気鋭の進化発生生物学者が、人体形成の謎を解く遺伝学の成果と、ヒトの突然変異をめぐる歴史物語を縦横に語る。
おいしい食べもの、きれいな水と空気、衣類や住居、医薬品、美しい風景…私たち人間のくらしは、自然の恵みに支えられてきた。しかし、生物たちが長い歳月をかけて作り上げてきた自然のしくみは、人間の活動によって大きく変化しつつある。いま、注目される「生物多様性」。その本質と現状・保全の方策を、保全生態学の第一人者がわかりやすく解説した、入門書の決定版。
「進化」の最重要トピックス。アリストテレスの「自然の階段」からはじまり、ダーウィンの『種の起原』が革命を起こした、進化にまつわる仮説の数々。分子系統学の登場で新たな時代を迎えた“進化学の現在”までを、探求の道をともに歩んだ研究者たちとのエピソードを交え、生物学的に空間、大陸移動などの地球科学的な時間軸の絡みあいのなかにつむぐ、38億年の壮大な「進化」のストーリー!
生物多様性と環境の保全機能が高い評価を受ける水田は、病気を媒介する蚊や病気の原因になる寄生虫の棲み場所でもある。世界の多くの地域では、水田開発や稲作は、病気の問題と闘いながら続けられてきた。病気をなくすため、稲作が禁止されたこともある。本書は、こうした水田の知られざる一面、忘れられた一面に焦点をあてた。水田の蚊が媒介する脳炎やマラリアなどの病気は、私たちにとっても、解決ずみの過去の問題ではない。世界的な人や物の移動や温暖化などの大きな環境変化の中で、媒介動物の分布や生態も急速に変わりつつある。媒介動物対策と環境保全は両立できるのだろうか。熱帯での水資源や農業開発、病気対策などにかかわる人、水田を中心にした環境づくりや生物多様性保全に関心がある人に広く薦めたい。
「人間=自然環境に弊害」はウソ!?逆に自然は私達人間を必要としていた。里山の生物への科学的分析によって明かされるのは、宮崎駿作品にも通じる未来への希望である。新時代の自然保護を考える必読書。
辺境の地、奄美から発信する、自然史研究の最前線。奄美群島。この亜熱帯島嶼域は、じつは世界に誇るべき生物多様性を有する生物学者にとっての“約束の地”だ。
1 ダイバーシティ・マネジメント
--経営者の関心の高まり
2 歴史と現状、ダイバーシティ・マネジメントのルーツ(1)
--差別、異文化マネジメント
3 歴史と現状、ダイバーシティ・マネジメントのルーツ(2)
--競争力の再構築
4 人材の登用と企業の業績
5 「同一財」をめぐるダイバーシティ・マネジメントと企業業績
6 統計的差別
7 「多数財」をめぐるダイバーシティ・マネジメントと企業業績
8 組織能力ーーまとめにかえて
参考文献
あとがき
索引〔人名/事項〕
トマス・アクィナスにの厳密さとルネ・デカルトの明晰さのはざまに生まれ落ちたジョルダーノ・ブルーノは、はたして近代科学の先駆か、それとも古代呪術の末裔か。ブルーノが開いた“近代”を生の多様性の発見として再評価し、たえず変化し続ける動的関係に充ち満ちた“無限宇宙”の哲学を読み解く。ジェイムズ・ジョイスの二篇のエッセイ「ブルーノ哲学」「ルネサンスの世界文学的影響」の新訳を附す。
多様な生物たちが、多様な関わりを持ち、多様な暮らしを進化させた琉球列島の生物たちの不思議さを科学的に解明する。
自国中心の狭い歴史・文化認識におちいらず、世界の多様性とどのように向き合うべきなのだろうか。これまでの枠組みにとらわれることなく、日本史・歴史学の最新の知と方法を多面的に紹介する。
陶器や金物、野菜など日用品を素材とした一式造り物、物語や芝居の一場面を再現する人形造り物など、近世中期から現代までの多種多様な事例を紹介。自然の模倣として、都市空間の娯楽として造られる、その場限りの民衆芸術の諸相を探る。
トヨタ自動車から花王、ユニリーバ、グーグルまで企業事例を満載。環境や人権・労働に配慮した「持続可能な調達」や開催迫る2020年東京五輪への対応、ESG情報開示も詳しく解説。SDGsに貢献しESG投資を呼び込む「自然資本経営」はこれだ!
日本書紀を現代のメッセージとして再生する。元写真記者の神道学博士が、「多様性」と「寛容」をキーワードに、日本書紀を複眼的視点から新たに読み解く。
「アクセスと利益配分」の問題とは? 何が問題で、世界中でどんな紛争が起こっているのか? 先進国の思惑と資源国の要求の調整は可能なのか? 争点の全体像を明らかにする。
農薬や肥料の使用に由来する汚染が、自然環境や生態系に広範で深刻な影響を及ぼしていることが、様々な科学的データから明らかにされつつある。これは温暖化に匹敵する地球レベルでの環境問題と言える。一方、日本の農業は、過疎化や後継者不足が進む。しかし今、各地で、生き物と共存する農業と、それを軸に生き生きとしたまちづくりを実現している地域や、それを支える企業などが現れ始めた。本書で紹介する先進的取り組み事例は、明るい未来と希望への処方箋となるに違いない。
異文化理解と国際理解に関して、多様な広い視点から具体例をもとに論じた誘いの書。特に文化人類学による異文化理解の視点と国際関係論を主とする国際理解の視点を軸に、自文化における身近な他者理解にも注目する。社会学や民俗学、地域研究、美術史などの視点も合わせて多角的・複眼的にわかりやすく紹介する。