日本は今、働き方改革や女性活躍、男性の育児参加など、多くの課題に挑戦している。焦点を当てる角度や呼称は様々でも、職業生活と個人や家庭生活の調和をめざす基礎となる枠組がワーク・ライフ・バランスである。本書は、その概念や分析視角を考察した上で、主要各国の施策の特徴を析出し、日本における実態を検証する。多方面から取り上げる視点と事例から、未来志向的な働きやすい職場環境とは何かを探る。
◆ゴールは男女共同参画社会
政府の男女共同参画会議議員、専門調査会会長を長年務め、第一人者である著者のライフワークの書。安倍政権の目玉「女性活躍推進」は手段にすぎず、「男女共同参画社会がゴール」を持論に、「男女共同参画」基本計画の策定から監視までの流れを追い、男女平等の進化の過程を見通します。男性中心型労働慣行の変革(男性正社員の長時間労働からワークライフバランスへ)、固定的な性別役割分担意識の解消(男は仕事・女は家庭から共働き・イクメンへ)がなぜ鍵かを説き、次世代への諸課題を明らかにします。報告書・議事録から要所を抜粋し、歴代の総理発言を網羅するなど、資料的価値を備えた本書は、女性学研究の基本文献となるでしょう。著者は日経新聞家庭部長等を経て、女性労働協会会長、『男女共同参画の時代』(岩波新書)など著書多数。
男女共同参画基本法の「改廃」を!「男らしく・女らしく」「性別役割分担」でなぜいけない?非科学的で家族破壊の「ジェンダー」を法令からなくそう!フェミニズムの魔手から日本を守るために。
明治期から現在までの図書館は女性にどのようなサービスや資料提供を行ったかをジェンダーの観点から文献により検証・考察した一冊。戦前に存在した婦人閲覧室や戦後に設立された男女共同参画センター・女性情報ライブラリーについて取り上げ、その存在意義を再確認できる。日本の図書館におけるジェンダー問題を可視化し、関連資料提供の際のヒントに。「巻末に索引」付き。
地域再生の担い手として注目される女性リーダー。しかし彼女らが地域の意思決定の場に現れることは、ほとんどない。その背景にはどんな問題が潜んでいるのか?フィールドワークで出会った女性たちのナマの声をもとに探る。
女性の社会進出が進む今日、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法など、男女が共に働く法環境の整備は進んできました。しかし、依然として、「男はこうあるべきだ」「女はこうあるべきだ」といったジェンダーによる役割分担意識は根強く、職場における男女の賃金格差、昇進差別、セクシュアル・ハラスメントなど、問題は山積している。また、ワークシェアリングやディーセント・ワークといった新たな論点も浮かび上がってきた。さらに、一見平等に見える労働法制においても、そのモデルとなるのは男性労働者であり、女性の視点が欠けているという指摘もなされている。本書はこれら「女性と労働」に関するあらゆる問題を専門家の立場から分かりやすく解説したものである。
第1章 かしこい王女
第2章 魔法使いボックス
第3章 虹色の絵の具とふで
第4章 さいしょの難問ーー魅惑の森の魔法の水
第5章 山ほどの布地と針と糸
第6章 ふたつめの難問ーー金色ワシの巣のルビー
第7章 さいごの難問ーー銀色の荒馬
第8章 さあ、でかけよう
【ブックレット】
少子化、高齢化の進行するなかでのジェンダー問題。労働・福祉・家族の各領域における新しい政策と理論の動向。