霊感などあるなしに関わらず、見る時は見てしまうものである。それは“彼らのほう”が強くそう望んでいるからだ。自分たちの存在に気づいてほしい、理解ってほしい、彼らは切にそう願っている。それは無念のうちに亡くなった魂のささやかな主張とも言えるし、時にはより具体的な復讐の手段ー祟りーへと発展する場合もある。いずれにせよ、見てしまった者たちは一生その感覚を忘れられないという。記憶が霊にとり憑かれてしまうのだ。そんなとり憑かれた記憶を持つ人々の話を著者が取材、女性ならではの嗅覚で聞き集めた戦慄の体験談の中からとくに鳥肌モノの14話を一挙収録。
灼熱のアフリカのドラムが甦らせた江戸木遣り、姉に長唄をさらう母の声、寡黙な父の後ろ姿…。江戸東京の地下水脈のうちにたどる文化人類学者の自分史。
中国の管弦楽作品を収めたアルバム。中国で最も有名なクラシック音楽だったピアノ協奏曲「黄河」も聴くことができる。《ユニバーサル・クラシック名盤1200》の1枚。
火山の噴火によってできた噴火口や溶岩流、活断層の活動によってできた大地形…。しかしときが経つにつれ、植物が生い茂り、人工物で覆い隠されます。本書の赤色立体地図は、植物や人工物がない本来の地形をみごとに見せます。かつての噴火や地震の生々しい爪跡を見ることができるのです。
生きて在ることが、そのまま哲学することー私とは誰か、心とは何か…言葉の力、経験の深さをはかる尺度とは…老いと病と死の意味とは…日常の生の現場を、骨太な思索によって哲学の風景に翻訳する。一人の哲学者が生きた「哲学の劇場」への招待。
行きたくてもなかなか行けない地方都市の名建築、イラストとウンチクをたっぷり添えてリポート。坂出人工土地、小原流家元会館ほか計29施設。1945〜75年に建てられたモダニズム建築を西から東へと巡礼。
中部の活断層を個別に細かく紹介。地域で起きた地震の概況、地震発生確率、地震動予測地図などのデータを分析。「海溝型地震とは何か?」「過去の海溝型地震の調査法」「海溝型地震が起きたときの揺れ・被害」など、内陸型地震とともに重要な海溝型地震についての知見と、「『その時』のための最新研究」。「避難の心構え」「心理パニックの対処法」「安否確認の方法」「水と食料」「避難生活はどこで過ごすか」「どんな支援があるのか」など、地震が起きてしまった後にどうしたらいいのか、役立つ情報満載。
この世に人が生き、死ぬかぎり、怪なること奇なることは無論、江戸の昔にも存在した。現代のホラーより遥かに恐ろしく、そしてほんのりと切なくも風流な怪談話が、江戸の庶民たちの間では実しやかに語られていたのである。自ら入れた刺青の祟りで惨殺された彫師の話、大横綱の体内から仁王像を掴み出した按摩の話、そして遊女たちの間で流行した呪いと、その恐るべき報い…。いま話題のミステリーホラー作家・平山夢明が、当時の文献を元に、旅人、丁稚、遊女など、市井の人々が遭遇した怪奇譚を軽妙な語り口で紡いでいく、大江戸版「超」怖い話。うなじを舐める川風のような恐怖と、しんみりとした人情が味わい深い、珠玉の時代怪談。