大学に進学した“ぼく”は、何かを求めてバトミントン部へ。先輩達との確執の中、仲間達に支えられ、レギュラーの座をかけた試合に臨む。情感あふれる青春ストーリー。
急速に進化するラグビーの世界的潮流のなか、つねに「技術」と「パワー」のはざまで揺れ動いてきた日本は、どこへ向かい、なにを目指すのか。平尾誠二率いるジャパンの源流を青山、神戸、ロンドン、シドニーに追う。
浅草は奥山の生人形、西洋油画を並べた油絵茶屋、パノラマ館での戦争体験、掛け軸になった写真…19世紀日本のエロ、グロ、ナンセンス。細工師の手になる奇々怪々な造形表現のかずかずは、市井の人びとはもちろん、外国人をも驚かせ魅了したが、それにもかかわらず、西洋文明に倣えの近代化が押し進められる渦中で排除され、やがて歴史に埋もれてしまう。美術という基準からはずれたアウトローを掘り出し、幕末・明治の驚くべき想像力を検証する、転換期の日本美術への新たな視座。図版多数。
あらゆる動物がムツさんと恋におちるのはナゼだろう?ムツゴロウ氏曰く、「この本では僕の“企業秘密”をすべて公開している」あらゆる動物と親友や恋人になる方法、教えます。
武士道精神、サムライの倫理を多分に持って生きた中山義秀は、兵隊としても卑怯なことをせず正義に殉ずる主人公を設定し、父親としては自分の娘たちに対しても頑固一徹な、しかし本当は愛情あふるる父親を描き、歴史小説においては登場人物の苦悩する精神の内面よりも、人事に任せしかし人事を越える剛毅、爽快を好んだ。現代には稀になったある意味での良き日本人像を描く短篇七篇を収録。
19世紀パリに生まれ、人類の思考の極北で「存在」そのものを問う形而上学的「劇」を生き、今なお文学・思想に圧倒的なインパクトを与え続ける詩人マラルメー20世紀哲学の旗手サルトルが、マルクス主義的歴史読解とフロイト精神分析による個人の深層分析を両極に、固有の方法的批判を織りこみながらマラルメという特権的「生きざま」を全的に照射し、文学の存立の根拠をも問い直す渾身の論考。社会と文化の内部にあって、なおもそれを超えうる「作家」を貫き支える力線を描き出す伝説的トルソー。
むかしむかしあるところに…ほんの数十年前まで、昔話は、幼な子が人生の最初に楽しんで聞く文芸だった。神々が人界をめぐり、鶴女房が飛来し、海底の都にみちびかれる語りの世界。無数の語り手と聞き手とが共同でつくりあげたさまざまなお話は、いく世代にもわたって口伝えで生きつづけ、ゆたかで奥深い口承文芸の宇宙を築いてきた。その一千を超えるタイプのなかから、下巻には「猿蟹合戦」「かちかち山」などの「動物昔話」29話、「笑い話」123話、「形式話」7話を収録。いまや失われようとしている日本の昔話の集大成。
イザナギ、イザナミの国造りから、バイアグラの登場まで「男」と「女」の事件現場に突撃取材!時代を騒がせたゴシップ、世相のトレンド、未曾有の事件・事故、あられもない珍談・奇談、あの手この手の性風俗etcを総力をあげて発掘レポート。欲望と情念渦巻く世相の変遷と庶民風俗の流れが一目でわかる画期的日本風俗史。古代から平成まで「男と女」の事件現場を突撃レポート!
メリーメリーは、五人きょうだいの、すえっこです。大きい四人のお兄さんお姉さんたちには、ちょっとじゃまっけ!でも、メリーメリーは、少しもくじけません。自分のおもったことを、おもったとおりに行動して、みんなを、びっくりさせます。-お母さんのあたたかいまなざしに見守られて、ひとりと四人の、ゆかいな一日がはじまります。
太平洋戦争の中でも、とりわけ無謀で愚劣きわまる作戦といわれるインパール作戦に駆り出されて死んだ兄。その兄中野幸太郎の名を記した日章旗が、戦後五十年目の夏に偶然見つかった…。先の大戦で、無念を抱いて死んでいった何百万の兵士と、彼らの死をいつまでたっても忘れられぬ遺族とに捧げる鎮魂の書。
世界の注目をあつめる現代美術の巨匠・カバコフの主要テクストを本邦初訳。芸術とは何か、人はどのように生きているのか、ソ連時代から現在までの手さぐりの思考は、私たちに多くの示唆を与える。ロシア文学者・沼野充義の書き下ろし“カバコフ論”、カバコフとグロイスとの対話3篇を併録。
『火宅の人』のモデルが初めて綴った、二人の愛の軌跡。
法廷ものの変遷、野球映画の醍醐味、青春映画にクリスマス・ストーリー、SF超大作からB級西部劇まで、語った映画1200本!心から映画を愛する3人だから、こんなにたのしい。
8月15日、東京は独立を宣言した。国家予算は中国を上回る10兆円。日本国政府と東京共和国の熾烈な戦いが始まった。渦巻く陰謀と各県の思惑。浮上する「東京核疑惑」。暗躍する秘密工作員…。東京からは税で奪い還元せず、全国画一の制度を強いて地方自治を殺す現代日本の問題を根底から抉る。
生命あるものが、何故にかくまでも美しく存在するのか…。その疑問を、恐竜・クジラから犬まで、多彩な花々と草木、チョウや昆虫、そして魚や貝類など、多種多様の形態を見較べ、独自の手法によって探究する。あらゆる「かたち」は、最も美しいプロポーション“黄金分割”比率へと収斂することを解明し、自然界のダイナミズムと調和の意味するものを、全くユニークで大胆な思想へと構築する。
戦後の廃墟に彗星の如くデビューし、虹のようなホームランを放って、復活早々のプロ野球を隆盛にみちびく牽引車になった“青バット”の男。知将・三原脩監督のもとで、豊田・中西・稲尾ら若獅子たちを率いて西鉄ライオンズの黄金期を築いた男ー大下弘。不世出の天才打者の破天荒な生涯をプロ野球復興史と重ねて描く。