「般若心経」も諸本のうち、本書で取り上げている「般若心経(漢文本)」は日本、韓国、中国などの東南アジアでも広く知られている大乗経典の一つです。これはサンスクリットから漢訳された般若心経(玄奘訳、649年)で260字からなり、その梵本写本は奈良の法隆寺に所蔵されています。三蔵法師として有名な玄奘が中国語で翻訳する40年前の7世紀初頭(609年)に、遣唐使の小野妹子が持ち帰ったとされています。
本書はサンスクリット原文と玄奘の漢文本を比較対照しながら、漢文本にはないいくつかの部分を指摘し、さらに般若心経の翻訳において最も重要なキーポイント、言語に対する知識や辞書的な意味だけでは正しく理解できないという点を指摘しています。漢訳本だけでは理解しきれない部分を、サンスクリット原文に基づいて意味を把握することで、その意味がより明確に理解できます。
漢訳本が基で読まれてきた般若心経を、サンスクリット原文から見るという視点で読み解いている画期的な般若心経の研究書です。
研究者の間で待ち望まれていた韓国で大評判になった般若心経の研究書が待望の日本で発行です。
【目 次】
はじめに
・悟りに至る21世紀のロードマップを祈願して .
・改訂版に付して
第1部 韓国語『般若心経』の必要性
1 韓国語にダルマがない .
2 翻訳をするにあたって
3 韓国語『プラジュニャー・パーラミター・フリダヤ・スートラ』
4「 私はこのように聞いた」について
5《 般若心経》の注釈について .
6 インド人・Xの『般若心経』
第2 部 プラジュニャー・パーラミター
1プラジュニャー・パーラミター・フリダヤ・スートラ』の訳文
. 2プラジュニャー・シーラ・サマーディ
3 実体が空いている・見抜く・五つのスカンダ
4 サッカーヤ・サンカーラ .
5 空いていること:空
6 最初の「ここでは」
7 ゴータマの瞑想について
8 身体的・言語的・精神的活動
9 違わないこと .
10 二番目の「ここでは」
11 空いていることの特徴 .
12「この空いていること」
13 無色界の「空いていること」
14 ゴータマの「悟りの三つの科学」
15 フラジュニャー パーラミター
第 3 部 ニルヴァーナの頂上に向かって
1「曇りなく澄んだ心」
2 ブッダになるためのアヌッタラ・サムミャク・サンボーディ
3 マントラの声 .
4 韓国語《般若心経》
付録
・解脱の障害物10 種の足かせ
・漢文『般若心経』
・サンスクリット『般若心経』
エピローグ
・ゴータマブッダが教えた目覚めへの道、それと変わらない
キム・サチョル
・人間の暮らしの価値を把握できるようにしてくれた5人の私の師匠
ファン・ギョンファン
推薦の文
・瞑想で悟りの要諦を .
・縦糸と横糸のように編みこまれた .
わたしは他者、他者はわたし!
わたしは社会と呼応して生きている!
ここに、なぜ現代人は複数の「自分」を持つのかの答えがある。「自分とは何か」という根本的な問いに社会的側面から答える理由がある。
本書では8名の「自分史」分析を読みながら、「自分とは何か」を考えていく。中では、個人の自我の約7割が社会的特性で構成されることが確かめられている。また、理論的にはミードの社会的自我論が再解釈され、客我・主我論を超える「第三の自我=他我」が提示されている。自我形成は、家族・教育・地域文化などの重層的な社会的影響により、一者関係→二者関係→三者関係として段階的に発展する動的プロセスであることが明らかにされている。
客我・主我・他我の三層構造として、自我が複数の社会的作用源から重層的・動的に形成される「ソーシャル・セルフ(社会関係自我)」モデルが構築されている。これにより、自我の複数性・複合性が自我の社会性に原因のあることが明らかにされている。
本書の核心的貢献は、ミードの社会的自我論を再解釈し、客我・主我に加えて「第三の自我=他我」を提示した点にある。他我とは、対話を通じて他者の内面を直接理解し、社会全体の態度を内面化する能力を指す。
従来のソーシャル・キャピタル理論が外的関係性に焦点を当てていたのに対し、「内的ソーシャル・キャピタル」としての他我概念を提示。哲学上の「他我問題」への独自アプローチとして位置づけられ、自我の三層構造による重層的かつ複合的な形成プロセスを理論化した。
他者との関係性を考えることから、自分の人生を見つめ直すことができる。自分史を書こうとしている人、「自分とは何か」について考えたい人、自分がどのようにして社会との関係を結んできたのかについて知りたいと考えている人に勧める。
東日本大震災の教訓を踏まえて創設された地区防災計画制度。この制度に基づく地区防災計画づくりを通じて、コミュニティの活動が活発になり、全国で社会変動が起きている。住民等を主体とした防災計画づくりの仕組みが、西日本豪雨、東日本台風、コロナ禍、能登半島地震等の大災害で多くの住民の命を救い、現在では1万を超えるコミュニティで住民による防災計画づくりが行われている。住民の自発的な合意形成と、学校、公民館、社会福祉協議会、女性会、地元企業、NPO等の多様な主体との連携を特徴とする計画づくりは、住民の命を救うだけでなく、地域活動の活発化によるソーシャル・キャピタルの醸成にもつながっている。
防災というと、敷居が高いとか、自分は関係ないと考えられがちであるため、コミュニティの日常生活に防災活動を埋め込んでいくことで、防災を強く意識しない形で取り組めるようにすることが重要である。伝統的な祭りには、実は普段意識されていない防災機能が埋め込まれている。例えば、福岡県の博多祇園山笠は、過去の洪水氾濫において祭りの最中に男衆が防災活動を実施した歴史があるし、秋田県のなまはげは、支援者となる若者が家々をまわり、祭りを通じて要支援者名簿を作成する仕組みを内包している。コミュニティの祭りに隠された防災機能は、祭りの組織や集団、それを支える制度、空間、道具等のほか、祭りの準備や実施のための年中行事が、平常時においても、発災時においても、災害後の復旧・復興期においても、密かに住民の活動の中に埋め込まれる形で防災機能を果たしている。祭りの他にも河川の清掃活動、ラジオ体操、運動会、福祉活動など多様な活動と連携した防災活動に注目したい。
本書は、災害の頻発化・激甚化やコロナ禍のような疫病への対応が求められ、住民の防災意識が高まっているなかで、災害という自然現象や発災後の社会だけを対象とするのではなく、住民の命や財産を守るため、災害発生前のコミュニティによる防災活動に注目した研究の成果である。災害と社会の関係を論じるに当たっては、行政的な施策が住民にどのように受け止められ、どのような効果を発揮しているのかについて検証することが欠かせないが、従来の社会学ではほとんど手が付けられてこなかった。そこで、行政によって導入された地区防災計画をテーマに、住民が主体となった計画づくりをはじめとするコミュニティ防災活動に注目し、その社会的影響を著者がコミュニティの地区防災計画づくりの現場で行ったインタビュー調査等によって収集したデータや、地区防災計画学会と連携して実施したオンラインアンケート調査のデータ等を利用して、質的分析と量的分析を統合した混合分析を行う。
稀代の天才漫画家・一ノ関圭、出色の初自選
2025年に画業50周年を迎える一ノ関圭の全作品の中から、作者自らが厳選した9作品を、原画から最新のデジタル技術によって、さらに美しく蘇らせた初の自選集です。自選作品の選出理由も、インタビューにて掲載します。
【本書の内容】
●収録タイトル:これまで描いた全作品の中から、作者自らが厳選した9作品を掲載。
●インタビュー:作者自らが語る、各作品の選出理由や作品にまつわるエピソード。
●描き下ろし:カバーイラスト、中扉イラスト。
●イラストギャラリー:これまで描いたイラストの中から、作者自らが厳選して掲載。
自分のなりたい姿に変身できる薬物《KAFKA-カフカー》。刑事の六木は、自分の中に眠る「彼」に変身して、薬物カフカの関与する事件を次々に解決していきながら、この薬物が「丸瀬製薬」と深く関係していることを突き止める。一方、警視庁でも不穏な動きを見せる者もいてーー
刑事の六木左博(むつき・さばく)は、元カノとの再会をきっかけに、のちに日本中を揺るがす薬物事件に巻き込まれる。
その薬の名は《カフカ》。人の欲望を具現化しつつ、服用者の身を喰い、最期は燃えながら姿形がなくなっていく、とんでもない麻薬だった。
「守りたい」「死にたくない」「カフカの真相を知りたい」
「俺だけが生き残ってしまったからこそ、この命の意味を証明したい」
その時、六木の中にいる”欲を喰う怪物”が目を覚ましたーー
BL同人作家兼OLの私・片岡結と、私のファンである強面上司・伊佐木さん。2人の腐思議な関係は徐々に進展していき、特別な感情が芽生えていく。伊佐木さんへの気持ちが抑えきれなくなった私は、遂に思いを打ち明け…。シークレットオフィスLOVE、感動の最終巻♥♥
兄・頼朝に追われ、あっけなく非業の死を遂げた、源 義経。一方、成人し、出世するまでの生い立ちは謎に満ちた大陸の英雄・成吉思汗。病床の神津恭介が、義経=成吉思汗という大胆な仮説を証明するべく、一人二役の大トリックに挑む、歴史推理小説の傑作。本編にまつわるエッセイの他、短編「ロ ンドン塔の判官」を併せて収録。
〈巻末エッセイ・島田荘司〉
元南町奉行所定町廻り同心の船頭・沢村伝次郎は、身投げしようとした直吉を救う。事情を聞いた伝次郎は直吉を助けることに。しかし、直吉が死ぬほど惚れている相手のお房には一緒になれない「事情」があった。お房の身辺を調べていくうちに浮かんできた衝撃の事実ー。一刀流の達人、伝次郎の豪剣は「情」を救えるか。江戸情緒そして涙あふれる人気シリーズ、待望の第五弾。
名著『逝きし世の面影』の著者が若き日より心の拠りどころとし、生きる糧としてきた詩歌を厳選・紹介しながら私的昭和史を綴る、珠玉の歴史・文学エッセイ。
思想家・渡辺京二が自らの半生を振り返るなかで、若き日より心の拠り所としてきた日本の詩歌を厳選・紹介する珠玉のアンソロジー。
中唐において行書碑を最も多くものした李北海の代表作。二王を学び、峻急縦逸な風趣を盛る。三井氏聴冰閣の旧蔵宋拓を初めて影印する。
文化の結節点たる琉球においては、琉球語のみならず漢語・和語による諸種の文学作品が華ひらいた。それらは、琉球という場のもつ広がりを示す貴重な歴史資料でもある。
十八世紀前半期は、琉球王府による歴史資料の編纂事業が集中し、文芸が盛んな時代であった。氏族の歴史叙述が本格的に始まり、正史や地誌の編纂も行われた。家譜と正史、地誌の叙述により、物語としての歴史が作られていく。また、それと並行して、御取合(交際・交流)の文学としての和文学も展開した。
本書では、そのような時代に成立した6編の作品を取り上げ、校訂本文に注釈・現代語訳を付し、解説を加える。
琉球をどのように叙述し、どう認識させようとしているのか。琉球の歴史や地誌をどのような枠組みで描こうとしているのか。
琉球の歴史伝承叙述の意味づけを考える上で重要な作品を読み解く。
序文 『琉球文学注釈』-十八世紀前半期の文芸興隆
凡例
佐銘川大ぬし由来記
解説/本文/現代語訳/注釈
周藺両姓記事
解説/本文/現代語訳/注釈
思出草
解説/本文/現代語訳/注釈
浮縄雅文集
解説/本文/現代語訳/注釈
雨夜物語/永峰和文
解説/本文/現代語訳/注釈
あとがき
参考文献一覧
著者紹介
法相教学確立に大きく貢献した鎌倉時代の解脱房貞慶。
論義研鑽を通じて仏道理論を構築すべく撰述された代表作『尋思別要』の論義テーマ七十余条のうち二十九条について翻刻・訓読・語註・解説を掲載する翻刻読解研究書。
《目次》
第一部 総 論
第一章 法相教学の相承と展開
序 節 はじめに
第一節 中国における唯識仏教の展開
第二節 古代・中世法相教学相承史(一)--論義形成期の唯識学匠(奈良時代篇)--
第三節 法相宗における論義法会
第二章 貞慶撰『唯識論尋思鈔』の編述・諸本・構成
序 節 論義抄の成立
第一節 蔵俊撰『菩提院鈔』の撰述
第二節 『唯識論尋思鈔』の編述
第三節 『唯識論尋思鈔』の諸本
第四節 『唯識論尋思鈔』の構成
第二部 『唯識論尋思鈔』の翻刻読解研究
第一章 種 姓 段(論第一巻)
第二章 縁 起 段(論第一巻)
第三章 総標段・賢聖段(論第一巻)
第四章 教 体 段(論第一巻)
《執筆者》
小野嶋祥雄、魏藝、楠淳證、間中定潤、後藤康夫、高次喜勝、西山良慶、蜷川祥美、舩田淳一、村上明也、吉田慈順
序 辞
凡 例
第一部 総 論
第一章 法相教学の相承と展開
序 節 はじめに
第一節 中国における唯識仏教の展開
第二節 古代・中世法相教学相承史(一)--論義形成期の唯識学匠(奈良時代篇)--
第三節 法相宗における論義法会
第二章 貞慶撰『唯識論尋思鈔』の編述・諸本・構成
序 節 論義抄の成立
第一節 蔵俊撰『菩提院鈔』の撰述
第二節 『唯識論尋思鈔』の編述
第三節 『唯識論尋思鈔』の諸本
第四節 『唯識論尋思鈔』の構成
第二部 『唯識論尋思鈔』の翻刻読解研究
凡 例
第一章 種 姓 段(論第一巻)
第一節 大悲闡提
第二節 一乗五姓了不了義
第三節 証果廻心
第四節 摂論十義
第五節 楞伽声聞乗姓
第六節 定姓比量
第七節 無性比量
第八節 無余廻心
第二章 縁 起 段(論第一巻)
第一節 帯質通情
第二節 変似我法
第三節 定障伏断
第四節 若論顕理
第五節 安恵許五識有煩悩歟
第六節 西明意釈二障躰
第七節 又不知親証
第八節 無間解脱同断一障
第九節 仏所得法而皆得
第十節 一意識計
第十一節 有境無心
第三章 総標段・賢聖段(論第一巻)
第一節 由仮説我法
第二節 第九識躰(「安慧論師意可許因位無漏心有執耶」の問文含む)
第三節 軌在有法
第四節 二向不定
第五節 随信随法
第四章 教 体 段(論第一巻)
第一節 無性教体
第二節 護法教体
第三節 推功帰本
第四節 護法出世
第五節 清弁有境無心
編集後記
執筆者一覧
十二世紀のなかごろ、モンゴル族としてこの世に生まれ、幼くして父を失う逆境から身を起こしてモンゴル族を統一し、東アジアや西アジアの文明地域を支配下に収め、ユーラシア大陸の諸都市を馬蹄の下に踏みにじり、文明の破壊とともに東西交通の発展をもたらした成吉思汗。
この成吉思汗についての著作は昔から数多いが、本書はそうした研究成果の上に立って、あえて著者自身の成吉思汗像を世に問おうとするものである。
目次(内容と構成)
序
1 草原の世界
2 王者への道
3 世界の征服者
終章 成吉思汗ーその人と国家
あとがき
年譜
参考文献
さくいん
一二世紀のなかごろ、モンゴル族という、当時、未開の民としてこの世に生まれ、幼くして父を失う逆境の中から身を起こし、モンゴル族を統一して、東アジアや西アジアの文明地域を支配下に収め、ユーラシア大陸の大草原や諸都市を馬蹄の下に踏みにじり、文明の破壊とともに、東西交通の発展をもたらした成吉思汗。この成吉思汗についての著作は昔から数多いが、本書はそうした研究成果の上に立って、あえて著者自身の成吉思汗像を世に問おうとするものである。
「記憶に傷がつくほどの衝撃を受けた」--綿矢りさ
「性暴力被害で自分を責めてしまう仕組みを理解できる本」--小川たまか
芸能界における未成年者への性虐待、学習塾や学校の教員など、権力者や教育者による子どもへの性虐待の報道が後を絶たない。本書に綴られているような出来事が次々と明るみになり、大人はどのように子どもを守っていけばいいのか、社会の構造的な問題について、様々なところで議論されている今こそ必読の書としてUブックス版で緊急出版する。
文学好きな房思キ(ファン・スーチー)と劉怡婷は、台湾・高雄の高級マンションに暮らす幼なじみ。美しい房思キは、13歳のとき、下の階に住む憧れの妻子ある五十代の国語教師に作文を見てあげると誘われ、部屋に行くと強姦される。異常な愛を強いられる関係から抜け出せなくなった房思キの心身はしだいに壊れていく……。房思キが記した日記を見つけた劉怡婷は、5年に及ぶ愛と苦しみの日々の全貌を知り、ある決意をする。