税理士の宏夢は、勤務先の税理士事務所長である叔父の考え方の違いに悩んでいた。ある夜、宏夢は酔った勢いでヤクザと喧嘩になり、二枚目だが冷徹で危険な香を放つセクシーな青年実業家・新城に助けられる。宏夢は助けた見返りにと、強引な新城に抱かれ、初めての愛撫に身体は火照り快楽の甘美な疼きに翻弄されていく…。転職した宏夢は、財務捜査官となり捜査中にヤクザに拉致され、座敷牢に入れられ淫乱剤を嗅がされてしまうが…。
米国製薬会社の日本支社への出向で帰国した通夏は、高校時代、自分を性奴隷のように扱った男・津島と再会する。津島は現在、心臓外科界の寵児として名をはせていた。十年前と同じ執着心で、今でも通夏を求めてくる津島が恐ろしく、通夏は彼を拒み続ける。だが、津島が経営する会員制クラブに騙されて誘いこまれた通夏は、その身体を一晩好きにできるというオークションにかけられてしまい…。
突如、大会社社長の隠し子であると知らされて、父親のもとに呼び寄せられた河村享。新しい家族にも馴染んで、自らの居場所を見つけたけれど、唯一、享の心を波立たせるのは、執事とも腹心の部下ともつかない不思議な男・高城直征の存在だった。恋人という甘い言葉を与えられ、いつも巧みに誘われて、溺れるように関係を重ねるものの、冷静すぎる高城の本心が、享にはどうしても見ることができない。そんな折、高城に興味を示す少年が現れて…!?大人気ベクトルシリーズ。
佐々元雅は高校2年。絡まれていたところを助けてくれた森喬済は、雅の兄・棗がオーナーのマンションに入居する大学生だった。接触嫌悪症で無愛想な喬済に雅は懐く。そんなある日、隣室に引っ越してきた郡司が雅に親しげなのを見て、喬済はなぜか面白くない。雅が好きだから、と気づいた喬済は…!?初期作品待望の文庫化。書き下ろし短編も同時収録。
異変は、ある日突然、起こった。街ですれ違う女性の顔を「見られなく」なったのだ。それは、強迫神経症のひとつである「視線恐怖」だったー。著者は、わが身にふりかかったこの異変を克服するため、「視線」について徹底的な調査と研究を開始する。そして、精神医学領域にとどまらず、脳科学、認知行動学、社会学へと探究のフィールドを広げていく。そこから見えてきたのは、私たちの社会が、いかに「視線」に規定され束縛されているかという事実だった。著者の苦闘と思考の過程を赤裸々に綴った、知的論考。
デリダの写真論『視線の権利』(1985年ミニュイ刊)は、多くの、とりわけ最近の彼の著者がそうであるように、まず翻訳の問題として呈示されている。それは、翻訳ということの可能性、あるいは不可能性と戯れているようである。語の真の意味でのゲームが、翻訳という場、この本の用語を借りれば、チェッカーボードの盤上で、展開され、賭けられ、演じられる、そのなふうに、デリダは彼のフレーズ、構文、対話を編成してゆく。
肖像画のまなざしは何を語りかけるのだろうか。近年歴史資料として注目されている日本の肖像画について、鎌倉時代から江戸時代までの多くの作品の緻密な検討から、その変遷・特質と、影に広がる日本人の精神世界を探る。過熱する像主論争に一石を投じる。
光と水が織りなす風景、安らぎと哀しみを湛えたアジアへ、いつか心は還っていく。ベトナム、台湾、ネパール、タイ、韓国、モンゴル、バリ、中国、沖縄…三年半にわたるアジアの旅を記した、写真家による最上のフォト・エッセー。
社長令息の御園生至に脅迫状が届いた。至の身の危険を心配した父親が雇ったのは、敏腕ボディガードの射場隼人。至は冷静沈着な彼の態度が気にいらないうえ、行動を制限されてストレスが溜まる日々。しかし、何度が助けられたのをきっかけに射場の真摯なまなざしから目が離せなくなってしまい…。射場は至を守りきることができるのか?クールな外見に情熱を秘めた男・射場と、元気がとりえのわがまま令息・至が巻き起こすダイナマイト・ラブ!命がけの恋が今、始まるー。
お前の世界は、オレ一人。
教育実習初日。村上の担当教諭になったのは、昔好きだった黒澤先輩だった。先輩に嫌われていると感じていた村上は、なるべく黒澤を避けようとするも、いつも自分を監視しているような視線を向けられて…。
忍季は教師になった実を追って藤峰学園に入学したが、冷たく拒まれてしまう。不安な忍季は、優しく慰めてくれる寮の同室の晃人につい甘えてしまう。だが、乱闘事件を起こした忍季を、保護者として引き取ったのは実だった。不可解な実の気持ちに忍季の心は揺れて…。藤峰学園シリーズ第1弾。
ゼネコン汚職、大蔵省の組織犯罪、金融破綻、企業内いじめ…。「政治家、官僚、経営者への批判に厳しすぎるということはない」と著者はいう。21世紀に向かい、政治は、企業は、どうあるべきなのか?日本人、そしてアジアの行方は?土井たか子、落合恵子、おすぎ、梁石日らとのユニーク対談も収録。不屈の辛口評論家・佐高信が現代を斬る。
常軌を逸した女と男のドラマ。人生を不器用にしか生きられない裏通りの主役たち。ショート・ストーリー14話。
子どもの目線に立った子育てをしていますか?やってはいけないことをする、そんな子どもは親の愛に飢えています。そうした時こそ、子どもをぎゅっと抱きしめましょう。子育ての視線とはなんでしょう。迷っているお母さん、お父さんに贈るHiro-san+Dr.Nakamuraからの熱きメッセージ。