本書では、日本語の格助詞に関するこれまでの認知言語学的研究を再検討し、格助詞の習得や使用に関する研究やデータをできる限り参考にしつつ、第二言語としての日本語教育への応用を試みる。
世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。言語の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。
言葉の表現で逸脱した用法が、かえって新鮮味をもち、新たな創造へのきっかけとなる。夏目漱石、川端康成などの近代作家の文例を、従来の文法規則論からではなく、認知言語学による新しいアプローチから考察する。
あらゆる言語表現には話し手の認識や判断が含まれるが、その全体像を一貫した立場で明らかにしている言語理論は認知言語学が登場するまで存在しなかった。本書では、認知言語学が言語の問題と認知の問題をどのように結びつけ、どこまで明らかにできたのか、具体的に示している。
身近な話題をもとに、言語学のおもしろさやと分析の方法をやさしく解説。言語に関心を持っているすべての人におくる画期的な入門書・教科書。
絶えず変化するコンテクストの中で私たちは構文を創造的に使用する。しかしその一方で「言えそうなのに言わない」表現が存在する。たとえば explain me this は言えそうなのに英語母語話者は言わない。創造的でありながら制約が多い言語を子どもや大人はどのように学習するのか。本書はさまざまな構文の実例や実験研究をわかりやすく解説しながら、この問いを探ってゆく。構文文法を初めて学ぶ読者にも薦められる一冊。
原著: Adele E. Goldberg(著)Explain Me This: Creativity, Competition, and the Partial Productivity of Constructions
訳者まえがき
はじめに
謝辞
第 1 章 序章
1.1 言語学者と心理学者を悩ませる難問
1.2 本書の構成
1.3 CENCE ME の原則
1.4 効率と表現性を大切にする従順な話者
第 2 章 語の意味
2.1 意味は豊かで構造的で部分的に曖昧
2.2 膨大な潜在記憶
2.3 慣習的に関連しあう意味
2.4 創造性
2.5 競合が語の意味を制限
2.6 学習と流暢さが過剰一般化を抑制
2.7 まとめ
第 3 章 構文はカテゴリ化への招待状
3.1 意味(意味論)
3.1.1 エビデンス
3.1.2 構文彙(コンストラクティコン)
3.1.3 適合性
3.2 形式(統語論)
3.3 音声パタン(音韻論)
3.4 談話文脈(情報構造)
3.5 社会的文脈
3.6 地域差
3.7 言語差
3.7.1 一参与者の事態
3.7.2 二参与者の事態
3.7.3 三参与者の事態
3.7.4 連続動詞をもつ言語
3.8 構文は(再帰的に)結合する
3.9 まとめ
第 4 章 創造性:カバレッジの重要性
4.1 知識と記憶
4.2 言語の記憶
4.3 項構造構文における動詞
4.4 項構造構文の名詞句スロットはなぜ開放型か
4.5 単純な定着
4.6 創造性と生産性
4.7 カバレッジ:部分的に抽象的な事例のクラスタ
4.7.1 エビデンス
4.7.2 トークン頻度
4.8 カバレッジのモデル化
4.9 まとめ
第 5 章 競合:統計的先制
5.1 形態と意味の制約
5.2 統計的先制
5.3 エビデンス
5.4 リキャスト
5.5 Explain Me This 問題
5.6 確率計算
5.7 二次的要因:確信度
5.8 メカニズム:エラー駆動型学習
5.9 統計的先制におけるカバレッジの重要性
5.10 まとめ
第 6 章 年齢とアクセシビリティの効果
6.1 幼児は保守的である
6.2 幼児は言語産出を単純化しやすい
6.3 足場かけが早期の抽象化を促進
6.4 大人の英語学習者はなぜ間違い続けるか
6.4.1 強く定着した L1 が表象領域を歪める
6.4.2 文法形式を予測する能力の低さ
6.5 まとめ
第 7 章 選ばなかった道
7.1 動詞と構文の適合性で説明できるか
7.2 見えない素性や深層構造に説明力はあるか
7.3 定着による保守性
7.4 許容限度と十分量の値は説明変数となるか
7.5 機能を無視して頻度に注目するとは
7.6 記憶容量と生産性は反比例するか
7.7 先制される形式は生み出されなくてよい
7.8 十分量のデータを経験
7.9 まとめ
第 8 章 現在地とこれから
参照文献
訳者解説
索引
著者紹介
訳者紹介
この書籍は大学の授業で使用することを前提に作られた教科書です。
そのため書籍内に掲載されている練習問題の解答や、日本語訳等のご用意は一切ございません。
その点をご了承いただいた上でご購入下さいますようお願い致します。
それは、シュトラーレンの「翻訳者の家」
「あなたがどの国から来ても、どんな言語の翻訳者でも、ここはあなたを受け入れます。じっくりと翻訳に専念していってください。」
ドイツの果ての町で、翻訳者のためのユニークな場所と出会った著者による、トランスレーター・イン・レジデンスのすすめ。
これまで日本語や外国語の習得研究は、事例を使った「直感」的な研究が多かった。しかし、特定の表現だけで現象を説明しようとすると、視点が偏りがちになる。そこで本書では、「直感」で推論された仮説を、コーパス、テスト、実験などで集めたデータを統計的に解析して「実証」するというアプローチの研究を、詳細な解説を含んで8つ掲載した。
執筆者:王蕾、斉藤信浩、張婧禕、初相娟、早川杏子、毋育新、毛文偉、大和祐子
まえがき
第1章 待遇表現の授業効果の検証
ー対応のあるサンプルの t 検定による検討ー
毋 育新
第2章 初級中国人日本語学習者のテ形習得のメカニズム
ー反復のある分散分析と単純対比による比較ー
初 相娟
第3章 テキストの読み処理過程の解明
ー学習者はどのように日本語のテキストを読むかー
大和 祐子
第4章 反応時間実験パラダイムによるバイリンガルモデルの検証
ー中日バイリンガルを対象にー
早川 杏子
第5章 回帰分析による因果関係の証明
斉藤 信浩
第6章 ブランドネームの知覚モードを介した態度形成のメカニズム
ー質問紙調査へのデータフィッティングの適用ー
王 蕾
第7章 夏目漱石の中・長編小説14篇の文章特性分析
ーテキスト分析のための統計手法ー
毛 文偉
第8章 語彙習得における外国語としての日本語学習者の特性分類
ーIBM SPSS Statistics と R によるクラスタ分析の紹介ー
張 婧禕
索引
編者および著者の紹介
国内外の第一線の研究者たちが、生物言語学・生成文法研究の最新の展開を踏まえ、次世代の言語科学のための確かな道標となるよう書き下ろした15編の論文を収録。統語論、言語脳科学、言語獲得研究、言語心理学、言語進化研究などの多角的視点からこれまでの言語研究を問い直して新たな地平を切り開く、わが国では初の本格的な生物言語学論考である。
男子大学生たちの会話、ウェブサイトの書き込み、テレビCMでの「っす」言葉の使われ方を分析し、単なる若者言葉だとみなされている「っす」言葉が実にさまざまな表現を担っていることを社会言語学の視点から明らかにする、初の「っす」言葉研究書。「っす」言葉は正しい日本語ではないと思っておられる紳士淑女の皆様、本書を読めば、「っす」言葉からのぞいたワールドには思いがけず豊かな世界が広がっていることがわかります。
第1章 「ス体」という言葉づかい──形成過程・言語要素・イデオロギー
第2章 男子大学生の「ス」の使い方──親しい丁寧さ
第3章 メディアのことば──ことばの表象と社会変化
第4章 「ス」は丁寧語じゃないっす──ウェブサイト『発言小町』における評価
第5章 男性がテレビCMで使う「ス体」──主導的男性性の揺らぎと維持
第6章 女性がテレビCMで使う「ス体」──新しい女性性の創造?
第1部では、現代言語学の原点であるソシュールの言語学のわかりやすい紹介と、『一般言語学講義』とエングラーの校訂本を精確に読むことでソシュール論の核心をなすラングの本質を明らかにする。第2部では、やさしくみえても特異な文体のために時として不可解なサピアの『言語』を論理的に読み解き、印欧比較言語学の方法論を批判的に展開するサピアの言語史論の全体像を明らかにする。