(少年たちの)ショッキングな事件は、特異ではあるが、決して一般の子どもたちと無縁な世界の出来事ではない。子供たちに今、何が起きているのか、どうすれば「生きる力」を育むことができるのか。何がそれを阻んでいるのか。取材班は、時代がもっともよく反映される「事件」の現場に入り、その「理由(わけ)」を探ることから、取材をスタートさせた。
心身の成長の途上で、自らが背負い切れない心の重荷ー孤独、不安、焦燥、そして怒り…。コントロールできない衝動に親と子が破壊されてしまわないために。子どもの心の「枠になる」ことの大切さ。
壊れそうな自分を外界から守る工夫としてのひきこもり。傷つきやすく「対話する関係」をもちにくい彼らの孤独を受けとめるためには、いったい何が必要なのだろうか。ひきこもりの実情や、適切な周囲の対応について実際の治療場面をふまえ解説。
家裁調査官36年間の体験から、非行少年と親たちの心の奥底を理解し、処方箋を提起する。育てながら育てられるという著者の目線は、子育てや人間関係を考えるうえでも貴重なヒントとなる。
本書は、子どもと家族の関係で展開している問題に焦点化した「こころに寄り添うということ」がいかなることなのか、についての論考を収めている。
全体を通して、目に見える部分だけではなくその背景ではどのようなこころの動きが展開しているかという力動的な視点も含め「まつたにクリニック」のスタッフたちが日々実践しているアプローチの実践を紹介する。
日常的に子どものケアに携わる方にはぜひ本書を手に取っていただきたい。
推薦の辞
序章
第1部 ファミリー・メンタル・クリニックの成り立ちと枠組み
第1章 私の臨床の基盤
第2章 地域の中でのクリニック
第3章 クリニックの治療構造
第2部 クリニックにおける心理療法の実際
第4章 児童精神科における精神分析的心理療法の実践
第5章 親子並行面接という協働
第6章 共同注意の重要性
第7章 不登校中学生を対象とした「セラピーとしての思春期グループ」
第8章 発達心理学と療育の知見に基づいた心理療法
第9章 フィリアルプレイセラピー
第10章 親の離婚と子どもの心理
第3部 こころの成長を支える環境へのアプローチ
第11章 スクールカウンセリングにおける精神科医療との「つなぎ」の役割
第12章 子どもとその家族を支える有機的な器としての協働関係
第13章 保育所の巡回相談
第14章 災害支援とプレイセラピー
第15章 未就学児療育通所施設における自由遊びの意義について
第4部 さらなる発展領域
第16章 親になっていくこと,セラピストになっていくこと
第17章 『心理療法的家事支援』の可能性:母子生活支援施設での臨床実践から
第18章 思春期の心理療法過程を支えたペットの意味とその変遷
第19章 ろう難聴児・者の心理的支援
あとがき
虐待・暴力の連鎖を断ちきる。今、「親」になるとはどういうことか?乳幼児精神医学最前線からの治療的提言。
思春期相談室の現場で、どうしてこんなに宮崎アニメの話が出るのか。そんな疑問から、臨床心理士としてのこの分析は始まった。子どもから大人になるときの、言葉にできないさまざまな想いが、「どうしてそれが好きなのか?」から、スリリングにひもとかれる。
学力よりも、しつけよりも一生を左右する心の強さを育てる本。わが子の「いいところ探し」から始めてみよう。「子どものため」のつもりが、「子どもをダメ」にしないために…。
第1章 居眠りの効用
1 居眠りをしない子どもたち
2 居眠りの大切さ
3 休み上手になる
4 昼寝の勧め
第2章 子どもたちは変わったのか
1 キレル子どもたち
2 身体という異物
3 刎頸の友
4 子どもの姿
5 ふつうの大人と出会う
第3章 思春期という危機
1 僕は人格障害?
2 思春期という危機
3 愛情の限界ー境界性人格障害
第4章 この子は病気?
1 叱られることとほめられることー注意欠陥/多動性障害
2 こころの傷ー外傷後ストレス障害
3 勝つことと負けること
4 病気というメガネをはずすーアスペルガー症候群
第5章 親という幻想
1 完璧な親という幻想
2 程よい母親
3 家出の勧め
第6章 居場所探し
1 それぞれの場
2 安心できる居場所
3 ひきこもりの質
4 動きながら考える
第7章 ネット上の居場所
1 ケータイのパワー
2 ケータイのデメリット
3 ネット上の居場所
第8章 ミルトン・エリクソンへの旅
1 エリクソンと私
2 フェニックスへ
3 岩山に登れ
4 エリクソンの旅
第9章 病名で呼ばないで
1 「問題」ではあるが「病気」ではない
2 病名のもつ意味
3 病名そのものがもつ問題
4 ありのままの子どもを見る
第10章 支えること
1 支えることとは何か
2 人生を楽しむのが最大の薬
3 時間の流れと空間の広がりの中で
4 人生のスパイス
5 人生を、今、生きている
おわりに
青年・成人期における発達障害支援の最前線。中学生、そして義務教育を終えてからの発達障害のある人たちの実状と具体的な実践について、家族支援、本人支援、高校・大学での支援、就労支援、余暇支援など、幅広く紹介する。
既刊『トラウマ・インフォームドケア』では,トラウマそしてトラウマインフォームドケアの基本について紹介しました。続刊としての位置づけの本書では,まず第1部でこれまでにアップデートされたトラウマやトラウマインフォームドケアに関する知識を整理しました。そしてその基本をふまえて,第2部ではトラウマインフォームドケアを具体的に実践することで臨床にどのような変化が生じるのか,さまざまなケースを交えて紹介します。
トラウマインフォームドケアとはトラウマを“熟知”したケアですが,その一歩手前,トラウマを「知る」ことから精神科の臨床は確実に変化します。
第1部 トラウマインフォームドケア その考え方
1-1 トラウマを理解する
1-2 トラウマインフォームドケア
1-3 トラウマ的な出来事への反応
1-4 トラウマ/トラウマ的な体験が及ぼす健康行動への影響
1-5 看護師へのトラウマインフォームドケア
第2部 トラウマインフォームドケアを実践する
2-1 統合失調症患者へのトラウマインフォームドケア
2-2 知的障害患者へのトラウマインフォームドケア
2-3 訪問看護におけるトラウマインフォームドケア
2-4 「問題行動」を起こす患者へのトラウマインフォームドケア
2-5 思春期患者へのトラウマインフォームドケア
2-6 うつ病患者へのトラウマインフォームドケア
LINEを使った
いまどきのコミュニケーション読本
LINEでのやりとりが日常的になった今、
「LINEで会話が続かない」
「とっさにいい返事が思いつかない」
「既読スルーされると不安」といった
コミュニケーションの悩みを抱えている人は
数多くいます。
果たして、どんなトークをしたら、
相手は返事をしやすいのか。
好印象を持ってもらえるトークはどんなものか。
そこで本書では、LINEを使ったカウンセリングや
メンタルトレーニングを実践し、
全国SNSカウンセリング協議会の理事を務める
著者が、心理学に基づいたトークの技術を伝授。
ビジネスシーンをはじめ、親子、恋人との会話など
さまざまなシーンで使える内容になっています。
仕事も私生活もLINEが当たり前になった現代。
いまどきのコミュニケーション読本として
役立つ一冊です。
Chapter 1 LINE上手になるには?
●写真・動画でリアル感と説得力をアップ
●感情を表す言葉は普段よりギアを一段UP!
●提案・お願いは選べると納得感が生まれる
●相手とのいい会話が続く究極の技術「共感」…他
Chapter 2 ビジネスでLINE上手
●プライドの高い人にお願いごとをするとき
プラスの言葉のシャワーで相手の心を開く
●取引先に自社を選んでもらいたいとき
相手を無理に説得せず「受容」と「示唆」で
味方に……他
Chapter 3 私生活でLINE上手
●親から思春期の子供への声がけ
「共感」「承認」で親子の距離を縮めよう
●気になる異性にアプローチするとき
デートに誘う鍵は「相手軸」「自己開示」と
「オンリーワン感」……他
ネット依存(予備軍含む)の中高生、52万人!「うちの子に限って…」は通用しない!依存症の専門臨床医としてカウンセリングを行っている著者だからこそ書ける、「ほんとうのところ、親は何をするべきか、するべきではないか」知らないでいると恐ろしい「依存」の実態とその解決策を明快に示す。
他人に認められないと、自分が愛せない!気鋭の精神科医が世相と精神医学を架橋する。