トラウマをもつ人をケアすることは、自分自身がまた傷つくことでもある。外傷性ストレスがケアの対象として定着した米国では、ケアを行う者への支援が重要な課題となっている。本書は、二次的外傷性ストレスの予防と治療という新たな問題について、米国のトラウマ研究や臨床に関わる第一線の執筆陣が、あらゆる角度から議論を展開している。
環境問題は最大の政治問題であるとする養老流環境論。複雑なシステムである自然を相手にする時は、西欧式コントロールではなく、日本古来の「手入れ」の思想こそ大事とする。著者初の本格的環境論。
本書は、急性期医療を提供している大学病院の臨床の看護職者を中心に、クリニカルラダー(臨床看護実践能力習熟段階)制度を用いて新人ナースからエキスパートナースに至るまで段階を踏んで育成するシステムを紹介したものである。
参加型人権学習プログラムである多様性教育を具体的授業ガイド付きで紹介する入門テキスト。一人ひとりの違いを認め合うことから出発し,反差別や人権問題へと展開するプログラムは参加型学習への疑問に答え,人権教育へと導く。
新しい学力観に立って21世紀を生きる子どもたちの育成にあたろうという試みが、全国の学校で熱心に行われています。しかし、最近では学力が低下するとの意見が大きくなり、小学校教育はその軸を変化させつつあります。一方で、学習に取り組めない子どもたちの存在、いわゆる「小1プロブレム」は社会問題化し、幼稚園・保育所と小学校教育の接続の問題が指摘されています。本書では、「幼・保・小の接続」における現状を分析し、その課題と実践の在り方を探ります。
本書の構成は、性暴力の「理解」から始め、査定、治療教育について述べ、最後に治療事例を掲載する。臨床や教育の現場での実践に参考になるよう、できるだけ具体的でわかりやすい記載を心がけた。
統合失調症が不治の病ではなく、有効な治療法があり、さらに、予防の可能性さえも注目されていることがわかりやすく述べられている統合失調症の治療ガイド。付録として、統合失調症の代表的症状である幻覚妄想を疑似体験できる「バーチャルハルシネーションCD-ROM版」と解説パンフレットを収録。
大規模なキャンパス計画からサテライトまで、さまざまな学部を網羅した施設計画に、耐震改修事例、学術交流館、学生会館、セミナーハウスなど大学ならではの施設を加えて、23事例を収録。
急性期からクロニックへ、キュアからケアへと、保健医療の枠組みが大きくシフトしている。3大死因の癌、脳卒中、心臓病をとっても、診断・治療というこれまでの枠組みではまかないきれない。糖尿病をはじめ生活習慣病という観点も注目されている。根治せずに病気を抱えて推移するという時間軸と、対人関係や社会的資源など生活レベルでのひろがりを見据えた新たなパラダイムが求められている。本書はクロニックイルネスという切り口から保健医療の全体像を示し、人と病いの新たなかかわりを問い、今日的な課題と取り組みへの展望を与える。
日本の英語教育の中身が何かおかしいと思うあなた。どこがどうおかしいか、そのようなおかしな英語教育の中身がどこからきたのか、お教えします。ひとりよがりの解説をする受験参考書。今の英語と無縁な文法規則を教える文法解説。19世紀以前の英語を堂々と記載する学習英和辞典。英語らしくない英文を使って受験者を試す英語教員採用試験問題。100年前からの呪縛と、ひとりよがりな英語。日本の英語教育の病根はここにあります。
現代エリートの持病「大脳新皮質シンドローム」が日本人をダメにする!ソニーの研究者として40余年を勤めた著者が、科学者の立場から提言する教育の新たな形。
大英帝国の女性たちは、19世紀後半、フェミニズムを追い風に中・高等教育を獲得し教師となって、男子進学校と同等レベルの、女性による女子教育という領域を切り開いた。さらに植民地拡張の時流に乗って、単身オーストラリアやアフリカなどへ渡っていく。2つの大戦期までの女教師たちの姿を追いながら、彼女たちが女子教育にかけた夢、その光と影を浮き彫りにする。
宇宙は対称性に支配されている!ノーベル賞物理学者レーダーマンが、ビッグバンからヒッグスボソンまで、物理学の最前線を語りつくす。
「味覚」と「嗜好」は食行動を考えるための『基本』であるが内容は大きく異なる。「味覚」は口腔内での信号の受容と脳への伝達という単純な生理学的現象であるが、一方「嗜好」は食物に対する好悪の判断や長期的な学習・記憶による総合的な判断基準を指す。「おいしさ」は個人の嗜好から生まれる。嗜好の個人差には著しいものがあるが、その要因を整理してみると科学的に捉えることも可能となってくる。本書では「食を考える地平を確立する」ことを目的に、味覚と嗜好から、おいしさに至る感性の世界を生理学・行動学・脳科学・食文化・食品科学などの幅広い視点から解説する。