スラッシュ界では老舗のレーベルとしても名高いロードランナーの日本支部からのリリースとなった本作。いわゆるグラインド・コアやデス・スラッシュという言葉だけでは括りきれない幅広さを内包した彼ら。歌メロにオリエンタルな色を感じる面もポイントだ。
ヨーロッパ出身のキーボードとギターに、アメリカHMシーンの歴戦の強者が加わって出来上がった、正統派HMの大型新人バンド。仕掛人はあのマイク・ヴァーニー。縦横無尽のキーボードを始めとするメンバーの高い技量とネオ・クラシック的な様式美が絶品。
はて、この番組で(1)が使われていたのは知ってたけどほかは……、と思ったらどうやら出演者(素人女性)が選んだラブ・ソングらしい。この不思議なコンピレーションにより一曲一曲は悪くないのに統一性乏しい悲しいアルバムになってしまっている。残念。
80年代後半から“デス・メタル”の発掘保護育成に力を注いでいたロードランナーによるコンピ盤シリーズの第2集。地下シーンにおけるデス・メタル爆発的流行のさなかの93年リリースとあって、シーンが個性的に分化していく瞬間の姿を映し出す。時代の徒花的名演も含む。