90年代に入ってから力を注ぎ込んだミラノ・スカラ座フィルとのベートーヴェン・チクルスの第1弾。スカラ座の明るい音色を生かし、たっぷりとうたわせ、きりりと締めたジュリーニならではのベートーヴェン像。
ミラノ・スカラ座とのベートーヴェン・シリーズの第2作目。美しいカンタービレで覆われ、澄明な響きに満ちている一方、堅固な構成美もたたえている。ジュリーニの完璧主義が、細部にまで行き渡っている。
ジュリーニとスカラ座のオケによるベートーヴェン・シリーズも、残すところ「第9」のみとなった。回を追うにつれて、オケと指揮者の一体感が強まるが、イタリアのオケらしい豊かな歌と、つややかな美しい響きは変わらない。清澄さと重厚さが両立した名演。
ジュリーニのゆったりとした、心に染み入る「英雄」。おそらく若きベートーヴェンが意図したであろう血気盛んな闘争心は表現されず、ジュリーニの独自の境地が示されている。遅めのテンポが、各楽器の動きを非常に明解にし、響きに立体感を生んでいる。
MAXの4年ぶりのアルバムは、オルゴールのプロローグ(1)と間奏(6)、エピローグ(15)を付け、一枚のアルバムとしてストーリーを持たせている。デスチャっぽい(2)もあれば、いつものMAXらしい(5)、沖縄出身のMAXならではの沖縄テイスト(8)(9)、カヴァー(10)もあって飽きさせない。
ステレオラブやハイ・ラマズのプロデューサー、フルトン・ディングレイが手掛ける三人組のデビュー作。けだるいヴォーカルとファズ・ギターの取り合わせ、60年代カリフォルニアのサイケ・バンドを思わせるアレンジは、この手の音好きにはたまらない。