'なぜこれほどまでに女性差別がなくならないのか。
「森発言」とその経緯は日本社会の女性差別の根深さをあぶりだし、世界中にさらけ出しました。ジェンダーギャップ指数でも、とりわけ政治や経済活動の意思決定の場に女性が非常に少ないことから、日本は156か国中120位と低迷を続けています。
医学部入試で全国的にあからさまな女性差別が行われていたことは衝撃でした。「女性活躍」と言いながら女性に家事・育児・介護労働を押し付け、非正規雇用で安価な労働力として駆り出し、コロナ禍では女性の失業や、女性へのDV、女性の自殺も増加しました。選択的夫婦別姓も進まず、性暴力犯罪に関しても、加害者免罪・被害女性バッシングが続いています。主従関係を表す「主人」という言葉が夫を指す丁寧語として通用しているのが日本社会の現状です。
どうしたら女性差別をなくせるのか、改めて考えたいと思います。
<巻頭グラビア>ひめゆり平和祈念資料館がリニューアルオープン <特集>・山崎摩耶 政治の場におけるジェンダー平等の現状と展望 ・竹信三恵子 コロナ禍で女性たちに何が起きたか ・杉浦浩美 なぜマタニティ・ハラスメントはなくならないのか ・インタビュー 周藤由美子さん「不同意性交を犯罪に」 ・インタビュー 佐藤倫子さん「医学部入試における女性差別は絶対に許さない! ・「森発言」を改めて検証する〜特集解題にかえて〜 ・書評『女性のいない民主主義』『なぜ女性管理職は少ないのか』 ・映画紹介「SNS」 ・動画紹介「セーフアボーションデー 堕胎罪なくそ!」 <連載>康玲子「時代の曲がり角で」 ほか
トランスジェンダー生徒が直面する困難は学校がつくりだしている!
教室の中で性別カテゴリーが構築される過程でトランスジェンダー生徒はどのような困難を抱えさせられるのか、その困難を軽減するためにどのような実践をおこなうのか。行為主体としてのトランスジェンダー生徒の姿を描く。
……
マイノリティが排除される過程と生徒たちの日常的実践を通して「学校文化」を問う必読の書!
はじめにーー本書を書くにいたった個人的な背景
序章 研究の背景と本書の目的
1 トランスジェンダー生徒をめぐる社会的背景
2 本書の目的
第1章 先行研究の検討と本書の分析視角
1 トランスジェンダー生徒はどのように語られてきたか
2 学校教育とジェンダー
3 本書の分析視角
第2章 調査の概要
1 私のポジショナリティ
2 研究の対象
3 調査協力者の5つの局面とその時代背景
第3章 トランスジェンダー生徒に対する学校の対応と当事者からの評価
1 何にもそんな言葉ないから「自分変なんや」みたいなーートランス男性のハルトさん
2 性別をおしつけるも何も、性別なかったですーートランス女性のツバサさん
3 「したい」っていう選択肢なんてないですよーートランス男性のススムさん
4 そういうちょっとしたことをやってもらうだけで自分はうれしかったなぁーートランス男性のユウヤさん
5 なんかもうすべてが「もうええわ」ってなりましたねーートランス男性のシュウトさん
6 直接聞いてきてくれたのが、すごいうれしかったーートランス男性のユウキさん
7 新しい前例としたらおかしくないでしょうーートランス女性のキョウコさん
8 あれがなかったらなかったで、こうならなかったーートランス男性をやめたアキさん
第4章 学校の性別分化とトランスジェンダー生徒のジェンダー葛藤
1 ジェンダー葛藤が強まる過程
2 「言語化」「カミングアウト」「出会い」「要求」
3 ジェンダー葛藤を弱める要素
4 「性別にもとづく扱いの差異」によって設定される性別カテゴリーの境界線とジェンダー葛藤
5 おわりに
第5章 トランスジェンダー生徒による性別移行をめぐる日常的実践
1 研究の対象と方法
2 ユイコさんの教室内の所属グループと他者からの性別の扱い
3 ユイコさんの語りから見た教室内に働くAGABの強制力と性別カテゴリーの境界線の変遷
4 おわりに
第6章 トランスジェンダー生徒による実践しない「実践」
1 研究の対象と方法
2 マコトさんの語りに見る女子グループへの参入過程
3 マコトさんによる実践しない「実践」
4 おわりに
終章 トランスジェンダー生徒の学校経験から見えてきたこと
1 性別カテゴリーへの「割り当て」に着目することの意義
2 AGABの強制力と性別カテゴリー内の多様な位置どり
3 トランスジェンダー生徒の実践が意味すること
4 トランスジェンダー生徒が包摂される学校であるために
あとがきーー「はじめに」のその後
文献
ハビトゥスからジェンダー論まで。修道士もおこなっていた看護がいつか母性という評価にすり替り、そこに「女性」がとりのこされた理由を、ブルデュー理論と、フランス社会史を遡行しながら探る。
歌右衛門・藤十郎・玉三郎・・・徳川幕府が歌舞伎に女優が出演することを禁じたため誕生した女形は、その特異な運命をくぐりぬけて今や歌舞伎の最大の魅力となっている。人気サイト「歌舞伎素人講釈」の著者が歌舞伎の歴史全体の流れを踏まえ、ヨーロッパ美学論を駆使しながら女形の魅力を語る、まったく新しい歌舞伎論!!
日本では、政治の世界も経済の世界も、意思決定層は「日本人、男性、シニア」と極めて均質である。二〇一九年一二月、世界経済フォーラムから発表されたジェンダー・ギャップ指数で、日本は調査対象の153カ国中121位、過去最低の順位となった。女性リーダーの少なさが、下位低迷の大きな要因だ。海外各国では働く女性の現況に危機感を抱き、変化を加速させている。意思決定層に女性を増やさないと、日本は変わらない。いや、それどころか、このまま沈んでしまうー。四半世紀にわたって女性リーダーの取材を続けてきた著者が、国内外の女性役員にインタビュー。「生の声」には、これからの時代を生き抜くヒントが眠っている。
私たち家族を呼び寄せるために母はインドを離れた……。稼ぎ主(breadwinner)としての女性の先行型移住は,移住後の労働,家庭,コミュニティにおけるジェンダー関係をどう変容させたか。国際社会学会会長M・ブラウォイによる緒言,監訳者による訳者解題も収録した充実の一冊。
第1章 女が先に移り住むときのジェンダーの矛盾
第2章 労働ーー看護、女のネットワーク、そして「杭につながれた」男たち
第3章 家庭ーー移民家族におけるジェンダーのやりなおし
第4章 コミュニティーーリトル・ケーララの創造と教会で「遊びに興じる男」のパラドクス
第5章 トランスナショナルなつながりーー移民コミュニティの双面神的生産
第6章 結論
訳者解題
トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。
◆目次◆
第1章 トランスジェンダーとは?
第2章 性別移行
第3章 差別
第4章 医療と健康
第5章 法律
第6章 フェミニズムと男性学
◆著者略歴◆
周司あきら(しゅうじ あきら)
主夫、作家。著書に『トランス男性による トランスジェンダー男性学』、共著に『埋没した世界 トランスジェンダーふたりの往復書簡』。
高井ゆと里(たかい ゆとり)
倫理学者、群馬大学准教授。訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題 議論は正義のために』、著書に『ハイデガー 世界内存在を生きる』。
北欧福祉国家5カ国の発展過程には大きな相違がみられる。この点を踏まえ、本書では、ジェンダー、地方分権などの様々な社会的側面と、多元性と類似性をもたらした100年以上にわたる政策協調の歴史の2点を軸に、政治学、社会学、歴史学、経済学等の様々な視点から、「北欧モデル」の実相を明らかにしていく。移民問題等が生じる現代における持続可能性を検討した一冊。
その活動・理論は、単に男女間の数的変化にとどまらず大学の教育・組織・管理運営の全てを変容させ、社会全体の平等化の牽引力となっているー大学変化の実態をつぶさに示すとともに、それをもたらした女性運動、政策と法的整備等の具体面、またフェミニズム思想・ジェンダー研究等の理論面を論考・総括し、現地在住の研究者として長らくアメリカの大学を見てきた経験を生かし、日本の現状変革に強くアピールする。『女たちが変えるアメリカ』の著者が総括する平等をめざす理論・活動・実態の全て。
本号では、研究発表の要旨として、マンガ、展覧会、演劇、絵画、女性画家、「日本」像の分析等、多彩な発表内容を掲載した。加えて、日本ではまだほとんど紹介されていない「チカーナ」の壁画家、ジュディス・バカに関する論文、逆によく知られてはいても新しい視点からの分析に出会うことの少ない、マティスに関する論文、これまでジェンダーの視点からの解釈が行われてこなかった、ポスターに関する論文を収録している。
貧困については、原因とその対処法、子ども・高齢者・非正規(特にシングルマザー)の貧困の実態、生活保護制度と社会保障制度の境界を探る。格差については、教育・所得・雇用・社会保障・住宅の格差の実態とその是正策を探る。さらに貧困解消と格差解消は同時並行的に行えるのか、優先順位はあるのか。これらの課題に社会福祉・社会保障の専門家が大胆に提案する。
現代哲学を「政治的正しさ」の呪縛から解放する快著
──帯文・東浩紀
ポリティカル・コレクトネス、差別、格差、ジェンダー、動物の権利……いま私たちが直面している様々な問題について考えるとき、カギを握るのは「道徳」。進化心理学をはじめとする最新の学問の知見と、古典的な思想家たちの議論をミックスした、未来志向とアナクロニズムが併存したあたらしい道徳論。「学問の意義」「功利主義」「ジェンダー論」「幸福論」の4つのカテゴリーで構成する、進化論を軸にしたこれからの倫理学。
哲学といえば、「答えの出ない問いに悩み続けることだ」と言われることもある。だが、わたしはそうは思わない。悩み続けることなんて学問ではないし、答えを出せない思考なんて意味がない。哲学的思考とは、わたしたちを悩ませる物事についてなんらかのかたちで正解を出すことのできる考え方なのだ。(…)
この本のなかでは、常識はずれな主張も、常識通りの主張も、おおむね同じような考え方から導きだされている。それは、なんらかの事実についてのできるだけ正しい知識に基づきながら、ものごとの意味や価値について論理的に思考することだ。これこそが、わたしにとっての「哲学的思考」である。(…)倫理学のおもしろさ、そして心理学をはじめとする様々な学問のおもしろさをひとりでも多くの読者に伝えることが、この本の最大の目的である。(「まえがき」より)
【目次】
■第1部 現代における学問的知見のあり方
第1章 リベラルだからこそ「進化論」から目を逸らしてはいけない
第2章 人文学は何の役に立つのか?
第3章 なぜ動物を傷つけることは「差別」であるのか?
■第2部 功利主義
第4章 「権利」という言葉は使わないほうがいいかもしれない
第5章 「トロッコ問題」について考えなければいけない理由
第6章 マザー・テレサの「名言」と効果的な利他主義
■第3部 ジェンダー論
第7章 フェミニズムは「男性問題」を語れるか?
第8章 「ケア」や「共感」を道徳の基盤とすることはできるのか?
第9章 ロマンティック・ラブを擁護する
■第4部 幸福論
第10章 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?
第11章 快楽だけでは幸福にたどりつけない理由
第12章 仕事は禍いの根源なのか、それとも幸福の源泉なのか?
終章 黄金律と「輪の拡大」、道徳的フリン効果と物語的想像力