荻野吟子は、明治時代、近代医師養成制度のもとで試験に合格して医師になった最初の女性です。さまざまな困難を乗りこえ、14年もかけてその道をきりひらきました。キリスト教とであって、社会活動にも力を注ぐようになりました。かたい信念のもと、苦しむ人びとに寄りそいつづけたその生涯を吟子自身が語ります。
1 わたしの少女時代 0歳〜17歳
2 結婚、そして…… 17歳〜19歳
3 女性医師をめざす 19歳〜22歳
4 学問にはげむ 22歳〜24歳
5 東京女子師範学校時代 24歳〜28歳
6 医学校入学、ついに医術開業試験に合格! 28歳〜34歳
7 キリスト教とのであい、そして社会運動へ 34歳〜38歳
8 理想社会建設の夢 38歳、39歳
9 愛のかたち・結婚 39歳〜45歳
10 一開拓民として生きる 45歳〜62歳
荻野吟子略年表
索引
結婚して21年目、3人の息子を育てた「婦婦」が「新しい家族の形」を国に問題提起した!
イスラーム社会における女性解放の歴史を古代から1990年代まで包括的に論じた旧版は、1992年に出版されるや、中東だけでなく世界のフェミニズムに大きな衝撃を与えた。その後エジプトでは革命が起き、ヴェールをまとう人が徐々に増えている。本書は旧版から30年間の社会の変化や研究動向を論じた「増補版に寄せて」と解説を加え、表記の一部に改訂を施した。本書のメッセージをより深く理解する助けとなるに違いない。
増補版に寄せて:キーシャ・アリー
謝辞
序文
第一部 イスラーム以前の中東
第一章 メソポタミア
第二章 地中海地域の中東世界
第二部 基礎となる言説
第三章 女性とイスラームの勃興
第四章 過渡期
第五章 入念な言説構築
第六章 中世イスラーム
第三部 新たな言説
第七章 社会的変化と知的変化
第八章 ヴェールに関する言説
第九章 最初のフェミニスト
第十章 さまざまな声
第十一章 未来に向けての闘い
結論
訳者あとがき:林正雄
解説:後藤絵美
原註
索引
西洋中世世界のジェンダー構造について、とりわけキリスト教における性の観念に注目し、男装と女装、レイプ・売春、マスキュリニティ(男性性)といった観点から、一般読者にもわかりやすい語り口で詳述する。現代のジェンダー問題への示唆にも富む一冊。
1920年代から1950年代に中国共産党によって土地法が制定され、中国の農村女性は土地所有権を獲得した。しかし、その後の中国の高度成長の過程で、農村の女性たちは土地の権利を次第に喪失していき、権利の侵害現象は「農稼女問題」と名付けられるようになった。
中国農村女性の農地をめぐる権利の侵害「農嫁女問題」はなぜ高度成長期に発生したのか。ジェンダー秩序の再編は資本蓄積の中でどんな役割を果たしたのか。本書は「農嫁女問題」の発生原因を歴史、政治経済の2つの側面から分析するとともに、農嫁女の抵抗運動についても実地調査をもとに紹介する。
序章 問題の所在と本書の目的
1 研究背景
2 本書の構成
3 先行研究
4 理論的枠組み
5 研究手法
第1部 農嫁女問題の歴史分析
第1章 平均主義、フェミニズム、土地権
1 概況
2 平均主義と土地権
3 フェミニズムと土地権
4 小結
第2章 近代中国女性の土地権の変遷
1 はじめに
2 井崗山土地革命期と中華ソビエト政権時期(1928〜1934年)
3 日中戦争期(1937〜1945年)
4 国共内戦期(1946〜1949年)
5 建国直後(1950〜1952年)
6 初級、高級農業生産合作社時期と人民公社期(1951〜1978年)
7 改革開放の初期(1978〜1983年)
8 小括
第2部 農嫁女問題の政治経済学的分析
第3章 改革開放以降の農村女性土地問題に関する報道ーー『中国婦女報』(1984〜2010年)を中心に
1 はじめに
2 農村女性土地問題をめぐるフレーム分析についての研究
3 研究の方法
4 『中国婦女報』における農村女性土地問題報道(1984〜1986年)
5 農家生産請負制における女性の合法的な権益擁護に関する連載(1999年)
6 「出嫁女」の土地権益に関する連載(2010年)
7 小括
第4章 女性への略奪を赦免された国家介入型資本主義ーー婦女聯の農嫁女問題に対する認識・対応
1 はじめに
2 婦女聯の創設と改革
3 婦女の合法的権益の擁護者(1978〜1992年)
4 婦女聯主導の「開発とジェンダー論」(1992〜1998年)
5 夫方居住婚の伝統づくりへ(1998〜2007年)
6 農村土地請負経営権登記の推進役(2008年〜)
7 小括
第5章「農嫁女問題」とはーー現代中国における進行中の本源的蓄積
1 はじめに
2 農嫁女問題の発端
3 農嫁女問題の全国化
4 農嫁女問題と一人っ子政策
5 小括
第3部 農嫁女たちの抵抗運動
第6章 現代中国土地開発における農嫁女と彼女らの抵抗運動ーー河北省A村を事例に
1 はじめに
2 A村
3 A村土地開発による農村女性の農地をめぐる権利の侵害
4 A村女性の抵抗運動の開始と展開
6 小括
第7章 社会主義法治への探索ーー民間法律援助組織と農嫁女の連帯を中心に
1 はじめに
2 民間女性法律組織と農嫁女との連帯に対する認識
3 北京衆沢女性法律相談サービスセンター
4 中山大学女性とジェンダー研究センター法律支援部
5 X民間法律組織
6 小括
第8章 終章
1 本書を振り返って
2 現代中国の継続的な本源蓄積
3 今後の課題
参考文献/資料/索引/あとがき
これからの「ジェンダー研究/教育」に向けて──
創立15周年を迎えた
早稲田大学ジェンダー研究所による
「ジェンダー研究/教育」の成果。
文学、表象・メディア、歴史、法・社会等、
各専門領域の「ジェンダー研究の展開」と、
教育実践をもとにした「ジェンダー教育のあり方」。
ジェンダーの視点に立つ専門領域による研究と、
教育実践の成果による計24編の論考を収載。
ジェンダーを学ぶ際の思考の展開を支え、
今後の「ジェンダー教育」に新たな視座を与える。
強い・弱い、いじめる・いじめられるという関係をこえて、友だちとつながりあえる道があるはず。幼児・低学年向き。
有島武郎『或る女』にジェンダー批評の可能性を問う。大胆に、細心に。
「家」-身の置き所か?社会的纏足か?中国の長い歴史の中で、常に誰かの母・娘・妻・姑・寡婦であった女性たち、あるいは「誰か」の束縛から逃れようとした女性たちが、家という枠組みとどう関わり、どう生きたかを探る。
女学校教育がいかにして近代的なジェンダー秩序を形成し、あるべき男女のあり方として伝えたのか。地域の近代化過程における「学校」「生徒(家庭)」「メディア」の三者のダイナミズムに注目しながら、旧城下町和歌山市の公立名門高等女学校(県立和歌山高等女学校:通称和高女)の事例により実証的に解明する。
十九世紀後半、ポーランドに生まれながら、船乗りとして世界各地を旅した経験を元に、異国を舞台とした多くの海洋小説や、冒険小説の伝統をくむ小説、政治小説を書いたイギリスの現代作家ジョウゼフ・コンラッドは、長い間、男の世界を描いた「男らしい」作家と見なされてきた。そしてこのことと関連して、女性をあまり描かない、あるいは十分に描けないミソジニスト(女嫌い)の作家と見なされ、その性差別主義が指摘されてきた。前著『コンラッドの小説における女性像』(一九九九年)で述べたように、このような見方は、アルバート・ゲラードやトマス・モーザ、バーナード・メイヤーらによって、一九五〇年代から一九六〇年代に確立した。そしてこのような見方は、作品世界だけではなく、女性との関係にも向けられ、伝記的側面とも繋がっている。しかしながら、コンラッドは本当に「男の世界」だけを描き、称揚した作家であっただろうか。また、自らとは異なる性である女性を、十分に人物造型することができなかっただろうか。女性は、その作品世界で単に周縁的な存在に過ぎないだろうか。コンラッドは、性差別主義者であったのだろうか。本書は、このような素朴な疑問に発している。
作家の生い立ちや経験、19世紀末のイギリス社会におけるジェンダー観の変化などに着目した多面的な切り口で作中人物たちの声を分析し、従来の解釈に鋭い疑問を投げかける一冊。
はじめに
第一章 『オールメイヤーの阿呆宮』-- オールメイヤー夫人像に見る人種とジェンダー 第二章 『島の除け者』-- アイサ像に見る人種とジェンダー 第三章 『闇の奥』(一) -- 男の夢の挫折 第四章 『闇の奥』(二)--「男同士の絆」の危うさ 第五章 『闇の奥』(三)--「女性排除」の問題をめぐって 第六章 『ロード・ジム』-- 英雄的夢を求めて 第七章 『密偵』--「家庭の天使」から「ニュー・ウーマン」へ 第八章 『西欧人の眼に』-- ナタリア像に見る女性の偶像化 第九章 コンラッドの小説に見る女性の偶像化ーー その背景をめぐって 第十章 コンラッドの女性戦略ーー『西欧人の眼に』から『チャンス』へ 第十一章 『チャンス』(一)-- ファイン夫人像に見るフェミニストの肖像 第十二章 『チャンス』(二)-- マーロウのミソジニスティックな言説についての問題 第十三章 『勝利』-- 「男らしさ」の理想と現実
参考文献 索引
バルザックはフェミニスト、それともアンチ・フェミニスト?同時代の女性作家の作品との比較検討により、文学の豊かさの総体に迫る。
第一部 女性作家を読むバルザック
第一章 バルザック『毬打つ猫の店』とソフィー・ゲー『アナトール』--男性画家に描かれる女性像
第二章 ソフィー・ゲー『レオニー・ド・モンブルーズ』とバルザックーー女性登場人物の類似点と相違点
第二部 バルザックを読む女性作家
第三章 バルザック『アデュー』とジラルダン夫人『ポンタンジュ侯爵』--男女反転のアイロニー
第四章 カロリーヌ・マルブティ『危うい地位』とバルザックーー文壇のタブーに挑戦する女性作家
第三部 古典を読むバルザックと女性作家
第五章 バルザック『田舎ミューズ』とソフィー・ゲー『エレノール』--コンスタン『アドルフ』をどう書き換えるか
女性やLGBTQの写真家、現代美術作家たちはどのように社会と対峙したか。学芸員として、日本の美術界におけるジェンダー表現を世に問い続けたパイオニアである著者のテキストをまとめ、大好評を得た『ジェンダー写真論 1991-2017』(2018年刊)が、新テキストを大幅に加えてリニューアル。アーティスト・長島有里枝と女性アーティストの状況について振り返る記念碑的な語り下ろし対談「なぜ、私たちは出会えなかったのか。」他、新たな論考や自らの身体の痛みと美術界への本音を綴るエッセイ他大充実の増補版。
少子化、高齢化の進行するなかでのジェンダー問題。労働・福祉・家族の各領域における新しい政策と理論の動向。