ヨーロッパにおけるムスリム生徒の増加は、各国の公教育が想定してきた「国民」や「市民」像の再考を促すこととなった。本書は、西欧諸国で最も大規模に組織化されたイスラーム教育が導入されたオランダとベルギーを対象として、イスラーム教育が両社会とムスリムコミュニティにどのような影響を及ぼしてきたかを明らかにする。
凡例
オランダ・ベルギー概略図
序章
第1節 問題提起
第2節 イスラーム教育の諸相
第3節 本課題をめぐる動向と研究方法
第 I 部 公教育における宗教の位置取り
第1章 オランダの公教育と宗教
第1節 教育の非宗教化と学校闘争
第2節 憲法改定と公教育の柱状化
第3節 現代の公教育構造と宗教
第2章 ベルギーの公教育と宗教
第1節 教育の非宗教化と学校闘争
第2節 学校憲章の制定と宗教教育の位置取り
第3節 現代の公教育構造と宗教
第II部 イスラーム教育の参入
第3章 オランダのイスラーム教育
第1節 イスラーム学校の設立運動
第2節 イスラーム学校の教育内容と特徴
第3節 学校間分離問題と〈教育の自由〉のゆらぎ
第4章 ベルギーのイスラーム教育
第1節 公立学校におけるイスラーム教育導入の経緯
第2節 イスラーム教育の教育内容と特徴
第3節 宗教シンボル禁止議論と宗教教育
終章 公教育におけるイスラーム
第1節 宗教的多元性の異なる展開
第2節 「分離」か「混合」か
第3節 反イスラームと排除の論理
エピローグ
第1節 イスラーム教育がもたらす諸作用
第2節 今後の課題と展望
参考文献
略称一覧
あとがき
索引
「教える」立場になったナースの不安を解消する1冊。
「授業リフレクション」「授業デザイン」「授業デザインワークブック」に続く人気シリーズ第4弾!
●本書は、これまでのシリーズを学ぶうえでの土台となる「教えること」の本質を問い直し、その基本を明らかにしていきます。
●プリセプターや後輩指導など、臨床で「教える」ことにかかわるすべての人にとって必読の書。
●教育は特別なことではなく、実はいつもしている看護と同じ構造をしています。 “教える人”と“教わる人”を、“ナース”と“患者”に置き換えると…。見方を変えれば教えることはもっと身近で楽しくなります!
第1章 教えることを学び始める前に
1.教えることについての自分の今を知る
Column イメージマップとは
2.自分自身の経験が拠り所になるということ
第2章 教育についての一般的理解を超えて
1.ひとくちに「教える」「育てる」とはいうけれど
2.教えるとはどのようなことなのか
Column 「見せる」も独話!?
第3章 「看護」と「教育」の同形性
1.自分のなかに「教育観」を育てる
2.実践家のまなざしはどこに向けられているのか
Column 「看護基礎教育」と「卒後教育」の接続
第4章 教育的なかかわりの場の特徴
1.「相互性」の場であるということ
2.「一回性」の場であるということ
Column 「教える人」に対して行われてきたフィードバック
3.「方向」が織りなす場であるということ
第5章 教えることの基本となるもの
1.指導が指導になるとき・ならないとき
2.対象を理解するということ
3.教育的なかかわりの「方向」を明確にする
Column “他人事”の教えるから、“自分事”の教えるへ
第6章 教えることをとおして自分も育つ
1.教える人としての学びと成長に向けて
2.共に学び、共に育つ、実践家の共同体へ
比較教育学における地域研究の主要論文を一挙集成!-教育の多様性を読むー
国や地域、あるいはさらにミクロな教育対象を捉えた、地域研究的な性格をも併せ持つ優れた16の論文を収録。世界各地のヴァラエティに富む教育活動の実態を描く本書は、質量ともに妥協なき調査分析によって研究者らが築き上げてきた、知的営為の結集である。
戦後から現在に至る日本の学校教育活動をめぐる学校づくり概念・実践と法制度の展開を検討し、教育の自主性の内実と意義を論じる。
序章 学校づくりと教育の自由と自主性
第一章 一九五〇年代における学校づくり概念の発生とその源流ーー民間教育運動における学校づくり実践
第二章 教育の国家統制と学習指導要領の変質ーー学習指導要領の基準性と排除性をめぐる問題
第三章 地教行法体制の成立と学校運営秩序の整備ーー学校の経営管理からの教職員の排除過程
第四章 学校づくりの基礎的原理としての内外事項区分論と教育課程の経営戦略
第五章 学校づくり実践の具体的展開と住民自治
第六章 教育における公共圏形成の課題と学校づくりのダイナミズム
第七章 新自由主義教育改革下の学校づくりの困難と危機
結章 総合的考察
文献一覧
索引
2016年刊行の一般の相談機関や学校・施設での使用に適した、子どもの心理教育用ワークシート+実施マニュアルの改訂版。旧版では心理教育に使用するワークシートがCDで付いていたが、改訂版ではホームページよりダウンロードできる形になり、いっそう便利になった。イラストやレイアウトも一新、法改正に伴う内容等もアップデートされ、支援者にとっても子どもたちにとっても、いっそう使いやすいワークブックへと生まれ変わった。
トラウマインフォームドケアのエッセンスを注ぎこみつつ、トラウマ治療の専門家でなくても、効果的に使用できるように作成された本書は、性被害を受けた子どもに関わるすべての支援者、必携の書である。
はじめに
1 支援者が知っておきたいこと
第1章 性暴力を受けた子ども
第2章 性暴力による影響
第3章 性暴力被害を受けた子どもへの支援
『マイ ステップ』の使い方 Q&A
2 支援の実際
『マイ ステップ』の進め方
ステップ1 自己紹介をしよう
ステップ2 自分のからだは自分だけの大切なもの
ステップ3 自分のこころの状態を知ろう
ステップ4 からだと行動の変化
ステップ5 自分の考えかたに気づこう
ステップ6 あなたができること
ステップ7 これからのわたしのために
国際協力における教育開発はどのようなもので、何を目指すのか? 日本人専門家と研究者がアジア・中東・アフリカの途上国の人々と関わり、外部の知識・技術・制度などを採り入れつつ自律的に教育をつくりあげる内発的発展により教育を改善する活動を紹介。
はしがき
第1部 教育開発への第一歩
第1章 教育開発について学ぶ[久保田賢一]
第2章 教育開発に関わる[岸磨貴子]
第3章 教育開発を検討する[久保田賢一]
第2部 具体事例から学ぶ教育開発
第4章 教育開発に関わるわたしの位置性ーーパレスチナ[岸磨貴子]
第5章 理科研究授業支援プロジェクトが生まれるまでーーザンビア[鈴木隆子]
第6章 実践コミュニティを通じた組織強化と学びのデザインーーエジプト[岡野貴誠]
第7章 自立発展を促す教育開発ーーパプアニューギニア[伊藤明徳]
第8章 パフォーマンスに焦点をあてた研修デザインーーネパール[伊藤拓次郎]
第9章 研究会活動を通した教師の自立ーーボリビア[西尾三津子]
第10章 教師の主体性を促す教育開発アプローチーーフィリピン[山本良太]
第11章 教育開発プロジェクトへの大学生の関わりーーカンボジア[今野貴之]
第3部 これからの教育開発
第12章 座談会ーー経験者に問う「現場の実情」[時任隼平]
【座談会パート1】
1 教育開発プロジェクトの目標設定とはどのようなものなのでしょうか?
2 現場のニーズと教育開発プロジェクトの目標は合致していますか?
3 現場に入るのは難しくないですか? 専門家には何が求められるのですか?
4 現地の人たちとの対話のあり方は?
5 教育開発の中でも、大学が対象の場合と小学校〜高校が対象の場合で内容は異なりますか?
6 教育開発にとって十分な時間というのは、どれくらい必要ですか?
7 教育開発を進めていくうえで、現場ではどのような連携が必要ですか?
8 教育開発を進めていくうえで、どのような限界がありますか?
【座談会パート2】
9 外部の人間が関わることによってどのような問題が生じるのでしょうか?
10 現地の人々にとって必要な環境とはどのようなものなのでしょうか?
11 現地の人々にとって必要な環境をどのようにして作っていくのでしょうか?
12 環境を作るとともに、どのようにして対話を進めていくのでしょうか?
13 対話の後、現地の人々が能動的になるにはどうすればよいのでしょうか?
14 教育開発における教育効果をどのように捉えればよいのでしょうか?
15 今後の教育開発のあり方は?
第13章 教育開発の展望[久保田賢一/時任隼平]
あとがき
社会の変化に伴い、子どもたちの間にも多様性(ダイバーシティ)が広がる中、教師には個々の子どもや問題に丁寧にかかわり合い、対応していく力が求められている。本書では、これからの教師に必要な力として「学校臨床力」を提案、従来の生徒指導や進路指導、教育相談、特別支援教育をベースにしつつも、それらを超えていくための新たな視点や実践に役立つ知識を包括的かつコンパクトに提供する。教職を目指す人、現職教員必携の一冊。
目次
序論 学校臨床力とは
1章 学校臨床力1:父性と母性のバランス
2章 学校臨床力2:ポスト近代・ダイバーシティ
3章 学校臨床力3:経験を育むということ
Column 1 寄り道のススメ
第1部 児童生徒理解を深める
4章 現代社会を生きる子ども
5章 子どもの発達
6章 子どもの対人関係世界
7章 子どもと家庭
8章 子どもと学校
Column 2 遊びは大切か
第2部 児童生徒の成長を促す
9章 人間関係力
10章 集団づくり
11章 開発的アプローチ
12章 キャリア教育の必要性
13章 基礎的・汎用的能力
14章 学校ごとのキャリア教育
Column 3 解決志向でいこう
第3部 児童生徒の個性に応じた支援
15章 自己の発達
16章 自尊感情・自己肯定感、自己有用感、自己効力感
17章 発達障がいの理解
18章 自閉症スペクトラム
19章 学習障がい
20章 ADHD
21章 特別支援教育とは
22章 特別支援教育体制
Column 4 教師のペルソナ
第4部 児童生徒を取り巻く「問題」をとらえる
23章 問題をアセスメントする
〈問題の具体例〉
24章 携帯電話とネットトラブル
25章 いじめ
26章 不登校
27章 非行
28章 被虐待
29章 心身の不調
30章 場面緘黙
31章 性的マイノリティ
Column 5 子どもの成長と心の痛み
第5部 「問題」に取り組む
〈生徒指導の進め方〉
32章 生徒指導の3つの側面
33章 生徒指導の三機能
34章 毅然とした対応
35章 学級経営と学級崩壊
36章 生徒懲戒と体罰
〈教育相談の進め方〉
37章 教師モードとカウンセラーモード
38章 カウンセリング・心理療法の種類と技法
39章 意識と無意識
40章 心の働き:防衛機制
41章 保護者との連携・対応
42章 ケース会議の進め方
43章 チーム支援
44章 スクールカウンセラーの活用
45章 学校外の機関との連携
Column 6 人に「助けて」って言えますか?
第6部 教員としてどのように力を身につけていくか
46章 子どもとかかわる力
47章 保護者とかかわる力
48章 同僚とかかわる力
49章 社会とかかわる力
50章 教師のバーンアウト
51章 共感的理解とスーパーヴィジョン
52章 学校臨床力向上のための教師のトレーニング
文献
索引
あとがき
非行少年を自立させるためには、勤勉と忍耐の精神を培う禁欲的生活の習慣化、すなわち規律教育が最良と考えられてきた。それに異を唱えたのが、初代国立女子教護院院長・石原登である。少年たちが再び生きる力を取り戻すためには、あるがままの存在を受けとめ、肯定する「情性の教育」が必要だと説いた。なぜ石原はそのような思想をもちえたのか。言行録や著作を通して、その形成過程をたどりながら、あらためて情性の教育の重要性を問いかける。
比較教育学における地域研究の主要論文を一挙集成!-教育の多様性を読むー国や地域、あるいはさらにミクロな教育対象を捉えた、地域研究的な性格をも併せ持つ16の論文を収録。
グローバル化と多文化化が連動して生起する現在、異なる文脈で語られてきた多文化教育と国際理解教育は相互に接続し包括的に研究、実践される必要がある。両教育に共通する多様性と社会正義/公正の視点による理論と実践に関する近年の内外の研究成果を収録。
子育ての目的は何でしょうか?そして親の役割は何でしょうか?「教育改革」の流れの中で親への要求は高まり、「あるべき親と家庭教育」のあり方が語られています。本書の著者アルフィー・コーンは、親主導の子育てではなく、子どもが何を必要としているのか、何を求めているのかを考え、子どもと「ともにする」家庭教育を提案します。それは子どもを無条件に愛し、責任を持って自ら決められる人間の育成です。「甘やかされた子育ての真実」の姉妹編として、自らの体験をもとに具体的・実践的に論じた本書は、現代の家庭教育を根本から振り返る機会をくれる一冊です。
第1章 条件つきの子育て
第2章 愛情を与えることと止めること
第3章 過度の統制
第4章 罰の対価ー懲罰的損害賠償
第5章 成功を強要する
第6章 何が親を押し止めるのか
第7章 無条件の子育ての諸原則
第8章 条件のつかない愛情
第9章 子どものための選択
第10章 子どもの視点から
一般の相談機関や学校・施設での使用に適した、子どもの心理教育用ワークシート(CD収録)+実施マニュアル。子どもが自分の気持ちや考えを整理しながら、性被害の影響やソーシャルスキルなどを学ぶことで、被害から立ち直り、将来の不適応や再被害を防ぐことをめざしている。限られた時間でも使用できるように、学習内容を厳選している実施マニュアルは入門書の役割も兼ねており、トラウマ治療の専門家でなくても、これを読みながら効果的な支援を行える。子どもと日常的に関わる支援者に活用してもらいたい。
1 理論編
第1章 子どもへの性暴力の理解
第2章 性暴力による影響
第3章 性暴力被害を受けた子どもへの支援
2 実践編
STEP1 自己紹介をしよう
1.自己紹介
2.心理教育
3.7つのステップ
4.リラクセーションスキル
5.目標づくり
ホームワーク
STEP1のまとめ
STEP2 自分のからだは、自分だけの大切なもの
1.境界線のルール
2.境界線を通して「暴力」について考える
3.境界線を通して「性暴力」について考える
4.本当の同意
5.性行動のルール
STEP2のまとめ
STEP3 自分のこころの状態を知ろう
1.安全に自分の感情に向き合う
2.さまざまな感情の理解
3.気持ちの強さ
4.感情の表しかた
5.性暴力による感情への影響
6.つらい気持ちをコントロールする
ホームワーク
STEP3のまとめ
STEP4 からだと行動の変化
1.性被害によるからだへの影響
2.行動や生活の変化
3.性被害によるからだや行動の変化
4.からだのセルフケア
5.着地法(グラウンディング)
ホームワーク
STEP4のまとめ
☆ ティーンズ向け 性に関する正しい知識
STEP5 自分の考えかたに気づこう
1.考えかたに注目する
2.思考、感情、行動、状況を区別する
3.考えー気持ちー行動のつながり
4.ポジティブな考えかたとネガティブな考えかた
5.性被害による思考への影響
6.気持ちに対処するための考え
7.ポジティブなセルフトーク
ホームワーク
STEP5のまとめ
STEP6 あなたができること
1.だれかがルールを破ったら? 〜大人に相談することについて〜
2.気持ちや考えを伝える
3.アサーションのポイント
ホームワーク
☆ ティーンズ向け 親密な関係性と性的境界線
STEP7 これからのわたしのために
1.性被害からの回復 〜アユミの場合〜
2.わたしの救急箱
3.支援ネットワーク 〜エコ・マップ〜
4.サバイバーになろう
5.なりたい自分の姿をイメージする
6.修了証の作成 〜アファメーション〜
引用・参考文献
ワークシート見本