本書では、人格の病理に対し常に方法論的な関心をもち、その視点から研究を続けてきた著者が、幅広い切り口で人格障害一般と多重人格・PTSD・境界例・統合失調症等について論じている。
女と呼ばれた男が、ついに女子更衣室にサヨナラを告げた。性同一性障害、33年の七転八倒、規格外人生発見までのエトセトラ感動記。
高校時代のたくさんの恋愛、仲間たちと過ごした文化祭やイベント、受験、そして大学生活と就職活動──多感な思春期に得た経験と、その局面で求められる「男らしいふるまい」に対する葛藤をへて本当の自分の性を感じとっていく、ある「女性」の物語。
まえがき
第1章 田園の青春
創立記念日の神戸
一年ぶりの男女共学
出会いのバーベキュー
はじめてのカミングアウト
夏色の思い出
スキとキスのあいだ
ヒロインは男まさり
田園が実る季節
祭りのあと
二人は公認カップル?
女子生徒が恋敵
スケートとマフラーの冬
言葉にできない
第2章 田園の憂鬱
春なのに
女生徒会長はダメ!?
屈辱の球技大会
体育の悲劇
はまらないピース
待つわ
紫煙の向こうの明日
女の子どうしの密室
春風にのせて
白い変人たち
第3章 卒業への田園
運命の新学期
美声の詐欺師
美容院初体験
土曜日の三角関係
カタツムリになりたい
男どうしの同棲!?
危険な?ダブルデート
思い出がいっぱい
志望校は女子大学!?
女子高生になれなかった少年
さよならは言わないで
第4章 思い出の神戸
私服通学の憂鬱
文学部の居心地
俺は男だ!
芸達者たちの封建社会
三条で逢いましょう
学生街の喫茶店
大学生の余暇
永遠の憧れ
六麓キャンプ・女子上級生
兼業主夫誕生
会計の適性
第5章 春風になる
社会学ゼミの女子学生
卒論はおニャン子クラブ!?
深夜の密会
若草色の季節
再会の教育実習
晴れた日には六甲が見える
さよならの季節
OLになりたい
失くした1/2
こんな空の下で
小春日の内定辞退
港町の乾杯──春風になる
本書では、トラウマとジェンダーが重なる問題として、対人的なトラウマ、それも親密な関係における長期反復的なトラウマであるドメスティック・バイオレンスや性暴力、児童虐待の事例を数多く取り上げ、議論しているが、これらは社会的にも対応に危急を要するテーマでもある。臨床にすぐ役立つ、ジェンダー・センシティブなアプローチの要点を提示し、さらに、臨床現場にトラウマとジェンダーの視点をとり入れることで、具体的にクライエントの何を見、どのような働きかけをし、どんなことに気を配るかを事例検討で明らかにしている。
本書は、DSM-IV-TRによる精神疾患の診断を行う場合の「鑑別診断のための臨床指針」として書かれたものである。
本書は、医療と法と生命倫理の問題に関心をもたれる一般の方がたに広く読んでいただくことを意図して著述している。したがって法律専門用語はほとんど用いず、できるかぎり分かりやすくしかも可能な限り新しい動きをとらえて記述している。
精子はその昔、バイ菌だった。相性は遺伝子で決まる?などなど。フェロモンと遺伝子に関する最新の知見が解き明かす、男女のふるまいの秘密。あなたの行動はここまで動物的だった。
本書は、性同一性障害の理解を深めることを通じて、今日、日本のジェンダー・ケアが進んでいる方向に疑問を呈し、新たな視点から性別違和感に苦しむ人々に対する心理・社会的支援の重要性を訴えようとするものである。また、本書は、これまで議論されることの少なかったジェンダー・アイデンティティの形成/再形成課程に目を向けることで、ジェンダーをより動的なものとしてとらえなおそうと試みる。
こころが病気になるんじゃない。どんな臓器も病気になる。脳に病気が起きるとこころの具合が悪く感じられるだけなのです。「こころの悩み」を解きほぐす、わかりやすい精神医学の話。
オチンチンがある子はなぜ男の子なのか?性同一性障害の当事者であり、研究者である著者が最新の研究成果をもとに“性別”をめぐるさまざまな問題を目からウロコの納得分析。最も分かりやすいトランスジェンダー学入門。
ビジネスパーソン必携!あなたの会社にレジリエンス(耐久性)はありますか?米国トヨタのセクハラ訴訟、パロマ湯沸器事故、個人情報漏えい問題など、相次ぐ企業の不祥事は、なぜ起こるのか?どう対処すべきか?その防止策は?第一線で活躍する実務家が、100の事例を挙げてそのポイントをわかりやすく解説し、リスクマネジメント再構築のヒントを示す。
幼い頃から自分の身体に違和感をもっていた著者は,27歳のとき「男性」として生きることをやめ,やがて「女性」として暮らすようになった.今,さまざまな困難を抱える人々の声を聴き,見過ごされがちな問題を可視化するために発言を続ける.誰もが自分らしくのびやかに暮らせる「寛容な社会」を創るための熱いメッセージ.
はじめに──いくつものボーダーを越えて
第1章 「私の戸籍は男性です」──政治家になった
1 顔を見せて訴えなければ
2 手探りの選挙活動
3 変わってゆく街の空気
第2章 私は誰?──性を見つめて
1 仲良しは女の子
2 第二次性徴
3 孤独感と罪悪感の中で
4 サラリーマン時代
5 「もうごまかせない」
第3章 性を移行する──居場所を探して
1 初めて仲間に出会う
2 性を移行する
3 「女性」としての暮らし
4 社会保障制度が使えない
5 司法への絶望
第4章 性別変更に道を拓く──「性同一性障害者特例法」の成立をめぐって
1 議員立法の知らせ
2 国会のルール
3 特例法の成立
4 なお残る課題
第5章 ちいさな声、声にならない声──当事者のニーズを掘り起こす
1 「常識」を疑うことから
2 一万五六〇〇人の「外国人」
3 七〇〇人の「オストメイト」
4 ひとり親家庭の実態
5 要約筆記と手話
6 失語症会話パートナーの養成
7 バラバラの「点字ブロック」
8 政策決定の現場で
第6章 沈黙から発言へ──「変える」方法
1 沈黙は「存在しない」こと
2 自己肯定感をもつ
3 確実に声をとどけるために
4 権利意識の危うさ
5 嫌がらせに負けない方法
第7章 「フツウ」って何だろう──寛容な社会とは
1 ボーダーライン、この恣意的なもの
2 性的少数者のいま
3 「フツウ」って何だろう
あとがき
◆もっと詳しく知りたい人のために
本書は、思春期という特殊な時期について、また思春期に見られる個々の病理について、最新研究や報告を踏まえて、現在どのような視点から考えられ、どのような治療的アプローチがなされるようになったかを16人の経験豊かな臨床家が論じたものである。まず、従来から思春期臨床の中心テーマでありつづける境界性パーソナリティ障害・摂食障害をはじめ、わが国の思春期に特徴的な不登校・ひきこもり、そして社会不安障害(social anxiety disorder:SAD)の視点から捉え直されつつある対人恐怖症などの現在的な問題を取り上げる。つづいて、近年注目を集めている思春期のうつ病、発達障害、身体醜形恐怖、解離性障害などの新たな問題に触れ、最終部ではますます深刻化する自傷、自殺、性的非行など、行動化の問題にも考察を加えた。それらの疾患に対する、認知行動療法、心理教育などの近年登場した新たな治療的アプローチを、豊富な臨床例を通して解説している。
虐待された子どもたちは心だけでなく、脳の発達にも障害が生じるという。そのために例えば自閉症児と極めて似た症状や問題行動に苦しむ子どももいる。著者は多くの重篤な被虐待児の治療にかかわる中、このような精神医学的知見に達した。これは子ども虐待と発達障害の関係を探るという今日的な緊急課題でもある。この分野の世界的な研究者で臨床医である杉山登志郎先生が臨床例や研究から分かりやすく紹介する。