本書は、ブラジル南部、ことにサンパウロ大都市圏の日系マイノリティ集団における宗教とエスニシティの諸相とその変動の在り方を、主として1960年代、70年代に力点を置いていくつかの宗教集団の事例研究をとおして記述している。
本書は山形県下の製糸業史の叙述を意図したもので、その期間は器械制製糸業の発生から昭和初年までを扱っている。
地主制史研究をさらに深化させていくためには、その準備的作業として、資本制生産の展開状況、とりわけ独占資本主義段階、さらには国家独占資本主義段階への移行の実態を、県レベル、さらには郡レベルにまで下降して、具体的に把握しておくことが、ぜひとも必要となる。本書の前編は、かかる問題関心から、著者の研究課題である地主制史との関連を大きくは念頭におきながらも、岐阜県における工業の展開過程をひとまずそれ自体として追求したものである。また後編は、分析対象を岐阜地方裁判所所蔵資料に限定して、地主制確立期から戦時体制期にいたる間の地主・小作の対抗関係の解明を試みたものである。
本書は、カナダに住む日系人の調査の記録であり、日本の村からカナダへ渡った人々の三世代の文化葛藤や文化変遷を含めた文化変容についての調査研究である。第10回(1999年)カナダ首相出版賞受賞。
入会研究の水準を高めた著者の集大成!入会を歴史学・経済史学・法制史学・林政史学・民俗学・法律学と多彩な領域から検討し、法社会学に独自の研究分野を打ち立てた全貌である。法社会学・民法学者はもとより関連諸学者・実務家の必読の書。
本書は、日本側と中国側による雲南省石林(旧名路南)彝族自治県を対象とした文部省科研費による共同調査と共同研究(課題番号09044022「雲南省農村の市場発展過程にかんする社会経済的研究-路南彝族自治県を中心として」)の成果を収録したものである。
本書は、ドイツにおける「就労扶助」に焦点をあてた検討をもとに、失業時生活保障のための金銭給付システムの改善と、就労援助対策の拡充という、現代日本が直面している二つの政策課題をそれぞれに何らかの示唆を与え、かつ、両者の連携のあり方に関する新たな視点を提供し、現状の改善に貢献することを目的としている。
覇権国アメリカの「人権」「自由」「民主主義」「平和」の理念には、覇権システムとその秩序がもつ「差別」「排除」が刻印されている。生の生活レベルから世界を見る「民主主義論」の新モノグラフ。
本書は、島根大学農学部農林経済学科の教官によって進められた共同研究の成果をとりまとめたものである。島根県下の過疎山村の農林業を対象としたこの研究において、われわれは過疎終末段階の地域生産力の構造・地域資源利用体系の実相と問題点を明らかにするとともに、地域生産力再生の方向を展望しようと試みた。