明治以来、日本がヨーロッパから学んだものは、技術中心の近代文明であった。人びとは、物質的な豊かさに達することによって精神的な豊かさを手にすることができると信じてきた。しかし、その豊かさを体験した今、人びとが手にしたのは心の荒廃であり、心の貧しさでしかなかった。今こそ私たちは、ヨーロッパの社会と文化を支えてきたキリスト教の精神に注目すべきではないだろうか。中世の修道士たちが聖書をいかに理解し、生きてきたか。その具体的な姿を時代の変化を通して描き、ヨーロッパの心を探究する。
本書は、旧版において組立てた家畜育種学の理念と学問体系をうけつぎつつ、この分野における科学と技術の進歩、発展に対応するために、新しい執筆者の参加を得て、新知見を加え、できるだけ平易に分かりやすく解説することにつとめた。
「アビダルマ」とは、ブッダが説いたダルマ=法・真理を解釈し、仕上げられた壮大な思想大系を意味する。インド諸学派のアビダルマ教義の中で、5世紀ころ、仏教史上最大の思想家ヴァスヴァンドゥ(世親)が著した『アビダルマ・コーシャ』を取り上げて、仏教思想の哲学的側面を根源から捉え直す、画期的労作。
ポアンカレは多様体のトポロジーに関する論文を6篇発表している。これが現在の多様体の理論の出発点となったわけである。これらの論文の中から4篇を選んで翻訳したのが本書である。
本書では、子どもたちの学習意欲、とくに「自ら学ぶ意欲」を育てるために必要な心理学の知識がわかりやすく解説されています。親や教師の方々が毎日の子育てや教育実践で、子どもの「自ら学ぶ意欲」をどのように育てたらよいのかが具体的に書かれています。さらに、学習意欲についての最新の研究成果も豊富に盛り込まれており、テキストや研究にも役立つよう工夫されています。
桜井章一はいかなる相手にも状況にも決して屈しなかった。右頬に日本刀、左頬にドスを当てられ、親指の骨を折られたこともあった。それでも彼は、ただひたすらに牌を打ち続けた…。裏麻雀の世界を20年間無敗で駆け抜けた男の姿を克明に描いた幻の傑作、ついに文庫化。「雀鬼流」という哲学を見出すその陰には激しすぎる戦いの日々があった。
本書では、果実の発育過程を形態形成の面から解説しながら、果実生産学へ接近していく。果実発育の基本的な事柄を4項目に分けて、できるかぎり最新の知見を盛り込み、研究の現状を少しでも認識してもらうように意を払った。