「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」
この言葉は宮沢賢治の『農民芸術概論』の中の一文です。
この言葉で賢治が示したのは、誰かの不幸を前提とするような状態では「幸せな世界」とは言えないということです。自分一人だけが幸せな世界は成り立たない、みんなが幸せを共有する状態こそめざすべき道ではないか、ということです。
しかしながら、現実の世界に身をおいて考えると、自分の幸福と他の人の幸福が矛盾なく両立する状態や、何が幸福で何が不幸かについてなど、そう簡単に答えが出せるものではありません。あらためて冷静に考えてみる必要がありそうです。本書では、世界が抱えるさまざまな問題について、多様な角度から掘り下げて理解を深めます。そして、みなが幸せに生きる世界へ、その道筋を探っていきます。
世の中の「ふつう」とされる性のあり方に当てはまらない
そんな自分とどう向き合ってきたのか、性的マイノリティとしての生き抜き方を聞く。
いま悩んでいる10代やその友だち、まわりの大人に向けて、LGBTQ+の声を届ける一冊!
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「ここから逃げ出したい……」
「みんなに合わせなきゃ!」
「ふつうってなんだろう?」
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性的マイノリティに関する情報を発信している松岡宗嗣さんと、
さまざまな性のあり方を生きる8名との対談をとおして、
自身の性や社会との向き合い方に悩む10代へ生きるヒントを、
友だちや家族、教師へは性の多様性への理解を深める手がかりを届ける。
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対談相手のみなさん
■大内アイミ
SNSの総フォロワー数650万超の、4人組クリエイターグループ「午前0時のプリンセス」のメンバー。個人でも動画クリエイターとして多くの若者に支持されている。
■木本奏太
登録者数約25万人のYouTube チャンネル「かなたいむ。」を運営。動画総再生回数は1億回を超える。著書に『元女子、現男子。』(KADOKAWA)がある。
■中村健
大学や行政、企業などで講演・啓発活動を行なう。NHKよるドラ『恋せぬふたり』考証。また、当事者グループ「なかぷろ」を主催し、これまでに約500名の当事者が参加している。
■西原さつき
「乙女塾」主宰。NHKドラマ10「女子的生活」出演・トランスジェンダー指導、映画『ミッドナイトスワン』脚本監修。著書に『女の子って魔法だよね』(厚有出版)。
■中島潤
NPO職員としての勤務と並行し、大学や研修会などで「多様な生と性」をテーマに発信を続けている。
■水上文
文筆家・批評家。著書に『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)、『あなたのフェミはどこから?』(共著、平凡社)、などがある。
■みたらし加奈
臨床心理士・公認心理師。カウンセリングルーム「神泉こころカウンセリング」所長。著書に『マインドトークーーあなたと私の心の話』『テイラーーー声をさがす物語』(ともに、ハガツサブックス)がある。
■森山至貴
早稲田大学文学学術院教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE 出版)、『LGBTを読みとくーークィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)などがある。
2015 年、文部科学省が出した通知を契機に、「『性的マイノリティ』とされる児
童生徒に対する相談体制等の充実」として「適切な生徒指導・人権教育等を推進
すること」が求められるようになりました。けれど現場では「具体的に何から始
めたらよいか」「ちょうどいい教材が見つからない」という悩みが続いていました。
本書では、マンガで様々な場面を想定することによって、子どもたちの発言を引
き出しやすく工夫したワークシートを開発しました。コピーして授業にすぐに使
えるうえ、授業づくりに役立つ「話し合いのポイント」と「解説」が付いています。
道徳・特別活動(学級活動)・総合的な学習の時間で使える.
性も「十人十色」。性同一性障害と同性愛の人びとが協同してつくった初めての本。
発達障害や発達に課題を持つ子どもの教育に悩んでいる保護者は、年々多くなっている。
特に、中学生や高校生の思春期の子どもの不登校に悩んでいるケースは急増している。しかし、教育の現場や学校では、十分にそれに対応できる状況にはなっていない。
ではどうしたらいいのだろうか。
発達障害は特別なことではないことに気づいてほしい。
自分自身や、まして子どもを責める必要など何もない。発達に課題のある子どもたちは、特別な支援を必要とする、スペシャルニーズを持っている子どもたちなのだ。
彼らに必要なのは、自分のペースで学習のできる教育環境である。そのために保護者が考えるべきことは何か。
障害を家族が背負う社会から、できるだけ大勢の人の多様な支援と伴走により、本人と家族が自立していける社会へ。特別支援教育の最前線で活動する著者が、発達障害の子どもたちの進路と未来に向け、具体的に提言を行なう書。
発売以来大反響を呼び8刷まで版を重ねた前著(2018年3月発行)の改訂新版。
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第1章 発達障害は特別なことではない
第2章 障害を持つ子どもを取り巻く教育の現状
第3章 不登校の陰に発達障害あり
第4章 インターネットを活用した授業の利点
第5章 「学びにくい」とは何なのか〜発達の課題を持つ人の高校の選択肢
第6章 ヘルプサインとリクエストスキルの重要性
2015 年、文部科学省が出した通知を契機に、「『性的マイノリティ』とされる児童生徒に対する相談体制等の充実」として「適切な生徒指導・人権教育等を推進すること」が求められるようになりました。けれど現場では「具体的に何から始めたらよいか」「ちょうどいい教材が見つからない」という悩みが続いていました。
本書では、マンガで様々な場面を想定することによって、子どもたちの発言を引き出しやすく工夫したワークシートを開発しました。コピーして授業にすぐに使えるうえ、授業づくりに役立つ「話し合いのポイント」と「解説」が付いています。道徳・特別活動(学級活動)・総合的な学習の時間で使える.
子どもたちに性の多様性をどう教え、教職員の意識をどう変えるのか。そして、教員のカミングアウトは学校に何をもたらしたのか。同性愛当事者が教員として取り組んだ、性差別をしないことを学校でまなぶための理論と実践。
序章 学校での記憶ー教室を支配するジェンダー規範と異性愛規範
1 主語の喪失ー「オレ」が言えない
2 同性愛への気づきとクローゼットの出現
3 逃げ場のない教室ー拘束され操られる身体と心
4 未来の喪失と獲得ー電話相談でのカミングアウト
第1章 性の多様性と人権
1 SOGIEとは何か
2 SOGIEを理由とした差別
第2章 ジェンダー・セクシュアリティと教育に関する理論
1 隠れたカリキュラムとセクシズム
2 ジェンダーの再生産装置としての学校
3 ジェンダー・セクシュアリティに関する理論
4 同性愛嫌悪と異性愛至上主義
第3章 学校は性の多様性をどう教えてきたか
1 教材・教育課程の中の同性愛嫌悪
2 多様な性に関する教員の意識
第4章 性的マイノリティへの「支援」
1 性的マイノリティの子どもの可視化と「個別的な支援」
2 「個別的支援」の事例から見える課題
3 性的マイノリティの子どもが直面する困難と支援のあり方
第5章 人権同和教育と性の多様性の交叉
1 人権同和教育担当教員への聞き取り調査
2 人権同和教育の経験は、性の多様性にどうつながりうるか
3 考察ー人権同和教育と性の多様性の交叉性
第6章 性の多様性をめぐる諸外国の教育
1 海外の教育実践から学ぶ二つの教育アプローチ
2 ドイツ・ハイデルベルク自由学校
3 考察ー性の多様性と教育をめぐる分離と統合
第7章 性の多様性とカリキュラム
1 カリキュラムと中立性
2 学習指導要領と性の多様性
3 性の多様性を前提とした学習指導要領の提案
第8章 性の多様性をどう教えるのか
1 性の多様性と教育学の交叉
2 性の多様性を教える授業
3 成果と課題
第9章 教職員の意識を変える研修
1 性の多様性に関する教職員研修の要請
2 性の多様性に関する教職員研修
3 成果と課題
第10章 LGBT教育の手引書ができるまで
1 調査の概要
2 調査結果
3 結論ー手引書ができたのはなぜか
4 課題ー多様な語りの把握と分析
第11章 教員のカミングアウトは何を変えたか
1 学校でのカミングアウト
2 保護者たちはどう受け止めたか
終章 多様な性の視点でつくる教育へ向けて
あとがき
文献一覧
ダーウィンにもわからなかった,海洋生物の多様な性の謎に迫る!
新シリーズ第1弾!
海のない奈良県育ちの著者が,大学の臨海実習で「海の生物ってなぜこんなに多様なのだろう!」と感動したことをきっかけに,数学で生物の謎を解き明かす数理生物学の道へ。その後フジツボに出会い,海洋生物の生き方や性のあり方を追う研究者となった。
海の生き物には,環境に応じて雌雄が決まるもの,性転換をするもの,雌雄同体であるものなど,多様な性が存在する。なぜ,多様な性が進化したのか? なぜ,この生物はこんな生き方をしているのか? なぜ,繁殖集団の中で雌と雄の数が違ったりするのか? 本書では「残せる子どもの数を最も多くする生き方が選ばれてきた」という適応の考え方をもとに,生物現象の「なぜ」を,数理モデルを使って解明していく。『種の起源』発表前にフジツボ研究に没頭していたチャールズ・ダーウィンですら明確な答えを出せなかった,海洋生物の性の不思議に迫る。
幼いころからたくさんの生き物を追いかけてきた著者が海の生き物に魅せられたいきさつ,フジツボ飼育の様子,水族館での調査についても触れられ,著者と一緒にワクワクできる臨場感たっぷりの1冊。
1 海洋生物の多様な性
1.1 常識はずれの性の世界へ
1.2 性のミステリーを数学で解き明かす
2 海洋生物の最適な生き方を探る
2.1 魅惑の生物に出会う
2.2 フジツボの多様な性
2.3 フジツボの生活史
2.4 最適な生き方をモデル化する
2.5 最適値を求めるには
2.6 モデルの結果を読み解くー最適な生き方をとる意味
3 生物における性の配分問題を扱う
3.1 なぜ雄と雌の数は1対1なのか
3.2 同時的雌雄同体における資源投資の悩み
3.3 精子を食べられると精子が増える?
3.4 性の配分がもたらすさまざまな現象
4 誰がどんなときに性を変えるのか
4.1 性転換する生物とその方向
4.2 どんなときに性を変えるのが有利なのか
4.3 フグの仲間の性転換の謎
4.4 中間サイズ性転換をモデル化する
4.5 雌の縄張りの質をどう評価するか
4.6 どんなときに中間サイズの雌が性転換するか
4.7 中間サイズ性転換モデルから見えてくること
5 生物の性決定と性的二型の進化
5.1 遺伝性決定と環境性決定
5.2 甲殻類の寄生者「フクロムシ」
5.3 フクロムシの繁殖システムと幼生の性的二型
5.4 それぞれの性決定方式における幼生サイズの進化
5.5 遺伝性決定と環境性決定,どちらが進化するか
5.6 フクロムシ研究から見えてくること
6 海洋生物における雌雄性の進化ゲーム
6.1 雌雄の体の大きさの不思議
6.2 矮雄がなぜ進化できたのか
6.3 雌雄をめぐる進化ゲーム
6.4 矮雄と雌雄同体が共存するには
6.5 生活史の選択に制約がある場合
7 性の可塑性と性システムの進化
7.1 性の可塑性とは何か
7.2 フジツボにおける連続的な性
7.3 肩乗り処理実験による性の可塑性検証
7.4 沖縄美ら海水族館でのフジツボ調査
7.5 ハコエビに付着するヒメエボシの生活史と宿主上での分布
7.6 ヒメエボシの可塑的な性?
7.7 性の可塑性と矮雄の進化のシナリオ
7.8 資源配分モデルから考えた性と性システム
LGBTの権利をめぐって日々議論が巻き起こっている。しかしそもそも日本において異性愛規範が強化されたのは西洋化以降であり、アジアでは豊かな性別越境文化が築かれていた。「伝統的」な性とは何か? 抑圧の中で文化をつないだ性的マイノリティたちの歩みを多彩な文献に基づいて活写し、現代の「性の多様性」に一石を投じる。
はじめにーー地に足の着いた「多様性」へ
1 「性」の多様性の再検討
第1章 近代的ジェンダー・セクシュアリティ観を疑う
第2章 性別越境文化の論理
第3章 同性間性愛文化の普遍性
2 日本の性愛文化史ーー中世から現代へ
第4章 藤原頼長のセクシュアリティーー『台記』にみる男色関係
第5章 薩摩藩における男色の系譜ーー「兵児二才(へこにせ)」制と学校文化
第6章 説話の中の性別越境ーー江戸相撲、強豪力士は女だった?
第7章 「文明開化」は抑圧の始まりーー異性装禁止とその拡大
第8章 近代社会と男装者ーー女性という社会的制約の中で
第9章 女装世界の二〇世紀ーートランスジェンダー・カルチャーの構造
第10章 レズビアンの隠蔽ーー概念の欠落とロールモデルの不在
3 アジアの性別越境文化ーーインド・中国・朝鮮半島
第11章 インドーー「ヒジュラ」に学ぶサード・ジェンダー
第12章 中国ーー女装の美少年・「相公(シャンコン)」
第13章 朝鮮半島ーー芸能集団「男寺党(ナムサダン)」の稚児とその起源
4 歴史の中の多様な「性」
第14章 「伝統的」な「性」の在り様とは何か?
文献一覧
初出一覧
あとがき
教育訓練やボランティア活動,プロ野球選手のパブリシティ権と著作権法の機能など,新たな道を切り開こうとしている労働組合の動きと,その今日的課題を解析する。
20代学者!30代医者!40代ベンチャー社長!「眼」を極めた著者が知っている仕事も人生も楽しみながら成功する生き方。
障害を家族が背負う社会から、できるだけ大勢の人の多様な支援と伴走により、本人と家族が自立していける社会へ。教育の最前線の現場から提言する。
これからは「トライリンガル」の時代。トライリンガルとは、国語・英語・プログラミング言語という「3つの言語」を体得すること。偏差値やTOEICの点数で一喜一憂するような教育では、10年後、日本の子どもたちが世界で活躍することは難しい。本当に創造的な知性を育む「トライリンガル教育」とは何か。科学的視点から語り尽くす!
近所の同級生、昔からの幼馴染、お父さんの恋人、二人のお母さん。
多様性をテーマに『いつも側にいる人』を描く4つの物語。
あの人のこと、そして自分自身のこと。物語を「君色」でみつめて。
多様性をテーマに主人公と様々な距離間の人たちとの物語を収録したアンソロジー。
YouTuber仲間、世界的ダンサー、顔も知らないネットの人たち、学校のとある有名人。
多様性をテーマに『SNSで繋がる人』を描く4つの物語。
あの人のこと、そして自分自身のこと。物語を「君色」でみつめて。多様性をテーマに主人公と様々な距離間の人たちとの物語を収録したアンソロジー。
「持続可能な開発目標(SDGs)」の関連を考えて「生物多様性」と「多様性」を解説。生物の絶滅危惧種、少数派の人や個性が違う人が集まって暮らす多様性社会が分かる。
森の構成者としての菌類(カビ、キノコ)を学ぶ。日本の森のミクロ生物学。