ジェンダー研究の狙いは、性的マイノリティへの擁護に留まらず、性が、なぜ、どのように、どのような状況で、ある人生の選択に作用したかを徹底して探究することであり、それを学ぶことは、自分が属し、利害を共有している社会への批判的知性を養うことである。独自の視座から、人間の性が社会に記した「結果」の検証を行った9本の論文で構成された本書は、異なった学問領域の相互的な影響のもとに進展している現在のジェンダー研究の多彩な成果を学ぶ、格好のテキストである。
憲法の入門書は無数に出版され、近年ジェンダー法の教科書が増えているが、憲法の基礎もジェンダー問題も学べるものはない。本書は両者を平易に解説したかつてない入門書である。各章、憲法の概説、ジェンダー問題の2部構成。
第1章 憲法とは何か
第2章 憲法と立憲主義
第3章 権力分立の原理
第4章 国民主権と天皇制
第5章 平和主義
第6章 基本的人権総論(1):国内基準から国際基準へ
第7章 基本的人権総論(2):私人間効力論など
第8章 幸福追求権
第9章 法の下の平等
第10章 精神的自由権(1):思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由
第11章 精神的自由権(2):表現の自由
第12章 経済的自由権
第13章 社会権
第14章 身体的自由権と手続的権利
第15章 国務請求権と参政権
経済不況と雇用不安が強まるなかで男性たちの意識はどう変わってきたか?20〜40代東京在住1523人の回答。一家のあるじとしてのプライドをもちつつ、妻の収入を期待し、自分で妻を介護したい。男性性と稼ぎ手役割の揺らぎ、パートナー選択と子育て・ケアの新たな兆しとは?雇用不安を生き抜く都市男性の動向を調査データから綿密に実証。
本書はフェミニスト地理学の代表的な欧米の論文を集めたアンソロジーである。論文の選定にあたっては、初学者にとってわかりやすいものを選んでいる。本書を通読することによって、フェミニスト地理学研究が多様かつ多彩な特色を持ち、従来の固定化された研究枠を打ち砕き、新たな理解へとわれわれを導くものであることを理解してもらえるだろう。
今回は、私のジェンダー論の大事な視点の一つ、シングル単位の理解を、社会民主主義の社会、北欧社会の実態と結び付けて理解する。また、北欧社会と対照的に、日本社会がどうなっているのか、家族単位での新自由主義的なシステムのまま、赤字国債でごまかす政治(経済運営)をしてきたという厳しい現実、不都合な真実(実態)に目を向けたい。日本社会をジェンダー平等、ダイバーシティ社会にするためには、この根本問題に蓋をしないで直視した上で、解決策を考えていかねばならないと提起する。これは病気があるときにはちゃんと検査をして診断し病名を確定し、治療するしかないという話である。
だが日本の政治家・リーダーたち・メディアの現実は、いまこの社会を持続可能でまともなものにしていくための政治的対抗軸(大事な骨太の対抗ビジョン)を示すことができず、「103万円の壁」という無税範囲を広げる方向に変えようとするなど、間違った方向で争うポピュリズム政治になってしまっている。群衆化した人々もそれに煽られて「財務省解体」など間違った要求をしている。重要な「どうすれば根本的な解決に至れるのか」という視点、「社会民主主義と結びついたなシングル単位の観点」が欠如しているのである。
なお、私は「こうしたら今からでも日本の諸問題は解決する」という現実的な案はないと思っている。その事実認識をもたずに、ポピュリズム政治を行い、さらに問題を先送りにしつつ状況をさらに悪化させている状況だと認識せざるを得ない。そういう話をこの回ではしている。
本書は、第6回講義録の上巻で、6-4までを収録している。6-5以降は下巻に収録されている。
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第6回講義 主流秩序からの離脱の展望としての個人単位型の社会民主主義社会ーー北欧と日本の対比
目次
6-1 家族(カップル)単位社会の問題ーー家族単位と個人単位の違い、及び社会民主主義
型の福祉国家
6-2 シングル単位とは? ジェンダー平等・ダイバーシティとの関係
6-2-1 シングル単位の基本理解
6-2-2 共同体主義とシングル単位論の関係の整理
6-3 北欧諸国から学ぶーーーシングル単位・ジェンダー平等・ダイバーシティ社会の具体像
6-3-1 北欧社会の実態からジェンダー平等社会のイメージを学ぶ
6-3-2 少子化問題
6-3-3 「103万円の壁」問題
6-4 外国、特に北欧社会との比較で日本社会を相対的にみる:諸問題が累積している日本
を知っておこう
参考資料・・・ 世界レベルで他国と比べて日本社会を知る資料など
社会経済生活のあらゆる分野に蔓延るジェンダー不平等を是正するためにはどうすればよいか。教育から雇用、起業、公職、開発、貿易、運輸、エネルギーまで、多様な政策分野を網羅した33の章で、ジェンダー平等の進捗状況を追跡し、格差解消に向けた政策提言を提示する。
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第4回の講義録(下巻)である。
なお長くなったので第4回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2回に分けて発行する。
第4回講義は主流秩序の視点が生き方における4つの道を考えさせるものであること、主流秩序論の目指すものが何なのか、主流秩序からの離脱とは何か、などを学ぶ。
「下巻」部分(4-6以降)は、様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況やそれと対抗する営みをみていく。学生が4つの道を考えたレポートの一部を紹介もする。これらを通じて、主流秩序で考えていく意義が分かってくるであろう。ファミニズムとはこういう魅力的なものですよとか、この講義の根底にある判断基準などにも言及している。
学生の様々な「4つの道の検討」や「感想」をみてもらえば、学生の悩みや生きがたさ、様々な体験、その中で、生き方を考え始めている様子も分かるであろう。
第4回講義 主流秩序への3つ【4つ】のスタンス(下巻)
目次
4-6 様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況やそれと対抗する営み
4-6-1 マイケル・サンデルさんから学ぶ
4-6-2 「見て見ぬふり」「いざというときに動けるか」問題
4-6-3 いざというときに不正に加担したり沈黙する人たち
4-6-4 政治の不正・安倍政権の不正問題
4-6-5 メディアと主流秩序
4-6-6 その他、諸問題と主流秩序
4-7 あなたはフェミニズムを知っているのか?--魅力あるフェミを知ってみよう
4-8 第4回の課題と学生さんの応答例、体験談
主流秩序に対する4つの道、学生の考察例や主流秩序の体験例
人類学的思考にまったく新たな地平を切り拓き、存在論的転回にも多大な影響を与えた記念碑的大著!
日本にはフランスにない政治権力のジェンダー表象がある!女帝、妻の座、皇后、戦争チアガール、高学歴専業主婦など、危うい主体化をなしとげてきた日本の女たち。「われ知らず」権力に同化してきた近現代の苦い歴史にも踏み込む。フランス女性思想を手がかりに、日本ジェンダー史像に迫る新鮮な試み。
【この回の内容】
第9回講義は、講義前半(1〜9回)のまとめの回です。ガタロさん、坂本さん、豊島ミホさんの生き方、「これは水です」スピーチ、など、主流秩序的なものから離れて生きる人々から「脱・主流秩序」のヒントを学びます。また、メディアのゆがみやその中で抗う人の存在を諸事例から学びます。主権者教育の在り方も主流秩序都の亜関係で考えます。
更に今回力を入れているのは、社会の実態を知って、だまされない個人になるために、「主流秩序・ジェンダー秩序を見抜く目」を持つ学びをします。一例としては、メディア(SNS,AIなどにより偽情報)のゆがみを見抜く学びや戦争に動員するプロパガンダ・愛国主義・自衛権正当化論等に騙されない力を身に着けることなどです。それは集団(主流秩序と言う既存の強者)に自分を溶け込ませずに、個人として思考する自立人間になることでもあり、第7回の『群衆』にならない学びの続き、第5回のアドラーの「嫌われる勇気」を持つ人間の学びの続き、この講座の中心課題である“非暴力主義”の学びの展開でもあります。特に現在大問題となっているロシアのウクライナ侵略、イスラエルのパレスチナ虐殺的行為についてどう考えるべきかを提起します。
なお、第9回の講義録が長くなったので、4冊(「9-前半の上巻/下巻」「9-後半の上巻/下巻)に分けて印刷書籍発行する。つまり電子書籍版は2冊、印刷本は4冊になっている。
本書はその第2分冊(9-前半の下巻)である。
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第9回講義 ガタロさんの生き方から学ぶーー主流秩序から自由になるという希望 (講義前半まとめ)--【前半の下巻】
目次
9-6 煽動される群衆にならないためにーー戦争と非暴力主義、戦争へのプロパガンダ
9-6-3 プロパガンダへの注意ーー愛国心とナショナリズム
9-6-3-3 ナショナリズムの愚かさを考える様々な作品や出来事
9-6-3-4 思考停止/傍観でいいのかーー「内なる移住」「静かな生活」「ニュース
を見ない」
9-6-4 日本の状況ーー軍事費、北朝鮮、台湾有事
9-6-5 ロシアーウクライナ 戦争の評価との関係で
参考資料
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以下、「第9回講義録後半」に続く
巻頭はLGBT理解増進法の論稿(三成)、特集1「性犯罪に関する刑法改正」は6本(島岡、伊藤、山本、後藤、雪田、松澤)、特集2「DV 防止法制の改革課題」は5本(井上、北仲、松村、宮園、高井(高ははしごだか))、が法改正の意義、必要な支援、司法の役割を論じる。「立法・司法・行政の新動向」は、選択的夫婦別姓(恩地)、同性婚訴訟(二宮)、女性差別撤廃委員会の翻訳(浅倉・黒岩)を掲載。
【この回の内容】
今回の第8回講義も、引き続き、脱・主流秩序の方途を考える材料を提供していく回です。
北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、自分の生き方や日本の現状も考えます。具体的には、主流秩序論との関係で、スローの視点、アニマルライツ、自己肯定感、結婚、保育、学問の役割、“推し活”、ヘイトスピーチ等の検討を行います。ブルデユーやフーコーをはじめとして様々な学問的概念も参考にして、シングル単位論や主流秩序論を深く理解していきます。朝鮮人虐殺問題や朝鮮学校差別、「奇妙な果実」等を通じて日本のヘイト問題も深めます。
本書は第8回講義録をオンデマンド印刷用に上下に分割したうちの、上巻である。
第8回講義 北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、日本との対比や自分の生き方を考える
【上巻】
目次
8-1 ここまでの学びとブルデユー理論
8-2 北欧諸国から学ぶ
8-3 スローに生きる視点・・ファストな主流秩序に抗する視点
8-3-1 ファスからスローへ
8-3-2 アニマルライツから見る主流秩序問題
8-4 自己肯定感をもつ
8-5 “結婚”“保育”というものをシングル単位観点から考えるーー近代家族の相対化の視点
8-5-1 “結婚”というものをシングル単位観点から考える
8-5-2 近代家族と子育てーーー保育のあり方を「家族単位/個人単位」の視点で考える
8-6 社会というものの見方ーー政治と経済と文化と学問などの関係
8-6-1 学問や文化には限界があるけれどーーー政治や経済の力の方が強い
8-6-2 承認欲求と推し活、ホスト問題
8-6-3 嘘をつく人々--「名古屋・バス運転手焼身自殺・いじめ事件」
8-6-4 関連の諸概念も学んでおこう
参考資料
ジェンダー理論発展のてめに。科学的社会主義は、現代フェミニズムからの問題提起をどう受け止めるか。マルクス、エンゲルスの古典に立ち返り、史的唯物論の立場から家族やジェンダーの問題を明らかにする。
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第3回の講義録である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことと配付レジメの大枠を紹介するものである。
なお長くなったので第3回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2つに分けて発行する。
第3回講義の内容
この回は、ジェンダー秩序やダイバーシティの理解を深めていく。ジェンダー秩序で交差性やマジョリティ/マイノリティを深く考えるという新しい提起を行う。またジェンダー秩序の各側面を概観したうえで、特に、ルッキズム・「美の秩序」について掘り下げて、ジェンダー秩序が身近にあることを実感していく。
具体的には、ダイエットなど外見に囚われる諸問題、ミスコンや女子アナなど美人が有利という問題、ブスと笑い問題、などを通じ、深く私たちの生活に食い込んでいる美の秩序にどう向かっていけばいいのかを考えていく。
他の回でもそうだが、今回の「美の秩序」については多くの学生が体験談を書いてくれている。それを読めば、いかに今の若者に「美の秩序」の圧力がかかっているかがわかるであろう。この講義録には、そういう「生の実態」を知ることができるという意義もある。学生もレジメに載っている他の学生の体験談を見ることで色々考えていける。
以上が第3巻の上巻の内容である。
次に、後半(第3回の下巻になる)では、ジェンダー秩序の理解を踏まえて、「弱者男性論」「「トランスジェンダーと女性の安全の対立」「ポリコレ、キャンセルカルチャーへの態度」「弱者の権利の乱用」「困難女性支援やフェミニズムへの攻撃の考察」などの「ジェンダーをめぐる諸論点の検討」から、生きづらさ問題を考え、ジェンダー秩序で考える意義をみていく。
第3回講義「ジェンダー秩序の理解を深めるーーーー「美の秩序」と「ジェンダーをめぐる諸論点の検討」を中心に」
目次(上巻)
3-1 ジェンダーの基本理解+ジェンダー秩序として理解する意義 補足
3-1-1 ジェンダーの基本理解 --作られる「らしさ」
3-1-2 ジェンダー秩序の理解と意義ーー「ジェンダー平等、多様性・マジョ
リティ/マイノリティ、交差性」の理解の深化
3-2 多くの人が「美の秩序」にすごくとらわれている
3-2-1 ジェンダー秩序の諸側面
3-2-2「美の秩序」「ルッキズム」「外見主義」への囚われ:ダイエットを中心に
3-2-3 SNSなど美の秩序を洗脳する様々な装置
3-2-4 「ブス」「ブサイク」とお笑い問題
3-2-5 美しさを序列化する社会ーーミスコンの検討
3-2-6 「美の秩序」を中心としたジェンダー秩序についてのまとめ
参考資料
グローバル金融危機以降の日系縫製企業による中国からバングラデシュへの国際的な移転をジェンダーの視点から分析することを通じて、日系縫製企業の国際移転の特徴と課題を明らかにする。
【この回の内容】
今回(第10回講義)は、まず前回までの流れを再度確認し、次に、今回から始めるデートDVの話が、どうして今までのこの講義の話、つまり主流秩序の観点からジェンダー秩序を考えるという流れとつながっているのか、その話をしていく。
急に聞くと主流秩序やジェンダー、ダイバーシティのここまでの話と、DV の話は別の話と思うだろう。だが、私のこの講義では、主流秩序・ジェンダー秩序に対する生き方の一つの実践の場として、恋愛などの人間関係で暴力的でなくなることは大きな意義がある、まず自分が身近なところから非暴力な人間になる(未来の平等社会の先取り)という実践の問題であると考える。
次に、デートDVの中身の話に入り、デートDVとは何か、その実態と実例、判断基準、加害者と被害者の心理、などを学ぶ。おおむねテキストの1章のところである。
そのうえで、「今ここからの生き方」についてなど、主流秩序・ジェンダー秩序やDV にかかわる諸考察についても、すこし言及し、レジメではいろいろ資料提供もする。その関係で、主流秩序からの離脱のヒントとしてのアナーキズムについても考察する。
また学生のDV体験談や感想なども多く資料として提供する。若者の中に多く見られるデートDVの具体例がいろいろわかる資料としても、この講義録は貴重であると思う。
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第10回講義 デートDVとは何かーーデートDVを学ぶ意義 + デートDVの認識方法と図の理解 + 被害者・加害者の心理
目次
10-0 前回の復習ーー力、戦争、紛争とジェンダー論、ダイバーシティ論
10-1 デートDVを学ぶ意義
10-2 デートDVとは何か
10-3 加害者と被害者の心理
10-4 主流秩序・ジェンダー秩序やDV にかかわる諸考察
10-4-1 生成AIとプロパガンダ、ネットと政治
10-4-2 DV・暴力・ジェンダーにかかわる諸問題
10-4-3 アナーキズムと「今ここからの生き方」について
10-5 第10回の課題と学生さんの記述例、およびDV経験談
DV体験談やDVを学んでの感想
参考資料
DVの事件 2020年
高校の教科書に対応した、ジェンダー視点による初めての世界史として好評を博した初版を、「歴史総合」「世界史探究」にあわせて改訂。多数の史資料とともに新たな歴史像を描き出し、ジェンダー主流化へと誘う。
社会をデザインするジェンダー視点。男女の性別役割を見つめ直し、明日の日本のあり方を選び取る。
農村社会で生きる女性たちが得たものとは?
中国と日本のジェンダー秩序の再編過程に迫る
1950-60年代におけるジェンダー秩序の再編過程において、中国と日本の農村社会と女性の生活はどのように変化したのか? 医療・出産、教育、資源アクセス、労働、政治参加、生活改善などの領域を中心にして、その変化の過程と要因にジェンダーの視点から迫る一冊。