中央政治の激動と政策の大転換を末端の農村ではどのように受けとめたのか、農民たちはこれにどう対応したのだろうか。日中戦争時期の調査記録が存在する村の70年間に亘る長期的変容過程を追跡する。
冷戦期の旧社会主義諸国は、いかなる動因、政策、体制のもとで対外援助を実施してきたのか。戦後復興から新国家建設の途上にあった中国が、ソ連の援助を受入れつつ「兄弟国」への支援を開始し、さらに「対外経済技術援助八項原則」を有する「対外援助国」に変容していく軌跡を描く。
10年間のフィールドワークによって検証してきた朝鮮族村落の自治と権力の相克のリアリティ。基礎社会の村民自治と国家による「村民自治」との関係性、機能について検討したうえで、それが村社会の秩序や安定にどのような寄与をしているのかを明らかにする。
本書は、わが国戦前期とりわけ両大戦期を中心とした日本地方行財政史の研究である。特に両大戦間期の時期を中心に、中央や特に地域の各自治体等所蔵の史料等を用いて新たな視角に立って分析を加え整理したものである。
本書は、農村における擬制的親子関係の法社会学的調査・研究のいくつかをとりまとめたものである。
本書は、島根大学農学部農山村地域経営学講座(旧農林経済学科)の教官によって取り組んできた共同研究の成果をとりまとめたものである。中国地方、とりわけ島根県下の中山間地域の農林業を中心とした過疎と高齢化の実態を究明し、そこからわれわれは、中山間地域の生産・生活・環境を含めた地域定住の課題と問題点を明らかにするとともに、より踏み込んだ政策課題を提示しようと試みた。
一九世紀の大半の期間、イギリス経済の基幹的工業は綿業であったが、しかしその原料である綿花はもっぱら海外の綿花に、わけてもアメリカ南部産出の綿花には大きい割合で、依存していたことが、一つの重要な問題となっていた。それは一九世紀後半に入るとともに、次第に切実さを増す傾きがあった。それは一八六一-六五年のアメリカ内戦を機に鋭い形で具体的となった。つまり南北戦争によるアメリカ綿花の供給杜絶を引きおこし、いわゆる綿花飢饉と呼ばれる事態に陥った。本書はそのときのランカシャ綿業をとりあげる。