東アジアの膨大な人口データを収集・推計し、半世紀に及ぶ各国の人口動態を観察する。所得水準が上昇し、産業社会化・都市化が進展するにともない、東アジアの人口構造がいかに「転換」したかを実証する。
5世紀初頭、約17年にわたるインド求法の大旅行をおこなった中国僧・法顯。困難にみちた旅の記録は仏教のみならずアジア史研究の貴重な宝となった。
絹の始まりは伝説の中に、そして考古学の中に断片的に見られ、その終わりはまだ見えない。中国の野蛮から生み出され、シルクロードを経て西洋へと伝わった絹は、豪華で風格があり、神々しい輝きを放つ。歴史の中でも常に求められてきた絹の、数千年の時空を超えて織り上げられた壮大な物語。
『両インド史』は、初版から「モンテスキュー以来の記念碑的労作」(グリム)と評価してもかまわないほどの規模を持っていた。それは、これまで、まったく本格的な研究対象とはならなかった地域をとりあげ、その地理的・歴史的・文化的風土を論じ、貿易をキーワードに過去と現在の経済的・政治的歴史を調査し、描き出していた。本書は、初めての世界史的記述と言える『法の精神』と比べても、また、同じく世界史を扱って、少し遅れて出版されたヴォルテールの『習俗論』と比べても、質・量ともに、これらをはるかに超える壮大さを持っていた。内容の実証性と資料の厳密さおよびその広がりにおいては、類書を寄せつけぬ水準に達していた。詳細な訳注に加え解説・索引を付す。
東インドの概念が含む「他者」との比較対照により、ヨーロッパ的な「自己」をも分析し検討する。