バブル期に土地・株式が急騰したこと、低成長に入って所得が上昇しないこと、などから「一億総中流」に象徴される社会の平等・安定意識は揺らいでいる。時代の推移のなかで、そして国際比較の上で、格差の拡大を統計データによって詳細に検証し、その経済的メカニズムを明らかにしながら、税制や、教育・企業システムなどの課題を示す。
組織は様々な視点から捉えることができますが、本書は「組織の内部で働く個人の視点」から、組織のメカニズムを解説します。組織は、個人では実現できないプロジェクトを可能にします。組織を運営する際、モチベーション、リーダーシップ、組織文化など様々な課題に直面します。組織における個人の行動から、経営戦略との関係、組織変革まで、経営組織に関わる重要なトピックスを網羅的に取り上げました。
企業会計の一環として原価計算は、ますますその重要性を増大させている。製造業だけでなくすべての産業で企業が経営に際して原価計算的思考を必要としているためである。本書は、このような社会的要請をふまえ、原価計算を学習するための基本的な解説書として執筆している。簿記・会計の初学者が、将来においてより専門的な会計上の諸問題に取り組むことができるように、伝統的な原価計算に関する基礎知識について、できるだけ平易に解説する。
今やキーワードになってしまった「市場」は、投機家やディーラーだけで構成されているわけではない。わたしたち一人一人の欲望と幻想の総体、実はそれが「市場」の正体なのだ。本書は、ギャン、ソロス、と並ぶ天才的な投機家であるジェシー・リバモアを描いた「小説」である。
これから経済学を学ぼうとしている読者を主な対象とした「マクロ経済学の入門書」。このため、経済学に関する事前の知識を前提とせずに、マクロ経済学の基本的な概念や基礎理論を、わかりやすく正確に説明することを意図。同時に、読者がマクロ経済学の学習を通じて、現代社会における経済の仕組みや役割、さまざまな経済現象に対する理解を深め、さらに問題解決の方法を自ら考えることができるようになることを目指している。
「人工物の科学はいかに可能であるか」本書は必然性ではなく、環境依存性ー「いかにあるか」ではなく「いかにあるべきか」-に関与するデザインの諸科学、すなわち人工物の科学(The Sciences of the Artificial)の本質を明らかにし、その可能性を問うものである。
日本に多大な影響を及ぼし、世界経済を牛耳るアメリカ。そのアメリカを動かしているのは、大統領でもなければ二大政党でもない。ロックフェラー、ヴァンダービルト、モルガン、アスターといった財閥の遺産相続人たちだ。彼らはヨーロッパの財閥ともつながっており、その要請と指示に従ってウォール街のビジネス集団は活動する。ヘッジファンドの大物たちですら実は財閥に使用される投機屋にすぎない。日本、アジアの経済苦境の裏に潜むメカニズムの正体に迫る。
本書では、アメリカと日本の関係を主軸として、いま世界が置かれている状況を分析し、アメリカ経済の危機の本質を明らかにしていく。そして、この日本の危機、世界の危機を回避する、すなわちアメリカの破綻を救うことのできる国は、世界中で日本しかないことを明らかにしたい。
本書は、80年代から90年代の経済学の進展を背景とした戦略的行動という観点から書かれた、ミクロ経済学の「教科書」です。
物質至上主義、科学技術万能主義を痛烈に批判した前著『スモールイズビューティフル』。その思想を更に敷衍した小論文を「リサージェンス」誌に発表したもののアンソロジーが本書である。地球環境に配慮し、人間の身の丈に合った、「精神性」のある経済政策を提唱して反響をよんだ、シューマッハー独特の経済論。新訳、文庫オリジナル。
本書は国際経済学のうち、とくにミクロ面の国際貿易論について解説した教科書です。
現代社会そのものであり、複雑な社会経済システムから成り立っている“都市”。その核である“空間”の秩序を支配しているシステムについて解明するための基礎を、経済学的視点から明快に提供する、待望のテキスト。
経済学最初の体系的叙述として、古典中の古典と称せられる不朽の名著。いわゆる「見えざる手」による予定調和的自由放任政策を主張した本書は、その実質において近代市民社会の科学的分析であり、後のあらゆる諸学説はここに源を発する。新訳。
本書は、“食を物と心の接点である”と捉え、食生活を生体内への栄養素の取り込みと利用から、おいしい食べ方を考えるまでの自然科学の“縦糸”と、人文・社会科学の“横糸”が織りなす人間学の中心であると考え、学際的研究分野の一つであると位置づけている。
戦後三大論争の一つである「価値論論争」は如何になされたか?絶版になって久しい「論争の書」が、ここに蘇る。『資本論』冒頭商品をはじめ「価値論」をめぐって宇野弘蔵、高島善哉、武市健人らとの白熱した議論が展開される。
日本国際ボランティアセンター(JVC)は、1970年代後半におきた、カンボジア難民救援活動を直接のきっかけとして、タイのバンコクに誕生した。この本は、JVC10周年『NGOの挑戦』に続く、JVCの現状報告であり、悪戦苦闘の物語でもある。
心の豊かさのものさしである「観光」を、文化経済学の視点で読み解く。“観光とは自然、文明、文化を消費する行動であり、地域や一国の経済を支える役割も持つ”。
いったん分業が完全に導入されると、1人の人間の労働の生産物は、その時々の自分の必要の極めてわずかの部分しか満たすことができないー第2編「貯えの性質と蓄積と用途について」から第4編「政治経済学の諸体系について」の第4章「戻し税」まで。
論壇の黙殺に抗してマルクス『資本論』を世に広めるため執筆された、エンゲルスによる『資本論』の要約と解説。その科学的意義と論理展開をつかむうえで最良の参考文献。第一巻前半の内容を簡潔・的確に整理した「綱要」と、一般読者向けに内容を紹介した「『フォートナイトリ・レヴュー』のための書評」ほか八編の書評を収める。
バブル経済に踊らされ、不良資産の山を築いた経営者は何をしていたのか。儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす。ゼロから経営の原理と会計を学んだ著者の会心作。