20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とは何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。
インフォグラフィックとは、どのようなものなのか?どのような機能、効果があるのか?何がインフォグラフィックを定義付けてるのか?芸術や科学の様々な分野を交えながらその輪郭を浮き彫りにしていきます。
晩年を信州で過ごした天衣無縫の異才画家の生きた時代と人々-。その交流の軌跡が市民グループ(横井弘三オモチャン会)によって掘り起こされた。
ようこそ、書の部屋へ扉を開けば、墨の縁の始まり。昭和、平成、令和と書の文化をつなぐ38人の書家たち。制作や活動の拠り所で行うスペシャルインタビュー集。
クラシック音楽、演劇、オペラといった芸術ビジネスの市場は縮小する一方だと言う人がいる。余暇の過ごし方の多様化や競争の激化、若者の芸術離れを嘆く人もいる。だが、本当にそうだろうか?今日、多くの芸術団体が苦境にさらされている元凶は、作品の問題ではなく、マーケティングの不足ではないだろうか。世界には、効果的なマーケティング戦略によって観客数の劇的増加を実現した団体がいくつもあるのだ。芸術界の人々は芸術の意義を強調したがるが、観客が劇場を訪れるのは、楽しみたいから、わくわくしたいからだ。芸術の楽しさを取り戻すこと。そのためには、顧客を深く理解し、適切なアプローチで鑑賞を促す必要がある。本書は、基本的・現代的なマーケティング戦略を活用し、芸術ビジネスを成功に導く効果的な方法を提示する。
ポンパドール公爵夫人が愛した「ポンパドールピンク」。19世紀のパリを彩った「ロートレックオレンジ」。江戸の日本にも知られていた「プルシャンブルー」。ルネサンスの画家に愛された「ネープルスイエロー」。「ギリシャの緑」を意味する「ヴェルディグリ」。…色の由来に触れて、西洋の奥深さに出会う186のストーリー。
ラファエロ(1483〜1520)は、イタリア・ルネサンスの巨人である。37年の短い生涯にもかかわらず、聖母子画やローマ教皇らを描いた肖像画などの傑作を残した。本書は、その歩みと作品をたどって、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロら芸術家たちとの交流や、古代ローマへ向けた関心などを読み解く。そして、後世に巨大な影響をもたらした彼の知られざる多面的な実像を明らかにする。
せめぎあう伝統と前衛。ルネサンスやバロックという偉大な遺産を受け継ぐイタリアで、現代の芸術は、いかに過去と向き合い、乗り越えるのかー映画と絵画と文学のうちに分光され屈折される多彩な光を読む。
芸術から、生活や文化をみる、異文化を知って、自文化を見つめ直す。生活、宗教・信仰、儀礼との関連から、演劇と物語、楽器と自然環境とのかかわり、舞踊と身体、ポピュラーカルチャーとアイデンティティまで、民族音楽学的な視点から詳説する。
「土地」との絆/切断は芸術にとって何を意味するのか?絆を称揚するラスキンの思想を出発点に、国家主義的な時代を背景としつつも、独創的な小説美学をつくりあげていくプルースト。その思考の足どりを、美術館やモニュメント、書物などの主題のうちにたどり、新たな言葉の生成に立ち会う。