禅宗思想の影響とともに、室町時代に京都を中心とした寺院に作庭された「枯山水」。白砂と苔と石組の単純な組合わせを山水画に見立て、庭園の美を見出す。
四季折々に慈しまれた名家の庭、町家の空間に凝縮された坪庭。江戸時代から現代まで親しまれ、育まれた非公開の名庭を紹介する。
近世の宮廷人たちが広大な敷地に池を穿ち船を浮かべ州浜から眺めた庭、大名たちがその贅を尽くした回遊式庭園など全国各地に残る近世の名園を紹介する。
洋の東西を問わず、安らぎと調和がイメージされ、ユートピアの象徴と見なされてきた庭園-。荒野を切り取って成立する庭園に、魂と自然が一体となる至福の場を見、同時に文化の元型的シンボルを透視する。様々な庭の散策によって到達した豊饒な文化論。
“世界の七不思議”の一つ、「バビロンの空中庭園」には不可解な謎がある。王都陥落時に屋上に逃げた王女が、敵兵の眼前で不意に姿を消したのである。考古学界の権威・葦沢教授はその謎に取り組んでいたが、解明直前に大学の屋上から墜落死した。しかも、犯人は屋上から忽然と消失、まるでバビロンの王女のように…。二千年の時空を超えた「人間消失」トリックとは。
江戸の大名達が競って造った大庭園-後楽園、六義園、浴恩園…。それらは京の庭園をしのぐ造形をもった「社交」と「儀礼」の装置であった。本書は初めて「大名庭園」の真実の姿に迫り、京都一辺倒の日本庭園史をくつがえす。
資産家の人知れぬ“楽しみ”が、取り返しのつかない悲劇へとつながる表題作。日本中に大パニックを起こそうとする“怪物”『ジャバウォッキー』。完璧に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を見事に描いた『完璧な遺書』-。おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが魅せる全部アタリの絶品ミステリ全6編を収録。
高校2年生の安恭は、他人の体に触れるとその人の声が聞こえるという力を持つ。他人に興味を示さず、いつも一人でいる安恭に、編入生の和田貴嗣はいつの間にか惹かれ、次第に、二人は深い心の奥で結ばれていく。お互いの気持ちを知り、急速にその距離を縮めていたはずの二人だったが、さり気なく安恭は和田を避けるようになる。再び安恭のその力が戻りつつあるからだ。エスカレートする和田の気持ちに、安恭はおびえるようになり…。
英国庭園へようこそ。名高い英国庭園から何気ない街角まで“天性の庭師”イギリス人の素顔に迫るユニークな英国文化論。
図書館、オペラハウス、美術館、博物館、植物園、動物園など、19世紀西欧の都市空間に配された「知の仕掛け」がいかなる進化をとげていったのか-「知の庭園」すなわち「集団の夢の家」(ベンヤミン)の耀いを、明晰な論理と華麗なエクリチュールで描ききる卓抜な空間論。
古代の貴人は庭に向かって来世を観想し夢みた 人の心を陶酔させる庭園の快楽はいつも死の翳を帯びている。楽土の夢と現世の律を往き来する世界。
少女小説家の鳴海は今度ドラマの原作を手がけることになった。主演は今をときめく超人気アイドルの16歳、竹井八知だ。鳴海は小田切華というペンネームで性別不明で通していたが、制作発表の会場で、偶然八知に男だと知られてしまう。以前から鳴海の小説が大好きで作者にも好意をもっていたという八知のダイナミック(?)なアタックに鳴海は…。
古来、遺跡荒し(トレジャー・ハンター)たちが追い求めてきた、浮遊城“空中庭園”の秘宝。しかし、真に貴重なのは、古(いにしえ)の超技術。大空を自由に移動できる飛行システムと強力な破壊兵器の数々なのだ。その浮遊城の主“オーバー・ロード”が狂気に走る!風の門から六門世界の外へ飛び去ろうとする浮遊城を阻止しなければ、エレメンタル・バランスの均衡が破れ、大陸が崩壊してしまう!入れ墨の召喚術師イエルは、魔剣ひとふりをたずさえ、大地の裂け目へと向かう空中庭園に乗り込む。しかし、術を封印され、モンスターを召喚できない彼に勝機はあるのか?待ち受けるのは古代のトラップ群。危うい冒険行は、イエル自らの哀しい過去を清算する旅でもあった。人気沸騰!モンスター・コレクションTCGの六門世界を舞台に、秘術が炸裂する冒険ファンタジー第3弾。
敵パーティを牢獄に閉じ込め、底なし沼へ引き込んでしまえ!!地上をレミングの群で埋め尽くし、ウロボロスの無限の魔力を解き放て!!-そして放て、神々の雷鎚!!大人気トレーディング・カードゲーム『モンスター・コレクションTCG』第3弾のパワーアップ・カードセット『空中庭園の降臨』には新しい地形タイプ“罠”をはじめ、効果抜群のカードが山盛りだ。本書はこの『空中庭園の降臨』を使った戦略・戦術を解説し、新しいコンボ・デックの紹介、そして全カードリストを掲載している。
「べつに描かなくたって生きてはいけるさ。生きてたからな」天才少年画家として脚光を浴びたこともある高崎時弥は、弟の心を深く傷つけ、自殺未遂にまで追い込んだことから、今は家族と離れてイギリスで暮らしている。自らへの罰として、絵を描きたいと願うことを禁じてー。ところが、彼の後見人エリック・カニンガムの屋敷で、少女の姿をした幽霊が見えてしまったことから、時弥はその幽霊と承諾しがたい“契約”を結ぶはめになり…!?すべての期限はたったの一年、時計じかけのホーンテッド・アフェクション。