大衆的英雄(ヒーロー)『鞍馬天狗』を生み出す一方、『パリ燃ゆ』、『天皇の世紀』で歴史の中の人間像を精緻に描いた大佛次郎。
折にふれて書かれた随筆は、多面的な文学活動の根っこにある、深い教養と批判精神に裏打ちされた人間大佛次郎の闊々とした人格の魅力を最もよく伝えている。
随筆集『屋根の花』収載の43編に、歴史紀行『義経の周囲』から10編を付す。
ゴッホ、セザンヌ、雪舟、鉄斎から、骨董、旅、食生活まで、残された文章を道標に、小林秀雄の美の遍歴を追体験する旅。「難しかった」小林秀雄が、ぐっと身近に感じられる一冊。
毎年、数十万人もが受験する「大学入試センター試験」の国語には、小説問題が必ず出題される。しかし、これらの問題には高校の授業では教えてくれないルールが隠されていて、選択肢もそのルールをふまえた五つの法則によって作られているから、それを知らなければ太刀打ちできないのだ。また、国公立大学の二次試験にも小説問題が出題されるが、これもそのルールを前提とした独特の読解法が求められている。本書では、最近の受験小説の中から代表的な問題を選び、入試国語の隠されたルールを暴きながら、独自の読解法をあなただけに伝授する。もう一度、小説の醍醐味を味わいたいと思っている社会人にも必読の一冊。
人間好き・活字好きに贈るインタビュー論。いかに下調べをし、話を引き出し、書くか? その方法を実践的に解説した上で、吉行淳之介から糸井重里まで名インタビュアーを例に活字のライブの楽しみ方を伝授。(講談社現代新書)
人間好き・活字好きに贈るインタビュー論。いかに下調べをし、話を引き出し、書くか? その方法を実践的に解説した上で、吉行淳之介から糸井重里まで名インタビュアーを例に活字のライブの楽しみ方を伝授。
第1章 インタビューに出掛ける前に
(1)インタビューって何だろう
(2)インタビューの準備
第2章 インタビューに行く 話の聞き方、まとめ方
(1)話をどう聞くか
(2)インタビューをまとめる
第3章 インタビューはこう読め
本書は、単語やフレーズを指さしながら会話ができる本です。実際の会話の場面で話し相手に興味を持ってもらうための工夫がいたるところでなされています。言葉の一つ一つは、使うためはもちろん、現地の人たちに“ウケる”ことも考えて選ばれており、イラストも興味をひくために盛り込みました。第1部「指さしシート」は、見たいページがすぐに開けるよう、状況・項目別に分類されています。各単語・フレーズには、できるだけ実際の発音に近い読みがなを付記。第2部は、文法やコミュニケーションのコツなどを収録。単語集は便利な辞書形式で、第3部(日本語→シンガポール英語)・第4部(シンガポール英語→日本語)にてそれぞれ約2900語を収録しています。
スロー。トラベル10の扉。
二十世紀初頭に繰り広げられた南極点到達競争において、初到達の夢破れ、極寒の大地でほぼ全員が死亡した英国のスコット隊。その悲劇的な探検行の真実を、数少ない生存者である元隊員が綴った凄絶な記録。
方言は日本語の原点! 75の地図で易しく解説!! 日本人の心に響き、心を揺さぶる方言が今、絶滅の危機に瀕している。まだまだ、各地方では、個性的で豊かな方言が息づいている。日本語は決してひとつではない!!
方言は日本語の原点! 75の地図で易しく解説!!
日本人の心に響き、心を揺さぶる方言が今、絶滅の危機に瀕している。まだまだ、各地方では、個性的で豊かな方言が息づいている。日本語は決してひとつではない!!
●伝統方言が強く残る県別ランク
●雪国ならではの方言・ゆきやけ
●「方言周圏論(しゅうけんろん)」の落とし穴
●地図で楽しむ各地方言の旅
●藩領の境界と方言が一致する
●ヒをシと訛る地域
●自然境界と方言・浜名湖の場合
●若者語「チガカッタ、ナニゲニ」
●コンビニ、ファミレス用語
●消滅の危機に瀕した方言
方言語形の残存率がもっとも高いのは沖縄で、96.7%の平均分布率です。これは沖縄の歴史、琉球王国の経緯からして当然のことなのかもしれません。そして、以下、11位までを九州と東北の県が占めています。九州および東北地方は、地理的に中央から遠く隔たっているためその影響を受けにくいものと見られ、それだけ固有の方言を残しやすく、標準語が浸透しにくい地域であると考えられます。12位から北陸地方が加わってきます。そして、16位からは中国・四国地方が加わります。メディアでよく耳にする関西弁ではありますが、関西地方が加わるのは22位からです。なお、全国でもっとも方言語形の平均分布率が低いのは東京ですが、その東京でも方言は38.4%の残存率となっています。
第1章 日本方言の分布パターン
第2章 地図で楽しむ各地方言の旅
第3章 老人、幼児、若者語、学校、コンビニ・ファミレス用語
第4章 方言の底力を信じつつ
旅はスローでリラックスが肝心。疲れたら“沈没”(=長逗留)してしまおう!するとあら不思議、見えないものが見えてきたりする。アジア・アフリカ・ヨーロッパ…、世界を駆け巡る旅人・蔵前仁一が沈没先で出会った愉快な人々、トホホな事件の数々。しんどいこともあるけれど、やっぱり旅はやめられない。読んでるだけで幸せになる全40編。
本書は、J.R.R.トールキンの壮大なファンタジー『指輪物語』の9人の旅の仲間がたどった道筋を、詳細な地図で再現したものである。その数は実に51枚にも及ぶ。熱烈な『指輪物語』のファンだった著者のバーバラ・ストレイチーは、トールキンの手になる地図以外に、より詳しい地図を、長い間待ち望んだ。そしてとうとう、自らこの困難な作業に挑むことにした。その結果、あの「中つ国」が、私たちの目の前に完全で鮮明な姿で立ち現れることとなった。また地図には、フロドたちがナズグルから身を隠した場所、食事をした場所、野宿をした場所…に至るまでが記されている。日本語版では、巻末に地図索引をつけた。『指輪物語』本編の場面がどのような地形になっているのか、すぐに見つけやすいように。さらに、訳者によって、指輪の仲間の旅の行程を日を追って詳述する解説が加えられた。物語世界の醍醐味を再び味わう一助になることだろう。
おとしたさいふをさがすためはちべえはうみのなかへぶくぶくぶく…きがつけばそこはりゅうぐうじょうだった。
登山のもうひとつの楽しみは、可憐な高山植物に出会えること。でも、この花はチングルマなのかチョウノスケソウなのか、ミヤマリンドウなのかタテヤマリンドウなのか、と迷うことが悩みの種だった。そこでイラストを駆使して、見分けるポイントをズバリ例示!花の色・形・付き方、葉の形から細かく分類したので、簡単に花の名前が分かる。
トリケラトプスのもとに使いがきた。ブラキオサウルスが病気でたおれたらしい。トリケラトプスはアロサウルスとたたかうため、ジュラ紀クレーターにむかう。幼児から。
折り鶴は、病気平癒やスポーツの試合での勝利など、昔からさまざまな願いをこめて折られてきましたが、平和を願い、祈る象徴として折られるようになったのはそう古いことではありません。▼戦争が終わって10年たった昭和30年、原爆症のため広島の少女、佐々木禎子が亡くなり、その悲しみの中で級友たちは原爆で亡くなった子供たちの慰霊碑「原爆の子の像」をつくります。その慰霊碑は、回復を願って折り鶴を折りつづけた禎子をイメージし、大きな折り鶴を頭上に高く掲げた少女の像だったのです。折り鶴が平和祈願の意味をこめて折られるようになったのは、禎子と「原爆の子の像」がきっかけといっていいでしょう。そして、その折り鶴は今、平和運動の波にのって世界で折られるようになりました。▼この絵本は、禎子の死と折り鶴が世界に広まっていった過程を、絵と文でわかりやすく描いたものです。作家、画家の平和への祈りが伝わってくる感動の絵本です。
郷里・山梨県境川村を活動の拠点とし、近代における風土俳句の典型を示した飯田蛇笏。同じくその地に住み、清新な感覚で古里を見つめ直す飯田龍太。しかし、ふたりは俳誌「雲母」の主宰として、また創作者として多くの旅でさまざまに広がる世界を表現し続けてきた。蛇笏・龍太の“旅”を円熟の俳人が詩情豊かに鑑賞する。
世界中にブームを巻き起こし、絵本の新しいスタイルを確立した「旅の絵本」シリーズの最新刊。今回は、旅人は古くて広い国スペインを旅する。町の賑わいや田舎の村ののどかなたたずまい、人々の暮らしぶり、遊び、お祭り、闘牛などスペインならではの風景が、繊細な筆致で克明に描かれている。遊び心いっぱいの隠し絵もたっぷり。旅する楽しさと発見する喜びがぎっしり詰まった待望の新刊。
自分が探し求めているのはいったい何だろう?切ないほどに、何かを恋焦がれているのに、それが何なのかわからない…。そんな思いを抱く若者ジョルジョは、13世紀のトルコの神秘家ルーミーが残した詩に出会い、「愛の道」とも呼ばれる巡礼の旅に出る。イタリアのフィレンツェから、ギリシャの聖地を経て、トルコのイスタンブールへ。若者は次第に自分自身のハートの声に導かれていくが…。心が本当に求めているものを見つけるための旅を、美しく描いた物語。