創刊75周年を迎えた月刊誌「PHP」に寄せられた著名人の記事から、人生の道しるべとなる文章を1日1篇形式で365日分集めた本。
京都・祇園。花見小路の先にある甘味処「もも吉庵」。
店を営む元芸妓の女将・もも吉のもとには、様々な悩みを抱えた人が訪れるーー。
「前のタクシーを追ってください」と、タクシー運転手の美都子に懇願する家族の辛苦、茶菓子の食べ方から「人を見る目」を教わった銀行の融資係の改心、紛糾する会議の空気を一変させた女性秘書の機転……。
祇園に集う人々の悲喜交々に、もも吉の言葉がやさしく寄りそう人情物語。
好評シリーズ第8巻
文庫オリジナル。
管理職1年目の多くは、プレーヤー感覚から抜け切れないまま終わる。
2年目は「会社の数字」を意識して動く。3年目は「会計思考」で戦略を練る!
管理職が意識すべき「会社の数字」とは、言うまでもなく会計上の数字。
会計というと、多くの人は決算書やそれを作るための制度を思い浮かべるはずだが、それは「財務会計」と言われる分野であって、学んでも管理職の意思決定には役立たない。
管理職に本当に必要なのは、マネジメントのための「管理会計」である。
管理会計は、経営計画や財務管理などを行う際に指針となる社内向けの会計である。これらを通じ、メンバーの「努力の方向性」を示すことができる。
本書では、これから管理職になる人、なったばかりの人が、会社の数字に強くなるためのクイズを出題する。ロジカルかつ定量的に意思決定をするために必要な「管理会計の思考法」とは何か。
心を満たす「ひとり」の時間(仮)
太后(おおきさき)の体調が優れない。にもかかわらず太后は、祈祷や祓(はらえ)に頼り、医師の診察を受けないという。
病か、それとも物の怪の仕業かーー。
胡人である父から医術を学び、京の後宮へやって来た瑞蓮(すいれん)は、祖母を心配する王女御(おうのにょうご)に依頼され、太后のもとを訪れるが、そこには太后お気に入りの陰陽師・大津氏が出入りしていた。
しかしその大津陰陽師が、かちかちと歯を鳴らし始め、瑞蓮は流行病を疑う。祭祀や祈祷を生業とする大津氏は、己が「物の怪」にとり憑かれたとして祓おうとするが……。
陰陽寮の学生として、安倍晴明も登場! 瑞蓮が、若き医官・樹雨(きう)とともに後宮のやんごとなき人々の相談にのりつつ、宮中で起きる奇怪な事件を解決していく平安お仕事ミステリー第三弾。
文庫書き下ろし。
忘れてはならない「歴史の記憶」がある。
史上最大の海戦を活写した戦史ドキュメントの傑作に、海軍史研究家の戸高一成氏(大和ミュージアム館長)による解説を新たに付して、新装復刊!
大和、武蔵、長門、愛宕、摩耶、山城、扶桑、最上、那智、足柄、瑞鶴、瑞鳳、五十鈴……最後の艦隊決戦へ向かう、若き海軍士官たちの魂の鼓動が聞こえてくる!
本書のプロローグには、こう記されています。
「レイテ沖海戦はここに幕をあける。栗田艦隊は西村艦隊をともない、リンガ泊地よりボルネオ島のブルネイ湾に進出した。小沢“おとり”艦隊も十月二十日に、栗田艦隊がブルネイ湾に集結したころ、日本本土から比島沖に向けて出撃した。日本海軍の最後の渾身の力がレイテ湾に向かって刻々と絞られていった。恐るべき物理的なエネルギーの集中である。それはまた、ひたすらに敵撃滅に凝結した意思と悲願、つまりは精神のエネルギーの集中というものでもあった」
そしてエピローグで著者は、こう書いています。
「この海戦は、大艦巨砲あるいは艦隊決戦思想にたいする壮大無比な告別の辞であるとともに、“日本帝国”の最終章をかざる雄大な葬送譜でもあった」
さらにそのエピローグは、海軍兵学校第七十三期の、レイテ沖海戦参加者の方々による印象的な言葉を紹介して、締めくくられています。
「見事に死ぬことが立派に生きることであった。見事に死にっぱぐれた男は、ただ漫然と生きるよりほかはない。立派に死んだやつの声にひとりで耳をかたむけながら……」
「逃れることのできない死との対決ーそれが一人の人間にとっての戦争の本質なのだ。それ以外のなにものでもない。そのときの絶望感を、当時の、いや、いまの為政者も知っているのだろうか」
「栄光ある潰滅」「栄光の死」という戦史に刻まれた悲劇を、日本人は後世にどう語り継ぐべきかーー「昭和史の語り部」と云われた著者が本書に込めた想いをぜひ受けとめてください!
【特集】時にミステリアスなのも魅力!? とにかくかわいい「猫小説」【連載小説】あさのあつこ「おいち不思議がたり」/寺地はるな「世界はきみが思うより」/村山早紀「桜風堂夢ものがたり2」/瀧羽麻子「さよなら校長先生」/宮本昌孝「松籟邸の隣人」ほか
しりとりをしていて、『る』から始まる言葉が思いつかない…なんてこと、ありませんか?
そんな時に必読の本書! 『る』のつくものってこんなにあるの!? 言葉の世界が広がる絵本です。
しりとりはかせは、仲良しのルドルフとしりとりをしています。「サイ」→「イルカ」→「かさ」→「サル」→る、る、る……「ルビー」→「ビール」→また、る!? る、る、る……。えーい、おもいつかん! しりとりはかせは、『る』のつくものを探しにでかけました。
マーケットまで来たしりとりはかせ。そこで見つけたのは、「ルッコラ」に「ルバーブ」……。となりのお店には、カレーの「ルー」が。となりのおもちゃやさんには、「ルーレット」に……。
まだまだ『る』を探していくと、現れたのは『る はくぶつかん』。これは、期待できるぞ!
「ようこそ、館長のルイ・ルルドです」館長のお名前にも『る』が3つも! さっそく中に入ってみると……!?
呪いを解くためには、俺を殺せーー謎の少年・高良(たから)にそう言われた澪(みお)だが、高良と共に生き延びる道があるのではないかと模索していた。そんな澪に、一筋の光明が見えてくる。
古代から転生を繰り返す「千年蠱(せんねんこ)」の呪いを別のものに転化することができれば、高良を死なせずにすむのではないかーー。
澪の言葉に微かな希望を抱いた高良は、何かを思い立ち、彼女のもとを去っていく。
京都の一乗寺、蠱師(まじないし)が営む下宿屋「くれなゐ荘」が舞台。兄の漣(れん)や澪の護衛を務める波鳥(なとり)ら仲間たちが見守るなか、澪は難題に果敢に挑んでいこうとするのだが……。
京都各地の風物詩、歴史、自然を絡めて、呪いの因果が綴られる、『後宮の烏』で人気の著者による呪術幻想譚シリーズ第五弾。文庫書き下ろし。
魔の者から逃れる方法は、猫又と恋人契約を結ぶことーー
京都を舞台に運命の《縁》を描いた、怪異恋愛譚!
【あらすじ】
大学生の紫苑は、ある夜、謎の黒い影に襲われてしまう。逃げ惑う彼女が出会ったのは、妖怪達の行列を率いる猫又の雅。雅によれば、紫苑の一家は、付喪神と化した「落とし物」を持ち主へと返す「付喪神返還人」を家業としており、その役目が果たせないと付喪神が暴れ出してしまうらしい。助けを求める紫苑に雅は、「それなら俺の恋人にならへんか」と誘い……。
文庫書き下ろし。
そうか、『ノモンハンの夏』をもう一冊書き終えたのか、とあらためて納得した。陸軍中央はガダルカナル争奪戦においても、大元帥陛下に偽りの報告をしつつ、懲りずにノモンハンのときと同じような、無謀、独善そして泥縄的でありすぎる作戦指導をしたのである。そしてノモンハン以上に多くの将兵を死に至らしめ、結局は大敗北を喫した。<中略>要は、ノモンハン事件と同様、そこから学ぶべきは、エリート参謀たちの根拠なき自己過信、傲慢な無知、底知れぬ無責任が国を滅ぼす、という事実である<「あとがき」より>。
「昭和史の語り部」が伝え残したかったこととはーー。新装復刊に際し、新たに、戸高一成氏(大和ミュージアム館長)による解説を付した。
ミッドウェイ海戦での敗退。ガダルカナル島に飛行場を建設。敵部隊の上陸、突撃、全滅、揚陸失敗……。捲土重来も、戦艦は沈没し、船団が潰滅。悲惨な敗北、御前会議、そして撤退へーー。日本人が忘れてはならない歴史の教訓がここにある。
おはようおかえりーーそれは「無事に、早く帰ってきて」という願いが込められた言葉。北大阪にある和菓子屋「凍滝」の姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため、毎日和菓子作りに励み、 自由奔放な妹・つぐみはエジプトへの留学を目指していた。ある日、亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。戸惑う小梅に曾祖母は 「ある手紙を探してほしい」と頼んでくるがーー。芋あんのキンツバ、六方焼き、すずめのこなし、最中……和菓子の香りもふくよかに、正反対の姉妹をあたたかく描く家族小説。
長年、老年精神医学に携わり、6,000人以上の高齢者を診てきた著者は、いい歳のとり方をする人と、そうでない人がいることを日ごろ実感している。
いい歳のとり方をしている人は、老いを素直に受け入れ、老いの現実にジタバタしたりビクビクしたり、あるいは何かに固執したりすることなく、老いそのものを楽しもうとする。本書では、そうした魅力的な理想の老人を、「品のある老人」「賢い老人」「おもしろい老人」という三つのカテゴリーに分けて解説し、それらを備えていることが「老いの品格」であるとする。
そのようなすてきな老人になるためにはどうすればよいか。著者は、「知識に経験を交えながら議論する」「いつまでも現役の消費者でいる」「墓より金より名前を残す」など、具体的なヒントを提示している。
70代、80代を安心して快活に生きる方法を説く本。老いることに勇気が湧き、老いを楽しみたくなる!
「54字の物語」。
この「9マス×6行」の原稿用紙につづられた超短編小説が、今までにない新感覚の読書体験を提供します。子供から大人まで50万人を夢中にさせて、テレビやSNS等で話題沸騰!
このたび新作10編を加え、イラストも刷新し、装いも新たに待望の文庫化。
あなたは、この物語の意味、わかりますかーー?
◆先日研究室に送ってくれた大きなエビ、おいしかったよ。話は変わるが、例の新種生命体のサンプルはいつ届くのかね?
◆「ただいま」と言えば「お帰りなさい」と返ってくる新生活が始まった。家賃も安いし、こんな一人暮らしも悪くない。
◆「やあ、私は未来から来た。今は戦前か?」「いや、戦後から七十年は経っているが」「ということは二十二世紀だな」
他の物語&物語の解説は、ぜひ本書でお楽しみください!
※『54字の物語1』(PHP文芸文庫)は2018年3月にPHP研究所から刊行された『意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語』に、新たな作品を10編収録し、加筆・修正を行ない、改題したものです。
「二十歳まで生きられない」という呪いをかけられた少女・澪を救うには、呪術によって生み出された悪霊・千年蠱を祓うしかない。
しかしそれは、澪が心を寄せる少年・高良の死を意味していたーー。
呪いだけ解いて、高良を生かす方法を探る澪だが、高良の孤独な姿を見るたび、胸が苦しくなる。禁忌に立ち向かおうとする澪の想いは、高良に通じるのか。前世からの宿縁で結ばれた二人に待ち受ける運命とは。
蠱師たちの闘いが激しさを増すなか、窮地に陥った澪を心配する兄の漣、護衛役の波鳥は……。白い狼の雪丸、そして狸の照手ら精霊たちも、澪にそっと寄り添う。
『後宮の烏』で人気の著者による、呪術幻想譚シリーズ第四弾。文庫書き下ろし。
時は大正、四神の力を持つ『神子』が台頭する時代。曰くつきの名家、梅咲家の令嬢・菖蒲は幼い頃、許婚として紹介された京都の桜小路家の御曹司・立夏に一目惚れをする。立夏を一途に思い続け、十五歳で婚姻の準備のため、東京から桜小路家へ越してきた菖蒲だったが、再会した立夏は冷たい瞳で彼女を拒絶しーー。両家の因縁、異能力者たちの思惑が絡み合う中、菖蒲の初恋の行方は? 切なく、甘い和風ファンタジー!
2017年8月13日、NHK・BSプレミアムの人物ドキュメント番組「100年インタビュー」で放送され、大反響だった「アーティスト小田和正〜時は待ってくれない〜」。本書は、それを元に構成した単行本(2018年5月刊行)を文庫化したものです。
前半では幼少・少年時代、学生時代、オフコース時代、そしてソロ活動の時代と、小田和正氏の半生を振り返り、後半ではファンの思いに応えることなどのトピックスを紹介。滅多に聴くことのできない小田氏のリアルな言葉と貴重な写真を所収しています。
中高一貫の進学校で野球部のキャプテンを務めながら練習中にいつも歌っていたこと。鈴木康博氏との出会いがオフコースの原点だったこと。医学部から建築の道へと進路を変更し、大学院まで行った理由。大ヒット曲「さよなら」「ラブ・ストーリーは突然に」誕生秘話。九死に一生を得た自動車事故で変わった人生観。メロディ、歌詞のつくり方……。小田氏がずっと純粋に音楽が好きだということがひしひしと伝わってきます。▼「うまくいったなと思うことは、全部、つらい思いをしたあとだった」「時は待ってくれないから、目いっぱい走った。でも、本当にがんばろうと思っている人には、時はきっと待ってくれる」--70歳の節目に語られた、小田和正氏の素顔と音楽への思い、未来を築く人たちへのエールが詰まった一冊!
平安貴族が歌うのは、色恋や「花鳥風月」だけではない!
『紫式部集』『清少納言集』などの個人歌集や、『更級日記』などの日記には、王朝貴族の日常が刻まれている。出世を望むも左遷されて泣く男。ストレスをため込み、ライバルの悪口を書き連ねる女。銭のために家を売り、無常を歌う歌人……。
欲、嫉妬、不満、焦り、嘆きなどを、赤裸々に記した平安文学から、王朝人の真実の姿をあぶり出す。
●紫式部は女房生活が心底憂鬱だった
●性格の相違で離婚した清少納言
●地方官就任は僥倖か、都落ちか
●官位が高まれば富は集まり、女も集まる
●禁じられた恋の愉悦
●浮気が発覚!? 取り繕う男たち
●「長生きしたくない」と嘆く歌人たち
●老いてもなお、情念は埋火のごとく
●病は物の怪
●妻や子に先立たれる者の悲しみは
●死出の旅路へ
和歌・日記・物語で読み解く、王朝人の「生老病死」。