種々の原因により不登校に陥って苦しんでいる子どもたちと、学校、家庭、相談・医療機関との連携を通して臨床家として粘り強くかかわった5例のケースを収録。
茶華道における「道」が一般カウンセリングにあるとすれば、学校カウンセリングは格闘の「技」が求められます。学校という組織および学校教育という構図の枠内で進められる作業であり、したがって、さまざまな職種の人が関わる複雑な人間模様となることが多くなります。本書では、スクールカウンセラー、養護教諭、臨床心理を学んで生徒カウンセリングを行っている教員、精神科医と、職種にして4種の職種により構成しました。
(少年たちの)ショッキングな事件は、特異ではあるが、決して一般の子どもたちと無縁な世界の出来事ではない。子供たちに今、何が起きているのか、どうすれば「生きる力」を育むことができるのか。何がそれを阻んでいるのか。取材班は、時代がもっともよく反映される「事件」の現場に入り、その「理由(わけ)」を探ることから、取材をスタートさせた。
心身の成長の途上で、自らが背負い切れない心の重荷ー孤独、不安、焦燥、そして怒り…。コントロールできない衝動に親と子が破壊されてしまわないために。子どもの心の「枠になる」ことの大切さ。
壊れそうな自分を外界から守る工夫としてのひきこもり。傷つきやすく「対話する関係」をもちにくい彼らの孤独を受けとめるためには、いったい何が必要なのだろうか。ひきこもりの実情や、適切な周囲の対応について実際の治療場面をふまえ解説。
家裁調査官36年間の体験から、非行少年と親たちの心の奥底を理解し、処方箋を提起する。育てながら育てられるという著者の目線は、子育てや人間関係を考えるうえでも貴重なヒントとなる。
詩集『海のような大人になる』(覚和歌子・理論社刊)から4編を編んで構成された混声合唱とピアノのための『たましいのスケジュール』の女声版。身近な人や社会と相容れない思春期の心のモヤモヤを表出したテキストに、オリジナリティー豊かですがすがしいハーモニーが絡み合う。中学・高校・大学合唱団の定期演奏会やコンクール自由曲に最適。
[曲目]
「たましいのスケジュール」「子もりうたの前に」「空」「影絵」
虐待・暴力の連鎖を断ちきる。今、「親」になるとはどういうことか?乳幼児精神医学最前線からの治療的提言。
本書は、子どもと家族の関係で展開している問題に焦点化した「こころに寄り添うということ」がいかなることなのか、についての論考を収めている。
全体を通して、目に見える部分だけではなくその背景ではどのようなこころの動きが展開しているかという力動的な視点も含め「まつたにクリニック」のスタッフたちが日々実践しているアプローチの実践を紹介する。
日常的に子どものケアに携わる方にはぜひ本書を手に取っていただきたい。
推薦の辞
序章
第1部 ファミリー・メンタル・クリニックの成り立ちと枠組み
第1章 私の臨床の基盤
第2章 地域の中でのクリニック
第3章 クリニックの治療構造
第2部 クリニックにおける心理療法の実際
第4章 児童精神科における精神分析的心理療法の実践
第5章 親子並行面接という協働
第6章 共同注意の重要性
第7章 不登校中学生を対象とした「セラピーとしての思春期グループ」
第8章 発達心理学と療育の知見に基づいた心理療法
第9章 フィリアルプレイセラピー
第10章 親の離婚と子どもの心理
第3部 こころの成長を支える環境へのアプローチ
第11章 スクールカウンセリングにおける精神科医療との「つなぎ」の役割
第12章 子どもとその家族を支える有機的な器としての協働関係
第13章 保育所の巡回相談
第14章 災害支援とプレイセラピー
第15章 未就学児療育通所施設における自由遊びの意義について
第4部 さらなる発展領域
第16章 親になっていくこと,セラピストになっていくこと
第17章 『心理療法的家事支援』の可能性:母子生活支援施設での臨床実践から
第18章 思春期の心理療法過程を支えたペットの意味とその変遷
第19章 ろう難聴児・者の心理的支援
あとがき
青年・成人期における発達障害支援の最前線。中学生、そして義務教育を終えてからの発達障害のある人たちの実状と具体的な実践について、家族支援、本人支援、高校・大学での支援、就労支援、余暇支援など、幅広く紹介する。