東西の冷戦でふたつに引き裂かれているヨーロッパ。その西側陣営で科学者たちが次々に失踪していた。いままた、めざましい成果をおさめた科学者ベタートンが行方不明となる。東側の陰謀なのか?英国情報部はベタートンの妻に瓜ふたつの女性スパイとして適地に放つが…会心の冒険スパイ小説、新訳で登場。
ノア、アブラハム、モーセ…彼らはどこから来てどこへ行ったのか?ノンフィクション作家が聖書考古学者を伴って、旧約の物語の順番通りに、聖書の舞台をめぐる旅に出た。聖書の物語をわかりやすく解説しながら、現地を歩き、世界と自分をみつめなおすさわやかな旅行記。ニューヨークタイムズ、ワシントンポストほかメディア絶賛のロングセラー作品の全訳。上巻は、創世記から出エジプト記までをたどる。
この本の優れた特徴は、第1に著者の幼児期の心的外傷の体験を基に、アダルトチルドレンがアルコール依存症家族のみならず、他の強迫的嗜癖家族からも出現するメカニズムを、臨床上の治療体験として明らかにしている点である。第2にその克服と回復過程をシステム論と家族療法の原理から、繰り返し具体的に説明し、理解させてくれる点にある。さらに異なる宗教間では、相互に異なる神を容認する寛容の必要性を強調している点も、大部分の日本人が抱いている宗教観と矛盾しない。加えて、著者のいう西欧の伝統的な君主制的家父長制と日本の伝統的な儒教的家父長制とは、父権が神や天の道を背景にして家族の最高権威とされてきた共通性を持っている点等も、最近の日本の子育て、家族問題、教育問題などの解決に有力な手がかりを与えてくれる。
本書は、海外旅行初心者で、しかも韓国語がほとんどわからない人のために作られている。
フィデル・カストロとともに1959年のキューバ革命を成就させ、20世紀最大のゲリラとして、今なお人々の心に残るチェ・ゲバラ。医学を志した学生時代から、圧政に苦しむ人々のためにゲリラ戦士となり、革命成就後、与えられた地位を拒み、新たな解放を目論み南米・ボリビアで67年に殺害されるまでのノンフィクション・ノベル。殺害された地に立った著者の思いを描く。
モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。
生命の芽生えから人生の終章まで、ひとのこころの歩みを、その一歩一歩をたしかめるように、丁寧にたどっていく。人生への愛情と洞察にみちた静かな言葉の数々。悩み、迷う人々のかけがえのない人生の書となるだろう。新資料として、著者が第一子の乳幼児期に丹念に記した「育児日記」を収録。
最もわかりやすいシュレディンガー方程式の入門書。高校数学レベルの知識さえあれば、量子力学の最も重要な方程式あのシュレディンガー方程式に到達できる!シュレディンガー方程式を理解しなければ、ほんとうに量子力学を理解したことにはならないのだ。『高校数学でわかるマクスウェル方程式』の著者による待望の一冊。
時間ができたら旅に出る。かばんひとつで、予定も決めずに。タイの長距離バスに乗り、ベトナムではコーヒー屋に通い、モロッコで道に迷い、アイルランドのパブでひとりビールを飲む。地図を読むのは苦手だけれども、旅するほどにその土地に恋していく。直木賞作家のフォト・エッセイ。
新ヨゴ皇国皇太子のチャグムは罠と知りながら、祖父トーサと共に新ヨゴの港を出港する。この船出がチャグムの人生を大きく変えていく…罠におちひとり囚われの身となるチャグム。愛する人との別れそしてあらたなる出会い…。
鉄道史、名物列車、季節限定イベント、名所紹介ー1月から12月まで鉄道漬けの日々。1年中楽しい、行動派に贈るワクワク歳時記。
脳と記憶に関する、目からウロコの集中対談。いわく、「『もの忘れは老化のせい』は間違い」「30歳を過ぎてから頭は爆発的によくなる」-。記憶を司る部位である「海馬」をめぐる脳科学者・池谷裕二のユニークな発想と実証を、縦横無尽に広げていく糸井重里の見事なアプローチ。脳に対する知的好奇心を満たしつつ、むしろオトナの読者に生きる力を与えてくれる、人間賛歌に満ちた科学書。