社会をデザインするジェンダー視点。男女の性別役割を見つめ直し、明日の日本のあり方を選び取る。
【この回の内容】
第9回講義は、講義前半(第1回〜9回)のまとめの回である。
分量が多くなったので、本としては、第9回講義を2つに分けて、「後半」では、「9-6-6 パレスチナーイスラエル問題の評価との関係で」以降を収録する。
暴力と非暴力の現実を考えるうえで、イスラエルへの西側諸国の態度は、いかに今の日本と世界の主流秩序がゆがんでいるか、ロシアに言っていることと矛盾しているかが示されるであろう。今起こっている暴力に、自分の頭で考えて向き合う実践をしてほしい。メディアや政治家(主流秩序)の言うままに操られるのではなく、今起こっている様々なパワー闘争や不条理から、世界を認識したうえで、自分の生き方を確立してほしい。
またこの第9巻「後半」では、講義のここまで(第1回から9回まで)の感想や、講義全体への感想も多く紹介している。これによって、ここまでの講義全体が俯瞰されるであろう。
参考資料としては、カタールのWorld Cupを事例としてスポーツと主流秩序(政治)の関係の検討も紹介している。
なお、第9回の講義録が長くなったので、4冊(「9-前半の上巻/下巻」「9-後半の上巻/下巻)に分けて印刷書籍を発行する。つまり電子書籍版は2冊、印刷本は4冊になっている。
本書はその印刷版・第3分冊(9-後半の上巻)である。
イスラエルのガザ・パレスチナへのジェノサイドを中心として、考える部分である。私は、現代において、人権を考える場合、この問題を避けるべきではないと思うし、この問題にどういうスタンスをとるかで、その人の生き方がにじみ出ると考える。
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第9回講義 ガタロさんの生き方から学ぶーー主流秩序から自由になるという希望
目次(後半ー上巻)
9-6 煽動される群衆にならないためにーー戦争と非暴力主義、戦争へのプロパガンダ
9-6-6 パレスチナーイスラエル問題の評価との関係で
◆基礎知識・歴史・基本構図
◆起きている事
◆自衛権・報復主義の問題
◆異論封殺、愛国心、国家単位主義
◆国際法・国際関係
◆政治、西側の矛盾・二枚舌(ダブルスタンダード)
◆解決策 二国家共存
◆抵抗、反対運動、平和主義 心ある姿勢
◆イスラエルの残虐、狂気、それを支える米国や西側の一部 反ユダヤ主義という
誤ったレッテル、西側の深まる矛盾
◆暴走し続けるイスラエル
◆トランプによる「米国のガザ所有案」「ガザ住民の域外移住案」等について
◆イスラエル問題ーー矛盾の極限化
◆イスラエル問題・まとめ
今回・第13回講義のメイン料理は、「テキスト4,5章」の内容である。すなわち、嫉妬・束縛の話、そして別れ際に、とくにもめごと・暴力が起こりやすい(別れに抵抗すること自体がDV)ので、「別れ方」についての適切な考え方を学ぶ。また別れた後の執着としてストーカーがあるので、ストーカーになってはいけないということ、またその執着的な攻撃としての「リベンジポルノ」について学ぶ。さらに今の恋愛でSNSのかかわりが大きいので、SNSとの付き合い方も自撮りポルノ・写真問題や出会い系サイト、ストーカー、背クストーションなどと併せて学ぶ。
また講義の終りに近いので、総まとめ的な話や「大学で学ぶ」ということの意味を考えることもしていく。具体的にはエビデンス主義への批判的検討、「エモい記事」論争、などである。さらに主流秩序論について日本軍慰安婦問題へのスタンスなども検討する。
***
なお「印刷書籍版」の内容については頻繁に加筆できず固定的ですが、「講義録・電子増補版」(電子書籍専用原稿内容)の方は今後も加筆していく予定です。
第13回講義 嫉妬・束縛、ストーカー、別れ方、リベンジポルノ SNS問題、学問のありかた
目次
13-0 ここまでのまとめ
13-1 ここまでの学びを踏まえての応答色々
13-2 嫉妬・束縛について・
13-3 「別れ」についての学び
13-4 ストーカーについて
13-5 リベンジポルノ
103-6 SNSとの付き合い方
13-7 学問のありかたーーエビデンス主義、知識、科学、アカデミズム、「ジェンダーの心理学」についての一考察
13-7-1 エビデンス主義、専門家は正しい」主義、知識、科学、アカデミズム、
実証至上主義、「研究と教育」、ナラティブと「エモい記事」論についての一考察
13-7-2 「ジェンダーの心理学」についての一考察
13-8 その他、主流秩序や生き方を考える諸資料との関連で
13-8-1 日本軍慰安婦問題
13-8-2 その他の主流秩序・DV関連のはなし
13-9 課題と学生さんの応答紹介
この講義を受けた学生さんの感想
参考資料
「政治と性/ジェンダー/セクシュアリティ」を統一テーマに開催された政治思想学会第31回研究大会の発表報告論文4本を中心に、公募論文10本と書評8本を収録。
親密なパートナーからの暴力、性的虐待、身体的・経済的・心理的虐待、テクノロジーを悪用した暴力、人身売買、女性器切除、強制的な児童婚など、女性や女児に対する暴力を撲滅するにはどうしたらよいか。OECD調査研究をもとに、この複雑な問題の根本的な解決に迫る。
序文
頭字語・略語
要旨
第1章 ジェンダーに基づく暴力の防止と対処が重要な理由
1.1 ジェンダーに基づく暴力は社会に蔓延している問題であり、政府にとって最優先すべき課題である
1.2 GBVの高いコスト
1.3 GBVに関してCOVID-19がもたらした特有の課題と機会
1.4 OECD GBVガバナンス・フレームワーク
1.5 本書の手法と構成
第2章 強固な法的枠組みの必要性とその構築
2.1 国際社会はGBVに関して基準となる重要な枠組みと指標を確立してきた
2.2 DVに関する国の法的枠組みの欠陥が女性をリスクにさらす
2.3 レイプに対し同意に基づく法的枠組みを採用することは、性的暴力に関する誤った考えを正そうとする国の意図の表れである
2.4 セクシャルハラスメントは公共の場、教育環境、職場での差別を永続させる
2.5 女性器切除と児童婚を禁止する法律は悪影響から女児を保護できる
2.6 政策提言
第3章 総合的かつ効果的な全政府的アプローチ
3.1 はじめに
3.2 GBV撲滅のための全政府的なシステムによるアプローチに向けて
3.3 政策提言
第4章 被害者/サバイバー中心のガバナンスとサービス文化
4.1 はじめに
4.2 OECD加盟国全体で被害者/サバイバー中心の文化を確立するために
4.3 危機下でも被害者/サバイバー中心の文化を維持するーーCOVID-19パンデミックから得た教訓
4.4 政策提言
第5章 親密なパートナーからの暴力への対応
5.1 IPVは統合的な対応を必要とする複雑な問題である
5.2 統合的政策はGBV撲滅のための全政府的枠組みの鍵である
5.3 統合的サービス提供とは?
5.4 統合的サービス提供はIPVへの対応でどのような役割を担うのか?
5.5 IPVに対処するためのサービス提供における機会と課題
5.6 政策提言
第6章 司法へのアクセスと説明責任
6.1 はじめに
6.2 被害者/サバイバー中心の司法へのアクセス経路に向けて
6.3 GBV事件の説明責任に対する解決手法とアプローチ
6.4 説明責任と評価はGBV対応の有効性向上に不可欠である
6.5 COVID-19パンデミック下でのGBVに対する司法の対応
6.6 政策提言
謝辞
「女らしさ」「男らしさ」にとらわれていませんか?ジェンダーの視点でみた、法律、言語、心理学、国際政治、マーケティング、高齢者問題、NGO、NPO。
ジェンダー・ギャップに基づく世界は、脳の発達にどのような影響を及ぼすのか。数世紀にわたる脳研究史を検証して「女性/男性に特有の脳」という虚像を覆し、多様な脳の可能性を開く。認知神経科学が伝える脳研究の最前線!
【内容】
ステレオタイプに基づいた外界が脳の発達にどのような影響を及ぼしてきたのか。本書は18世紀以降の科学界の性差別を検証し、豊富なデータと事例を参照しながら「女性/男性に特有の脳」「科学は女性に向かない」などといったジェンダー・ギャップを正当化する誤った言説受容の危うさを突く。ユーモアとともに多様な生き方を支える社会への変革を促し、私たちの自己認識に大きな影響を与える、論争的な脳研究史。『ネイチャー』『フィナンシャルタイムス』『ガーディアン』ほか各紙誌絶賛!
【海外書評(一部)】
「著者のメッセージは、ジェンダー化された世界はジェンダー化された脳を生み出すということだ。残念ながら、その結果、男の子と女の子は異なる期待の中で形づくられ、しばしば異なるキャリアパスへと駆り立てられる。巧みに構成され、徹底的に裏付けられた本書は、親、教師、男女を問わず子どもに関わるすべての人にとって必読書である」(カーカス・レビュー)
「素晴らしいーー性差別と闘う人々を支える力となる本だ」
(サンデータイムズ)
【目次】
はじめに モグラ叩き神話
生物学的性とジェンダーに関する注意書き
パート1
1章 彼女の可愛らしい頭の中ーー性差探索の始まり
2章 ホルモンに振り回される女性
3章 無意味な心理分析用語の台頭
4章 脳にまつわる神話、ニューロトラッシュ、そしてニューロセクシズム
パート2
5章 21世紀の脳
6章 あなたの社会脳
パート3
7章 赤ちゃんは重要だーーことの始まり(あるいは、その少し前)から始めよう
8章 赤ちゃんに拍手を
9章 私たちが泳ぐジェンダー渦巻く海ーーピンクとブルーの津波
パート4
10章 生物学的性と科学
11章 科学と脳
12章 お利口な女の子は、そんなことしない
13章 女の子の小さな頭のなかーー21 世紀のアップデート
14章 火星、金星、それとも地球? 性差は幻想だったのか?
結論 恐れなき娘たち(そして共感力あふれる息子たち)を育てる
監訳者あとがき
文献一覧
母性天皇論から女帝問題まで、フェミニズムからの天皇制論。
大学におけるキャリア支援は近年ますます重要性を増している。
本書は、キャリア支援の歴史分析とともに、16年間4度にわたる大学生の意識調査から、
学生のライフコース展望・意識を分析。
特に、女子学生の特徴をつかんだジェンダー分析は示唆に富み、
今後のキャリア支援へのジェンダー視点導入の重要性を説く。
学生のライフコース・キャリアをいかに支えていくか。大学運営に必読の書。
序 章 大学のキャリア支援に必要な視点とは何か
第1章 戦後日本の大学におけるキャリア支援の歴史的展開
第2章 女子学生に対するキャリア支援の歴史的展開
第3章 大学生調査:実証分析の方法と理論の検討
第4章 女子学生の「女性性」意識に関する実証的研究ーライフコース展望,
入学難易度との関連に注目して
第5章 伝統的なジェンダー観を支持する女子学生の特性
第6章 女子学生の家庭志向は高まっているのか
第7章 男子学生は将来のパートナーにどのような生き方を望んでいるのか
第8章 現代大学生のキャリアとジェンダーー女子学生と男子学生の意識の関係性の分析
終 章 有効なキャリア支援への示唆ージェンダーの視点の重要性
親密性のゆらぎー多様化する“生”と“性”。
啓蒙期の科学は解剖学的な差異と精神性を関連させ、男女は身体的のみならず能力や性格においても本質的に異なるというジェンダー観を成立させた。このジェンダー観は、近代社会の形成にあたって規定的な力として作用し、人びとの居場所や役割、行動規範を定めるとともに、政治・経済・社会のさまざまな制度のなかに組み込まれていく。本書では、知の専門化、参政権運動、協会活動、母性福祉、社会保険、戦争という歴史事例をとりあげ、ジェンダーの構築と変容の過程、構造をつくりだす力としてのジェンダーの作用、そしてヨーロッパの女たち、男たちが近代のジェンダー化された社会をどう生きたのかを描きだす。ヨーロッパ諸国における女性史とジェンダー史をめぐる動向も合わせて考察。
結婚して21年目、3人の息子を育てた「婦婦」が「新しい家族の形」を国に問題提起した!
イスラーム社会における女性解放の歴史を古代から1990年代まで包括的に論じた旧版は、1992年に出版されるや、中東だけでなく世界のフェミニズムに大きな衝撃を与えた。その後エジプトでは革命が起き、ヴェールをまとう人が徐々に増えている。本書は旧版から30年間の社会の変化や研究動向を論じた「増補版に寄せて」と解説を加え、表記の一部に改訂を施した。本書のメッセージをより深く理解する助けとなるに違いない。
増補版に寄せて:キーシャ・アリー
謝辞
序文
第一部 イスラーム以前の中東
第一章 メソポタミア
第二章 地中海地域の中東世界
第二部 基礎となる言説
第三章 女性とイスラームの勃興
第四章 過渡期
第五章 入念な言説構築
第六章 中世イスラーム
第三部 新たな言説
第七章 社会的変化と知的変化
第八章 ヴェールに関する言説
第九章 最初のフェミニスト
第十章 さまざまな声
第十一章 未来に向けての闘い
結論
訳者あとがき:林正雄
解説:後藤絵美
原註
索引
西洋中世世界のジェンダー構造について、とりわけキリスト教における性の観念に注目し、男装と女装、レイプ・売春、マスキュリニティ(男性性)といった観点から、一般読者にもわかりやすい語り口で詳述する。現代のジェンダー問題への示唆にも富む一冊。
1920年代から1950年代に中国共産党によって土地法が制定され、中国の農村女性は土地所有権を獲得した。しかし、その後の中国の高度成長の過程で、農村の女性たちは土地の権利を次第に喪失していき、権利の侵害現象は「農稼女問題」と名付けられるようになった。
中国農村女性の農地をめぐる権利の侵害「農嫁女問題」はなぜ高度成長期に発生したのか。ジェンダー秩序の再編は資本蓄積の中でどんな役割を果たしたのか。本書は「農嫁女問題」の発生原因を歴史、政治経済の2つの側面から分析するとともに、農嫁女の抵抗運動についても実地調査をもとに紹介する。
序章 問題の所在と本書の目的
1 研究背景
2 本書の構成
3 先行研究
4 理論的枠組み
5 研究手法
第1部 農嫁女問題の歴史分析
第1章 平均主義、フェミニズム、土地権
1 概況
2 平均主義と土地権
3 フェミニズムと土地権
4 小結
第2章 近代中国女性の土地権の変遷
1 はじめに
2 井崗山土地革命期と中華ソビエト政権時期(1928〜1934年)
3 日中戦争期(1937〜1945年)
4 国共内戦期(1946〜1949年)
5 建国直後(1950〜1952年)
6 初級、高級農業生産合作社時期と人民公社期(1951〜1978年)
7 改革開放の初期(1978〜1983年)
8 小括
第2部 農嫁女問題の政治経済学的分析
第3章 改革開放以降の農村女性土地問題に関する報道ーー『中国婦女報』(1984〜2010年)を中心に
1 はじめに
2 農村女性土地問題をめぐるフレーム分析についての研究
3 研究の方法
4 『中国婦女報』における農村女性土地問題報道(1984〜1986年)
5 農家生産請負制における女性の合法的な権益擁護に関する連載(1999年)
6 「出嫁女」の土地権益に関する連載(2010年)
7 小括
第4章 女性への略奪を赦免された国家介入型資本主義ーー婦女聯の農嫁女問題に対する認識・対応
1 はじめに
2 婦女聯の創設と改革
3 婦女の合法的権益の擁護者(1978〜1992年)
4 婦女聯主導の「開発とジェンダー論」(1992〜1998年)
5 夫方居住婚の伝統づくりへ(1998〜2007年)
6 農村土地請負経営権登記の推進役(2008年〜)
7 小括
第5章「農嫁女問題」とはーー現代中国における進行中の本源的蓄積
1 はじめに
2 農嫁女問題の発端
3 農嫁女問題の全国化
4 農嫁女問題と一人っ子政策
5 小括
第3部 農嫁女たちの抵抗運動
第6章 現代中国土地開発における農嫁女と彼女らの抵抗運動ーー河北省A村を事例に
1 はじめに
2 A村
3 A村土地開発による農村女性の農地をめぐる権利の侵害
4 A村女性の抵抗運動の開始と展開
6 小括
第7章 社会主義法治への探索ーー民間法律援助組織と農嫁女の連帯を中心に
1 はじめに
2 民間女性法律組織と農嫁女との連帯に対する認識
3 北京衆沢女性法律相談サービスセンター
4 中山大学女性とジェンダー研究センター法律支援部
5 X民間法律組織
6 小括
第8章 終章
1 本書を振り返って
2 現代中国の継続的な本源蓄積
3 今後の課題
参考文献/資料/索引/あとがき
これからの「ジェンダー研究/教育」に向けて──
創立15周年を迎えた
早稲田大学ジェンダー研究所による
「ジェンダー研究/教育」の成果。
文学、表象・メディア、歴史、法・社会等、
各専門領域の「ジェンダー研究の展開」と、
教育実践をもとにした「ジェンダー教育のあり方」。
ジェンダーの視点に立つ専門領域による研究と、
教育実践の成果による計24編の論考を収載。
ジェンダーを学ぶ際の思考の展開を支え、
今後の「ジェンダー教育」に新たな視座を与える。