環境社会学と社会運動論との接点を意識しつつ、環境運動が環境問題をめぐる社会紛争・問題解決過程、制度・政策の形成において果たしてきた社会的役割を明らかにする。さらに環境運動を主導する理念・価値、運動が直面する既存の制度や政治の壁など、日本における環境運動の展開過程を規定する諸条件を考察する。
経済学数百年の歴史の中で、理想となる「良き社会」と経済システムとの両立に苦慮した思想家たちースミス、マルサス、ハイエク、ブレア、高田保馬等ーの言説を、貧困・福祉という観点から再検討し、「富とは何か」「幸福とは何か」という古くて新しい課題を現代的視点から再検討した1冊。
ル・コルビュジエがデザインした運搬船が、難民避難船として再生されることになる。そこに至るまでに関わった人たちの人間関係や社会状況を丁寧に追っている。初期のコルビュジエと近代社会を知る格好の書。
日本語版に寄せて
はじめに
第1章:コンクリートの錬金術
第2章:交差する運命
第3章:ルーヴル宮とフランス学士院の間の「ルイーズ・カトリーヌ号」
第4章:浮かぶ都市を再び浮かべる
監修者あとがき
前人未到の読書案内『松岡正剛千夜千冊』の著者が贈る人生を変える読書術。この「一冊」で「千冊」が読める。
◎ヘルスケアを改善しようと試みたアメリカの看護師たちの歴史をフェミニズムの視点から紐解く
◎「ヘルスケアが国の重大事であるのなら,国は,病院やその他の場所で看護ケアを提供している女性たちの地位について関心を持つようにならなければならない」
◎「ヘルスケアを改善しようと試みた女性たち,すなわち看護師たちが直面した困難が公的に認識されることで,どのようにしてパターナリズムが,道徳的に弁解の余地がなく,社会的に損害をもたらし,深刻かつ組織的な不正を女性たちにもたらしてきたかということについての理解が深まる」(著者によるまえがきより)
第1章 学校としての病院
第2章 徒弟制度というビジネス
第3章 看護学生は学生なのか? それとも労働者なのか?
第4章 病人のための家政婦
第5章 病院家族のなかの性差別
第6章 行動と反応
第7章 看護とヘルスケア
生きる力が湧く、心にしみるー激動する時代を生き抜く糧となる賢人たちの肉声。
何(誰)をどのように守るのか?環境保護をめぐる多様な言説を踏まえ、人間と自然の存在論、近代と自然、フェミニズムと自然、等を軸に、「政治理論としての環境論」のあるべき姿を考究。
現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。
特に1995年の北京国連女性会議以降の20年間に焦点を当て、中国のジェンダー研究の第一線で活躍する研究者による最新成果を紹介する。
序 小浜正子
第一部 現代中国におけるジェンダー・ポリティクスの新局面ーシンポジウムの記録
解 題 小浜正子
中国社会の変容と女性の経済参画ー北京会議から二〇年 金 一虹(朴紅蓮訳)
ジェンダーをめぐるフェミニスト・国家・男性の協働/不協働ー反DV法制定過程を例に
馮媛(遠山日出也・朴紅蓮訳)
現代中国のジェンダー言説と性の政治経済学 宋少鵬(及川淳子訳)
コメント1 阿古智子
コメント2 足立眞理子
コメント3 伊田久美子
リプライ
第二部 北京国連女性会議から二〇年間の中国女性学
解 題 秋山洋子
〈女性意識〉と〈社会性別意識〉-現代中国フェミニズム思想の一分析
王政(秋山洋子訳)
グローバル化のもとでの中国女性学と国際開発プロジェクトーあわせて本土の資源と「本土化」の問題を語る 李小江(秋山洋子訳)
現代中国における三種の女性話語 屈雅君(福島俊子・秋山洋子訳)
[紹介]フェミニスト行動派の運動とその特徴ー二〇一二年二月〜二〇一六年四月 遠山日出也
第三部 中国における日本軍性暴力問題にどう向き合うか
解 題 秋山洋子
女性・平和・民族自省ー陝西師範大学で日本軍性暴力パネル展を開催して 屈雅君(秋山洋子訳)
苦難のうちに立ち止まってー日本軍性暴力パネル展の南京における挫折と内省 金一虹(大橋史恵訳)
メディアの中の「慰安婦」ディスコースー記号化された「慰安婦」と「慰安婦」叙述における記憶/忘却のメカニズム 宋少鵬(秋山洋子訳)
杉山式、音読が最大限に効果を発揮する学習プログラム!
これまでのいわゆる「音読」に加え、文法解析やシャドーイング、スラッシュリーディングなど、英語を身につけるために必要な方法論を凝縮。英会話に必要な、「スピーキング」「リスニング」、基礎英語に必要な「文法・語彙」「リーディング」の4技能を同時に鍛える、その手法をお教えします。
これまで、初級編、中級編と段階を追って4技能を学んできた読者が、より難易度の高い、読み応えある文章にチャレンジし、さらにステップアップするためのプログラムになっています。
ジェンダー/セクシュアリティ/階級/文化を規定する〈自然〉概念を内破させるために
霊長類学、免疫学、生態学など、生物科学が情報科学と接合されるーー。高度資本主義と先端的科学知が構築しつづける〈無垢なる自然〉を解読=解体し、フェミニズムの囲い込みを突破する闘争マニフェスト。
セックスワーカーは男の「排泄の道具」なのか。
売春の是非を中村うさぎが風俗嬢から学者までと語り合い考える。
はじめに●なんとなく「風俗はダメでしょ」と思っているすべての人へ
PART1●なぜ彼女たちは風俗嬢として生きるのか?
風俗嬢ぶっちゃけ座談会
電マ大好きイケメンから、80歳のおじいちゃんまで。
風俗とは男にとってのディズニーランドだ!
現役風俗嬢アンケート 中塩智恵子
風俗嬢聞き書きメモ2000年〜2016年
対談 中塩智恵子×中村うさぎ
風俗嬢たちを蝕むイジメや性的虐待の過去。
売春には根深い社会の問題が潜んでいる
対談を終えて
男性優位社会の一番の被害者が
男性である限り、セックスワーカー差別は
なくならないのかもしれない
寄稿 中塩智恵子
レイプに中絶。風俗の犯罪化が
風俗嬢を危険に晒す
対談 神田つばき×中村うさぎ
女としての性的な価値が知りたい!
ママは39歳でAV女優
対談を終えて
母が女を取り戻すと、社会の制裁が下る!
寄稿 畑野とまと
セックスワーカーは女だけじゃない!
トランスジェンダー風俗嬢の現場レポート
PART2●セックスワークをなくせば女たちは救われるのか?
対談 坂爪慎吾×中村うさぎ
障碍者の「性」に向き合うことで
売春を福祉の言葉で書き換える
対談を終えて
この社会からこぼれ落ちた人々を
セックスワークが救う、という可能性
対談 開沼博×中村うさぎ
「漂白される社会」は、
本当に住みやすい社会と言えるのか?
対談を終えて
個人の「幸福」や「居場所」は
他人が口出しすることじゃない
PART3●性の売買は何故、「穢れ」と見做されるのか?
対談 伏見憲明×中村うさぎ
「性を売ること」へのタブー感は
どこから生まれているのだろう?
対談を終えて
フェミニズムのパターナリズム。
「性の解放者」が「性の抑圧者」になった
対談 佐藤優×中村うさぎ
売春をすると魂が毀損されるのか?
売春反対派にタブー視の理由を聞く
対談を終えて
個人の快・不快を社会的善悪に置き換えることの危険性
「終わりに」に代えて
支援者リスト
編著者プロフィール
バイオテクノロジー開発に人を駆り立てるものは何か。再生医療・生殖技術・脳科学など、今日の先端医療や生命科学への熱狂は、20世紀の医学史・生命科学史の数々の悪夢を思い起こさせる。哲学、宗教学、社会学、科学史、生命科学などの先鋭的な研究者が、非倫理的医学研究とその正当化の歴史、今日的意義を討究したアクチュアルな研究書。グローバルなバイオテクノロジー開発競争の下、過去から学ぶべき医学研究の倫理とは。
リオ環境開発会議(1992)、カイロ人口会議(1994)、北京女性会議(1995)の焦点、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)を地球生命系の観点から捉え直す。
< 可能的自他関係における自己実現の倫理>を問う書
ケア倫理、フェミニズムの立場、それを批判しきれずにいる従来の議論を乗り越え、見逃されてきた主体を顕在化させることで「新しい死生の術」をここに再構築する!
小泉義之立命館大学名誉教授による推薦文
医療・ケアの場で、新しい死生術、すなわち、「人生の最終段階」における「人生の物語り」によるACP・共同意思決定がなされている。IC・自己決定の限界を超えて、生/死をめぐる倫理は変遷してきた。そこにケア倫理やフェミニズムも関与し、関係性や親密性としての(拡張)家族が顕在化してきた。その次第を批判的に検討し、多くの人間によって現に生きられ/死なれる倫理を、「つながっていない」者さえも生きる/死ぬ倫理を、分析して構成する初めての書である。
本書『ケアのプロフェッショナルの空間』は,ケアのプロフェッショナルのコーディネーションを中心として,フランスと日本の社会的コンテクストにおいて国際比較を行なった結果である。本書の国際比較は,21世紀はじめから10年以上にわたって日仏の研究者の協働により実施された調査に依拠し,フランスと日本の6名の研究者の協働の作業を,山下りえ子(東洋大学法学部教授)が編集した。
フランスでは,キュアとケアの病院中心主義(hospitalo-centrisme)が問われてきた。それゆえにこそ,訪問看護師の活動は,日本より顕著である,といえる。一例として,南フランスのニースを中心とする地域では,キュアとケアとの境界をとりはずし,医師,看護師,介護士のプロフェッショナルの協働を試みている。
今日,COVID-19への対応において,病床不足とその解消が課題となっている。現場での知見の蓄積を今後も収取分析しながら,私たちに新しい発想での提案は可能だろうか?
1920年代から1950年代に中国共産党によって土地法が制定され、中国の農村女性は土地所有権を獲得した。しかし、その後の中国の高度成長の過程で、農村の女性たちは土地の権利を次第に喪失していき、権利の侵害現象は「農稼女問題」と名付けられるようになった。
中国農村女性の農地をめぐる権利の侵害「農嫁女問題」はなぜ高度成長期に発生したのか。ジェンダー秩序の再編は資本蓄積の中でどんな役割を果たしたのか。本書は「農嫁女問題」の発生原因を歴史、政治経済の2つの側面から分析するとともに、農嫁女の抵抗運動についても実地調査をもとに紹介する。
序章 問題の所在と本書の目的
1 研究背景
2 本書の構成
3 先行研究
4 理論的枠組み
5 研究手法
第1部 農嫁女問題の歴史分析
第1章 平均主義、フェミニズム、土地権
1 概況
2 平均主義と土地権
3 フェミニズムと土地権
4 小結
第2章 近代中国女性の土地権の変遷
1 はじめに
2 井崗山土地革命期と中華ソビエト政権時期(1928〜1934年)
3 日中戦争期(1937〜1945年)
4 国共内戦期(1946〜1949年)
5 建国直後(1950〜1952年)
6 初級、高級農業生産合作社時期と人民公社期(1951〜1978年)
7 改革開放の初期(1978〜1983年)
8 小括
第2部 農嫁女問題の政治経済学的分析
第3章 改革開放以降の農村女性土地問題に関する報道ーー『中国婦女報』(1984〜2010年)を中心に
1 はじめに
2 農村女性土地問題をめぐるフレーム分析についての研究
3 研究の方法
4 『中国婦女報』における農村女性土地問題報道(1984〜1986年)
5 農家生産請負制における女性の合法的な権益擁護に関する連載(1999年)
6 「出嫁女」の土地権益に関する連載(2010年)
7 小括
第4章 女性への略奪を赦免された国家介入型資本主義ーー婦女聯の農嫁女問題に対する認識・対応
1 はじめに
2 婦女聯の創設と改革
3 婦女の合法的権益の擁護者(1978〜1992年)
4 婦女聯主導の「開発とジェンダー論」(1992〜1998年)
5 夫方居住婚の伝統づくりへ(1998〜2007年)
6 農村土地請負経営権登記の推進役(2008年〜)
7 小括
第5章「農嫁女問題」とはーー現代中国における進行中の本源的蓄積
1 はじめに
2 農嫁女問題の発端
3 農嫁女問題の全国化
4 農嫁女問題と一人っ子政策
5 小括
第3部 農嫁女たちの抵抗運動
第6章 現代中国土地開発における農嫁女と彼女らの抵抗運動ーー河北省A村を事例に
1 はじめに
2 A村
3 A村土地開発による農村女性の農地をめぐる権利の侵害
4 A村女性の抵抗運動の開始と展開
6 小括
第7章 社会主義法治への探索ーー民間法律援助組織と農嫁女の連帯を中心に
1 はじめに
2 民間女性法律組織と農嫁女との連帯に対する認識
3 北京衆沢女性法律相談サービスセンター
4 中山大学女性とジェンダー研究センター法律支援部
5 X民間法律組織
6 小括
第8章 終章
1 本書を振り返って
2 現代中国の継続的な本源蓄積
3 今後の課題
参考文献/資料/索引/あとがき
本書は、日本列島の汚染をつかむ努力に重点をおいたものとなっている。世界的にみても、ダイオキシンは最も留意すべき「環境ホルモン」物質の一つであるが、とりわけ日本では、深刻さにおいて突出しており、この問題をぬきにして日本の環境問題は語れない。