2008年4月、実母を“代理母”とした代理出産を望む1組の母娘が急きょ記者会見に臨んだ。日本学術会議が法務省と厚生労働省に提出した「代理出産原則禁止」という委員会報告書に対し、「国内での道を断たないでください」と訴えるためだった。そして母娘は代理出産への挑戦に踏み出す。-2009年10月末現在、日本国内で実母を代理母とする代理出産に挑んだ家族は10組、すでに7人の子どもが誕生している。なぜ、彼らは国内での「代理出産」を選んだのか、海外との違いはあるのか、産まれた子と依頼夫婦の関係はどうなるのか。代理出産の実像に迫る。
世界の埋もれた名画を発掘・上映する“エキプ・ド・シネマ”運動を主宰する岩波ホール総支配人・高野悦子氏。父の急死のあと十一年余、母を介護し、認知症から奇跡的に救い出した。明治生まれの母の自立した精神とその人生を思い、映画に励まされながら、母がかなえられなかった夢を自らの夢として歩みつづける半生をふりかえる。
愛欲の苦悩に生涯をかけた田山花袋晩年の大作『道綱の母』を世に送る。晩年になって、子供がそれぞれ生長して、親の生き方を徹底的に批判するようになった時、そして、生長した子供に支えられた妻が次第に離反して行く時、花袋はひたすら、この女の愛にすがって生きて行こうとしたのである。その時、花袋は、自分の生き様を逆の立場におき変えて、あるいは、女の立場にすりかえて、当時の自分の苦悩を克明に書き記して行こうとしたのが、歴史小説『道綱の母』である。この花袋の『道綱の母』は、花袋が森鴎外らが自分の、もしくは時代の変り目に託した歴史小説への転換への志向と軌を一にしているものであり、歴史小説の6番目の大作と言ってもいいものなのである。
19世紀アイルランドで、路上で苦しむ病者を救うため貧しい人でも安心してすごせる病院を創立、現代のホスピスに続く道をつくり、ナイチンゲール、シシリー・ソンダースに影響を与えた修道会創始者の非凡なる生涯。“ホスピスケア”の原点へ。
ボケてゆく母、解放されてゆく私。母離れしたつもりの男、介護に直面。自己の生育歴をもとに、男子の育ちと時代を問い直す心理エッセイ。
「おまえの若いころそっくりだ」十九年前に関係した教祖・大現師の阿愉楽寺、奥の坊。誘拐された十八歳の娘・沙紀は、美しく貞淑な妻であり母である舞子の眼前、目隠し、手には縛めの全裸で男の辱めを受けていた。「今度はお前が舐めろ」舞子は過去の因果を呪いつつも男に従う。が、教祖が母娘に用意した嗜虐の秘儀はそれだけではなかった。
メリーさんの羊からバッハへ。音楽は母と娘を人生の深淵へといざなった。
「母は決してボケてはいない!」-身近にいる娘にはそれが分かる。93歳の母がまだ“成長”しているのも分かる。15年に及ぶ親子の確執を超えて、理想的な施設入所を果たすまでの顛末と介護の工夫の数々を記す。
透明感のある優しい絵と文で紡ぐ、育児中のママとパパたちのための絵本。
女性の性欲を男性の欲望に還元するフロイトの精神分析理論を父権的社会=男性優位社会のイデオロギーとして厳しく断罪し、女性の立場から、女性の言葉によって、オィディプス理論の根本的書きかえをめざす。精神分析から女性を疎外し、家庭の中から父を放逐し、母を子供にたいする絶対的権力者たらしめる父権的社会の構図を女性蔑視の起源として告発しつつ、「母なるもの」の回復・復権を説く。フェミニスト的言説と精神分析的言説とのイデオロギー的枠組を越えて、女性分析医の手によって書かれた「精神分析入門」。
驚きの「捨て去る」技術、脱・出世戦略、スーパーすぎる育児分担、40代に高最に輝ける理由、子連れ海外赴任の腹の決め方など11のサバイバル戦略を紹介。仕事や家庭での凄技時短術、仕事への向き合い方とモチベーション、夫や両親、職場との人間関係の作り方について凄母たちの英知を結集したコラムも必読。
ひとり旅もいいけれど、たまには、二人で笑ったり、怒ったり。大人気「おひとりさま」シリーズの著者による、母と娘の珍道中・台湾旅エッセイマンガ。
お母さんー。いつもは素直に伝えられない思いも、手紙ならきっと言える…。数行の手紙にこめられた、かけがえのない母への思い。福井県丸岡町が公募した手紙文のコンクール「一筆啓上賞」には、全国から三万二千通もの作品が寄せられた。どの作品も、感謝の気持ちとほろ苦い本音とがかぎりなくあふれ、読みながら思わずうなずいてしまうものばかり。いちばん大切な何かを思い出させてくれる、心のエッセンスがたっぷりつまった感動の手紙集。
わずか9坪の店舗で年商28億円を記録した、伝説のファッションブランド「セーラーズ」。すべてを手に入れた女性社長が突如、華やかな表舞台から姿を消したのには、ハンディキャップを持って生まれた愛する一人娘の存在があった…!栄光も、華々しい交流もあっさりと放り投げ、ただ、娘と向き合うためだけに生きた14年間を綴った、ハートフル感動ノンフィクション!!