F学園大学の裏手にある女子学生会館の非常階段から男子学生・春日が墜落死した。その夜、警視庁の片山刑事の自宅に「春日は殺された」という不審な電話が。翌日、片山は課長の代役で、なんとF大で三日間の特別講義をするはめになる。その二日目、議義の最中に、天井から鎖でつるされた女の子の死体が下りて来て…。三毛猫ホームズが女子大を舞台に名推理。
ぼくの名まえはイカマル。うみねこ島の見習い水夫だ。いつか、サンゴロウ親分のように自分の船をもつのが夢だ。もちろん、マリン号のような船を手に入れるのはたいへんなことだろうけど…。そんな、あこがれの親分とこんど、いっしょに仕事をすることになった。
猫の事務所の書記の中に、一匹のかま猫がいました。かま猫とは、寒さに弱くて、夜かまどの中に入って眠るため、からだが煤で汚れている猫のことです。かま猫は、猫仲間のきらわれ者。事務所でも、ほかの書記たちにいつも意地悪ばかりされているのです…。大人の絵本。小学中級以上のお子さまにも。
指揮者・朝倉宗和の要請で、声楽コンクールの会場警備にかりだされた片山刑事とホームズ。コンクールの開始直前に、優勝候補ナンバーワンの井田貴子が何者かに狙われたのだ。何事も起こらなければいいと思いながらしぶしぶ出かけた片山だったが…会場では貴子とライバルの丸山恭子をめぐって次々と事件が発生した。表題作ほか2編の短編に、著者の自伝的エッセイ「三毛猫ホームズの青春ノート」を加えた作品集。大人気、三毛猫シリーズ第17弾。
幼い子どものためのすぐれた作品を数多く残した作家マーガレット・ワイズ・ブラウンのわかりやすくてリズミカルな文章と、アン・モーティマーの色鮮やかな絵で、こねこの目にうつったクリスマスの謎と美しさを描きました。
おれのなまえはサンゴロウ。南海島に鳥類学者のイソキチを送ったあと、霧にまかれ、カイと名のる灯台もりにたすけられる。カイには、かなしい秘密があった。
東京から北越の温泉に出かけた「私」は、ふとしたことから、「繁華な美しい町」に足を踏みいれる。すると、そこに突如人間の姿をした猫の大集団が…。詩集『青猫』の感覚と詩情をもって書かれたこの「猫町」(1935)をはじめ、幼想風の短篇、散文詩、随筆18篇を収録。前衛詩人としての朔太郎(1886-1942)の面目が遺憾なく発揮された小品集。
「人間は生意気なようでもやはりどこか、抜けている」苦沙弥先生の家に飼われている猫のクールな瞳から見ると矛盾だらけで平気で生きている人間も“愛嬌”。しかしある月夜、飲みさしのビールで酔った「吾輩」は…。縦横無尽の風刺とユーモアに苦いペシミズムをひそませて人々の共感を呼んだ漱石の処女作。
「吾輩は猫である。名前はまだない。」苦沙弥先生の家に拾われた猫の「吾輩」から見れば、人間社会はこっけいそのもの。無名猫の視点から、軽妙洒脱な文体にのせて放たれる文明批評と渋いウェットは時代を超えて読者の心をつかんできた。見識とシャレ気あふれる漱石の永遠のエンターテインメント文学。
金子光晴が残した唯一の対談集。
「それでー誰が夏子姉さんを殺すの」-中華料理店の一室で張り込み中の片山刑事の耳に飛び込んできた、聞き捨てならない言葉。隣の個室では笠倉家の姉妹三人とその夫たちが食事中だった。ただの冗談だろうと気にとめなかった片山だが、数日後、海に落ちた車の中から笠倉夏子の死体が発見された。裕福で恵まれているはずの笠倉家で、一体何があったのか。ホームズ、片山、晴美、石津、お馴染みの登場人物が勢揃い。超人気シリーズ第18弾。