ブラバント出身のネーデルランドの画家をめぐる暗闇に、光をあてようという試みにはいろいろな方法があるだろうが、ローズマリー・シューダーは、本書の中で、ボスの作品を、その時代背景から解明しようとする刺激的な試みに着手した。著者はわずかに伝えられるボスの生涯の記録をもとに、それをとりまく歴史的世界を丹念に調べ上げ、それを彼の描いた絵画と素描とに重ねあわせて考察している。
本書は日本小児歯科学会で作成された小児歯科学教授要綱に沿って構成されており、歯科医師国家試験出題基準における小児歯科の項目にも焦点を合わせたので、多くの歯学生の教科書として、また、卒業後研修医や臨床歯科医などの要求にも十分こたえる。
本書では、インプラントを用いた審美修復に必要となるインプラント埋入のための新しいコンセプト、およびインプラント周囲組織のティッシュ・マネージメントとして筆者・Dr.パラッチが考案した歯間乳頭再生法を紹介する。その他、生物学的、病理学的、およびインプラント周囲の軟組織の生体力学的な点にも焦点があてられた歴史的な名著である。
天然歯の表面には、さまざまな性状があり、それらを表現することは、天然歯のもつ質感を表現するために、もっともたいせつである。表現方法は、各種セラミック材料およびセラミストにより千差万別の築盛方法が考えられるはずである。天然歯の質感を持った、色彩表現・形態表現で大切なことは、天然歯の形態・層の構成を知り、光によりさまざまに変化する天然歯色彩を観察し、熟知することであると考える。
本書では『トータルエッチング』と『樹脂含浸層』の成功から、現在主流となりつつある『オールインワンシステム』の開発までの流れをまとめて解説するとともに、グラスアイオノマーセメントのMIに果たす役割について述べている。さらにう蝕治療の本道ともいうべき感染象牙質の除去基準とコンポジットレジン充填の基準と臨床を写真とイラストを用いてビジュアルに詳しく解説するとともに、審美とMIの調和という観点、および長期症例から学ぶという観点から考察を加えている。また今後普及するであろう手技(レジンコーティング法、モノブロック修復法、コンビネーション修復やレーザー修復の応用)についても症例を提示しつつ解説を加えた。
現在多くのレーザー関係の書籍が出版される中、その多くは“やり方”を中心とし、基本的なところから学び、そこから臨床に向かうものが少ないように思われる。このような意味で、本書はレーザー物理学をはじめ基礎的な理論を含んでおり、レーザーの原理を理解するには最適であろう。もちろん、臨床へのヒントが含まれていることは言うまでもない。