1977年6月20日、イギリス・アングリアTVでオン・エアされた一本の科学番組「オルタナティブ・スリー(第三の選択)」は世界中で一大センセーションを巻きおこした。大金持ちの支配者たちは、汚染と人口過剰で危機を迎えた地球から大脱出するために、火星と月とにドーム都市を築き疎開しようとしている。その計画のために科学者や一般人が続々と誘拐されているというのだ。このあまりに常識を越えた内容に人々はいったい何を求めたのだろうか。しかし、著者のジム・キースは専門の陰謀情報を駆使して、客観的な傍証を豊富に加え、裏付けの乏しかった「第三の選択」を見事に甦らせた。番組やその後に出版された本そのものは明らかにフィクションの形をとっているが、その示唆するところは、大方事実であるという結論を出している。本書は真の「第三の選択」の姿を浮き彫りにし、さらにはそれを凌ぐ「第四の選択」の存在をもつよく訴えている。
物理学や天文学はどのように発展してきたか。情報通信やバイオはこれからどうなるのか。48の分野について、世界の第一人者が躍進の軌跡をたどり将来を展望する。
本書は、そんな耐え難い運命にみまわれながらも、けんめいに生き抜いたたくさんの人たちの中の、三人とその家族の愛と勇気の物語です。
人類共通の緊急課題である「エイズとの闘い」に人々が関心を示さない状態が続いているのはなぜか?
厚生省担当記者としてエイズ発生当初から取材をし続けてきた著者が、世界規模でのHIV/エイズ対策をリポートする。
●数字で見るエイズの現在
●はじめに SARS危機とエイズ危機
●第1章 不特定神話
●第2章 HIVアンテナショップ
●第3章 横浜の遺産
●第4章 沈黙を破れ
●第5章 21世紀の保健戦略
●第6章 危機の20年を歩く
●あとがき 再び日本の現実から
●ブックガイド ●年表 ●索引
アフリカほど、生産や輸出の低迷、武力紛争と民主化、構造調整、貧困の深まりなど、今日の世界の直面しているほとんどの問題が凝縮して発生している地域はないだろう。2001年、アフリカ諸国は停滞を打ち破り、未来を切り開こうと「アフリカ開発のための新パートナーシップ」を採択し、大きく変わろうとしている。日本も、こうした動きに呼応して東京アフリカ開発会議を開催するなど、アフリカ支援を強めている。アフリカとのよりよい関係を築き上げていくためにも、今後いっそう理解を深めていく必要がある。本書では、植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介するとともに、今日のアフリカ経済を、製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察した。
性の決定、クローン、エイズ、癌、ゲノム…「私という有機体」の秘密に迫る。
4300万の人口を抱える南アフリカ共和国では、国民の10人の1人がHIVに感染し、毎日多くの人々がエイズで死亡し、またウイルスを他人や自分の子に受け渡している。この国でエイズ禍が広まった背景には、暗い人種差別の歴史、そして「エイズなど存在しない」と頑なに主張するターボ・ムベキ大統領の妄執があった。ムベキはある程度の効果が認められている抗エイズ薬を南アで認可するのを拒み続けているのだ。ズールー族の貧しい家に生まれたンコシもまた、生まれながらにしてHIVに感染していた。幼くして余命いくばくもないと診断された息子に少しでもましな生活をさせたいと願う母は、エイズ患者のホスピス施設を運営していたゲイルにンコシを託す。その日から養母ゲイルとンコシの愛と勇気の日々は始まった。ンコシの学校入学をめぐる騒動、施設の苦しい経済状況、そしてエイズ患者差別撲滅のためのPR活動。チャーミングで健気なンコシは世界中の反エイズ運動のシンボルとなったが、病魔は確実に彼の小さな体を蝕んでいた…。ンコシの魅力にとらわれた一流のジャーナリストが、驚くべき南アのエイズ事情や社会背景も解説しつつ、ンコシの短くも勇気に満ちた生涯を共感豊かに描くノンフィクション。2004-2005年度ロバート・F・ケネディ賞受賞作。
エボラウイルスの発見者、ピーター・ピオット氏の回顧録。HIV感染症対策の最前線に立ち続け、国際政治に翻弄されながらも、闘い続けた日々。
2019年12月、中国・武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、瞬く間に全世界へと拡大した。この未曾有の危機にどう向き合えばよいのか。本書では、感染症封じ込めの理論や感染拡大の数理モデルを解説したうえで、スペイン風邪、SARS、エボラ出血熱など、実際に発生したアウトブレイクの事例から、感染症封じ込めの経過を検証、危機管理のあり方を考える。『パンデミックを阻止せよ!』(2012年刊)に、「新型コロナウイルス感染症」の内容を加えて緊急改訂!