同時代の東アジア空間を生きた渋沢栄一と張謇に焦点を当てつつ、日中両国でいかに経済倫理が認識され、また公益思想が展開していったのか、その異同を考察する。
儒学をはじめとする東アジアの伝統思想が有した公益意識の実像を明らかにし、これが近代的公益事業の形成に果たした歴史的役割を、日中の企業家・教育家を中心に考察する。
マグニチュード7.6、建物全壊棟数97万棟、死者4万2千人。大阪府を南北40キロにわたって縦断する大都市直下の断層帯が活動を始めたとき、それは想像を絶する被害を日本にもたらす。ただのフィクションではない小説。
平田オリザが演出を務める劇団・青年団により、99年〜2007年にかけて上演された舞台『ソウル市民』三部作をまとめたBOX。1900年初頭?韓国併合”という社会背景の中のソウル(漢城)を舞台に、ある一家の日常が描かれる。
銀座にある「奥野画廊」に絵を持ち込んだ青年。売れるはずもない出来の絵だったが、なぜか、その絵に関心を持った画廊の主は、次々と青年の作品を買っていく…。美術界を舞台にした初期の作品である「青のある断層」のほか、著者自身の戦争体験をもとに作り上げた「赤いくじ」など、人間社会がかかえる闇と、人の持つ深き業に迫る名作、八編を収録した待望の第二巻。
1995年1月17日未明ー阪神・淡路大震災の一撃がこの国の“リアル”に亀裂を入れた。虚構空間を多重化する「ライトノベル」、「おたく」「サブカル」「ヤンキー」たちの棲み分ける「小説」、「戦争」を描くセカイ系と成長をやめた「ニート」たちー新たな文学の地勢図を解き明かす、画期的文芸評論集。