摂取した栄養は体内をめぐり、心を刺激する。食物と人間の密接な関わりを、解き明かす。
「ニンジャ」の技は世界に通ず。大老井伊直弼の密命を受け、遣米使節団の一員としてアメリカに渡る元お庭番、村垣淡路守の活躍を描く気宇壮大な表題作、東京オリンピックを忍者の闘いに見立てた「忍法金メダル作戦」(文庫初収録)を含む全七篇。
本書はユング派分析家として豊富な臨床経験をもつ著者が、新しい視点で心理療法をとらえなおし、まとめた書である。「心理療法とは何か」という解説にとどまらず、神話や民話などさまざまな文化資料を用いて、「日本人のこころ」を再検討し、怒りや傷つきについてより深い理解を得ようとするものである。日本人のこころの傷つきと癒しについて、現代の日本社会が内包している問題と関連づけて論じている。
「霊の彷徨う屋敷があるらしいんだけど、興味ない?」東郷鷹也、篠宮千歳、大日方稀一、勧修寺凛、金森拓海、佐久間京介。名門、財閥、梨園、暴力団、陰の大物といった家の御曹司で構成された『金曜紳士倶楽部』の新たな事件は、拓海のそんな一言から始まった。奥日光のある屋敷では、美少年の幽霊が出るのだという。退屈していたメンバーたちは早速その屋敷に出かけることにしたのだが。
『芭蕉七部集評釈』正(1973)・続(1978)は、連句評釈という形式を借りて、徹底的に蕉風とは何かを追求し、識者の世評を上げた。以来十余年、さらに新釈を志し、『風狂始末』(1986)『続風狂始末』(1989)『風狂余韻』(1990)を上梓した。そこで、付合とは何か、言葉とは何かを、各歌仙の趣向と併せて、極めて緻密な考証と研ぎ澄まされた想像力を駆使してスリリングに読み解く。ここに、芭蕉とその一門の人間ドラマが展開される。読者は、本書を繙くことによって、その連句のはこびの緊迫した対話の場へと引きずり込まれる。著者のライフワーク、芸術選奨文部大臣賞受賞の画期的名著。
吉相のお墓を建てるには多くの困難があります。第一に、墓相など迷信だと非難され、家族からもお寺さんからも反対が出る。第二は、お金の問題。さらに、吉相のお墓をつくるために必要な家系図などから、家庭内のことが表に出ることの不安。筆者はこれらすべての表裏を知り尽くし、理論だけでなく、現実を見きわめて指導する貴重な指導者です。
書き下ろしエッセイが付いたもう一つの西村作品。警部出番です!旅をキーワードに達人・津田令子がミステリー界巨匠の素顔に迫る。
風角宝典…名前の画数ではなく、名前の「音」で占う姓名判断。陰陽五行説よりも歴史は古く、四千年以上前の古代中国・後漢時代に誕生したが、そのあまりにも高い的中率のために、時の権力者に封印されてしまった幻の占い。
イギリス人写真家ジョニー・ハイマスが、いかに日本人の魂を洞察し、鳥居に結集した日本人の心をレンズに収めたか。鳥居を日本各地の名も知られぬ海辺、山辺に尋ね、爛漫の桜花、新緑の若葉、黄金の稲田、満目の紅葉、壮麗な夕陽、一面の雪景のなかに求め、日本の心を写し取った。
治療する病気の症状と同様な症状を健康な人に引き起こす薬物を選び、その極微量を投与する治療法であるホメオパシー(類似療法)医学。物質論的な現代西洋医学の限界をその内部から乗り越えようとするホメオパシー医学の創始者サミュエル・ハーネマンの古典的名著『オルガノン』の第一級解説書として名高い、ジェームズ・タイラー・ケントの『ホメオパシー医学哲学講義』の翻訳。近年ようやく日本でも普及してきたものの、必ずしも正しく理解されていないホメオパシー医学の基本教本である。