美貌と才能とお金、そして幸せな家庭。全てに恵まれた作家の「私」は、執筆に専念するため、マンションを借りる。それは、担当編集者の三浦くんと甘い蜜の時間を過ごすためでもあった。やがて私は、隣の古アパートに住む、いわくありげな女達をもとに物語を紡ぎ始める。暗い過去を匂わせる101号室の大女。ヒモ男に寄生されている102号室の美女…。妖気と腐臭に満ちた妄執奇譚が、今、幕を開ける。
本書では、ごく身近な限られた食材を使って短時間で作る、高齢者向きの献立や料理の数々をお届けします。食べやすい調理のくふう、栄養の整え方、咀嚼力や嚥下力などが低下した人の食事の注意、また、現場でのいろいろな対応策や、介護にあたるホームヘルパーとしての心得なども、盛り込みました。グループホームなどの施設や、家庭で高齢のご家族の食事作りに携わる人にとっても、参考になるヒントがたくさんあります。
修行僧29人があつく説いた生きるヒント。
欠陥住宅に泣く人は後を絶たない。その上、原因の究明や解決となると、時間や費用がかかり、極めて困難だ。また、欠陥住宅を建てるような業者は、話し合いにもまともに対応しない。本書は一級建築士らが、建築の素人である一般市民でも闘えるように、業者に対抗する知識とノウハウをQ&A形式でやさしく解説している。
人間のパパとキツネのママが恋におち、結婚して、そして生まれた三人の子どもたちーユイ、タクミ、モエには、キツネ一族からおくられたふしぎな能力があった。“風の耳”“時の目”“魂よせの口”をもつ信田家のきょうだいが、時空をこえてよびよせられたのは、金色のドングリがみのる山。しかも、その山の人々は、なぜか石にすがたをかえられていた。せまりくる災いをまえに、キツネの血をひく子どもたちの運命やいかに!小学上級から。
真面目で優秀だが内気な文三と、教育ある美しいお勢は周囲も認める仲。しかし文三の免職によって事態は急変、お勢の心も世知に長けた昇へと傾いてゆく。明治文明社会に生きる人々の心理と生態を言文一致体によって細緻に描写し、近代文学に計りしれない影響を与えた二葉亭四迷(1864-1909)の記念碑的作品。
運命とは、命を運ぶ、と書く。その単純な哲理を信ずることに徹し、激戦のさ中に艦と人とをあずかり、不撓不屈、豪胆なること山の如く、猛けきこと火の如くみずから幸運を招きよせる日本海軍随一の“豪傑艦長”の指揮下に団結し、努力し、苦難に堪え抜いて勝ちつづけた栄光の不沈艦の生涯を描く感動の戦記文学。
チャールズとレイは「20世紀の座り方」を変えた。だが、彼らは座り方を変えただけではない。座った後に目にするもの、室内の様子や、室内の画面に映し出される映像を変えた。彼らは変化を生み出し、変化を予見し、ひとつの方向を示した。芸術と技術が手を結び、伝統が変化の足がかりとなり、専門的な知識が楽しく学べる、そのような道を示した。
私たちは、アイヌの歴史をどれだけ知っているだろうか?コシャマイン、シャクシャインの蜂起に象徴されるように、アイヌの歴史は、“和人”の征服に対する抵抗の歴史であった。本書は、その歴史と差別問題をやさしく解説、アイヌ文化振興法の問題点も明らかにして、良き隣人=シサムへの道を考える。最高裁に上訴中のアイヌ共有財産裁判も加え全面増補改訂。
自閉の翻訳家と作家が今こそ語る独特の身体感覚と世界観。読む人が増えれば、理解の輪が広がる一冊。
交通事故による死傷者数は100万人を超えているし、交通事故関係の検挙者数は刑法上の全犯罪の70%以上を占めている。このような状況では、誰もが被害者となり、加害者となる可能性がある。また、突然起こるので、とっさに適切な対応ができにくい。本書は、被害者、加害者双方の立場から、交通事故や保険の基礎知識のほか、事故発生時から損害賠償の最終的解決に至るまでのすべての対応をやさしく、詳しく解説している。