本書は昆虫類のすさまじいまでの減少とその要因を指摘し、田舎の里山を保全するための現実的な方策を鋭く述べる。その一方で、日本の自然を守るため外来生物を排斥せよとの「原理主義者」に首を傾げ、また、人為的な関与は必要と直言する。 メディアと政治のコトバと化した「生物多様性」擁護・懐疑両派の怪しげな言説を問いただし、イキモノと日本各地の自然環境の実像について興味深い事実を数多く紹介しながら、自然を守る本当の手だてを述べる著者の視野はきわめて広い。 その筆さばきが全編を貫いた本書は、自然、環境、生物多様性を考えるうえで、さまざまな視点を読者に提供するであろう。「自然には自然の理屈があり、人間のコントロールが及ばないことの方が多いのだ。無理にコントロールしようとしても、コストばかりかかってロクなことになはならない」と本書は説き、よりましな認識について説得的に提示していく。
生物多様性と環境の保全機能が高い評価を受ける水田は、病気を媒介する蚊や病気の原因になる寄生虫の棲み場所でもある。世界の多くの地域では、水田開発や稲作は、病気の問題と闘いながら続けられてきた。病気をなくすため、稲作が禁止されたこともある。本書は、こうした水田の知られざる一面、忘れられた一面に焦点をあてた。水田の蚊が媒介する脳炎やマラリアなどの病気は、私たちにとっても、解決ずみの過去の問題ではない。世界的な人や物の移動や温暖化などの大きな環境変化の中で、媒介動物の分布や生態も急速に変わりつつある。媒介動物対策と環境保全は両立できるのだろうか。熱帯での水資源や農業開発、病気対策などにかかわる人、水田を中心にした環境づくりや生物多様性保全に関心がある人に広く薦めたい。
未来に生きる子どもたちにこそ伝えたい。そのために私たち大人が知っておきたいことは?-。
生物多様性の喪失が懸念される中で、生物多様性を十分に説明できる理論はいまだに確立されてない。本書では、生物群集のすべての個体が中立であるという仮定の下、種分化と分散制限を組み込んだ群集動態モデルを構築し、生物多様性学(種数や相対種個体数の理論)と生物地理学(種の地理的分布の理論)を統一する。この統一中立理論によって、さまざまな時空間スケールの生物多様性について、検証可能な予測が提示される。
どんぐりは、ブナ科の植物が着ける果実である。ブナ科が作る森は、北半球の温帯から亜熱帯、熱帯まで様々な環境下に広がり、どんぐりの形や生態も多様性に富んでいる。本書は、古植物学や分類学、形態学、生態学など様々な側面から、どんぐりとは何か?を検証し、昆虫や動物、菌類など様々な生物と関係しながら進化してきた、その特性を明らかにする。どんぐりについて知ることは、森の生態系について知ることでもある。
口 絵
はじめに
第I章 ブナ科植物の誕生と分化
1 白亜紀後期ーブナ科植物の誕生
2 古第三紀ーブナ科植物の多様化と現生属の出現
3 新第三紀ー気候の寒冷化に伴う針葉樹・落葉樹混交林の拡大とブナ科フロラの変遷
4 化石から見たどんぐりと動物との共進化
コラム1 世界最大のどんぐりは?
第II章 ブナ科植物の多様性
1 ブナ科植物の分類
2 多様性の地理的パターン
3 日本列島における多様性の特徴
4 各属の分布と分類
コラム2 奇妙などんぐり
第III章 どんぐりの形態学
1 果皮とへその構造
2 種子の構造
3 花の形
4 奇妙な受精過程
5 複雑な花序
6 送粉様式
7 子房の成長ー果実へ
8 殻斗の起源
9 花序殻斗と花殻斗
10 ブナ科の系統と殻斗の進化
11 果実の散布
第IV章 ブナ科植物の芽生え
1 実生の多様性
2 地上子葉性と地下子葉性
3 実生の形態
4 発芽
5 地上茎の伸長
6 実生の初期成長戦略
コラム3 へそから根を出すどんぐり
第V章 どんぐりと昆虫
1 どんぐりと昆虫の密接な関係
2 虫えい形成昆虫
3 どんぐりを食べる鱗翅目昆虫ー蛾の仲間
4 どんぐりを食べる鞘翅目昆虫ーゾウムシとキクイムシ
5 ブナ科の属ごとに見た堅果食昆虫相の特徴
第VI章 どんぐりと哺乳類・鳥類
1 分散貯蔵散布
2 物理的防御
3 化学的防御
4 タンニン
5 タンニンの影響とげっ歯類の対抗戦略
6 物理的防御と化学的防御のトレードオフ
7 堅果の散布をめぐる植物と哺乳類の戦略的駆け引き
8 マスティングと昆虫・小型哺乳類
9 どんぐりと中・大型哺乳類
10 どんぐりと鳥類
11 哺乳類や鳥類による種子散布距離
コラム4 ところ変われば大きさも変わる -どんぐりのサイズの地理的クラインー
VII章 ブナ科植物と菌類
1 病原菌
2 菌根菌
3 外生菌根菌とブナ科植物の共生
4 菌根ネットワーク
5 樹木の実生再生と菌類
6 植生における“科の優占”と菌類
第VIII章 ブナ科植物の分布と植生
1 ブナ科植物と植生群系
2 南アジアの熱帯におけるブナ科植物の植物地理
3 タイ北部インタノン山における植生の垂直分布
4 タイ北部インタノン山におけるブナ科植物の垂直分布
5 ボルネオ島の植生
6 ボルネオ島におけるブナ科植物の垂直分布
コラム5 南西諸島の森とブナ科の植物
用語解説
引用文献
索 引
「困った子」といわれる子どもの大半は「困っている子」ともいえる。本書は、子どもにとって一番身近な存在であり、また「困っている」大人でもある親に対して、発達はそもそもどんな子どもであっても多様であることを優しく解説。そのなかで発達障害に凸凹のある子どもを理解し、支援する方法を、ペアレント・トレーニングを使って具体的に紹介。保護者と子が困り感を一人で抱え込まないためのスキルを紹介する。
はじめに
第1章 発達は多様である
1-1.「みんな違って みんないい」?
1-2.かけがえのない存在である「わたし」
1-3.社会に適応すること
1-4.うちの子,もんだい?
1-5.発達とそれをささえるもの
1-6.発達障害とは?
【コラム】 診断は何のために?
1-7.発達の多面性
1-8.発達をみていくための3つの軸
1-9.特性と脳の問題
1-10.障害か個性か
1-11.平等? 公平?
第2章 困っている子を支援するためのヒント
2-1.「困った子」ではなく「困っている子」
【コラム】 アセスメントとは?
2-2.私たちは同じものを見聞きしているのだろうか?
2-3.子どもの特性を理解する
【コラム】 前庭覚・固有覚
2-4.行動を観察する
2-5.行動の背後にある特性をつかもうーー氷山モデル
2-6.ペアレント・トレーニングって何だろう
【コラム】 氷山モデルとは
第3章 ペアレント・トレーニングで学ぶスキルを試してみよう 基礎編
3-1.行動を3つに分ける
3-2.ポジティブな注目をする
【コラム】 ほめることと文化
3-3.ポジティブな注目をしようーーほめ方のコツ
3-4.注目のつかい分けをする
3-5.「スペシャルタイム」というスペシャルな技
3-6.指示の工夫をする
「ほめる」をめぐるQ&A
これまでの復習
第4章 ペアレント・トレーニングで学ぶスキルを試してみよう 応用編
4-1.ペナルティの考え方
【コラム】 ルールのカテゴリー
【コラム】 機能分析をしよう
4-2.ペナルティの上手なつかい方
【コラム】 間違えること≠悪いこと
4-3.「行動チャート」を活用する
4-4.支援の目的は何か?
第5章 社会のなかで育つ子どもーー「孤育て」にならないために
5-1.人と人の間で育つ子どもの心
5-2.「こころ」の在りようはそれぞれの関係のなかに
【コラム】 社会化の土台としての信頼感
5-3.育てにくい子どもを育てる親の困難さ
5-4.子育てに必要な3つのゆとり
5-5.孤立感の分析ーー保護者へのインタビューから
【コラム】 ライフスキルを身につけよう
5-6.多様性のなかで学ぶーー映画『みんなの学校』から
【コラム】 人に迷惑をかけてはいけない?
5-7.学校と家庭の連携
5-8.いろいろな人がいるのが普通の社会
参考文献
おわりに
私たちは日常的に「人の話をきく」ことをしています。しかし、実際には「何のために相手の話をきくのか」はあまり意識せず、何となく自分に必要なことをきいていることが多いのではないでしょうか。つまり「きいているつもり」になっていることが多いと思います。
本書の著者が行うリーダー向けの研修でも、「上手なきき方ができていますか?」と尋ねると、やはり「もちろん、ちゃんときくようにしています」という答えが返ってくるといいます。
しかし、現場では「きく」ことについて色々な悩みを相談されることが多いというのです。
「気づいたら、相手の話をきくどころか、ほとんど自分がしゃべっていた」
「相手の言いたいことを先取りしてしまった」
「気づいたら、お説教をしてしまっていた」
「つい、そうじゃないよと否定してしまっていた」
「相手が話し終えるまで待てず、解決策を言ってしまった」
「相手が黙り込んでしまって、気まずい状態で終わってしまった」
このような「きき方」を続けているかぎりコミュニケーションはうまくいきませんし、人を育てることにもつながりません。
国際NLP認定トレーナー・聴き方マスター師範である著者は、年間150日以上、人材育成の研修に取り組んでいます。人間心理学を活かした、わかりやすい研修は大好評で、リピート率は98%以上の実績を持ち、高い評価を得ています。
とくに「自分で考え動くことができる人材」の育成がますます求められているなか、「うまくいかない」というリーダーたちからの相談が増えているといいます。「きく」の漢字には「聴く」と「聞く」と「訊く」がありますが、人を育てるリーダーに求められる重要な資質は「Beingとして聴く」力であるというのが、本書でいちばん伝えたいことです。
読みすすめると、これまでどんな「きき方」をしてきたのかを振り返ることができ、人を育てるリーダーに必要な「聴き方」がしっかりと見えてきます。
著者が「聴き方マスター講座」をスタートさせたころ、「人の話をきくなんて、その気になれば誰にだってできるでしょう。わざわざ講座に参加して勉強するほどのことではない」という声もきこえたそうですが、今は全国に「聴き方マスター」が誕生しています。
「話をきいてもらえる環境」が危うくなってきた今、本書は聴くことの可能性を実感させてくれます。また、すぐ応用できる「聴き方」のコツはすぐに活用でき、実践書としてもおすすめです。
プロローグ 聴くことのゴールは相手の自立
1章 聴くために必要な準備
2章 何が聴くことを妨げるのか
3章 聴くために必要な「共感」
4章 聴いているつもりの落とし穴
5章 聴くことを阻む六つのバイアスパターン
6章 「何を話しても大丈夫」という聴き方
7章 相手への理解を深める実践的アプローチ
8章 相手を育てる聴き手の質問力
エピローグ 気づきは成長の第一歩
★この書籍の小売店頭価格は、2,500円+税です。
持続可能な地域社会づくりを意識したエネルギー自立政策で先進的な取り組みを進めるオーストリアに注目。小規模の自治体が多数存在するオーストリアでは、それぞれの地域が風土や自然、産業・文化に合わせた独自のエネルギー政策を立案し、それを全面的に支える仕組みがいくつも存在する。また、草の根で楽しみながら進める市民の文化がある。今号では、その具体的なシステムと事例を紹介し、日本への示唆を考えます。
目次
特集
1 巻頭言「オーストリアの先進性に学ぶ」的場信敬
Part 1:エネルギー自立の最前線
「草の根によるエネルギーの大改革」滝川 薫
「農山村の地域発展とエネルギー自立」久保田 学
「都市におけるエネルギー自立」木原浩貴
「林業・木材産業・バイオマスエネルギー」渕上佑樹
「生活の質を向上させる省エネ対策」上園昌武+上園由起
Part 2:持続可能な地域づくりを支える仕組み
「自治体の気候エネルギー政策を支える仕組み」豊田陽介
「オーストリアの中間支援組織」平岡俊一
「エネルギー事業の担い手とローカル経済圏」手塚智子
「農山村振興のためのボトムアップ政策」石倉 研
「2040年脱炭素を目指す政策とエネルギーシフト」歌川 学
ミニ連載
平家納経を考える4 厳王品 恵美千鶴子
ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期25 高荷洋一
連載
動物たちの文化誌31 疫病と動物たち 早川篤
欧州グリーンインパクト7 フランスのパーマカルチャー 遠藤浩子
地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。生物多様性論の旗手、E・O・ウィルソンからの警告と提言。
日本における種子論議のオピニオンリーダーの一人である、龍谷大学経済学部教授・西川芳昭氏の編著書。1農家vs企業という単純な図式を超えた、種子をめぐる複雑な現実に光をあて、2日本だけでなくアジアの小農・家族農を対象に農家の生き方や言葉にならない感覚を重視し、3生物文化多様性の視点からタネとヒトとの持続的な関係を提言している。タネを播き育て次代に引き継いできた農家の現実・実感・思いから語る本書は、経済的、政治的な視点で語られがちな種子論議に一石を投じるものといえる。
【目次】
第1章 生物文化多様性の視点からタネとヒトとの関係の豊かさを研究するとは
第2章 タネを採るヒトはタネとどのような関係を築いているのか
第3章 地域品種の継承とその多様な意味ーー中山間集落の全農地通年調査から
第4章 農家の庭木果樹にみる民衆の生存・生活価値ーー無償労働にみる「いきいきと生きる」ことの意味
第5章 豊かな食は遺伝資源からーーワサビが教えてくれること
第6章 アジアの小農とタネとの関係1--ミャンマーの国民野菜CHINBAUNG(チンバオ)のタネをめぐる仕組み
第7章 アジアの小農とタネとの関係2--ネパールにおけるソバとカラシナの調査からみえてきたもの
第8章 東アジアの種子管理組織とそのメカニズムの特性とは何かーー日韓台の政府系ジーンバンクと非営利組織の活動から
第9章 「支配」の観点から捉えた大手種苗会社と農業者の関係性
第10章 “人類共通の遺産”としての種子に関する国際社会の努力と利害関係者の協力に向けて
第11章 種子を共的世界に取り戻すことは可能かーーコモン化(commoning)の視点から
第12章 ヒトとタネの多層的関係を基盤とした農の営みの持続を目指して
■編著者
西川芳昭 龍谷大学経済学部教授
■著者(執筆順)
宇根 豊 百姓・農と自然の研究所代表
小林邦彦 総合地球環境学研究所研究員
河合史子 総合地球環境学研究所研究員(非常勤)
広田 勲 岐阜大学応用生物科学部助教
大和田興 茨城県農業総合センター農業研究所研究員
山根京子 岐阜大学応用生物科学部准教授
長嶋麻美 東京農業大学博士課程修了(農学博士)
渡邉和男 筑波大学生命環境系教授
河瀬眞琴 東京農業大学農学部教授
Ohm Mar Saw 元農業・畜産・灌漑省(ミャンマー連邦共和国)農業研究局バイオテクノロジー・植物遺伝資源・植物保護部主席研究員
入江憲治 東京農業大学国際食料情報学部教授
冨吉満之 久留米大学経済学部准教授
Bimal Dulal NPO法人ラブグリーンジャパン・プログラムオフィサー
吉田雅之 農業・元ネパール派遣青年海外協力隊員
坂本清彦 龍谷大学社会学部准教授
岡田ちから 特許業務法人秀和特許事務所弁理士
田村典江 総合地球環境学研究所上級研究員
地球上には、わかっているだけで一九〇万種、実際は数千万種もの生物がいる。その大半は人間と直接の関わりを持たない。しかし私たちは多様なこの生物を守らなければならない。それはなぜなのかー。熾烈な「軍拡競争」が繰り広げられる熱帯雨林や、栄養のない海に繁栄するサンゴ礁。地球まるごとの生態系システムを平易に解説しながら、リンネ、ダーウィン、メンデルの足跡も辿り直す、異色の生命讃歌。
★この書籍の小売店頭価格は、2,300円+税です。
世界遺産はどのようにして決まるのか? 世界遺産条約採択から50年、日本の条約批准から30年を節目に、ユネスコ第8代事務局長として世界遺産政策を牽引してきた松浦晃一郎氏をはじめ、日本の自然遺産、文化遺産登録に深く関わってきた4人が、それぞれの立場から世界遺産の現在とこれまで、そしてこれからを論じた一冊。世界遺産をめぐる日本と世界の動きにさまざまなかたちで関わってきたメンバーによる貴重な証言には、初めて語られる内容も多く、世界遺産ファンには必読の書。
目次
世界遺産条約50年の歩み
松浦晃一郎
日本の文化遺産の30年──世界の潮流の中で
暫定一覧表の改訂を中心に
西村幸夫
日本の自然遺産2022年
岩槻邦男
世界遺産と「日本の文化論」
五十嵐敬喜
座談会 日本の世界遺産の歴史と未来像 文化の多様性と日本の役割
松浦晃一郎・岩槻邦男・五十嵐敬喜・西村幸夫
世界遺産関連年表/用語解説
藤岡麻理子
生物間相互作用は進化を加速し、多様化を促進する。進化の「奇蹟」を目の当たりにする共生現象の研究事例と、分子系統樹活用のノウハウを解説。
イギリスで生まれた日本写真史、入門書。
戦後から現代まで、写真家約70名の作品200余点収録! !
近年、海外で注目が高まる「日本の写真」。世界から日本写真史を概観する書籍が求められるなか、日本に造詣が深いイギリス在住のキュレイターによる画期的な一冊が誕生した。著者自ら、日本を代表する25名の写真家にインタビューを敢行。作家たちの生の声を追いながら、「リアリズム」「ガーリーフォト」など、社会的変遷を背景に発展した日本の写真史を紐解いていく。
イギリスのキュレイターによる新鮮な切り口の日本写真史!
写真家たちの作品世界を、グローバルな視点で解き明かしている。
ー飯沢耕太郎(写真評論家/本書監修者)
インタビュー収録作家
荒木経惟・安齋重男・石内都・伊島薫・大森克己・川内倫子・川田喜久治・北井一夫
澤田知子・志賀理江子・柴田敏雄・須田一政・鷹野隆大・土田ヒロミ
Tokyo Rumando・長島有里枝・蜷川実花・野村佐紀子・畠山直哉・HIROMIX
細江英公・森村泰昌・森山大道・吉行耕平・米田知子
翻訳:小巻靖子
レーナ・フリッチュ
ドイツ出身。アシュモレアン博物館にて、近現代美術のキュレイターとして海外美術の展示や展覧会の企画を担当。以前はテート・モダンの海外美術部門にて、アシスタント・キュレイターとして、アジア太平洋地域の美術品の収集や展示を担当した。著書に『Yasumasa Morimuras“Self-portrait as Actress”: Uberlegungenzur Identitat』(2008 年)など。
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。
グローバル化し,競争が激化する中でも,なぜ日本の食品小売市場でグローバル小売企業は苦戦を強いられるのか。日本の食品スーパーがもつ地域多様性と現場の組織能力による強みを浮き彫りにし,今後の小売構造の行く末を指し示す力作。方法論の解説も充実。
序章 問題意識と本書の構成/第1章 日本の小売構造の特質と研究の系譜:マクロデータの整理と既存研究から見る日本の小売市場の特質/第2章 小売構造と消費市場の相互作用:食料品を扱う業態において市場集中度が高まらない理由の考察/第3章 小売市場内での小売業者間の競争:学習を伴う創造的競争はいかにして可能か/第4章 本書の分析視点と実証分析の課題・方法/第5章 顧客満足の規定因1:統計アプローチ/第6章 顧客満足の規定因2:集合論アプローチ/第6章補論 fsQCAの具体的手続き/第7章 小売組織内での知識創造:小売店頭の知識創造モデル(r─SECIモデル)/第8章 店頭従業員の進取的行動:現場での創造性とモチベーション/第9章 店頭従業員の能力獲得/終章 結論と展望