手塚治虫のストーリー漫画や長谷川町子の四コママンガはどこからきたか。コマを送るストーリー漫画の画期的なスタイルが生み出されたのは、大正デモクラシーの時代だった。現代コミックへとつらなるマンガ出生の物語。
近世の大名は、時々国元へも帰ったが一生の大半を江戸で過ごした。殿様の仕事と経費、行事と儀礼、食事と献立など、暮らしの実態を克明に描く。隠居後の贅沢な食道楽と遊興は、グルメの現代人をも驚かせるものがある。
紀元前より琉球処分の行われた1879(明治12)年までの、政治・経済・社会・文化全般にわたる日本の対外関係項目36000余を収録した年表。対象地域は、蝦夷、琉球、朝鮮、中国や東南アジア、欧米諸国など。各項目には典拠を示し、原典に遡って史料を確認できるようにした。
七福神の一人として著名な毘沙門天像は、シルクロードの東西文化交流によって生まれたことを初めて解明。従来の定説を超越し、わが国の古代文化の源流の一つがギリシア・ローマ文化までさかのぼることを実証する。
人はいつから畳の縁を踏めなくなったのか。弓馬や軍陣のしきたりを始め、立居振舞い、手紙の書式などの作法を故実というが、室町期の武家故実を通して中世武士の姿や動作、人生儀礼を生き生きと甦らせる類のない一冊。
平安時代後期の摂政・関白。白河院による関白罷免と籠居を経験、復権後は次男頼長を支援して嫡男忠通と対立、摂関家を分裂させる。その一方で、院や院近臣の圧力に抗しながら衰勢の摂関家を支え、荘園や武力を集積して中世の摂関家の基礎を築いた敏腕の政治家でもあった。失脚と復権を経て保元の乱後の幽閉に至る波乱の生涯と、その人物像を描く。
ナチスの戦争犯罪が裁かれた街ニュルンベルク。だがこの街はナチスの全国大会が開かれた光あふれる祝祭空間であると同時に、ユダヤ人強制移送の暗黒の舞台でもあった。大衆運動としてのナチズムを新視点から描く。
九州柳川藩の祖。大友宗麟配下の一武将から豊臣秀吉によって大名に取り立てられる。関ヶ原の敗戦で浪人となるが、徳川秀忠の下、再び大名として返り咲き、晩年家光に重要された。従来、軍記による武勇伝が流布してきたが、一次史料を駆使し生涯を描いた初の伝記。戦国大名島津氏らとの抗争、加藤清正や細川氏との交流なども浮き彫りにする。
幕末のパリ万博で、赤十字に感銘を受けた日本人がいた。西南戦争の最中、博愛社を創設し、日本赤十字社に発展させ事業を推進、看護婦の養成に力を注ぐなど、知られざる功績と赤十字の事業や歴史を辿り、実像に迫る。
「国家のためなら悪魔にも魂を売ることを辞さない」革命家スカルノ。光と影を併せ持つ生涯から母国独立への波乱の道程を描き、戦中・戦後に関わった様々な日本人を浮彫りにする。現代インドネシアの背景理解に最適。
皇室・公家・政治家・軍人・実業家・思想家・社会運動家・学者・宗教家・文学者・文化人・芸能人など幕末から現代までの重要人物4500人を収録した人名辞典。詳細な解説はもとより墓所や著書も収載、充実した参考文献欄など調査研究に役立つ情報を満載。人名に限らず、事項・文献からも検索できる索引を付載。
村や町で生活する名もなき庶民は、いかにして兵士となっていくのか。規律と健康の強制、昇進を求めての競争。その果てに、ある者は無事除隊して故郷に迎えられ、ある者は戦場の露と消えて国家によって慰霊されていく。若者が軍隊生活によって、その身体に刻印していったものとは何なのか。兵士たちのライフサイクルから、国民軍の幻想性を描き出す。
東京は江戸が単に変化したのではない。遷都でなく京都と並立する奠都として位置付けられた明治維新期から、関東大震災・戦時体制をへて現代まで、東京の諸問題への人々や行政の対応と激動の歩みを描く“東京”入門。
南太平洋の島々で生きるポリネシア人の祖先は、アジアからのモンゴロイドだった。彼らはアジアのどこから来たのか。不思議な文様土器を持つ幻の民族ラピタ人とは。先史人類学の視点で描く、海の民の壮大な歴史ドラマ。
全国各地で掘り出された銭は何を語るのか。皇朝十二銭や備蓄銭、埋葬に用いられた六道銭などから、貨幣流通史の復元や銭と人々との多様な歴史的関わりを鮮やかに解明。考古学の視点から、銭の新たな歴史的価値を説く。