多様な文化の存在を互いに尊重し、理解することは、多様な言語の存在を理解し、受け入れることである。しかし、言語の多様性について、我々の認識はまだ低い。市民社会における多様な言語の共生について、民主主義、言語権、言語政策などの視点から考察する。
グローバル化に伴う留学生の増加やグローバル人材育成といった社会的要請のもとで、異なる言語・文化的背景をもつ学生たちとの意味ある交流を通して学び合う授業ー国際共修ーが今日の各大学で進められている。本書では、国際共修の理論および国内外の実践事例の詳細な分析を通して、わが国にふさわしいカリキュラムや教授法、評価法といった、具体的な授業実践に資する方途を提供する。2020時代の高等教育を担う若手研究者・教職員・学徒必読の一冊!
イギリスで生まれた日本写真史、入門書。
戦後から現代まで、写真家約70名の作品200余点収録! !
近年、海外で注目が高まる「日本の写真」。世界から日本写真史を概観する書籍が求められるなか、日本に造詣が深いイギリス在住のキュレイターによる画期的な一冊が誕生した。著者自ら、日本を代表する25名の写真家にインタビューを敢行。作家たちの生の声を追いながら、「リアリズム」「ガーリーフォト」など、社会的変遷を背景に発展した日本の写真史を紐解いていく。
イギリスのキュレイターによる新鮮な切り口の日本写真史!
写真家たちの作品世界を、グローバルな視点で解き明かしている。
ー飯沢耕太郎(写真評論家/本書監修者)
インタビュー収録作家
荒木経惟・安齋重男・石内都・伊島薫・大森克己・川内倫子・川田喜久治・北井一夫
澤田知子・志賀理江子・柴田敏雄・須田一政・鷹野隆大・土田ヒロミ
Tokyo Rumando・長島有里枝・蜷川実花・野村佐紀子・畠山直哉・HIROMIX
細江英公・森村泰昌・森山大道・吉行耕平・米田知子
翻訳:小巻靖子
レーナ・フリッチュ
ドイツ出身。アシュモレアン博物館にて、近現代美術のキュレイターとして海外美術の展示や展覧会の企画を担当。以前はテート・モダンの海外美術部門にて、アシスタント・キュレイターとして、アジア太平洋地域の美術品の収集や展示を担当した。著書に『Yasumasa Morimuras“Self-portrait as Actress”: Uberlegungenzur Identitat』(2008 年)など。
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。
体内時計に支配された生物リズムが示す適応のダイナミックス10の話題。
『生物多様性と生態系なしに日本文化は語れない』
これまで自然環境保全と生物多様性の維持は、自然環境に恵まれた農山漁村や周辺地域に任され、
都市は農山漁村が生み出す生態系サービスの恩恵を受けて豊かな経済と社会を維持してきた。
しかし現在、農山漁村は過疎化や高齢化、地域社会の衰退がみられるようになり、
都市は緑地の公共空間不足や市街地の衰退等の問題を抱え、各々の役割分担は限界に達している。
このような状況は、もはや農山漁村だけ、都市だけ、で解決していくことは不可能で、
地域を超えて互いの問題を連動して解決していかなければならなくなってきている。
そこで、このような問題を解決するための新たな概念
「生物多様性+文化多様性=生物文化多様性(Biocultural diversity)」
という、自然と文化の融合を基本とした環境の捉え方を解説し、
この概念をもとに、地域社会の組織づくりやしくみの構築など、
地域の資源を活かして地域再生や地域創生を効果的に行う方法を、マンガを交えて紹介する。
【目 次】
第1章 生物文化多様性って何だろう
第2章 生態系と生物文化多様性
第3章 生物文化多様性と現代社会ー生態系と文化の相互作用
第4章 農村と生物文化多様性
第5章 都市と生物文化多様性
第6章 都市生態系と生物文化多様性ー都市と生態系の融合
第7章 自然保護地域と生物文化多様性
第8章 観光・交流と生物文化多様性
第9章 生物文化多様性を活かす政策
第10章 新しい自然観の提案ー生物文化多様性の可能性
「創造都市」という新しい都市モデルは、芸術文化のもつ「創造性」を新産業や雇用の創出に役立て、ホームレスや環境問題の解決に生かし、都市を多面的に再生させる試みであり、EUが1985年から開始し、大きな成果を上げてきた「欧州文化都市(欧州文化首都)」の経験を総括するなかから生み出された都市モデルである。
都市や地域の経済的エンジンが大規模工場から、創造性あふれる企業や個人から構成される「創造産業」と「創造経済」にシフトし、芸術文化はそのための新たな社会的インフラストラクチュアと考えられる。
日本より一足早く製造業の衰退と空洞化に苦しんだ欧州において創造都市への取り組みが進んでいるのはこのような背景による。
もう一つのテーマである「社会包摂」とは「社会的排除を生みだす諸要因を取り除き、人々の社会参加を進め、他の人々との相互的な関係を回復あるいは形成すること」を指し社会的排除の対立概念であり、90年代後半よりEUにおける都市再生の目標の一つにも掲げられてきたものである。
「創造都市」も「社会包摂」も、新自由主義的改革による「福祉国家」の解体を乗り越えて、新しい分権的な福祉社会をめざす共通の土壌の上に位置する社会改革の試みである。
本書は、芸術文化のもつ創造力、とりわけ、社会的に排除された人々をエンパワーメントする力に着目しつつ創造都市論と社会包摂論を架橋し、世界的な都市再構築の流れのなかで、コミュニティの再生への胎動を描写するものであり、とりわけ、悩める大都市・大阪の再生に向け足元で進む社会実験に参与しつつ、分析を進めたものである。
1文化多様性と社会包摂に向かう創造都市
佐々木 雅幸
2都市の創造的縮小の時代ー人口減少、環境容量枯渇時代の「都市のかたち」
矢作 弘
3グローバル創造都市の文化ブランド戦略ー都市の包容力・バランス・俊敏性
岡野 浩
4日本の創造産業集積ー家庭用ビデオゲーム産業の集積利益
半澤 誠司
5成長するアジアの創造産業ー世界のエンタテイメント業界のグローバル化と再編
橋爪 紳也 杉浦 幹男
6アジアの都市政策における二つの包摂
瀬田 史彦
7大阪の長屋建築の伝統と保存活用ー豊崎プラザの実験
谷 直樹
8歴史的都心の再生ー船場再生の胎動
嘉名 光市 岡 伸一
9近世大坂の都市下層ー勧進宗教者の存在形態
塚田 孝
10社会包摂に向き合うアートマネジメントーボトムアップのガバナンス形成へ向けて
中川 眞
11社会包摂に向けた地域組織の取り組みとその可能性ー大阪・釜ヶ崎を事例として
原口 剛 西口 宗宏
12東アジア大都市の外国人労働者と民族関係
谷 富夫
13「都市への権利」とソーシャル・ミックスーフランスの住宅政策に学ぶ
檜谷 美恵子
14脱野宿とホームレス支援からみた都市の社会保障の再構築ー多様な社会参加の方法を創出するために
水内 俊雄
イチゴ属の生活史の多様性を明らかにするため、国内外の山野を歩き調べた研究ノート。
生物的・心理的・文化的に多様な世界の人びと。西洋文明から世界に広められた「民主主義」は、人間の多様性を十分に考慮しているだろうか?個人個人の尊厳を最優先にするためには、過半数による多数決・政党制を軸とする今日の「民主主義」のままでよいのだろうか。
かつて文法や単語に悩まされた古文も、今ならもっと楽しめそう。万葉集や古今集の世界から「説話」「日記文学」「物語」「軍記物語」「随筆文学」「俳詣紀行文」まで、日本の古典のエッセンスを紹介します。
特集:チョウ類の多様性とその保全
世界で約2万種,日本では250〜300種いると言われている蝶。
古今東西で人々を魅了し,生物多様性の指標でもある身近な存在だが,今各地で急激に減少しており,危機的状況にある。
チョウ類の衰亡はなぜ起こり,どのようにすれば食い止めることができるのか?
本特集では,最前線で活躍する研究者たちが,まずチョウ類の形態,生活史,行動などの多様性を概観,保全に関する遺伝学的アプローチから現場での取り組みや環境教育まで紹介する。
巻頭グラビア7頁は「身近なチョウも減っている -里地里山のチョウ絶滅危惧ランキング」,日本の蝶の儚く繊細な美しさを堪能いただくとともに,彼らを絶滅から守るためのきっかけになれば幸いである。
◎巻頭グラビア
身近なチョウも減っている -里地里山のチョウ絶滅危惧ランキング(平井 規央(大阪府立大学))
◎特集:チョウ類の多様性とその保全
総論 チョウ類の多様性とその保全(平井 規央(大阪府立大学))
1.チョウの斑紋と遺伝 -メンデルの法則から分子遺伝学へ(八木 孝司(大阪府立大学名誉教授))
2.チョウの行動学 -成虫の生きている姿に迫る(竹内 剛(大阪府立大学))
3.チョウ類の移動とその多様性 -海や国境を越えて渡りをする種も(平井 規央(大阪府立大学))
4.アリと共に暮らすシジミチョウ -化学物質を使って巣仲間になりすましたイモムシ(上田 昇平(大阪府立大学))
5.チョウの群集生態学 -過去30年間の日本のチョウ群集の研究の歩みと今後(大脇 淳(山梨県富士山科学研究所))
6.衰退する里山のチョウ類 -モニタリングサイト1000里地調査の結果から(石井 実(大阪府立大学名誉教授/大阪府立環境農林水産総合研究所))
7.遺伝子の視点から考える,チョウ類の保全(中濱 直之(兵庫県立大学))
8.チョウ類の保全の現場から -チョウ類保全に必要な10の活動(中村 康弘(日本チョウ類保全協会))
9.絶滅危惧種のチョウを用いた環境教育の可能性(江田 慧子(関西学院大学))
◎連載
植物を集める!!
[第7回]シーボルトの植物画法への貢献(長田 敏行(東京大学))
高校生物・ワクワク宣言!!
熊本県内の淡水産ヌマエビ類に見られる共生・寄生生物の生息状況 -1年生の気づきから始まったエビ班の6年間(松藤 加代子(熊本県立東稜高等学校))
「高校新教科 理数」の学び方
[第2回]理数探究と生物遺伝実験 -高校におけるRT-PCR法を用いた分子生物学実験(田中 福人(ノートルダム清心女子高等学校))
実験観察の勘どころ
共に手を動かし,考え,実験観察の取り組みを育てる -教員実験研修会「KOBE金曜EveLabo」の6年間から(薄井 芳奈(KOBEらぼ♪Polka))
◎フォトコンテスト
生物科学学会連合「第三回 生きものの “ つぶやき ”フォトコンテスト」-審査発表(1)
性別違和(性同一性障害)トランスジェンダー当事者の実話を元にしたアニメーション絵本とお話。絵本はサンテレビで放送され、Yahoo!ニュースにも取り上げられるなど反響を呼んでいる。LGBTIQAなど性の多様性について全国の官公庁や学校で人権教育講演を行っている清水展人(しみずひろと)さんとパートナーとの出会いや結婚、非配偶者間人工授精(AID)について優しい絵、アニメーションと清水さんのナレーションで物語を知り学習することができる。幼少期の子どもから触れられ、学び、考えられるように作成されている。人権学習や道徳、家庭科、性教育、SDGsの教材として活用することもできる。全ての人の性が平等に尊重され、自分らしく生きられる社会が実現することを願って制作されています。
テーマ 「おたがいのちがいを認め合う」
〜自分らしさも、その人らしさも大切に〜
1アニメーション絵本 ・性別違和 ・AID(非配偶者間人工授精)2性の多様性について ・ひとりでひとりの性が大切にされる社会へ3女らしく、男らしくより「自分らしく生きる」(小学生向け講演)・幼少時代・学生時代・カミングアウト・分かってもらえない辛さと心細さ・手術・戸籍上の性別、氏名変更・自分らしい道へ・自信の回復・結婚・子の誕生,夫として父として、幸せ・誰もが自分らしく、違いを認められる社会へ 全国での講演活動
レインボー(虹)は多様性を表す象徴です。関連絵本を興味に沿って選べるように、「ジェンダー」「性教育・多様な家族」「LGBTQ」「子どもをとりまく問題」等に分類して232冊を紹介します。
はじめに
第一章 「レインボーブックガイド」ダイジェスト
自分らしく、あなたらしく
多様な性・多様な家族
子どもとりまく さまざまな問題
未来につなぐ
絵本から見る それぞれの気づき
より深く考えるために
第二章 自分らしく、あなたらしく
女の子たちに
男の子たちに
ジェンダーの視点で
より深く考えるために
第三章 多様な性・多様な家族
多様な性(LGBTQ+)
さまざまなパートナー
多様な家族
性教育
より深く考えるために
第四章 子どもをとりまく さまざまな問題
戦争と子どもたち
SDGsを考える
ハンディキャップをかかえて
いじめ・暴力・虐待
子どもの権利の視点から
より深く考えるために
第五章 未来につなぐ
大人のモデルに出会う
生き方に学ぶ
歴史をつなげる
より深く考えるために
第六章 絵本から見る それぞれの気づき
より深く考えるために
おわりに
索引 巻末