「男女平等なんて幻想です」。21世紀のいまだ男社会という現実を真正面から見つめて導き出す女性の生きる道とは? 国内外の大女優たちを撮影し続ける耽美派写真家・下村一喜による特異な女性論。
「このひとがいなかったら、日本にフェミニストカウンセリングはなかった。最後の著書になるかもしれないと、明かされなかった秘密を今だから語り残す。」--上野千鶴子(社会学者)母、妻としての役割しか求められない女性たちの心理的虚しさは、贅沢な悩みとして取りあってもらえず、夫からの暴力は夫婦間の問題として軽く扱われていた。セクハラという言葉はなく、痴漢は女性に隙があったと責任を転嫁された。1980年とはそんな時代だ。フェミニストカウンセリングは、「苦しいのは、あなたが悪いのではない」と女性たちへ「語り」を促し、社会の変化を後押ししてきた。「ノー」を言う、自己主張をする、「自分」を伝えるためにもがいた、連帯の土台。女性たちが語り、聞いてもらえるカウンセリング・ルームをはじめて作った創始者がエンパワーメントの歴史をひもとく。
世界的な潮流となった#MeToo運動や男性社会への疑義など、性別に伴う差別や不平等への意識が今日、かつて無いほどに高まっている。
他方、「男性特権」への開き直りは論外として、多くの男性は、時には剥き出しの敵意にも直面しながら、己の立ち位置や与し方に戸惑っているのではないか。
自らの男性性や既得権、そして異性との向き合い方に戸惑い、慄くすべての男性に応えつつ、女性や性的マイノリティへ向けても性差を越えた運動の可能性を提示する一冊。
◆目次◆
まえがき
第一章 多数派の男たちは何をどうすればいいのか
第二章 ヘテロ男性とは誰のことか
第三章 『マッドマックス怒りのデス・ロード』を読み解く
第四章 ヘテロ男性は変わりうるか─複合差別時代の男性学
第五章 『ズートピア』を読み解く
第六章 多数派の男たちにとってまっとうさとは何か
第七章 男たちはフェミニズムから何を学ぶのか
第八章 ポストフェミニズムとは何か
第九章 剥奪感と階級─『ジョーカー』を読み解く
第一〇章 複合階級論に向けて─ラディカル・メンズリブのために
あとがき
註
◆著者略歴◆
杉田俊介(すぎた しゅんすけ)
1975年生まれ。批評家。
自らのフリーター経験をもとに『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)を刊行するなど、ロスジェネ論壇に関わった。また20代後半より障害者ヘルパーに従事。
著書に『非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か』(集英社新書)、『ジャパニメーションの成熟と喪失』(大月書店)、『長渕剛論ーー歌え、歌い殺される明日まで』(毎日新聞出版)など。
差別問題を考える雑誌『対抗言論』では編集委員を務める。
医大の不正入試から、痴漢や「生理の貧困」問題、女性政治家の少なさ等々、女たちが性差別に声を上げる一方で、「男らしさの呪い」から抜けられない男たちのしんどさも。「女は翼を折られ、男はケツを蹴られる」と喝破する著者が、男も女も繊細でいいし傷ついていい、よりよい未来のために声を上げていこう! と元気づける爆笑フェミエッセイ。
【「はじめに」より抜萃』
石坂洋次郎ほど時代とともに忘れられたと思わせる作家は少ない。/映画『青い山脈』は1949(昭和24)年に封切られたが、大ヒットし、その主題歌とともにほとんど戦後民主主義の代名詞と見なされた。以後、石坂原作の映画が封切られない年は、1960年代末にいたるまでなかった。1950年代から60年代にかけて、石坂ほど映画化された小説家はいなかっただろう。旧作はもちろん、新作にしても小説が刊行されると同時に映画も封切られるといった状態にまでなっていた。典型的な流行作家だったのだ。だが、70年代に入るやいなや、その流行はあっという間に衰えた。これほど急激に語られなくなった作家はいなかったのではないかと思われるほどだ。(中略)/石坂には、事実、明朗健全以上に重要な特徴があるのだ。それは「女を主体として描く」という特徴である。主人公と言わずに主体と言うのは、女は主人公であるのみならず、必ず、主体的に男を選び主体的に行動する存在として描かれているからである。女は見られ選ばれる客体である以上に、自ら進んで男を選び、男に結婚を促し、自分自身の事業を展開する主体なのだ。明朗健全な爽やかさはこの主体的な女性が結果的に醸し出すのであって、逆ではない。(中略)/石坂が70年代において急激に読まれなくなったのは、その作品の本質を知ることなく、たんに明朗健全なだけの深みのない作品として退ける風が文壇に広まっていたからだろうと、私は思う。だが、それがいかに浅薄な見方であったか、いまや思い知るべき時が来たのだと私は考えている。(中略)/主題は近親相姦、それも、形容矛盾のように響くだろうが、いわば明朗健全な近親相姦ーー戸籍上は近親相姦になるが生物学的にはそうではないーーである。当然のごとく映画化もされなかった。いわば明朗健全が極限に達し、読者をして、個人とは何か、家族とは何か、社会とは何かという、人間社会の根底を揺さぶる問いに直面させるからである。(中略)/……石坂には、どこか人類学者に近いところがある。石坂もミードも、人類学者の視線を社会が要請するようになったまさにその場所に登場したのだ。石坂文学はつまりひとつの社会現象でもあったのである。しかも石坂文学を必要とした社会の状態はいまも少しも終わってはいない。忘れられていたあいだに、むしろ強まっているのだ。/石坂を知るには、フェミニストとして著名なリーアン・アイスラーの『聖杯と剣』や、それへの批判を含むシンシア・エラーの『紳士とアマゾン』を参照するのがいい。なかでも歴史人口学者エマニュエル・トッドの『家族システムの起源』は必読の文献といっていい。石坂が過激な小説家であり、家族システムが全世界的に過渡期にあるいまこそ、その過激さが必要とされていることを思い知らせてくれるからである。
『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。
この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。
わたしを生きるための言葉。#Imissme --わたしに会いたい。
コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。
・「わたしに会いたい」--ある日、ドッペルゲンガーの「わたし」がわたしに会いに来る。
・「あなたの中から」--女であることにこだわる「あなた」に、私が語りかける。
・「VIO」--年齢を重ねることを恐れる24歳の私は、陰毛脱毛を決意する。
・「あらわ」--グラビアアイドルの露(あらわ)は、乳がんのためGカップの乳房を全摘出する。
・「掌」--深夜のビル清掃のアルバイトをするアズサが手に入れた不思議な能力とは。
・「Crazy In Love」--乳がんの摘出手術を受けることになった一戸ふみえと看護師との束の間のやり取り。
・「ママと戦う」--フェミニズムに目覚めたママと一人娘のモモは、戦うことを誓う。
・「チェンジ」(書き下ろし)--デリヘルで働く私は、客から「チェンジ。」を告げられる。
【著者プロフィール】
西加奈子(にし・かなこ)
1977年イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪府で育つ。 2004年に『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年に『サラバ!』で直木賞を受賞。著書に『さくら』『円卓』『漁港の肉子ちゃん』『ふる』『まく子』『i』『おまじない』など多数。23年4月に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題。
「少なくとも、それまで若く瑞々しいという理由で私たちを蝶よ花よと可愛がっていた年上の男たちが今さら手のひらを返したように『20代の女の子ってそんなに面白くないんだよね、飽きるし。女は30歳過ぎてからの方が実は魅力的だよ?』なんて言ってきても鼻で笑うしかない。『アラサー女がそんなことで喜ぶと思うなよ』と。」(本文より抜粋)メディアで引っ張りだこの文筆家・鈴木涼美が鋭くあぶり出す現代男女世相絵巻。
恋愛、結婚、不倫、ハラスメント、フェミニズム、メンヘラ……今時の男と女を取り巻くあれこれがめくるめく涼美節にのってグイグイ刺さります!
全編、『アラサーちゃん』でおなじみの峰なゆかのイラスト付き!
【目次より】
第1章 恋愛とか結婚とか不倫とか
30歳の誕生日 〜すべて失う5秒前
未知なる女の持ち物事情 〜小さい財布みぃつけた
男にとっての妻と愛人 〜渡米か不倫か
アラサー女の真のスッピン 〜すっぴんがいいね、とキミが言ったから
得する女損する女 〜夏が来ちゃってしょうがない
モテる? 女の条件。 〜乳の遺言
家庭と仕事の男女逆転はありうるか 〜もうヒモ以外愛せない
男は「別名で保存」、女は「上書き保存」問題 〜彼氏は過去を愛しすぎてる
第2章 社会とかフェミニズムとかハラスメントとか
セクハラ問題 〜いやよダメよがお好きでしょ?
間違いだらけのフェミニズム 〜その男、リベラルにつき
平成最後のパワハラ判定 〜逃げるは恥だし角が立つ
女性活躍社会の不都合な真実 〜キャッチコピーの女は電気椅子で夢を見るか
女の不幸、その戦犯は男か社会か恋愛か? 〜#Me Tooは株券ではない
第3章 男とかおじさんとかあなたとか
おじいさんによる「おばさん」ディス 〜女の子はいつでもミニ年増
買春大好き日本 〜「シロウト」女、上から見るか下から見るか
男と女、それぞれの成功論 〜あの鼻を折らすのはあなた
男のロマンチック体質 〜メンヘラおじさんの純情な感情
箱入り娘とマザコン男の不思議な相性 〜例えばママがいるだけで
謝らない男たちが守りたいものとは 〜僕のゴメンネのぼうよみ
男の言葉と行動の深すぎる分析 〜愛と妄想のファシズム
【著者紹介】
鈴木涼美(すずき・すずみ)1983年東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業、東京大学大学院学際情報学府の修士課程を修了。大学在学中に横浜や新宿のキャバクラ嬢として働き、20歳でAVデビュー。約3年間の間に80本近くの作品に出演する。東大大学院で執筆した修士論文は『「AV女優」の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』(青土社)として後に書籍化される。院卒業後、2009年に日本経済新聞社に入社し、都庁記者クラブ、総務省記者クラブなどに配属され、地方行政の取材などを担当したのち、2014年に退社。著書多数。本書が初出連載されていたウェブサイ
『オニババ化する女たち』の三砂ちづるとスローライフやLOHASの辻信一が語り起こす、心とからだのスローラブ。
婚姻関係の外での恋愛やセックスは、
個人の倫理観や道徳感にゆだねられてきた。
しかしほんとうにそこだけにゆだねられるべき
なのか。ひとつの生物として
人はどのような心、体のしくみで不倫をするのか。
それを各界の専門家が解明する。
第1章 遺伝行動学から不倫を考える(山元 大輔)
第2章 動物行動学から不倫を考える(竹内久美子)
第3章 昆虫学から不倫を考える(丸山宗利)
第4章 宗教学から不倫を考える(島田裕巳)
第5章 女性学から不倫を考える(上野千鶴子)
第6章 心理学から不倫を考える(福島哲夫)
●春の映画、百科繚乱!“女たちの絆”がキーワード
映画界でもフェミニズムの意識が高まり、女たちの絆や団結をテーマにした話題作が続々と公開される春。
魅力的な公開作の中から、大人の女性におすすめする新しい時代の必見作を厳選してピックアップ!
●決定版! これが私たちのスタンダード フレンチシック白書
毎シーズン発信されるトレンドの中に、「これは自分の定番スタイルにしたい!」と思うことはありませんか?
この春のおすすめはやっぱりフレンチシック! エルが提案するアイテム、スタイル、ルール集など、
あなたらしく輝けるTIPSをお届けします。
●量よりアイデアでスタイルを完成!サステナ・ガールの着まわし31Days
ファッション大好きだけど、新シーズンの服を買うなら少しでも環境のことを考えているアイテムを着たい。
おしゃれも仕事も楽しみながらハッピーに都会をサバイブするサステナブルライフをご提案。
●モトーラ世理奈の春メイク7Days
冬からガラリとバランスが変わった春メイク。シーンごとにどんなメイクを楽しめばいい?
今、大注目のItガールのモトーラ世理奈さんが限られたメイクアイテムで7つの顔に大変身!
●俳優 門脇麦の素顔
2019年エル・シネマアワード「ベストアクトレス」賞を受賞、2020年大河ドラマ『麒麟がくる』では
ヒロイン・駒を演じ、話題作への出演が絶えない俳優、門脇麦。彼女のまなざしと魂を、写真家、高橋恭司が撮る。
●世界No.1シェフの新たな挑戦
イタリア人として初めて「世界のベストレストラン50」首位に上り詰めた情熱の人、マッシモ・ボットゥーラ。
NGO「フード・フォー・ソウル」を立ち上げ、世界が抱える大きな課題に挑むことを決意した
ソーシャル・ガストロノミーの牽引者だ。彼の原点である「食材と人への愛」について自らの言葉で語りたいと、
エルの取材に応えてくれた。
●写真家・森山大道が撮る!不滅のスターの輝き 木村拓哉という存在
世界的写真家と日本を代表するスターの初顔合わせが実現!撮影が行われたのは、
2020年が明けて早々の新宿ゴールデン街。混沌としたこの街を舞台に数々の作品を生み出してきた
森山大道が希代のスター、木村拓哉の現在を切り取るスペシャルなストーリー。
ポスト構造主義による安定的な主体の概念の解体は、フェミニズムに何をもたらすのか。われわれが自らの性的位置づけを選びとるに至る無意識の過程をめぐり、ラカンは男女2つの性を対立的なものとして捉えない図式を打ち出した。ファルス中心主義として激しい批判にさらされてきたラカン理論のなかにフェミニズムの進むべき新たな道をさぐる。
日本の女性たちは、朝鮮植民地支配と侵略戦争にいかに協力し、いかに抵抗したか。
フェミニズム用語を収録した辞典。アルファベット順配列。巻末に、見出し語和英索引、見出し語項目別索引がある。
男性の、男性による、男性のための思想体系がいかに虚構と欺瞞にみちているか。フェミニズムの問題提起によってなんとあっけなく揺さぶられるものにすぎないか。近代主義から近代批判、イリガライやクリステヴァなどのポスト・モダンに至るまでのフェミニズム思想の破壊力の変遷をたどりつつ、さらにリプロダクション、性暴力、国家と性など最も現代的なテーマに果敢に挑戦する。現代の生と性の意味を問いなおす女と男のための痛快なフェミニズム思想入門。
遺伝子技術をはじめとする現代科学の生命観はいかなる文化的・社会的起源を有するものなのか。言語をめぐる問題を視野に収めつつ、「ジェンダーと科学」論の第一人者が新しい科学と生命観の可能性を提示する。
フェミニズムはなぜ登場したのか?なにを獲得し、なにと闘い続けているのか?フェミニズムの歴史における基本テキストを詳しく解説。フェミニズムの全体像に迫る必読必携の書。
古代から現代まで女性たちは両性の平等を求めてたたかってきた。そのたたかいの原動力となった思想の歴史をたどるとともに、今も生成の過程にあるフェミニズムを、労働、宗教、エコロジー、母性、ポスト・コロニアル、セクシュアリティなどを通して検証し、未来への展望をひらく。