環境問題のむずかしさは、まず何が問題なのか、きちんと説明するのがむずかしいことにある。しかし、その重大性は、戦争、経済などとも比較にならない。百年後まで人類がまともに生き延びられるかどうかは、この問題への取り組みにかかっているとさえいえる。だからこそ、環境問題は最大の政治問題なのである。そもそも「人間社会」対「自然環境」という図式が、問題を見えにくくしてきたし、人間がなんとか自然をコントロールしようとして失敗をくりかえしてきたのが、環境問題の歴史だともいえる。本書は、環境省「二一世紀『環の国』づくり会議」の委員を務め、大の虫好きでもある著者による初めての本格的な環境論であり、自然という複雑なシステムとの上手な付き合い方を縦横に論じていく。
本書は、現在熱心にDR(デザインレビュー)遂行に取り組んで成果を挙げている多くの業種の事例集である。
私たちの身近にいた動物たちに絶滅の危機が-。環境庁発行の『日本の絶滅のおそれのある野生生物』日本版レッドデータブックにあげられた、絶滅の危機に瀕する動物486種除昆虫のリストをランク別に収録。特にその中から50種を選定して、生態的イラストを加え、その動物を実際に研究してきた研究者36名が、最新の研究成果から危機の現状を浮き彫りにした。
職場が輝く教育訓練。意思疎通を考えさせ、価値観の多様性を悟らせ問題解決を学ばせるゲームトレーニングの指導書。
ダーウィンの環境淘汰説では説明しきれない、不合理とも見える性の仕組み。この謎に真っ向から挑み、原始の地球に起こった細胞レベルのミクロな争いを再現し、性の生物学に新しい頁をひらいた、マーグリスの名著。
生物の多様性を保全するための理論と実際をわかりやすく解説。
応募者の評価と選抜は、誰かがどこかで判定しなければなりません。機械が判定しようと、人が判定しようと、その基準値は、人が設定するわけです。その原点になるソフトを開発するように採用面接官マニュアルをまとめました。どこかで誰かが機械化したり、システム化されても耐えられそうなマニュアル。
サンタフェ研究所による複雑系研究の成果を、その中心にいる著者みずからが披露。世界を複雑系としてとらえることで、知の行きづまりの打開をはかり、複雑な現実の世界を理解しようと試みた、知的刺激に富む書。
夢やロマンをさそう熱帯雨林。その熱帯雨林の研究がここ数十年で急激に進展した。驚異的な種多様性と、その中で暮らす生き物たちの生態が明らかになりつつある。本書では最新の研究成果をもとに、イチジクとイチジクコバチ、オオバギとアリなど、植物と昆虫が繰り広げる巧妙で合理的な共生関係を中心に、熱帯雨林の興味つきない生態を紹介する。
本書は複雑系科学として生命の発達、進化、組織化、関係性、動的安定性の論理をつくることをめざし、その果てに意味の出現を見ようとするものである。
本書は、すでに90歳を越えた著者がまったく新しく書き下ろした、生物学の歴史と現状とそして未来を語ったものである。生物学の特質はなにか、物理科学とはどのように異なるか、それは自律的な学問であるか、われわれ自身やわれわれの倫理についてなにを教えてくれるか、など、著者が長年にわたって蓄え培ってきた知識と哲学が驚くほどの若々しさで語られている。さらに、生物学で問われる「なにが」、「いかに」、「なぜ」という三つの問いを具体的に明示するために、多様性生物学、発生生物学そして進化生物学について、これまで用いられてきた概念や方法論に照らしてその特性が述べられる。