「天才=創造性に富んでいる人物」とは、驚異的な集中力で深い思考を長時間行ったり、驚くべき脳の回転により短時間でたくさんのアイデアを思いついたりといった才能があることが多いのですが、一方で人の気持ちが読めなかったり、興味がない分野についてはとことん興味を抱かなかったり、とアンバランスなところも少なくありません。そのアンバランスさは発達障害とされる人々に共通するものがあり、そのため、環境になじめず、能力を十分に発揮できないことも少なくありません。ですが、それは社会にとって大きな損失につながる可能性もあります。この本は、こうした「天才」を育むには、どうしたらいいだろうか、ということについて臨床心理学をベースにさまざまな視点から考えた本です。発達障害の秘めた可能性を感じている臨床家や創造性のある豊かな人々を育てる大学や高等研究機関の教職員や指導陣たち、生きづらさを抱えている天才のタマゴたちなどに読んでもらいたい1冊です。
近年、“主体性”を持った人材が社会で広く求められており、教育界もまた、“主体性”を持った人材の育成に取り組んでいるーしかし、その“主体性”とは一体何なのか?本書は、これまで曖昧なままにされてきた“主体性”に鋭く切り込み、“主体性”が強く求められることで生じるパラドキシカルな今日的課題についても示唆する。“主体性”に関わる教育界・産業界の方々、また教育から労働へと移行する学生、必読の書。
2016年刊行の一般の相談機関や学校・施設での使用に適した、子どもの心理教育用ワークシート+実施マニュアルの改訂版。旧版では心理教育に使用するワークシートがCDで付いていたが、改訂版ではホームページよりダウンロードできる形になり、いっそう便利になった。イラストやレイアウトも一新、法改正に伴う内容等もアップデートされ、支援者にとっても子どもたちにとっても、いっそう使いやすいワークブックへと生まれ変わった。
トラウマインフォームドケアのエッセンスを注ぎこみつつ、トラウマ治療の専門家でなくても、効果的に使用できるように作成された本書は、性被害を受けた子どもに関わるすべての支援者、必携の書である。
はじめに
1 支援者が知っておきたいこと
第1章 性暴力を受けた子ども
第2章 性暴力による影響
第3章 性暴力被害を受けた子どもへの支援
『マイ ステップ』の使い方 Q&A
2 支援の実際
『マイ ステップ』の進め方
ステップ1 自己紹介をしよう
ステップ2 自分のからだは自分だけの大切なもの
ステップ3 自分のこころの状態を知ろう
ステップ4 からだと行動の変化
ステップ5 自分の考えかたに気づこう
ステップ6 あなたができること
ステップ7 これからのわたしのために
一九五〇年代以降の日本の管理統制的な教育政策への対抗から生じ、自主的・創造的な教育活動としてはじめられた「学校づくり」概念の成立過程を、法制度・課程計画・実践運動の面から多角的に考察。現代の新自由主義的な教育政策による「特色ある学校づくり」といった改革が来した課題を指摘し、民主的な教育活動を保障する社会制度、および地域的・共同的な関係性の再構築に向けて、その意義と方法枠組みを提言する。
社会の変化に伴い、子どもたちの間にも多様性が広がる中、教師には個々の子どもや問題に丁寧にかかわり合い、対応していく力が求められている。これからの教師に必要な力、それが「学校臨床力」。従来の生徒指導や教育相談、特別支援教育をベースにしつつも、それらを超えていくための新たな視点や実践に役立つ知識を包括的かつコンパクトに提供する。
20世紀後半、グローバル化の波に乗って多くの日本人がアメリカへ渡り、そこで生活を行うことを選択した。「新日系移民」として位置づけられる彼/彼女たちの属するコミュニティやそこでの生活様式は、20世紀初頭に労働を目的として移住した人々とはまるで異なる様相を呈している。新日系移民たちの、日米両国の狭間で揺れ動くアイデンティティの様相と、そのエスニック・コミュニティの中で営まれる生活の諸実態を記した、日系移民研究の最前線!
ヨーロッパにおけるムスリム生徒の増加は、各国の公教育が想定してきた「国民」や「市民」像の再考を促すこととなった。本書は、西欧諸国で最も大規模に組織化されたイスラーム教育が導入されたオランダとベルギーを対象として、イスラーム教育が両社会とムスリムコミュニティにどのような影響を及ぼしてきたかを明らかにする。
大阪発!子どもを元気にする学校の支え方。学校はとても大事な場所であり、教育を受けることは人権だ。だが、いま学校には、いじめ・差別に苦しみ、貧困にあえぐ子どもたちがいる。子どもにとって、親にとって、学校は安心で安全な場所でなければならない。そして教員が伸びやかに考え、縦横につながりのある解放的な現場でなければならない。
「教える」立場になったナースの不安を解消する1冊。
「授業リフレクション」「授業デザイン」「授業デザインワークブック」に続く人気シリーズ第4弾!
●本書は、これまでのシリーズを学ぶうえでの土台となる「教えること」の本質を問い直し、その基本を明らかにしていきます。
●プリセプターや後輩指導など、臨床で「教える」ことにかかわるすべての人にとって必読の書。
●教育は特別なことではなく、実はいつもしている看護と同じ構造をしています。 “教える人”と“教わる人”を、“ナース”と“患者”に置き換えると…。見方を変えれば教えることはもっと身近で楽しくなります!
第1章 教えることを学び始める前に
1.教えることについての自分の今を知る
Column イメージマップとは
2.自分自身の経験が拠り所になるということ
第2章 教育についての一般的理解を超えて
1.ひとくちに「教える」「育てる」とはいうけれど
2.教えるとはどのようなことなのか
Column 「見せる」も独話!?
第3章 「看護」と「教育」の同形性
1.自分のなかに「教育観」を育てる
2.実践家のまなざしはどこに向けられているのか
Column 「看護基礎教育」と「卒後教育」の接続
第4章 教育的なかかわりの場の特徴
1.「相互性」の場であるということ
2.「一回性」の場であるということ
Column 「教える人」に対して行われてきたフィードバック
3.「方向」が織りなす場であるということ
第5章 教えることの基本となるもの
1.指導が指導になるとき・ならないとき
2.対象を理解するということ
3.教育的なかかわりの「方向」を明確にする
Column “他人事”の教えるから、“自分事”の教えるへ
第6章 教えることをとおして自分も育つ
1.教える人としての学びと成長に向けて
2.共に学び、共に育つ、実践家の共同体へ
比較教育学における地域研究の主要論文を一挙集成!-教育の多様性を読むー国や地域、あるいはさらにミクロな教育対象を捉えた、地域研究的な性格をも併せ持つ16の論文を収録。
非行少年を自立させるためには、勤勉と忍耐の精神を培う禁欲的生活の習慣化、すなわち規律教育が最良と考えられてきた。それに異を唱えたのが、初代国立女子教護院院長・石原登である。少年たちが再び生きる力を取り戻すためには、あるがままの存在を受けとめ、肯定する「情性の教育」が必要だと説いた。なぜ石原はそのような思想をもちえたのか。言行録や著作を通して、その形成過程をたどりながら、あらためて情性の教育の重要性を問いかける。
グローバル化と多文化化が連動して生起する現在、異なる文脈で語られてきた多文化教育と国際理解教育は相互に接続し包括的に研究、実践される必要がある。両教育に共通する多様性と社会正義/公正の視点による理論と実践に関する近年の内外の研究成果を収録。
子育ての目的は何でしょうか?そして親の役割は何でしょうか?「教育改革」の流れの中で親への要求は高まり、「あるべき親と家庭教育」のあり方が語られています。本書の著者アルフィー・コーンは、親主導の子育てではなく、子どもが何を必要としているのか、何を求めているのかを考え、子どもと「ともにする」家庭教育を提案します。それは子どもを無条件に愛し、責任を持って自ら決められる人間の育成です。『甘やかされた子育ての真実』の姉妹編として、自らの体験をもとに具体的・実践的に論じた本書は、現代の家庭教育を根本から振り返る機会をくれる一冊です。