汗。この成吉思汗についての著作は昔から数多いが、本書はそうした研究成果の上に立って、あえて著者自身の成吉思汗像を世に問おうとするものである。
『近思録』は、中国南宋の朱子とその友呂祖謙が、宋学の大先輩、四子の遺文の中から、学問思想の精髄を選りすぐって編纂したものである。十四の部門より構成され新儒学の入門書となっており、四子の学の梗概はほぼこの書に尽くされている。わが国でも江戸時代以降、知識者階層や経営者に広く読まれた。
中唐において行書碑を最も多くものした李北海の代表作。二王を学び、峻急縦逸な風趣を盛る。三井氏聴冰閣の旧蔵宋拓を初めて影印する。
大学に入学して初めての夏休み、窪沢充は双子の弟・光とともに、氏原家の別荘へ遊びにいった。幼馴染みで兄のように慕う基久、治久の双子兄弟の招待だ。その後、充は光が治久に貫かれているのを覗き見してしまう。「男同士なのに…」だが身体は光と治久の行為と同調するように疼いてきて、充は自らを慰めてしまう。それを知った基久は「覗き見する者にはおしおきが必要だ」と称して…!?一作ごとに異なる双子が登場して妖しき物語を奏でる超人気連作シリーズに、ついに双子×双子が登場!避暑地の別荘で、2泊3日の愛の宴が繰り広げられる。
元南町奉行所定町廻り同心の船頭・沢村伝次郎は、身投げしようとした直吉を救う。事情を聞いた伝次郎は直吉を助けることに。しかし、直吉が死ぬほど惚れている相手のお房には一緒になれない「事情」があった。お房の身辺を調べていくうちに浮かんできた衝撃の事実ー。一刀流の達人、伝次郎の豪剣は「情」を救えるか。江戸情緒そして涙あふれる人気シリーズ、待望の第五弾。
■冤罪に対し、なぜ弁明もせず絞首台に上ったのか?
日本・朝鮮・米国の歴史に翻弄されつつも、武人らしく生きた朝鮮人・帝国陸軍中将の記録。
洪思翊は、大韓帝国最後の皇帝に選抜されて日本の陸軍中央幼年学校に入学、(朝鮮王家以外では)朝鮮人として最高位の中将にまで出世した人物である。
しかし終戦直後から始まったフィリピン軍事裁判で、フィリピンの捕虜の扱いの責任を一方的に問われ、死刑に処せられた。
太平洋戦争に従軍した山本七平が、
・洪思翊中将が、アメリカをはじめとする連合国の軍事裁判の横暴さに対して、なぜ弁明もせず絞首台に上ったのか。
・そもそも生活に困っていたわけでもない朝鮮人エリートが、なぜ日本軍に入ったのか。
「忠誠」とは何か。
について問う。
■【「あとがき」からの抜粋】
「関心をもった」とか「興味をひいた」とかいう言葉は、使うには余りに深刻な問題だが、あえて「関心の的」がどこにあったかといかば、それは「法廷の場」である。洪中将の「無言」にはじめは軽い失望を覚えたが、この「無言の主役」をはさんでの検察側と弁護側との応酬、日本人証人の証言や「ヘイズ日記」等を読んでいくと、幾度か息詰るような場面が出てくる。
では一体、裁かれているのはだれなのか。洪中将なのか。否、それは一面では「日本的あいまいさ」とでも言うべきものである。日本は「ジュネーブ条約」を批准していない。批准しなかったのは洪中将の責任ではない。従って「ジュネーブ条約の第何条云々」で洪中将の責任を問うのは筋違いだ、こうはっきり明言できれば、それはそれですっきりする。
しかし「ジュネーブ条約は批准しない」が、「それに基づいて」とか「……の精神で」とか言うと、洪中将の責任の範囲がきわめてあいまいになってしまう。そしてこの「日本的あいまいさ」は、今も決して消えてはいまい。と同時に一種の不気味ささえ感ずるのが、アメリカ側の“形式論理”の積み重ねである。これを「リーガル・マインド」というのであろうか? それは最終的には実態から遊離した「論理を積み重ねた虚構のピラミッド」のように見えてくる。
だが、彼らにとってはこれが「事実」で、判決は同時にこの事実の確定なのである。ではこの「語られた事実」は果して「事実」なのか。ミー弁護人のいう「時の法廷」が裁くのはこの点で、裁かれているのはアメリカであろう。そしてこの「時」を体現していたかの如く無言で立つのが洪中将である。こういう視点で読むと、四十年前に行われたこの裁判はきわめて今日的であることに気づく。
美味しいものを食べたとき、たまたま観た映画に感動したとき、人の優しさに触れたとき、あるいは、落ち込んだとき…飾らない言葉で綴った、“ほんまの”語録集。
この本は、繰り返し使うことにより「思我力」が向上し、人生を切り開く力が増強されるように作られている! 若者から年配の方までぜひ読んでみてほしい。笠原和彦(楽天株式会社 執行役員 カード&ペイメントカンパニー ポイントパートナー事業長)
<はじめに>より
初めてこの本を手に取られた方は、まず「思我力」(オモワレリョク)というこれまでに見たことのないタイトルに、多かれ少なかれ興味を惹かれたのではないでしょうか? 本書において、この「思我力」は、“誰かに我(自分)のことを思ってもらえる力”と定義しています。もう少し詳しく説明するならば、「相手の心の引き出しの一番取り出しやすいところに、自分のことを入れておいてもらえる力」です。例えば次のような具体例が分かりやすいかと思います。
●ビジネス面では、何か新しいプロジェクトを発足する時、一番初めにあなたのことを考えてもらえる。
●プライベート面では、友達同士で宴会を開く、または旅行に行くという話が持ち上がった時、必ず一番最初に誘ってもらえる。
たぶん、多くの方がこんなことを思ったことがあるのではないでしょうか?「なぜ、アイツばかりにオイシイ話が舞い込むんだろう?」その理由はいたって簡単です。その人は、「思我力」を発揮して、周囲の人たちの「心の引き出しの一番取り出しやすいところに入れてもらっている」からなのです。
それでは、どのようにしたらその「思我力」を発揮することができるのでしょうか?
本書では、「思我力」を継続的に発揮し、自分の力で周囲を巻き込み、自分の未来を切り開いていく方法について、実例なども交えながら一緒に考えていきます。
第1章 あなたの人生を切り開く「思我力」とは?
第2章 相手の心の引き出しを開ける「思我力の発信」
第3章 相手の心の中に常駐する「思我力の継続」
第4章 思いもよらないワクワクする未来を引き寄せる「思我力の拡散」
付録 あなたの「思我力」を強化するワークシート
「The UKIYO-E2020-日本三大浮世絵コレクション」とイラストレーターのたなかみさき氏のコラボレーションアイテム。恋人に、友人に、お礼状に。ふとした気持ちを伝えるための一筆箋です。便箋には着物の柄の千鳥をあしらいました。
うちの上司は『受け顔』が似合う!
昼はOL。夜はBL(同人作家)の私、片岡結には副業以外にも秘密があった。それは、みんなが恐れる強面上司の伊佐木さんが私のBL同人ファンであること!私を推し作家と崇める彼は体を張って私に『素材』を提供し…!?BL同人作家×腐男子上司のシークレットオフィスLOVE開幕♥【ココでしか読めない描き下ろしマンガ&追加ページを大ボリュームで収録♪】
「記憶に傷がつくほどの衝撃を受けた」--綿矢りさ
「性暴力被害で自分を責めてしまう仕組みを理解できる本」--小川たまか
芸能界における未成年者への性虐待、学習塾や学校の教員など、権力者や教育者による子どもへの性虐待の報道が後を絶たない。本書に綴られているような出来事が次々と明るみになり、大人はどのように子どもを守っていけばいいのか、社会の構造的な問題について、様々なところで議論されている今こそ必読の書としてUブックス版で緊急出版する。
文学好きな房思キ(ファン・スーチー)と劉怡婷は、台湾・高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの妻子ある五十代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。異常な愛を強いられる関係から抜け出せなくなった房思キの心身はしだいに壊れていく……。房思キが記した日記を見つけた劉怡婷は、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知り、ある決意をする。
兄・頼朝に追われ、あっけなく非業の死を遂げた、源義経。一方、成人し、出世するまでの生い立ちは謎に満ちた大陸の英雄・成吉思汗。病床の神津恭介が、義経=成吉思汗という大胆な仮説を証明するべく、一人二役の大トリックに挑む、歴史推理小説の傑作。本編にまつわるエッセイの他、短編「ロンドン塔の判官」を併せて収録。
この本は、「近思録」の完訳です。「近思録」は、朱熹と呂祖謙によって編集され、西暦1176年に刊行された書物で、朱子学の入門書として長く広く用いられました。「近思録」には、四人の儒学者、周濂渓、張横渠、程明道、程伊川の言葉が厳選されて収録されています。四人は、それまでの儒学を刷新して、新しい儒学(宋学)を始めた人物です。朱熹は、その四人の思想を受け継ぎ、集大成して、儒学史上最高の哲学体系を作り上げました。それがいわゆる「朱子学」です。朱子学は、世間で思われているような「封建道徳」などではなく、簡単に言うなら、人の心を健全に育成し、世の中をよりよくしていくことを目指すヒューマニスティックな哲学です。
「The UKIYO-E2020-日本三大浮世絵コレクション」とイラストレーターのたなかみさき氏のコラボレーションアイテム。抗菌マスクケースとして話題の「わびさびファイル」とのコラボ商品です。チケットホルダーとしてもお使いいただけます。
台湾社会を震撼させた、実話にもとづく傑作
著者は1991年生まれの女性作家。デビュー作である本書に「実話を基にした小説である」と記したことから、著者の実体験なのではと大騒ぎとなった。刊行2か月後に著者が自殺。台湾社会を激震させた。
文学好きな房思キと劉怡婷は高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの50代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。そして異常な愛を強いられる関係が続くことになってしまう。房思キの心身はしだいに壊れていく。劉怡婷は、房思キが記した日記を見つけ、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知る……。
一方、同じマンションの最上階の裕福な家庭に嫁いだ20代の女性・伊紋の物語も同時に描かれる。伊紋は少女2人によく本を読んであげていた。だが実は夫からのDVに悩み、少女らに文学を語ることが救いとなっていたのだ。
人も羨む高級マンションの住民たちの実情を少女の純粋で繊細な感性によって捉えることで、社会全体の構造的な問題が浮かび上がってくる。過度な学歴社会、格差社会、権力主義の背後にある大人の偽善、隠蔽体質……。なぜ少女の心の声を大人が気づけなかったのか。文学の力とは何か。多くの問いを投げかける。