SDGs(持続可能な開発目標)達成のためには「生物多様性の保全と持続可能な利用」が必要.それはヒトの衣食住や文化が「生態系サービス」に依存しているから.では将来への課題はどこにある? 生物多様性の大切さと問題を確認し,消費者にできること,教育現場での実践例,国内外でのユニークな取組みを知ろう.【オールカラー】
はじめに
1 生物多様性の危機
2 生物多様性から学ぶ・活かす
3 消費者としての実践と持続可能な農業
4 持続可能な未来のための自然環境学習と市民科学
5 持続可能な地域社会を築く「自然再生」
生物学者ピアソンと分子系統学者ボグラーによるハンミョウ類の分類・形態・進化・生物地理・保全までを網羅した『Tiger Beetles』の全訳。原著の出版以降明らかになった補足や訂正、訳者によるカラー生態写真が追加される。
序文
日本語版への序文
第1章 はじめに
ハンミョウ研究のおもしろさ
ハンミョウ研究の先人たち
科学研究におけるハンミョウの価値
第1部 分類的多様性─進化および世界的分布でみたハンミョウ
第2章 ハンミョウとは
どの仲間に近いのか
ハンミョウの特徴
生活環の各発育段階
第3章 分類と進化
ハンミョウ科の分類
多様性の進化
第4章 種と種分化
種とは何か
なぜ種を問題とするのか
第5章 遺伝─特異な性決定様式
染色体と生殖細胞
染色体の進化と種分化
第6章 生物地理
なぜ、ある地域では種数が多く、別の地域では少ないのか
ハンミョウはどこから、どのようにして来たのか
第2部 生態的多様性─自然環境でのハンミョウ
第7章 自然を生き抜く
物理的生息場所の中のハンミョウ
安定した体内環境の維持
長期的な環境変化に対する応答
その他の進化上の問題
第8章 交配相手の探索と求愛
性淘汰と雌の選り好みの論理
交配と繁殖
第9章 敵からの逃避と回避
天敵はどんな動物か
対捕食者形質
複合的な対捕食者防衛
防御化学物質─局所的な適応か、歴史的な成り行きか
第10章 競争者に立ち向かう
植物と採餌行動
ハンミョウはどのように競争に立ち向かっているのか
群集内の共存種の組合せに規則性はあるのか
ハンミョウの適応放散─何が多様性を促進したのか
第11章 経済と保全
経済的な利用価値
バイオミメティクス(生物模倣)
保全
分類群間の比較と統計上の自己相関の問題
分子レベルの研究と保全
市民化学者と保全
第3部 生態的多様性と分類的多様性の相互作用
第12章 今後の研究と統合
分布パターンの研究
亜種の研究の必要性
世界全体での比較
系統樹の改良とその予測力の強化
剛毛の配列様式と統合
気候変動
結論
付録A ハンミョウの観察と採集
付録B 世界の主な属の自然史
訳者あとがき
引用文献
学名索引
分類名・和名索引
人名索引
事項索引
生物多様性の喪失が懸念される中で、生物多様性を十分に説明できる理論はいまだに確立されてない。本書では、生物群集のすべての個体が中立であるという仮定の下、種分化と分散制限を組み込んだ群集動態モデルを構築し、生物多様性学(種数や相対種個体数の理論)と生物地理学(種の地理的分布の理論)を統一する。この統一中立理論によって、さまざまな時空間スケールの生物多様性について、検証可能な予測が提示される。
もう一つ仕事を持つ意味を探求する
単なる「サイドビジネス」的位置づけではなく、ワーキングプアの副業という課題、本業へのスキルアップ効果、非金銭的動機による副業の性格、幸福度や健康との関係まで、経済学的視点から多面的にアプローチした「新しい働き方」理解のための本格的な決定版!
▼働き方の多様化と、コロナ禍に端を発した在宅時間の増加などで、いま再び注目を集める副業。
▼定義から副業を始める動機の解明、本業のパフォーマンスとの関係など、その全体像を、労働経済学のアプローチを用いて考察した画期的な一冊!
・「副業のやり方」「もっと稼げるサイドビジネス」といった指南書ではなく、統計データやエビデンス(実態調査)などから、今日の「副業」を幅広く観察。
・収入目的以外の「生き甲斐」や本業との抵触の有無、法的課題など、主要トピックを網羅した、コンパクトながら読み応え十分の決定版。
・フィールドワークによる聞き取り調査などから実証的なトピックをコラムにまとめており、理論とのバランスが絶妙!
・新しい副業観を通じて、現代日本の働き方の実像を読み解く。
序 章 なぜ、いま副業について考えるのか
第1章 働き方のなかの「副業」
第2章 労働経済学で副業を捉える
第3章 現代日本の副業ーー政府統計で副業を捉える
第4章 収入を得るための副業
第5章 様々な動機による副業
第6章 副業は本業のパフォーマンスを高めるのか
第7章 法的課題と企業の対応
第8章 副業は人を幸せにするのかーー主観的幸福度の分析
終 章 副業のこれからについて考えるーーまとめに代えて
あとがき
参考文献
マクロファージは疾患ごとに多様なサブタイプの存在が明らかになるなど,疾患との深い関わりが注目されています.本書はこのような最新の知見を中心に,マクロファージ研究の総集編といえる内容となっています.
第1章 マクロファージの分化・活性化・制御を知る8つの方法
1.脂肪酸によるマクロファージ機能制御
2.iPS細胞とマクロファージ
3.腸内細菌叢とマクロファージ
4.神経ガイダンス因子によるマクロファージ機能制御
5.死細胞由来リガンドによるマクロファージ活性化
6.抑制化レセプターによるマクロファージの機能制御
7.炎症細胞社会におけるマクロファージ
8.noncoding RNAとマクロファージ
第2章 病気とマクロファージの多様性を知る14の方法
1.関節破壊を惹起する炎症性マクロファージの同定ー破骨前駆細胞の新たなサブセット
2.マクロファージ分化経路とその治療標的としての可能性
3.メタボリックシンドロームにおけるマクロファージの役割
4.皮膚疾患とマクロファージ
5.NASHにおけるマクロファージの多様性
6.病気ごとに異なるマクロファージサブタイプと非免疫系とのクロストークー線維化にかかわる免疫系と非免疫系の関係性
7.肺におけるマクロファージの役割
8.新しい単球サブセットによるがん転移促進
9.神経系マクロファージによる痛覚変調
10.動脈硬化の発生および進展におけるマクロファージの役割
11.心臓マクロファージの不均一性による心臓管理
12.腎臓病,腎線維化におけるマクロファージ
13.ミクログリアと神経変性疾患
14.脳梗塞後の炎症とマクロファージ
第3章 感染症とマクロファージを知る4つの方法
1.ウイルス感染に対する宿主クロマチンの高次構造変化と感染症の病態形成
2.フラビウイルスと単球・マクロファージー感染防御と病原性の2つの側面から
3.マクロファージを介する宿主と結核菌の攻防
4.マクロファージによる細胞内寄生虫破壊機構と寄生虫の抗マクロファージ戦略
第4章 最新の解析技術を用いた免疫細胞を知るための5つの方法
1.1細胞遺伝子発現解析をはじめとする1細胞オミックス技術の進歩とマクロファージ研究への応用
2.in vivo微小環境における,神経伝達物質を介した免疫細胞の制御ー質量分析を用いたアプローチ
3.100万以上の細胞をミクロンレベルの空間分解能でワンショット観察可能なトランススケールスコープAMATERAS-外れ値科学の創出をめざして
4.マスサイトメトリー,マスサイトメトリーイメージングによる細胞の網羅的解析
5.革新的要素技術が切り拓く高解像度空間トランスクリプトーム解析法
グローバル化し,競争が激化する中でも,なぜ日本の食品小売市場でグローバル小売企業は苦戦を強いられるのか。日本の食品スーパーがもつ地域多様性と現場の組織能力による強みを浮き彫りにし,今後の小売構造の行く末を指し示す力作。方法論の解説も充実。
序章 問題意識と本書の構成/第1章 日本の小売構造の特質と研究の系譜:マクロデータの整理と既存研究から見る日本の小売市場の特質/第2章 小売構造と消費市場の相互作用:食料品を扱う業態において市場集中度が高まらない理由の考察/第3章 小売市場内での小売業者間の競争:学習を伴う創造的競争はいかにして可能か/第4章 本書の分析視点と実証分析の課題・方法/第5章 顧客満足の規定因1:統計アプローチ/第6章 顧客満足の規定因2:集合論アプローチ/第6章補論 fsQCAの具体的手続き/第7章 小売組織内での知識創造:小売店頭の知識創造モデル(r─SECIモデル)/第8章 店頭従業員の進取的行動:現場での創造性とモチベーション/第9章 店頭従業員の能力獲得/終章 結論と展望
LGTB等の人々、あるいはその家族・親族や関係者の相談に乗る弁護士のためのQ&A形式の対応マニュアル。裁判例、当事者の座談会、相談を受けた際のロールプレイング、相談窓口一覧、コラムなどの各項目も充実。
ふるさとの自然を守るためには何をすればいいのか。これまで見過ごされがちであった、日本産魚類が日本国内で外来魚として引き起こしている問題点をまとめ、真の生物多様性保全への道を拓く。
トラウマ心理療法の先駆者、カリスマ治療者による論文を1冊に収めた、トラウマ治療ガイドブックの決定版。「治療の実際」にフォーカスし、事例を通じてそれぞれの療法独自の特徴やストレングス、課題が浮き上がってくる構成になっている。論理的に正しい科学に強く根差しているが、臨床家に訴えかけることのできる言葉で書かれた、臨床現場に必携となる書。
日本の読者へ (U. Schnyder & M. Cloitre)
監訳者序文 (前田正治・大江美佐里)
第1章 イントロダクション (大江美佐里)
第2章 トラウマ曝露による身体的影響 (大類真嗣)
第3章 外傷後早期介入 (前田正治)
第4章 持続エクスポージャー療法 (松岡美智子)
第5章 PTSDの認知療法ーー記憶の上書きとトラウマの意味づけ (大江美佐里)
第6章 認知処理療法 (高橋紀子・大島郁葉)
第7章 トラウマ関連障害のためのEMDRセラピー (大澤智子)
第8章 ナラティブ・エクスポージャー・セラピー(NET)--トラウマティック・ストレスや恐怖、暴力に関する記憶の再構成 (牧田 潔)
第9章 PTSDの短期折衷心理療法 (大江美佐里)
第10章 感情と対人関係調整のスキルトレーニング・ナラティブセラピー (伊藤亜希子)
第11章 遷延性悲嘆障害に対する複雑性悲嘆治療(CGT) (伊藤正哉・中島聡美)
第12章 トラウマと物質乱用ーー臨床家のための実践ガイド (石田哲也)
第13章 PTSDと境界性パーソナリティ障害の治療 (八木亜希子)
第14章 トラウマを受けた人々の慢性疼痛の複雑性ーー診断と治療の課題 (鈴木友理子)
第15章 エビデンスに基づいた児童青年期の治療 (福地 成)
第16章 誰に対して何が有効か (前田正治)
文献
日本語版補遺ーー診断について(大江美佐里)
索引
言語発達は単語から始まり、単語と単語がつなぎ合わさって電文体になっていく、といったこれまでの言語発達の常識をくつがえす、日本初の書。幼児は、これまで考えられてきたような一律の方法で言語を獲得していくわけではない。子どもによっていろいろな言語獲得ストラテジーがあるということを、種々の研究から立証し、なぜ言語発達にさまざまな方略があるのかについても解説している。
いっそうの女性の活躍のためには、旧来の性別役割分担意識の改革がなされ、男女が育児経験を共有できるようになることが重要である。働く場はそれを実現するために、多様で柔軟な働き方を用意し、その適正な評価・待遇を行うことが必要とされている。そして、子どもたちには人格形成の基礎を培う重要な時期にふさわしい環境が整備されることが望まれている。今後も産業構造の変化、グローバル化、技術革新などによって人々の生活や働き方は大きく変化していくだろう。女性がいっそう活躍できる環境作りは、大きく変化する社会にしなやかに対応する環境作りであり、多様な能力を活かす社会への進化に通じる。本書は、現状における人々の意識や働く場所の状況、保育ニーズの多様性を踏まえ、女性が活躍できる環境とその整備に必要なものを探った。
古代の王政復古を掲げて近代国家の仲間入りを図った日本では、記紀神話に民族のルーツを求めて大和民族という概念が創り出されるが、古代に遡る民族設定は大和に「まつろわぬ」人々とされた出雲、エミシ、クマソ等の民族も同時に生み出した。混合民族論が主流だった日本で、戦後単一民族論が拡がったのはなぜか。大和中心のNation Building(民族意識や国民の形成)を出雲、エミシ、クマソの視点から捉え直し、同質社会観で覆い隠された日本人内部の多様性を解き明かしながら、多元国家観に基づく民族意識の再構築を説く。
地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。生物多様性論の旗手、E・O・ウィルソンからの警告と提言。
世の中の当たり前に「違和感」を問いかけるマガジン
■IWAKAN Magazine 2020年10月創刊。世の中の当たり前に「違和感」を問いかけることをコンセプトに、「違和感」を抱く人たちに寄り添うインディペンデントマガジンです。違和感には答えがない。でも、私が感じている違和感を誰かと話したい。そんな世の中の当たり前に「違和感」を感じるすべての人たちと共に考え、新たな当たり前を共に創造し提案するためにアートエディトリアルからアカデミックな対話まで網羅し、紙媒体を介して地方でもポップアップを行うなど、ジェンダー、セクシュアリティ、男女二元論への違和感など、広いテーマでユーモラスかつ真剣に向き合っています。
■特集 多様性? LGBTQ+やマイノリティがメディアで描かれることが 増えてきた昨今。そのおかげで自分のアイデンティティや生き方を知り、孤立感から解放された人も少なくない一方で、LGBTQ+のみならず、「多様性」における表象や描かれ方にはまだまだ偏りがあります。「多様性」を描くのは誰か? 普通でないとされる人々がマジョリティと共にあることが「多様性」なのか? 希望と加害性、どちらの力も併せ持つ「多様性」の表象に違和感を問いかけます。2022年10月15日発売!
04 クィアの表象を祝福し、変化を起こせ/ALOK
12 集合/Kenta Mie
18 中国における文化表象の現在地、そして/ヤマグチナナコ
22 IWAKAN BEAUTY
26 STUDY OUR ISSUE/村木真紀
28 自分というレンズを通して見る、分断と表象の希望/TAIRA
38 PEOPLE VOICE OPINION Let the people speak!
44 From Hug to Hug/Cai Yunyi Clarice
50 interview with MASUMI/MASUMI
54 日常を撮ることに身を捧げる/Sebastien Lifshitz
60 表象制作現場における真の合意/西山ももこ、東海林毅、山本奈衣瑠 鼎談
64 ふつうの OLはどこにいる?/NAOWAO
66 「デキる男」像の呪縛を解くために/小林美香
70 多様性の表象において忘れられがちな家族のかたち/長倉奈未、杉山文野、Midori
72 第2回 IWAKAN OPEN ART CONTEST
76 ラディカルな穏健/佐々木ののか Stopped Making Sense/Noemi Minami
77 ひみつのダイアローグダイアリー/橘みつ
78 不完全な私のビューティーハンドブック/Yuri Abo
79 Asian Gaze/潟見陽 from loneliness books
80 政治の話をしましょうか。/Ana
82 大酒場都市(ダイバーシティ)カクテル倶楽部
84 Recommendations from Contributors
Cover Design: 福岡南央子(woolen)
共感覚の基本的特徴や神経機構を解説、また色字共感覚者へのインタビューを収録。「共感覚とは何か」を理解する上で必読の書。
本書は、代表的な現象である色字共感覚を中心に、共感覚とはどのような現象であって、また何ではないのかを示す心理学研究および脳科学研究の成果を詳解する。特に、多種多様な文字を使用するという点で特徴的な日本人の色字共感覚者は国際的にも注目されている。各共感覚者の日常生活とのかかわりなどの調査結果も合わせて掲載した。
はじめに
第1章 共感覚とは何か
1.1 共感覚の基本的特徴
1.2 共感覚の時間的安定性の測定
1.3 共感覚とは何ではないか
1.4 共感覚を持つのはどのような人か
1.5 共感覚を持つことの損得
1.6 共感覚を科学的に研究することの意義
第2章 色字共感覚
2.1 色字共感覚をめぐる研究領域
2.2 色字共感覚を持つようになる原因
2.3 文字の共感覚色を経験する際に生じる処理
2.4 誘因刺激と励起感覚の対応関係
2.5 色字共感覚と他の認知処理との関係
2.6 共感覚者と非共感覚者の関係
第3章 日本人の色字共感覚
3.1 日本人色字共感覚者に対する実験方法
3.2 日本人色字共感覚者18名の個別結果
3.3 日本人色字共感覚者の個別結果のまとめ
第4章 色字共感覚以外の共感覚
4.1 共感覚の種類と出現確率
4.2 空間系列共感覚
4.3 ミラータッチ共感覚
4.4 色聴共感覚
4.5 序数擬人化
4.6 多重共感覚
第5章 共感覚の神経機構
5.1 共感覚の神経機構に関する仮説
5.2 共感覚の神経機構:機能的側面
5.3 共感覚の神経機構:構造的側面
5.4 共感覚とは直接関係しない処理における共感覚者の神経科学的特性
5.5 共感覚者を「作る」試み
5.6 共感覚の「素質(disposition)」
第6章 感覚間協応と共感覚
6.1 感覚間協応とは
6.2 感覚間協応の研究例と研究手法
6.3 感覚間協応の分類
6.4 感覚間協応のメカニズムをめぐる議論
6.5 感覚間協応がもたらす効果
6.6 感覚間協応と共感覚の関係
おわりに
引用文献
索引
遺伝子・種・生態系の三部構成で生物多様性を解説した教科書。〔内容〕遺伝的多様性の成因と測り方/遺伝的多様性の保全と機能/種の創出機構/種多様性の維持機構とパターン/種の多様性と生態系の機能/生態系の構造/生態系多様性の意味