“ヒトと動物の共生システム”を科学的に解明し、ヒトの健康社会の実現を目指して、ヒトと動物における認知的インタラクション解析/ヒトと動物との共進化遺伝子の同定/ヒトと動物との微生物クロストークの3つの視点からわかりやすく解説する。
第1部 ヒトと動物における認知的インタラクション解析
1 ヒトとイヌの認知的インタラクションの行動遺伝学的解明と、インタラクションがもたらす共生QOL の評価
2 野生動物(シカ)の資源化・有効活用による共生システム構築のための微生物研究
3 ペットフレンドリーなコミュニティの条件 ── アメリカ・相模原におけるコミュニティ疫学調査の実施と「ミニ・パブリック」を対象とした「討論型世論調査」(Deliberative Poll DP)の実施 ──
4 動物共生科学の科学的コミュニケーション構築とその発信に関する研究
第2部 ヒトと動物との共進化遺伝子の同定
5 ヒト ─ 動物の共生による発がん性感受性の変化の解析:より健康な環境づくりに向けて
6 Chemical genetics によるウイルス感染症の病態原因遺伝子の同定
7 比較病理学に基づくヒトのAA アミロイド症の原因遺伝子の同定
8 生殖サイクルをつかさどるヒト動物共進化メカニズムの解明
9 ヒトとイヌの癌幹細胞に発現する共通遺伝子の解析
10 イヌ腫瘍リポジトリの構築と遺伝子シグネチャー解析による転移・浸潤ドライバー遺伝子の探索
11 エネルギー浪費タンパク質Ucp1 の遺伝子を軸とした動物の生産性向上と保健
12 動物系統進化を考慮した各種疾患の比較解析に基づく病理発生の解明── 病の起源を探る ──
第3部 ヒトと動物との微生物クロストーク
13 細菌叢クロストークに着目したイヌとの共生によるヒト健康促進機序の解明
14 イヌの細菌叢からのアレルギー抑制細菌の探索
15 ペット飼育下の室内カビ叢がヒト免疫系に及ぼす影響に関する基礎的研究
江戸時代の日常生活には、つねに感染症の脅威があった。梅毒・結核・インフルエンザ・コレラ・麻疹・疱瘡…。これらは日々の暮らしにいかなる影響を与えたのか。医療の進歩や都市生活と商業主義の展開、出版メディアの発達など、生活環境の移り変わりによる感染症へのまなざしの変化を描き、現代にも通じる社会と感染症との共生する姿を考える。
序章 「須佐之男命厄神退治之図」(葛飾北斎画)の世界/1 慢性感染症(黴毒(梅毒)-性感染症をめぐるディスクール〈「大風に類する」病/黴毒の広がりと警戒/黴毒への羞恥/病原としての下層社会と遊廓〉/労瘵(結核)-「恋の病」考〈はじめにー「恋の病」という言説/明清医学の導入/医学書の中のジェンダー/心を病む人々/文芸史料の中の労瘵〉/「癩」-「家筋」とされた病〈中世から近世への転換/病者の特定化ー一七世紀後半/「悪血」の排出ー一八世紀以降〉/2 急性感染症(流行り風邪(インフルエンザ)-江戸の町の疫病対策〈医学史からみた流行り風邪/流行り風邪の通称と背景/疫病対策の転換〉/麻疹ー情報氾濫が生む社会不安〈麻疹養生法の広がりー享和三年(一八〇三)/麻疹がもたらす特需ー文政六年(一八二三)/文久二年(一八六二)の流行)以下細目略/疱瘡(天然痘)-共生から予防へ/コレラー新興輸入感染症の脅威
実臨床での考え方がわかる,難聴早期発見と切れ目ない支援のための1冊
●第1章では,難聴の早期発見とその後の診断・補聴器の装用と早期療育の状況について,第2章では,学齢期における継続的な支援などについて言語発達や学齢期に問題になることの多い重複障害の問題などを含めて初学者にもわかりやすく解説しました。
●最新のエビデンス紹介を基本に,実臨床の場での知見も取り入れています。
●小児難聴の診療に必要な幅広い知識を,実臨床に即した形でまとめました。
●医師,言語聴覚士,特別支援学校教員をはじめ,難聴児の支援に携わるすべての専門家に役立つ1冊です。
Introduction 小児難聴の総論
1 基本となる知識 福島邦博
column 1 小児医療における考え方 守本倫子
column 2 厚生労働省・文部科学省による「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針」について 中川尚志
第1章 乳児期の難聴・幼児期の難聴
1 新生児聴覚スクリーニングの実際 菅谷明子
2 精密聴力検査(他覚的聴力検査,幼児聴力検査) 南修司郎
3 先天性サイトメガロウイルス感染症の病態・検査・治療 森内浩幸,森内昌子,神田幸彦,佐藤智生
4 遺伝性難聴の病態と検査 野口佳裕
column 1 遺伝学的検査 宇佐美真一
5 小児難聴の画像診断 内藤 泰
6 乳児期の難聴児に対する補聴器フィッティング 富澤晃文,城間将江
7 乳児期難聴児への介入に必要なポイント 北 義子
column 2 きこえの多様性 中澤 操
8 新しい人工聴覚器と補聴器と適応 古賀 涼,神田幸彦
9 人工内耳の適応選択とその後の対応 岩崎 聡
10 幼児期における難聴児の療育 近藤美紀,神田幸彦
column 3 「難聴のお子さんと保護者のための難聴児療育のロードマップ〜特に人工内耳に関連して〜」 神田幸彦,高橋晴雄,宇佐美真一
11 人工内耳前後の療育:小児人工内耳装用前後のガイドラインについて 神田幸彦,高橋晴雄,伊藤真人
12 急性中耳炎,滲出性中耳炎(非外科的治療) 伊藤真人
第2章 学齢期の難聴
1 学齢期における先天性伝音難聴の外科的治療 白馬伸洋
2 難聴児の言語発達:学齢期の支援について 藤吉昭江
column 1 難聴児にとっての手話言語 武居 渡
3 症候群性難聴の診断と合併する全身症状 吉村豪兼
column 2 聴覚情報処理障害(聞き取り困難症) 阪本浩一
column 3 心因性難聴・機能性難聴 片岡祐子
4 環境調整指導のポイント 菅谷明子
column 4 聴覚過敏 佐藤吏江
5 神経発達症(発達障害)の合併した聴覚障害 福島邦博
6 保護者支援のあり方(保護者とのQ&A) 麻生 伸
column 5 セルフアドボカシー 國末和也
7 福祉制度の概要 石川浩太郎
8 専門職連携教育(IPE)と多職種協働(IPW) 福島邦博
column 6 難聴児の支援に関する調査研究(令和2〜4年度) 大瀬千紗,東海林崇
索引
歯髄の感染をバイオフィルム感染症として捉え、歯内療法治療戦略を問い直す
ーそして、細菌学的理解に基づく歯内療法の実践へ
・臨床と研究(基礎)の第一線で活躍する二人の著者が、歯髄の感染をバイオフィルム感染症として捉え、歯内療法の治療戦略を問い直す。
・歯内療法にパラダイムシフトを起こしているNiTiロータリーファイル。そのメリットと課題を浮き彫りにし、具体的な器具の選択方法を教示。
・化学的根管清掃の意義と効果、薬剤活性化の方法について細菌学的な観点から再検討し、効果的かつ適切な根管洗浄方法を提案。
・歯内療法に関連する最新の細菌学的知見が深まる一冊です。
【目次】
はじめに
序論 対談:バイオフィルム感染症としての治療戦略とは?
01 根管形成のパラダイムシフトと微生物学的視点から考える問題点
02 根尖性歯周炎のマイクロバイオーム解析
03 根管内バイオフィルムの質を考慮した歯内療法
04 根尖性歯周炎の処置とバイオフィルム
05 根尖部の残存細菌を減少させるためにできること
索引
栄養系,看護系をはじめ,薬学系,臨床工学系の学生にも好評な免疫学の教科書.フルカラー化によりますます視覚的に理解しやすくなった.今版では,免疫学の全体像を理解する「基本編PartI」,より具体的な内容を学ぶ「基本編PartII」,臨床免疫学を扱う「展開編」の三部構成とし,さらに「基本編」を充実させた.初学者にもわかりやすく,学生の学習状況に合わせて使いやすい一冊.
基礎的な病態生理から一般的な治療原則まで網羅した2707のQ&A。見やすく、読みやすい2色刷のレイアウトに変更。知識の整理に役立つ「TOP100シークレット」と「キーポイント」を新設。
変わりゆく法制度、変わらない脅威。50年ぶりの結核予防法改正に、臨床現場はどう対応しているか。世界最大の感染症に対峙する「定本」第4版。
SDGsの先へ 地球規模の課題解決に向けて
地球上の環境変化は、時空間的に離れたところへ波及し、思いがけない影響を及ぼし合う。そこで、地球規模の課題をシステム全体にわたって捉えるために用いる概念がプラネタリーヘルスである。プラネタリーヘルスは、環境破壊が私たちの健康や幸福に及ぼす影響を理解し、数値化して、人間と自然とが将来にわたり継続できるよう解決策を生み出すことを目指す。本書では、気候変動、災害、汚染、生態系の現状と、それに起因する人間の感染症や様々な疾患、メンタルヘルス、さらには移民、紛争、人口、食料、公平性の問題、エネルギー、都市化、経済、幸福、倫理などの幅広い視点から、事例のつながりを浮き彫りにする。新型コロナウイルス感染症もまさにプラネタリーヘルスの課題といえ、エピローグで取り上げている。今と将来に生きる、人類とすべての生き物を含む地球全体の未来のため、分野を超えた考え方を学べる。
・診療現場で遭遇する頻度の比較的高い疾患を取り上げ,common disease,緊急を要する疾患,見落としや誤診をしてはいけない疾患の3つに分類しました。
・各疾患につき「病態」「皮疹の見方」「診断に必要な検査と所見」「初期対応」「皮膚科/皮膚科以外へのコンサルト」についてコンパクトに解説しています。
・レジデントや専攻医, 若手皮膚科医のみならず,皮膚疾患をみる医師,看護師,薬剤師の方々もそのまま活用できる1冊です。
1章 湿疹・痒疹
1 接触皮膚炎
2 脂漏性皮膚炎
3 皮脂欠乏性湿疹・貨幣状湿疹
4 アトピー性皮膚炎
5 結節性痒疹
2章 蕁麻疹
蕁麻疹
3章 中毒疹・紅斑症・薬疹
1 中毒疹
2 多形紅斑
3 スティーヴンス・ジョンソン症候群
4 中毒性表皮壊死症
5 薬剤性過敏症症候群
4章 血管炎
IgA血管炎
5章 物理化学的皮膚障害
1 熱傷
2 日光皮膚炎
3 凍瘡
4 褥瘡
6章 炎症性角化症
乾癬
7章 角化症
胼胝・鶏眼
8章 色素異常症
1 肝斑
2 老人性色素斑
9章 汗腺系疾患
1 汗疹
2 汗疱
10章 毛包脂腺系疾患
1 痤瘡
2 酒皶・口囲皮膚炎
11章 毛髪疾患
1 円形脱毛症
2 男性型脱毛症・女性型脱毛症
12章 爪甲疾患
1 厚硬爪甲・爪甲鉤彎症
2 巻き爪・陥入爪
13章 腫瘍
1 日光角化症・ボーエン病
2 乳房外パジェット病
3 菌状息肉症
14章 ウイルス感染症
1 単純ヘルペス
2 帯状疱疹
3 手足口病
4 尋常性疣贅
5 伝染性軟属腫
15章 細菌感染症
1 伝染性膿痂疹
2 丹毒・蜂窩織炎
3 壊死性筋膜炎
4 毛包炎・せつ・よう
16章 真菌症
1 足白癬
2 爪白癬
3 体部白癬・股部白癬
4 頭部白癬
5 皮膚カンジダ症
6 口腔カンジダ症
7 癜風・マラセチア毛包炎
17章 性感染症
梅毒
18章 昆虫などによる皮膚疾患
1 虫刺症
2 疥癬
どんな仕事でも、大切なのは、「常識」にとらわれず、本質をつかむこと。第一線で活躍する科学者たちは、どのような視点でものを考えているのか。「禁断」の進化論から自然に学ぶテクノロジーまで、さまざまな分野の科学者たちの生き方、考え方を紹介。『絶対音感』『セラピスト』の著者による東工大での人気講義をまとめた一冊です。
1 生物はなぜ光るのか 下村脩の研究人生
2 感染症にかける ゲスト 山内一也
3 偉人伝から遠く離れて マリー・キュリーと弟子・山田延男
4 原子核物理から心理の道へ ゲスト 佐々木玲仁
5 遺伝子工学と知らないでいる権利 ウェクスラー家の選択
6 禁断の不均衡進化説 ゲスト 古澤満
7 実践ショートショート 星新一と要素分解共鳴結合 ゲスト 江坂遊
8 空白の天気図と観測精神 広島地方気象台と猿橋勝子
9 二つの大震災から見えたもの ゲスト 石田瑞穂
10 ひとはなぜ回復するのか 中井久夫と統合失調症の寛解過程論
11 イリュージョンと脳の可能性 ゲスト 柏野牧夫
12 生物模倣のテクノロジー ジャニン・べニュスとバイオミミクリー
皮膚科医にもエビデンスに基づく診療と,患者さんに根拠を持った説明が求められる時代となった。しかしエビデンスに乏しい領域では,ガイドラインが必ずしも策定されていない。そのような閉塞状況を打開すべく,本書は皮膚感染症に絞ってエビデンスに基づいた診断から治療方法までを完全網羅した。患者中心の臨床決断を支援し,より良好な医師ー患者関係を構築するための1冊。
1章 細菌感染症
総論
1. 皮膚細菌感染症概論
2. 抗菌薬の最近の動向
3. 耐性菌:その機序と対策
4. 消毒の功罪
抗菌薬の使い方:単純性皮膚感染症
1. 表在性皮膚感染症
2. 深在性皮膚感染症
3. 二次感染:外傷,熱傷,術創など
コラム PVL産生株
抗菌薬の使い方:複雑性皮膚感染症
1. 褥瘡
2. 壊死性筋膜炎
全身性感染症
番外編 化膿性汗腺炎
2章 真菌感染症
総論:疫学と分類,最近の動向
抗真菌薬の使い方:表在性真菌症
1. 足白癬
2. 体部白癬,股部白癬
3. 頭部白癬,Celsus禿瘡,白癬性毛瘡
4. トンズランス感染症
5. 爪白癬
6. カンジダ症(間擦疹,趾間びらん,爪囲炎)
7. 口腔カンジダ症
8. マラセチア感染症
抗真菌薬の使い方:深在性真菌症(スポロトリコーシス)
3章 ウイルス感染症
総論
1. 皮膚ウイルス感染症概論
2. 抗ウイルス薬最近の動向
3. 抗ウイルス薬以外の治療動向
抗ウイルス治療薬の使い方:ヘルペス
1. 単純ヘルペスウイルス感染症
2. 水痘
3. 帯状疱疹
抗ウイルス治療薬の使い方:疣贅
1. 尋常性疣贅,扁平疣贅
2. 尖圭コンジローマ
3. 伝染性軟属腫
抗ウイルス治療薬の使い方:急性発疹症
1. 麻疹
2. 風疹
3. 突発性発疹
4. 伝染性紅斑
5. 手足口病
6. 伝染性単核(球)症
4章 抗酸菌感染症
総論:最近の動向
抗酸菌感染症治療薬の使い方
1. 皮膚結核
2. 非結核性抗酸菌症
3. ハンセン病
5章 性感染症
最近の動向
性感染症治療(梅毒など)
6章 節足動物による皮膚感染症
1. 疥癬
2. シラミ症
3. マダニ刺症とダニ媒介性感染症
7章 輸入感染症
皮膚関連の輸入感染症の種類
皮膚幼虫移行症
マダニ刺症
デング熱
ハンセン病
皮膚型/粘膜皮膚型リーシュマニア症