生物多様性と環境の保全機能が高い評価を受ける水田は、病気を媒介する蚊や病気の原因になる寄生虫の棲み場所でもある。世界の多くの地域では、水田開発や稲作は、病気の問題と闘いながら続けられてきた。病気をなくすため、稲作が禁止されたこともある。本書は、こうした水田の知られざる一面、忘れられた一面に焦点をあてた。水田の蚊が媒介する脳炎やマラリアなどの病気は、私たちにとっても、解決ずみの過去の問題ではない。世界的な人や物の移動や温暖化などの大きな環境変化の中で、媒介動物の分布や生態も急速に変わりつつある。媒介動物対策と環境保全は両立できるのだろうか。熱帯での水資源や農業開発、病気対策などにかかわる人、水田を中心にした環境づくりや生物多様性保全に関心がある人に広く薦めたい。
「困った子」といわれる子どもの大半は「困っている子」ともいえる。本書は、子どもにとって一番身近な存在であり、また「困っている」大人でもある親に対して、発達はそもそもどんな子どもであっても多様であることを優しく解説。そのなかで発達障害に凸凹のある子どもを理解し、支援する方法を、ペアレント・トレーニングを使って具体的に紹介。保護者と子が困り感を一人で抱え込まないためのスキルを紹介する。
はじめに
第1章 発達は多様である
1-1.「みんな違って みんないい」?
1-2.かけがえのない存在である「わたし」
1-3.社会に適応すること
1-4.うちの子,もんだい?
1-5.発達とそれをささえるもの
1-6.発達障害とは?
【コラム】 診断は何のために?
1-7.発達の多面性
1-8.発達をみていくための3つの軸
1-9.特性と脳の問題
1-10.障害か個性か
1-11.平等? 公平?
第2章 困っている子を支援するためのヒント
2-1.「困った子」ではなく「困っている子」
【コラム】 アセスメントとは?
2-2.私たちは同じものを見聞きしているのだろうか?
2-3.子どもの特性を理解する
【コラム】 前庭覚・固有覚
2-4.行動を観察する
2-5.行動の背後にある特性をつかもうーー氷山モデル
2-6.ペアレント・トレーニングって何だろう
【コラム】 氷山モデルとは
第3章 ペアレント・トレーニングで学ぶスキルを試してみよう 基礎編
3-1.行動を3つに分ける
3-2.ポジティブな注目をする
【コラム】 ほめることと文化
3-3.ポジティブな注目をしようーーほめ方のコツ
3-4.注目のつかい分けをする
3-5.「スペシャルタイム」というスペシャルな技
3-6.指示の工夫をする
「ほめる」をめぐるQ&A
これまでの復習
第4章 ペアレント・トレーニングで学ぶスキルを試してみよう 応用編
4-1.ペナルティの考え方
【コラム】 ルールのカテゴリー
【コラム】 機能分析をしよう
4-2.ペナルティの上手なつかい方
【コラム】 間違えること≠悪いこと
4-3.「行動チャート」を活用する
4-4.支援の目的は何か?
第5章 社会のなかで育つ子どもーー「孤育て」にならないために
5-1.人と人の間で育つ子どもの心
5-2.「こころ」の在りようはそれぞれの関係のなかに
【コラム】 社会化の土台としての信頼感
5-3.育てにくい子どもを育てる親の困難さ
5-4.子育てに必要な3つのゆとり
5-5.孤立感の分析ーー保護者へのインタビューから
【コラム】 ライフスキルを身につけよう
5-6.多様性のなかで学ぶーー映画『みんなの学校』から
【コラム】 人に迷惑をかけてはいけない?
5-7.学校と家庭の連携
5-8.いろいろな人がいるのが普通の社会
参考文献
おわりに
★この書籍の小売店頭価格は、2,500円+税です。
持続可能な地域社会づくりを意識したエネルギー自立政策で先進的な取り組みを進めるオーストリアに注目。小規模の自治体が多数存在するオーストリアでは、それぞれの地域が風土や自然、産業・文化に合わせた独自のエネルギー政策を立案し、それを全面的に支える仕組みがいくつも存在する。また、草の根で楽しみながら進める市民の文化がある。今号では、その具体的なシステムと事例を紹介し、日本への示唆を考えます。
目次
特集
1 巻頭言「オーストリアの先進性に学ぶ」的場信敬
Part 1:エネルギー自立の最前線
「草の根によるエネルギーの大改革」滝川 薫
「農山村の地域発展とエネルギー自立」久保田 学
「都市におけるエネルギー自立」木原浩貴
「林業・木材産業・バイオマスエネルギー」渕上佑樹
「生活の質を向上させる省エネ対策」上園昌武+上園由起
Part 2:持続可能な地域づくりを支える仕組み
「自治体の気候エネルギー政策を支える仕組み」豊田陽介
「オーストリアの中間支援組織」平岡俊一
「エネルギー事業の担い手とローカル経済圏」手塚智子
「農山村振興のためのボトムアップ政策」石倉 研
「2040年脱炭素を目指す政策とエネルギーシフト」歌川 学
ミニ連載
平家納経を考える4 厳王品 恵美千鶴子
ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期25 高荷洋一
連載
動物たちの文化誌31 疫病と動物たち 早川篤
欧州グリーンインパクト7 フランスのパーマカルチャー 遠藤浩子
日本における種子論議のオピニオンリーダーの一人である、龍谷大学経済学部教授・西川芳昭氏の編著書。1農家vs企業という単純な図式を超えた、種子をめぐる複雑な現実に光をあて、2日本だけでなくアジアの小農・家族農を対象に農家の生き方や言葉にならない感覚を重視し、3生物文化多様性の視点からタネとヒトとの持続的な関係を提言している。タネを播き育て次代に引き継いできた農家の現実・実感・思いから語る本書は、経済的、政治的な視点で語られがちな種子論議に一石を投じるものといえる。
【目次】
第1章 生物文化多様性の視点からタネとヒトとの関係の豊かさを研究するとは
第2章 タネを採るヒトはタネとどのような関係を築いているのか
第3章 地域品種の継承とその多様な意味ーー中山間集落の全農地通年調査から
第4章 農家の庭木果樹にみる民衆の生存・生活価値ーー無償労働にみる「いきいきと生きる」ことの意味
第5章 豊かな食は遺伝資源からーーワサビが教えてくれること
第6章 アジアの小農とタネとの関係1--ミャンマーの国民野菜CHINBAUNG(チンバオ)のタネをめぐる仕組み
第7章 アジアの小農とタネとの関係2--ネパールにおけるソバとカラシナの調査からみえてきたもの
第8章 東アジアの種子管理組織とそのメカニズムの特性とは何かーー日韓台の政府系ジーンバンクと非営利組織の活動から
第9章 「支配」の観点から捉えた大手種苗会社と農業者の関係性
第10章 “人類共通の遺産”としての種子に関する国際社会の努力と利害関係者の協力に向けて
第11章 種子を共的世界に取り戻すことは可能かーーコモン化(commoning)の視点から
第12章 ヒトとタネの多層的関係を基盤とした農の営みの持続を目指して
■編著者
西川芳昭 龍谷大学経済学部教授
■著者(執筆順)
宇根 豊 百姓・農と自然の研究所代表
小林邦彦 総合地球環境学研究所研究員
河合史子 総合地球環境学研究所研究員(非常勤)
広田 勲 岐阜大学応用生物科学部助教
大和田興 茨城県農業総合センター農業研究所研究員
山根京子 岐阜大学応用生物科学部准教授
長嶋麻美 東京農業大学博士課程修了(農学博士)
渡邉和男 筑波大学生命環境系教授
河瀬眞琴 東京農業大学農学部教授
Ohm Mar Saw 元農業・畜産・灌漑省(ミャンマー連邦共和国)農業研究局バイオテクノロジー・植物遺伝資源・植物保護部主席研究員
入江憲治 東京農業大学国際食料情報学部教授
冨吉満之 久留米大学経済学部准教授
Bimal Dulal NPO法人ラブグリーンジャパン・プログラムオフィサー
吉田雅之 農業・元ネパール派遣青年海外協力隊員
坂本清彦 龍谷大学社会学部准教授
岡田ちから 特許業務法人秀和特許事務所弁理士
田村典江 総合地球環境学研究所上級研究員
地球の生物種は「第六の大絶滅」と言われるスピードで減少している。生物多様性論の旗手、E・O・ウィルソンからの警告と提言。
「選べない」唯一の国、日本。別姓が可能または原則の各国はどう定めている? 家族の絆は? 制度の必要性と課題を現実的・体系的に考えるための必読書。夫婦同姓が法律で強制されているのは今や日本のみ。本書では、夫婦別姓も可能な英国・米国・ドイツ、通称も合法化したフランス、別姓が原則の中国・韓国・ベルギーで実体験を持つ筆者達が各国の歴史や法律から姓と婚姻、家族の実情を考察し「選べる」社会のヒントを探る。そして、一向に法案審議を進めない立法、合憲判断を繰り返す司法、世界を舞台とする経済界の視点を交えて、具体的な実現のために何が必要なのかを率直に議論する。多様性を認める社会の第一歩として、より良き選択的夫婦別姓制度を設計するための必読書。
イギリスで生まれた日本写真史、入門書。
戦後から現代まで、写真家約70名の作品200余点収録! !
近年、海外で注目が高まる「日本の写真」。世界から日本写真史を概観する書籍が求められるなか、日本に造詣が深いイギリス在住のキュレイターによる画期的な一冊が誕生した。著者自ら、日本を代表する25名の写真家にインタビューを敢行。作家たちの生の声を追いながら、「リアリズム」「ガーリーフォト」など、社会的変遷を背景に発展した日本の写真史を紐解いていく。
イギリスのキュレイターによる新鮮な切り口の日本写真史!
写真家たちの作品世界を、グローバルな視点で解き明かしている。
ー飯沢耕太郎(写真評論家/本書監修者)
インタビュー収録作家
荒木経惟・安齋重男・石内都・伊島薫・大森克己・川内倫子・川田喜久治・北井一夫
澤田知子・志賀理江子・柴田敏雄・須田一政・鷹野隆大・土田ヒロミ
Tokyo Rumando・長島有里枝・蜷川実花・野村佐紀子・畠山直哉・HIROMIX
細江英公・森村泰昌・森山大道・吉行耕平・米田知子
翻訳:小巻靖子
レーナ・フリッチュ
ドイツ出身。アシュモレアン博物館にて、近現代美術のキュレイターとして海外美術の展示や展覧会の企画を担当。以前はテート・モダンの海外美術部門にて、アシスタント・キュレイターとして、アジア太平洋地域の美術品の収集や展示を担当した。著書に『Yasumasa Morimuras“Self-portrait as Actress”: Uberlegungenzur Identitat』(2008 年)など。
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。
グローバル化し,競争が激化する中でも,なぜ日本の食品小売市場でグローバル小売企業は苦戦を強いられるのか。日本の食品スーパーがもつ地域多様性と現場の組織能力による強みを浮き彫りにし,今後の小売構造の行く末を指し示す力作。方法論の解説も充実。
序章 問題意識と本書の構成/第1章 日本の小売構造の特質と研究の系譜:マクロデータの整理と既存研究から見る日本の小売市場の特質/第2章 小売構造と消費市場の相互作用:食料品を扱う業態において市場集中度が高まらない理由の考察/第3章 小売市場内での小売業者間の競争:学習を伴う創造的競争はいかにして可能か/第4章 本書の分析視点と実証分析の課題・方法/第5章 顧客満足の規定因1:統計アプローチ/第6章 顧客満足の規定因2:集合論アプローチ/第6章補論 fsQCAの具体的手続き/第7章 小売組織内での知識創造:小売店頭の知識創造モデル(r─SECIモデル)/第8章 店頭従業員の進取的行動:現場での創造性とモチベーション/第9章 店頭従業員の能力獲得/終章 結論と展望
地球上には、わかっているだけで一九〇万種、実際は数千万種もの生物がいる。その大半は人間と直接の関わりを持たない。しかし私たちは多様なこの生物を守らなければならない。それはなぜなのかー。熾烈な「軍拡競争」が繰り広げられる熱帯雨林や、栄養のない海に繁栄するサンゴ礁。地球まるごとの生態系システムを平易に解説しながら、リンネ、ダーウィン、メンデルの足跡も辿り直す、異色の生命讃歌。
なぜ宇宙は人々を惹きつけてやまないのか?
宇宙とは何かという,この世の中でももっとも根源的な部類に属する問題に取り組む宇宙論の研究は,現在,目覚ましい発展を遂げているさなかにある。その原動力となっているのは,宇宙観測の飛躍的な拡大である。これにより,宇宙論は単なる思索の対象から定量的な実証科学へと変貌を遂げた。
宇宙の大規模構造は,宇宙空間に広がる数億光年?数十億光年にもおよぶ大きな構造である。ビッグバンから始まる宇宙の歴史の中で,大規模構造がどのように形成されてきたかを探ることは,この宇宙そのものの起源を探ることに直結している。宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究は,将来的にも最も期待される手法のひとつとされ,大規模な観測計画が世界中で立案されている。
本書の目的は,宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究を解説することにある。最初に,現代宇宙論の現状や,いま研究されている未解決問題を概観し,同時に宇宙論の研究に用いられる基礎的な物理の原理を解説する。そして,宇宙の大規模構造の進化を記述するための理論的基礎を解説する。さらに,大規模構造形成における理論的な最前線の紹介として,摂動論的手法に基づいた最近の理論的進展を解説する。
前半の章では基礎的なレベルから始めて,後半の章では多少高度な話題についても触れている。宇宙論の現状や研究の雰囲気をある程度詳しく概観するのにも適している。
40億年にわたる地球の動物の進化をふりかえりつつ、厖大な動物の種(大きく見積もって2億種)を公平に要約して35の系統に分け、ふだん見られない動物たちに重点を置きつつ、540点余の貴重な図版とともに紹介する。
深海や極寒の地の動物、「最強の動物」クマムシ、はっとするほど美しいもの、奇妙な形や生態のもの、グロテスクなものなど、動物の既成概念を根底から覆す痛快なオールカラー図鑑。
【本書の特徴】
1.地球上の動物を40億年の進化を踏まえて35系統に分けて紹介
2.日本を含む世界中の研究者たちによる、貴重かつ美しいカラー図版を540点余掲載
3.35系統それぞれの体の構造とそのはたらき、生活様式、起源と類縁関係を解説
4.各系統の種数、大きさ、多様性、生息環境、特徴を一覧できる
生物間相互作用は進化を加速し、多様化を促進する。進化の「奇蹟」を目の当たりにする共生現象の研究事例と、分子系統樹活用のノウハウを解説。
「自然再生」とはどのようにあるべきか。日本のNGOが模索してきた事例や歴史とともに、第一線の研究者、フィールドワーカー、行政担当者がそれぞれの現場から詳述する。その理念と技術的な諸問題を幅広く紹介。
LGTB等の人々、あるいはその家族・親族や関係者の相談に乗る弁護士のためのQ&A形式の対応マニュアル。裁判例、当事者の座談会、相談を受けた際のロールプレイング、相談窓口一覧、コラムなどの各項目も充実。
シリーズ最新刊。道徳授業の「質的転換」が必要な今,子どもたちの心に響くオリジナルの道徳授業を提案します。喫緊の今日的課題である「多様性の尊重」や「SDGs」に視点に置いた授業も取り上げています。
教育における選択の自由と機会の平等の調和点をリベラリズムの立場から具体的に提示する。