文化、経済、教育、宗教、言語、科学、健康、セクシュアリティ、メディアといった多様な視点からジェンダーの概念を読み解き、現在の社会の問題点を考え、意識と行動を変えていくことをめざす。東京大学の教養学部でおこなわれた分野横断的講義を書籍化。
目次
まえがきーー編者を代表して(伊藤たかね:東京大学副学長(ダイバーシティ教育、SOGI多様性)/東京大学多様性包摂共創センター長)
第1講 ジェンダーの基礎概念と日本における男女共同参画社会の課題(小川真理子:東京大学多様性包摂共創センター特任准教授/ジェンダー・エクイティ推進オフィス副オフィス長)
第2講 国際比較で見た日本のジェンダー(本田由紀:東京大学大学院教育学研究科教授)
第3講 労働市場のジェンダー・ギャップ(谷口智穂:東京大学大学院経済学研究科特任研究員、山口慎太郎:東京大学大学院経済学研究科教授)
第4講 言語とジェンダー(伊藤たかね)
第5講 学校教育におけるジェンダー(浅井幸子:東京大学大学院教育学研究科教授、日比健人:東京大学教育学部附属中等教育学校保健体育科教諭)
第6講 宗教とジェンダー(藤原聖子:東京大学大学院人文社会系研究科教授)
第7講 ジェンダーから見た不妊(小西祥子:東京大学大学院医学系研究科准教授)
第8講 スポーツとジェンダー(能瀬さやか:ハイパフォーマンススポーツセンター、国立スポーツ科学センタースポーツ医学研究部門産婦人科医)
第9講 誰もが暮らしやすい社会をつくるにはーーLGBTQ+に関する取り組みやムーブメントから学ぶ(松中 権:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表/東京大学総長室アドバイザー)
第10講 科学史とジェンダー(隠岐さや香:東京大学大学院教育学研究科教授)
第11講 ポピュラーカルチャーを通じてジェンダー観を変えられるか(板津木綿子:東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)
第12講 なぜ東大は男だらけなのか?(矢口祐人:東京大学大学院総合文化研究科教授/東京大学グローバル教育センター長)
第13講 ケアするのは誰か?--再生産費用の分配問題をめぐって(上野千鶴子:東京大学名誉教授/認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長)
あとがきーー未来のジェンダー平等社会をつくっていくみなさんへ(林 香里:東京大学理事・副学長(国際、ダイバーシティ&インクルージョン)/東京大学大学院情報学環教授)
「ヨーロッパ」とは何か。言語も文化も異なるのになぜひとつの地域とみなされるのか。本書では、グローバリゼーションとナショナリズムが交錯する時代のなかで、「アイデンティティ」をキーワードに歴史をたどり、多様性のあるヨーロッパを理解するためのヒントを提示します。
第1部 「ヨーロッパ」とは何か
第1章 「ヨーロッパ」の基盤ーー古代と中世,そして近代 (伊藤玄吾)
第2章 ひとつのヨーロッパという思想ーーその形成をめぐって (中嶋洋平)
第3章 「ヨーロッパ」と「非ヨーロッパ」--植民地主義を中心に (水谷智)
第4章 ヨーロッパの現代ーー第1次世界大戦後の変動と課題 (立石洋子)
第5章 ヨーロッパと「連帯」--過去と現在,そして未来 (石井香江)
第2部 「ヨーロッパ」の多様性
第6章 フランス (中嶋洋平)
第7章 ドイツ,オーストリア,スイス (穐山洋子)
第8章 オランダ,ベルギー (見原礼子)
第9章 イタリア (柱本元彦)
第10章 イベリア半島 (ペレス・リオボ アンドレス)
第11章 北欧諸国 (青木加奈子)
第12章 東欧諸国 (福元健之)
第13章 バルカン半島 (門間卓也)
第14章 エストニア,ラトヴィア,リトアニア (小森宏美,重松尚)
第15章 ウクライナ,ベラルーシ,ロシア (立石洋子)
第16章 イギリス,アイルランド (尹慧瑛)
「多様性の尊重」と「凝集性の確保」の両立は、いかにしてなされるか。
共生社会をめぐる問題系を明らかにし、社会制度のありようを考える。
*
多様性の尊重が掲げられるなかで、なぜ対立と分断に拍車がかかるのか。
「まとまり」への志向は、なぜ容易にナショナリズムに回収されるのか。
シニシズムとナショナリズムをかいくぐり、
共生社会を支える「凝集性(まとまり)」の
新たな創出に向かう理路を検討する。
本書のねらい──シニシズムとナショナリズムを掻い潜る◉岡本智周
第1章 共生をめぐる論点──社会的凝集性を問う理由◉岡本智周
1. 共生の語られ方
2. 共生の概念規定
3. 共生をめぐる今日的論点
第2章 社会的凝集性の系譜──社会学における概念史◉秋葉亮
1. 集団を自然化、理想化する危険性
2. 社会的次元において凝集性を見る
3. いかにして、社会学は国民国家を自然な社会とみなしたか
4. 国民国家の自然化、理想化を乗り越えて
第3章 「共生」の英語訳を考える──現実の人間社会に根差して◉坂口真康
1. 日本社会以外を想定した「共生」の英語訳
2. 英語圏における「多様性の尊重」と「社会の凝集性」
3. 現実の社会における人びとの「共生」を想定したさいの英語訳
4. 英語圏の個別具体的な事例でみる“living together”
5. 不安定な社会状況のなかで“living together”としての「共生」がもつ意味
コラム1 共生社会と「対話」◉笹野悦子
第4章 多文化共生言説の構造──外国人の排除はいかにして生じるか◉永島郁哉
1. 非共生的な多文化共生政策?
2. 主体・中心たる日本人と、客体・周縁としての外国人
3. 道具化される多様性
4. 多文化共生概念の隘路と可能性
第5章 「国民」概念の見直しがもたらす共生の可能性──沖縄「先住民族論争」を事例に◉熊本博之
1. ネイションをめぐる葛藤
2. アイデンティティをめぐる沖縄の歴史
3. 先住民族論争から見えてくるもの
4.「国民」「国民国家」の見直しによってもたらされるもの
コラム2 知識は他人と共有するからこそ意味がある◉岡本智周
第6章 「選抜の機会」としての学校教育を問いなおす──メリトクラシーの諸問題◉津多成輔
1. 選抜・配分が強化された社会
2. 日本のメリトクラシーの問題
3. 共生社会論に照らしたメリトクラシーの問題
コラム3 「学校選択の自由」と高校白書づくり運動◉池本紗良
第7章 社会的凝集性をどう確保するか──公設フリースクールの事例から◉小山田建太
1. 問題の所在──社会的凝集性を事例から問う
2.「むすびつくば」と親子の姿
3. 保護者は「むすびつくば」をどうとらえたか
4. 凝集的な共生関係を考える
おわりに──本書の結論と次なる課題◉岡本智周
兵庫県は、摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の旧国=「五国」にまたがる。
広域にわたる県域の各地では、多様な歴史・文化が育まれてきた。
一方、「五国」のヒト・モノは交流を持ち、相互に影響を及ぼし合ってきた。
本書は、「多様性と交流」をキーワードにして、古代から近現代までの兵庫県の歴史を「五国」という枠組みから捉え直し、兵庫地域史研究の新しい地平を切り拓く。
序文(久保田昌希)
刊行にあたって(大会成果論集刊行特別委員会)
1 公開講演
博物館と地方史 - ひょうご歴史研究室の一〇年 -(藪田貫)
西摂地域からみた「ひょうご近世史」への視角(大国正美)
ー 都市と村を結ぶ交通・人流・物流を手がかりに -
2 共通論題
古代ひょうごの駅制(中村弘)
中世播磨の内陸交通路(前田徹)
兵庫における中世城館の変遷(山上雅弘)
3 近世の物流と交流
近世地方書肆による書籍流通 - 播磨国姫路の本屋灰屋長兵衛を事例に -(石橋知之)
近世後期における明石藩蔵米と灘酒造業(加納亜由子)
近世後期、幕領における支配所間の資金融通と郡中備銀制の成立(尾崎真理)
ー 大坂谷町代官・久美浜代官支配所間の融通を中心に -
4 近現代の都市化・工業化と地域形成
近現代兵庫県の人口と都市化・工業化(吉原大志)
兵庫県の地域形成に関する一試論 - 近現代の明石地域を事例に -(本井優太郎)
第七四回(兵庫)大会の記録(大会成果論集刊行特別委員会)
執筆者紹介
私たちの暮らしは、食料や水の供給、気候の安定など、自然から得られる恵みによって支えられています。しかし今や、人類の活動は、地球の限界を超えつつあり、自らの存続の基盤である自然環境を破壊し、気候変動や生物多様性の損失、深刻な環境汚染など様々な環境問題を生じさせています。
これらの問題の多くは、経済的・社会的に脆弱な国や地域・人々に対し、より深刻な影響を与えます。加えて、気候変動や生物多様性の損失等の問題は、その原因を担ってきた過去・現在の世代にとどまらず、将来の世代にこそ大きな影響を及ぼします。
パリ協定で共有された1.5℃目標の実現に向け、我が国は、2050年ネット・ゼロの実現を目指しています。2023年度の温室効果ガス排出・吸収量は10億1,700万トン(CO2換算)となっており、現状では2050年ネット・ゼロの実現に向けた減少傾向を継続できていますが、既に利用可能な技術・設備の導入拡大を加速しつつ、人工光合成を始めとする革新的な技術の開発・社会実装など、一層の努力が必要です。
また、2030年までに陸域や海域の30%以上を保全する30by30目標に対して、我が国が保全できている地域の割合は、直近で陸域約20.8%、海域約13.3%となっており、目標達成に向けた更なる上積みが求められる状況です。
さらに、天然資源の採取と加工が、温室効果ガスの排出や生物多様性の損失に影響を及ぼしている現状を踏まえると、ネット・ゼロ、ネイチャーポジティブの実現に向けては、サーキュラーエコノミー、循環型社会の実現がその鍵を握っているといっても過言ではありません。
環境危機を克服し、環境のもたらす恵みを将来世代まで引き継いでいくためには、ネット・ゼロ、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーを統合された形で目指す経済社会構造へと大胆に変革していくことが必要不可欠です。
東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所事故から今年で14年が経過しました。福島の復興は変わらず最重要の課題であり、除染や中間貯蔵、汚染された廃棄物の処理などの取組を実施しています。しかし、除去土壌等の中間貯蔵開始後30年以内の福島県外最終処分の方針の認知度は、福島県内で約5割、福島県外だと約2割に留まっています。県外最終処分に向けて、除去土壌の復興再生利用の安全性・必要性に加えて、中間貯蔵施設の受入れに至る経緯や地元の皆様の思いについても発信し、理解醸成に政府一体で取り組んでまいります。
こうした取組を統合的に推進することにより、気候変動、生物多様性の損失、汚染の3つの世界的危機に対応しながら、将来世代を含む豊かな暮らしの実現やウェルビーイングの向上に繋げてまいります。
男女格差、ジェンダー、LGBTなど様々な差別や人権や教育、社会的な問題を、日本と世界を比較して具体的に学ぶ。ジェンダー平等がSDGsに組みこまれた理由も解説。
ジョージア州知事戦で全米史上初めて黒人女性として主要二大政党の州知事候補に任命された弁護士・作家・実業家の顔をもつ著者が、自らの半生を語る。権威的な社会の変革にむけて力と連帯を獲得し、リーダーシップを発揮していくための実践的戦略を説く。
3分間の校長講話で多様性を尊重する子供が育つ!
本書の概要
次代を担う子供たちには、文化の違いなどを認め合い、新たな枠組みを構築していく力が必要になります。そこで、本書では、「多様性の尊重」について子どもたちにも分かりやすく、また考えを深められるような校長講話を72例紹介します。
本書からわかること
「多様性は大切」と言うけれど
一人一人の違い、国や文化の違い、世代間の違い、性別の違い、障害の有無、生物や環境の違い……。
グローバル化や情報化が加速している現代において、自分とは異なる他者との違いを理解し、認め合い、考えを共有する「多様性の尊重」は大切です。
では、それを子供たちにも分かりやすく伝えるためにはどうしたらいいでしょうか?
「自分事」として多様性について考える
「相手を尊重することは大切です」「違いを認め合いましょう」「対話を重ねてお互いに理解しましょう」……。
伝えたいメッセージをダイレクトに訴えることも大切ですが、それだけだと子供の心には響きにくいものです。
「自分事」として考えることができるように、子供たちにとって身近な話題を交えて話を進めるようにしたいところです。
夢中になって講話を聴くために
そのため本書で紹介している講話では、以下のような工夫をしています。
・子供たちが集中して話を聴けるように、概ね3分間で話し終えられるようにまとめています。
・学校行事やアニメ、食べ物、スポーツなど、子供たちの関心を引く話題を取り扱っています。
・ただ話を聞くだけでなく、ときにクイズ形式であったり、挙手をする機会があったりなど、子供たちが主体的に参加できるようにしています。
本書で取り上げる「多様性」
本書では72の講話を紹介しています。
「個性の伸長」「価値観の受容」「異文化と理解」「世代とつながり」「性別と社会的役割」「障害と共生」「生命と環境の豊かさ」「相互理解と対話」の八つの項目に分け、それぞれ9話ずつです。
この中から、先生方が話してみたくなる講話がきっと見つかることでしょう。
こんな先生におすすめ
全校集会などで多様性についてのメッセージを発したい先生方には、ぜひおすすめです。
学校だよりの巻頭言などにも活用できることと思います。
学級担任の先生方も、朝の会や帰りの会、学級だより、また、道徳の授業での活用なども考えられそうです。
いちから知れば、よくわかる!
ニュースによく出てくるし、なんとなく知っているけれど、じつはよくわかっていないーーそんな環境問題をテーマごとに、「いちからわかる」ように説明します。
どんな問題なのかわかれば、ニュースもわかり、環境への関心が深まります。今起きている環境問題が、「他人事(ひとごと)」から「自分ごと」に。環境教育に最適のシリーズが、扱いやすいコンパクトサイズで登場です!
生きものたちの命のつながりが、こわれそう!?
『5生物多様性』では、たくさんの生きものたちがつながりあいが、人間の活動によって失われつつある問題を説明します。
自然の世界では、たくさんの生きものたちが、たがいのくらしをささえあっています。多様な生物のつながりあいとはどういうものなのか? 人間の活動がどんな影響をあたえているのか? 外来種を持ちこむこととは? 1から4までの環境問題の解決は、生物多様性を守ることにつながっています。今わたしたちにできることはないか、いっしょに考えましょう。
■目次
【生物多様性って何?】
1生物多様性の問題ってなんだろう?
2いろいろなところに、生きものがいるのはなぜ?
3人間と自然はどのようにつながっているの?
4生きものの数がかわると、どういうことが起こるの?
5海の生きものはどんなふうにつながっているの?
【いまどうなっているの?】
1どうして、こんなにたくさんの種類の生きものがいるの?
2同じ場所で、生きものがくらしているのはどうして?
3農業は、生きもののくらしにどんな影響をあたえているの?
4漁業は、生きもののくらしにどんな影響をあたえているの?
5干潟がなくなると、どんな問題が起こるの?
6人間が、生きものを持ちこむとどうなるの?
7人間は、生きものを絶滅させているの?
8人間がつくった自然環境「里地里山」って何?
9自然からのめぐみで、つくられているものは?
【これからどうすればいいの?】
1生きものがくらす環境をどのように守っているの?
2自然からのめぐみを、これからも受けるには?
3生物多様性を守るためにできることはあるの?
4ふだんの買いもので、できることはあるの?
米寿を過ぎてから、2冊の英文書を刊行した。ひとつは修士論文以来深く関わってきたコケシノブ科の、マレーシア植物誌のためのモノグラフ(生物の種属誌で、特定の分類群の全種を網羅し、記載した総説論文)、もうひとつは1999年に刊行した『生命系』を叩き台にして、新しく英文版に発展させた”Spherophylon”である。
コケシノブの方は、生物多様性の基礎情報構築の一端を担うもので、この専門書を今すぐ理解して読んでくれる人は、地球に現在生きている80億を超える人のうち、ほんの一握りの人々に過ぎないのだろうが、他方、100年後にも参考にしてくれる研究者がいると期待される不動の基礎資料を盛ったものである。現に、このモノグラフの先行研究は、私が敬愛するEdwin B.Copeland博士が1930年代に発表したアジア、オセアニアのコケシノブの論文群である(Copeland,1933,1937,1938)。それに対して、”Spherophylon”は、生命とは何か、自然と人間の関係性とは何かを考えようという提言で、日本的概念を地球規模に展開したいという、世界中の一般の人に読んでもらいたい書である。広く、多くの人に読んでもらうためにどうしたらいいのか、これからなんらかの行動が必要かもしれない。同じ時期に、このように一見異なった課題についての2冊の英文書を並行して刊行するに至った経緯について、それこそが私の望ましいと考える研究者の生き方の実践であると説明しようというのが本書の目的である。
コケシノブ科のモノグラフに至る、私の研究者としての生き方の紹介はそれ自体ひとつのまとまった話題となる。一方、生物の種多様性の研究を通じて生命系の概念を構築し、それが伝統的な日本人の自然観につながるものであることを知った。さらに、その概念が自然と人間の共生を生み出している実態を、地球人すべてが共有すべきだと訴える必要性を、”Spherophylon” の刊行で実現しようと試みた。この2面を統合しようとしたこの著作は大きく2つの部分で構成される。並行して進められたこの2つの試みは、自然と人間の共生を演ずる生き方の表裏をなすものであり、両面があってはじめてひとつの意味を実現するが、筋書きとしては異なった側面もあるので、便宜上、ここでは上下に分冊して刊行してもらうことにした。書籍としては、2冊に整理するのがわかりやすい取り扱いであるが、内容は両者を統合することでひとつの意味をもつことに意味がある。ひとつの書籍を上下巻2冊として刊行する意味はそこにあり、可能な限り両者に目を通していただくことを期待する。
(本文「はじめに」より)
はじめに
コケシノブで究めることーシダの研究とは
シダ植物に関心をもつ
シダを意識するまで
シダの同定を始める
柏原高等学校生物班で
シダを愛でる人たちとの邂逅
研究対象としてのシダ植物
シダと生物の種多様性
屋久島と奄美群島
コケシノブの修士論文
ヒメシダ科の学位論文
ヒメシダ科追記
修士論文以後のコケシノブ
シダの研究で何をし、何を学んだか
シダを識ってよかった
シダ研究の成果とその意義
シダの研究から展開する考え
趣味と生業 -文化としての科学
索引
下巻目次
技術の急速な進化に伴い変化する情報流通環境ーー。その法制度はどうあるべきか? 「媒介者」の役割とは?
海賊版サイトやAIをめぐる著作権法上の諸問題、コンテンツモデレーション規制等々の問題については、法整備が進む一方で訴訟提起も次々行われており、プロバイダやプラットフォーム事業者(「媒介者」)がどのような義務を負い、どのような責任を問われるのか、国内外で活発に議論されています。
本書では、生成AIを含む様々な「媒介者」に特に焦点を当て、これらの近時の動向と今後の情報流通環境における法制度を考察します。
日本の著作権法を中心としつつ、比較法や実証研究、さらには憲法・民事訴訟法等の他の法分野も含め、あらゆる論点について総合的検討を行った論文集。
第1部 著作権法と媒介者をめぐる基本的視座
第1章 変革期にある情報環境と著作権法制ーー本書の概要と見取り図 金子敏哉
第2章 「媒介者」論の意義 酒井麻千子
第3章 著作権制度変更に関する実証研究のレビュー 新井泰弘 = 山内勇
第4章 著作権法の萎縮効果 田中辰雄
第2部 著作権侵害と媒介者の法的責任
第5章 著作権法における侵害者と「媒介者」 上野達弘
第6章 著作権侵害の幇助と背後者の損害賠償責任 高野慧太
第7章 アクセス・プロバイダーの著作権間接侵害に関する米国の最新状況ーーSME v. Cox 事件を題材に 奥邨弘司
第8章 著作物流通の媒介者に対する刑事罰の適用状況 谷川和幸
第3部 情報流通に係る主体の多様性と媒介者による利害調整
第9章 著作権侵害コンテンツの差止めおよびモデレーションと事前抑制の法理 成原慧
第10章 EUにおける著作権コンテンツモデレーション規制と基本権の保障に関する考察ーーデジタル立憲主義の観点から 比良友佳理
第11章 サイトブロッキングをめぐる法的課題の再検討 今村哲也
第12章 プラットフォーム事業者に対する知的財産権侵害の申告と不正競争行為該当性 渕麻依子
第13章 発信者情報開示手続における発信者の手続保障ーー令和3 年のプロバイダ責任制限法改正での検討と民事訴訟法における当事者識別情報秘匿制度新設を受けて 佐瀬裕史
第14章 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律の現状と課題ーーEUのDSA・DMAとの比較 寺田麻佑
第15章 プラットフォームの責任ある行動義務ーーカナダと日本の違法・有害情報法制の比較 丸橋透
第4部 AI時代の著作権法制と情報流通のあり方
第16章 「メディア」としての生成AI 小島立
第17章 AI生成物と著作物の識別困難性 栗田昌裕
第18章 AI事業者の媒介者責任におけるフェアユース法理の展開と著作権法の変容 潮海久雄
第19章 生成AIの生成・利用による著作権侵害責任の所在 前田健
第20章 大規模言語モデル(LLM)時代におけると情報法制の課題と新たな制度構想ーー憲法・著作権法・政策論からの考察 木下昌彦
《特集 高等教育における多様性と包摂》
高等教育における多様性と包摂ー特集の趣旨ー(日本高等教育学会研究紀要編集委員会)
高等教育における多様性と包摂をめぐる「物語」(米澤彰純 白川展之)
日本の大学における国際化と多様性推進ー留学生の包摂とダイバーシティ宣言策定の動向を踏まえた考察ー(大西晶子)
子どもの貧困対策から考える高等教育の多様性と包摂ー児童養護施設入所経験者を事例としてー(西本佳代)
障害と高等教育を「社会モデル」で捉えなおす(福田由紀子)
ジェンダーをめぐる高等教育の多様性と包摂ー科学技術分野における男女共同参画の視点からー(河野銀子)
米国におけるDEI を巡る動向と大学の自治の危機(吉田翔太郎 福留東土)
後期近代社会における高等教育の「多様性」と「保障」-移民的背景を持つ日本の子ども・若者に焦点を合わせてー(倉石一郎)
《論稿》
米国学士課程教育における統合的な学習経験としてのLLC(Living Learning Community)の実態と位置付け(安部有紀子 蝶慎一)
日本高等教育学会の設立趣旨
日本高等教育学会会則
「高等教育研究」投稿規定
「高等教育研究」執筆要領
二重投稿の禁止について
既刊「高等教育研究」総目次
編集後記
ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ=ポリコレ)という正義の名のもとに、新たな次元の支配システムが、アメリカを、そしてこの日本を蝕んでいる。
BLM、LGBTQ……「人種差別やジェンダーによる差別をなくし、多様性を認めよ」という掛け声のもと、「新しい正義」が謳われ、その正義の基準に沿わないものは、全メディア総出で、逃げ場なき集団リンチのごとく手酷く批判され、社会的に抹殺される。キャンセル・カルチャーや批判的人種理論が幅を利かせるアメリカ。尻尾を振ってそこを追いかけようとする日本のメディアが、日本を誤った道に連れて行こうとしている。
森喜朗元首相たたきもそうだった。仮に失言はあったにせよ、異様なのは、その後の「全メディア挙げての集団リンチ、吊るし上げ」であり、反論さえ許さぬモンスター的人格攻撃だ。「差別をするな。多様性を認めよ」と叫びながら、その実「自分にとって都合の悪い多様性は一切認めようとせず」「新たな差別を創造する」流れは、今後さらに増加し、極端化し、過激になっていくと思われる。それでいいのか? 防ぐ方法はないのか?
多様性とは、自らと違った立場の意見を尊重し、相互に認め合うことのはずなのに、逆に「不寛容」ばかりが増し、企業も学校も社会も息が詰まっていく。
ポリコレ先進国・アメリカの悲惨さを見よ。非キリスト教徒に配慮するという大義名分のもと、すでに「メリークリスマス」という言葉は奪われ、性差別への配慮として、「お父さん」「お母さん」も公式の場では使えなくなってしまった。カリフォルニアでは、LGBTQに配慮するため、結婚式の際、「夫」とも「妻」とも言えないのだ。狂気だ。
日本は1日も早く先行するアメリカの過ちに気づき、本当の自由と平等を取り戻す努力を始めなければいけない。「機会の平等」でなく、「結果における平等」を保証することは、「新たな不平等を創造」するだけ。そこには絶望しかない。
今や、日本の学校では「あだ名」をつける事さえ、一律に禁止されようとしている。
「言葉狩り」や「#MeToo」、「マスク警察」や「ワクチン警察」、「お母さん食堂」へのいちゃもんなどに代表される動きが、今後さらにエスカレートし、モンスター化し、一方的なレッテル貼りをすることで、人々のつながりが分断され、冤罪事件を生んだり、暴力や殺人など、新しい深刻な差別を生む日も遠くないのでは、と不安を感じている人も多いように感じられる。
忠実で丹念な取材力を基本に、多くのノンフィクション作品で高い評価を得てきた著者が、「ポリコレ」という新たな敵の正体を見出し、追い詰めていく。
現状のまま進めば、日本もジョージ・オーウェルの『1984年』のような全体主義管理社会というディストピアにどんどん近づいていく。
なんとかそれを阻止したいとの強い思いが本書を書かせた。
「昭和」には生きるヒントが詰まっている!
「生きていれば、きっといつかいいことがあるはずだ」--人々が楽観的かつ貪欲で、明日へのエネルギーに満ちた「昭和」という時代は、世界の歴史の中でも特に興味深い時代だったとヤマザキマリは語る。先を見通せない不安と戦う今、明るく前向きに生きるヒントが詰まった「昭和」の光景を、様々な角度から思い出しながら丁寧に綴った考察記録。ヤマザキマリ流・生き方指南。巻末に「ヤマザキマリ年表」付き。
「私にとっての昭和がサバンナだったとすると、そこで培ったエネルギッシュな精神はその後イタリア、シリア、アメリカといったそれぞれまったく要素の違う国々に移り住んできた私の、世の中なんでもあり、という適応力につながったと言っていい。様々な不条理と向き合わされ、孤独に打ちひしがれてもなんとか頑張ってこられたのは、あの時代の人々の暮らしや漫画やテレビなどからタフに生きることの重要性を学習できていたからだろう。
移り変わる時代の中で、ときどき、過去の人々の思想や社会のあり方が現状の問題解決に対しての良いヒントとして活かされるように、昭和にもそういう要素はいくつもあるはずだ」──あとがき「昭和というサバンナ」より
はじめに・・・・・・3
1 おやつに問われる創造力
--ジャンクな菓子に胸が躍った時代・・・・・・15
2 昭和的「自分の演出」
--手作りで着たいものを作った昭和・・・・・・29
3 懐かしい風景
--昭和の下町商店街には人情があった・・・・・・47
4 家に魅せられて
--昭和は家に気兼ねなく人が集まった・・・・・・59
5 「おおらか」がいい
--昭和は道端にエロ本が落ちていた・・・・・・75
6 CMの創造性
--昭和のCMには遊びや知的教養があった・・・・・・87
7 昭和のオカルトブーム
--童心大人から勇気をもらった・・・・・・99
8 憧れた大人のかたち
--前に進んだ昭和一桁世代の女性・・・・・・113
9 私とエンタメの世界
--昭和の点が線につながっていく・・・・・・127
10 大気圏の中で生きる
--貧しくても裕福でも、生き方は人それぞれ・・・・・・145
11 地球人類みな兄弟
--昭和は多様性社会だった・・・・・・155
12 昭和流のいじめ
──いじめっこのバックグラウンドが見えた時代・・・・・・167
13 24時間、働けますか
--昭和の仕事人・・・・・・175
14 孤独を自力で支える家族
--離れていてもつながっている共同体・・・・・・193
15 幸せは待っているだけでは訪れない
--人生100年時代の老後、終活・・・・・・213
16 不条理と向き合う生き方
--孤独を味方にしていた昭和漫画の主人公たち・・・・・・227
昭和というサバンナーーあとがきにかえて・・・・・・241
ヤマザキマリ年表・・・・・・244
「文化って、なんだろう? 世界の文化には、どんなちがいがあるの? ちがう文化と出会ったらどうしたらいいの?」。グローバル化の進む現代。文化とは何かをわかりやすく説明し、多様性を受け入れることの豊かさを教えてくれます。
今、西欧の「知の巨人」の位置を占めるに至った著者の、若き日の衝撃作! 主著!
32歳で世に問うた衝撃の書。コミュニズム、ナチズム、リベラリズム、イスラム原理主義……すべては家族構造から説明し得る。「家族構成」と「社会の上部構造(政治・経済・文化)」の連関を鮮やかに示し、全く新しい世界像と歴史観を提示する問題作、待望の新版。
普及版あとがき=荻野文隆
『多様性トレーニング・ガイド』を増補・改訂。参加型学習理論の解説をはじめ、外国人労働者など、近年の社会の変化にもとづく資料、実践のためのアクティビティなどを収録。多様性にかかわるファシリーター必携の書。
子育てについての理解を社会全体が時代や社会の変化に応じてアップデートする必要があることをソーシャルワークの視点から論じ、現場で活用できる相談援助をアドバイスする。
序 章 ソーシャルワークの視点で考える
1 ソーシャルワークとは何か
2 新たな資格「こども家庭ソーシャルワーカー」の創設
第1章 現代社会における子育てとは
1 現代の子育て事情
2 社会の変化による影響
3 現代において子どもをもつ意味とは
第2章 科学の進展の光と闇
1 人工授精で誕生する子ども
2 新型出生前診断の登場
3 脳科学研究が示したアロペアレンティングの効果
4 妊娠できない・子どもを産まない私たちの国
第3章 親の役割を考える
1 家族とは何か
2 子どもをしつけるのは親だけかーー親役割の歴史
3 家族の多様なかたち
第4章 子育て支援の新しい考え方
1 子育ての社会化ーーフィンランドの子どもは「社会の子ども」
2 子どもの養育者の多様性ーー動物学・文化人類学におけるアロマザリング研究
3 子育てはチームでーー愛着のネットワーク
4 支援者の考える「望ましさ」とは
5 日本の政策言説の矛盾
第5章 愛着とは何か
1 アタッチメントとは
2 乳幼児期におけるアタッチメントの機能
3 愛着障害とはーー子どもの状態の背景を考える
4 愛着のネットワーク
5 児童虐待を再考する
第6章 障害のある子どもと家族
1 障害とは何か
2 子どもの障害
3 これまでの親支援の主流
4 家族のメンタルヘルス
5 ストレス論からみえる家族
6 親の「障害受容」の理論
7 障害受容論を超えてーー自己のポジショニング理論
8 制度変更による親の存在の変化
9 これからの支援の方略
第7章 親を理解するアセスメントの視点
1 アセスメントの3つの軸
2 相談援助の場で求められる2つの視点
第8章 相談援助の方法
1 相談援助の構成要素
2 対人援助の基本的姿勢ーーバイスティックの7原則
コラム 春の風物詩
3 自己覚知の重要性
コラム 1000円のロレックスの腕時計
4 面接技法ーーマイクロカウンセリング
5 相談援助のプロセス
第9章 支援者自身のメンタルヘルス
1 感情労働をする私たち
2 傷つきをシェアする
内閣府の総合知活用事例に、本教育プログラムの開発と実践が選定されました!
寛容性と協働の楽しさを社会に取り戻す!
ユングのタイプ論を応用した、チームマネジメントとパフォーマンス向上のための理論とアプローチ。
慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究所顧問
元スタンフォード大学コンサルティングプロフェッサー
福田収一氏 推薦書籍
装画:柴田悠基(現代美術作家)
第1章 タイプ活用教育型の協調設計をするための教育プログラム
……チームという協業形態を理解する
第2章 教育プログラムの理論的基盤
……チームの活動を理解する
第3章 マインドセットのコンテンツ
……チームの成果を理解する
第4章 スキルセットのコンテンツ
……協働のプラス面、マイナス面を理解する
近年の特別支援教育では、言語やコミュニケーション発達の支援にニーズのある子どもに対して、彼らへのアセスメント結果により、発達障害の指導を受ける通級指導教室や特別支援教室(巡回指導)・特別支援学級(自閉症・情緒障害)と、言語障害通級指導教室(ことばときこえの教室など)に指導の場を分けている。しかし、多くの児童は実際には様々な状態を併せ持っている。例えば、ことばときこえの教室に通っている多くの児童には発達障害との併存もみられ、支援のニーズがあることもわかっている。さらに、場面緘黙については支援の場が限られている。
本書では、まず著者の専門である言語障害を軸に、各障害が示す特徴を解説し、発達障害との併存の実態についても説明し、適切な支援方法について紹介する。
また後半以降では、現状の特別支援教育においては障害別に支援の場が分かれているが、実際の児童は複数のニーズを呈しており、指導が同時進行で行われる必要性があることや、その場合、児童が適切な指導を受けられる制度とはどのようなものであるのかについて解説する。最後に、特別支援教育の世界を長年牽引してきた本分野の第一人者である柘植雅義氏との対談内容を記載し、特別支援教育が目指す方向性についても提言を行う。
目次より
はじめに
第1章 一般的な言語発達
1 発音
2 流暢性
3 語彙と文法
4 ナラティブ
5 健診でのことばの相談
第2章 ことばの教室での支援
1 ことばの教室とは
2 構音障害
3 吃音
4 言語発達の遅れ
5 語用の遅れ
6 音声障害
7 脳の多様性を生かした支援とは
第3章 言語発達の問題と指導事
1 知的障害
2 境界性知能
3 学習障害(LD)
4 自閉スペクトラム症(ASD)
5 注意欠如・多動症(ADHD)
6 言語発達が遅れた子どもを対象とした指導方法
第4章 言語障害と他の障害の併存について
1 構音障害
2 吃音
3 言語発達の遅れ
4 クラタリングの可能性を疑う
第5章 場面緘黙とは
1 基礎的な知識
2 指導介入方法
3 指導介入する際の留意点
4 適切な支援の場とは
第6章 複数の障害を重複する児童への指導
1 支援の優先順位
2 発話・言語能力包括アセスメント法開発の背景
3 ことばの教室での障害の重複
4 吃音とASDのあるケンジくんの事例
5 ことばの教室への入級をめぐって
第7章 言語障害通級指導教室の今後の在り方を探って
1 柘植雅義先生との対談
2 言語障害のある児童への指導・支援の未来:対談を終えて
おわりに