彼女はとても繊細な風景画家なのだ。勿論見たままの風景ではないことは言うまでもない。彼女の心の目を通して見える風景なのだ。以前シェイマス・ヒーニーの詩を訳していたとき、彼の詩集の表題に、SEEING THINGS というのがあった。「物を見る」と訳したのではなんともならない英語である。「物の本質を見る」とでも訳せばいいのだが、それではなんとなく納まりが悪いので、「物の奥を見る」としてみたことがある。リジアさんの場合もそんな感じではないだろうか。風景 landscape というのではなく、彼女の眼の奥に煌めいた風景 inscape という言葉を使った批評家がいたのを思い出す。その意味では彼女は inscapeの風景画家だと言ってみたい。 (訳者「あとがき」より)
OCEAN HUM
SHEETS OF RAIN/PASSING CLOUDS/I EMERGE/CLOSE MY LIPS/I STEP INTO THE SEA/DROWNING/BEFORE THE FINAL DREAM/THE DRUM OF PINES/YOUNG MEN/THE SEA WAILS/THE OLD MAN/SHELL OF SEA/BIRDS CROSS/ONE SEAGULL
ECHO OF TREES
I RETURN/MY MOTHER/THE HAZED MARKET PLACE/THE CITY'S EYES/THE UŽUPIS/WHEN BONES IN THE DARK/A DAY VEILED/MY FATHER/THE NIGHT/STARLIGHT/TO MELT OR TO FREEZE/COAL ISLAND/THE GUMS/I DIMINISH
SUN DOORS
CHANCE MEETING/I KNEW YOUR VOICE/RED BREAD/EYES IN THE WATER/STALKS OF ACHE/TIME FREEZES/THE GIFT/THE SMILE/A HEAD FULL OF SPACE/WHEN EYES/PETUNIAS/IN MY ABSENCE/YOU SWEEP/NOW THAT WE ARE PARTING/GREENFIELD
WIND SHEEN
THE FIRST NOTE/GULLS SHRIEK/WATERMELON SUN/SEA-BIRDS SCREECH/WIND TORN MINARET/CRACKS OF LIGHT/WHITE COLUMNS/SEA-COLOURED EYES/THE BLUE WOOL/A GRAIN OF WIND/SEA GRASS/WIND/PINES
大洋の囁き
海のシーツが/去りゆく雲が/私は現れる/ビロードの目を持つ/私は海に踏み込み/溺れ行く/夢の果てる前に/松林のドラムが/若者たちは/海が泣くのは/老人は/海の貝/カモメは/一羽のカモメ
樹 霊
私は戻る/母は/広場には霞がかかり/都会の目は/ウズピスは/骨が闇の中で/一日が/私の父が/夜が/星影が/溶けるためか固まるためか/石炭の島/ユーカリが/私は小さくなって
太陽の扉
/声で判ったよ/赤いパン/水の中の目は/忍びよるのは/時は凍り/贈り物は/頬笑みは/空っぽの頭は/眼が雲の/ペチュニア/姿をかくして/あなたは掃き出す/今私達は別れるのだ/緑の野原は
煌めく風
蝉の/かもめが鳴く/西瓜の太陽が/海鳥たちが甲高く鳴く/風に引き裂かれたミナレットは/シャッターの隙間に/白い柱が/海色の眸が/青色の毛糸が/風が一粒/海の草は/風は/松の木が
私がリジアさんの詩集を翻訳し始めてからこれで五冊目となる。初めて彼女の詩を読んだ時のショックは薄れてきた。しかしリジアさんの詩は何時も魅力的だ。挑戦的でもある。彼女は決して守勢に回らない。彼女は何時も攻撃的である。彼女の鋭い打撃は何時どこから飛んでくるか判らない。読者は常に八方に気を配っていなければならないのだ。カードの奇術師が、思いがけない処から突然カードを出してくるように、彼女の文字は突然思いがけない処から読者の心臓の奥に光を刺し込んでくる。
それは文字の意味ではない、彼女は文字を意味を伝えるための道具とはしていないし、道具だとは思ってもいないだろう。言葉と文字と意味とが彼女の中では一つになっている。これは当たり前のことのようでありながら、そのとおりにはならないものだ。ラングとパロールの違いという言語学とかの問題ではなく、言葉を物として、言い換えれば、陶芸家の粘土、画家の絵の具、のように言葉、あるいは、文字、を使って彼女の世界を作り上げているのではないだろうか。(「訳者序文」より)
SILK OF THE SPIDER
INSIDE THE WEB.../UNLESS WE DREAM.../YOUR VOICE.../MY BIRD.../YOU MOVE.../I'M AFRAID.../ACROSS DISTANCES.../THE SNAKE RETURNS.../BY THE WINDOW.../ON WINGS OF BREATH...
THE SEA IN OUR EYES
THE CITY'S EYES.../I SEE YOU.../WITHOUT NAME.../I WILL.../FACING GREY LIGHT.../CAUGHT IN A SENTENCE.../WATCHING.../CURTAINS HIDE.../WHEN I REMEMBER.../YOUR HAND.../SOMETIMES...
PURPLE HYDRANGEAS
THE SUN.../CLOUDS FLOAT.../NO LANGUAGE.../WATCH THE SIGNS.../DAYS GRAZE.../HANGING GERANIUMS.../FROM TRAIN.../ONE DAY.../THEY TOOK AWAY THE BIRDS.../DAYS FALL.../WORD SHADOWS.../FROM MY MIND...
SPACES OF SILENCE
YOUR VOICE.../flock of crows.../SHIMMERING.../YOU CIRCLE.../A HUNDRED CANDLES.../YOU FEED ON MY BEING.../YOU WAKE ME.../MY ARMS.../FORGET-ME-NOT.../SUNFLOWER...
FOREST BONES
HIEROGLYPHS.../AMBER WASHED.../BY THE LAKE.../THE TREMBLING BIRCH.../FOREST BONES.../LYING IN THE GRASS.../I BROKE.../LISTENING.../THE VILLAGE DOG.../I WATCH...
蜘蛛の糸
紡がれるクモの巣.../もしお互いの.../あなたの声が.../私の小鳥が.../あなたは動く.../私は怖い.../遠く離れていても.../蛇は戻ってくる.../窓の傍で.../寝息の羽に乗って...
海は二人の目の中に
都会の目は.../ドアーの向こうに.../名前も無く.../そうしたい.../灰色の光に向かい.../文章の中にとらえられ.../その隔たりを.../カーテンが隠すのは.../貴方の感触を.../貴方の手が.../ときどき...
紫アジサイ
太陽が.../吐息ごとに.../言葉が.../徴を見詰めよ.../日々が草を食む.../垂れ下がるゼラニウムは.../列車から.../ある日.../彼らは小鳥たちを攫っていった.../日々がこぼれる.../言葉の影が.../私の心から...
沈黙の空白
貴方の声は.../カラスの群れ.../貴方の肌の.../貴方は私の.../百本のロウソクが.../貴方は私の存在を食べ.../貴方は吐息で.../私の腕は.../勿忘草は.../ヒマワリ...
骨の林
象形文字は.../琥珀は洗われて.../湖の畔で.../震える白樺は.../骨の森が.../くさむらに寝転ぶと.../ライムギのパンを.../蛍火の中で.../村の犬が.../私が見詰めるのは...
あなたは普段の生活で、
「当然……」「当たり前」「~すべき」
なんてことを言ってしまいませんか?
これらはすべて、立派な「とらわれ」ワードです!
この言葉がうっかり口をついた時点で
とらわれている証拠なのです。
「とらわれ」とは、「無意識レベルで、自らを縛っている制限や制約」のこと。
「こうしなければ……」「こうでなくては、いけない……」という、
強い思い込みとも言えます。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。
その「とらわれ」はあなたを幸せにしてくれますか?
「とらわれの穴」に落ちるも落ちないも、あなたの自由……。
「とらわれ」から解放されれば、世界が広がることは間違いありません!
【目次】
第1章 あなたがうまくいかないのは、 その「とらわれ」のせいかも……?
第2章 「仕事」にとらわれない
第3章 「お金」にとらわれない
第4章 「恋愛・結婚・家族」にとらわれない
第5章 「人生・生き方」にとらわれない
【内容紹介】
子どもの頃に受けた心の傷は、大人になっても自然には癒えてくれないもの。
それはやがて母娘の関係にまで影響を及ぼすかもしれません。
ヒプノセラピー(催眠療法)は心理療法の一つで、リラックスした状態で催眠状態に入り、自分の内面と向き合って悩みの解消を図るセラピーです。
ヒプノセラピストとして人々の心の傷を癒すサポートをしている著者自身も、このヒプノセラピーを通して過去と向き合い、癒され、ありのままの自分を受け入れられるようになった経験があります。
家族支援カウンセラー、チャイルドカウンセラーでもある著者が語る“母娘の絆”とは何なのか?
自分を愛せない、他人を愛せない、母娘の関係に悩んでいる、そんな方に届けたい一冊です。
【目次】
はじまり
プロローグ 人生は廻る
第一章 命のこと
第二章 母と娘
第三章 母であるあなたへ
第四章 娘であるあなたへ
第五章 自分を愛して
エピローグ 生きてゆく
おわりに
男だって生めるんだ。人間を根底から励ます珠玉の詩篇。
ごらん
庭をまるごと
野生に放つ
(「幾何学」)
「これらに共通するのは失われしもの、消え逝くもの、不可視のもの、すなわち不在のものを言葉によって喚び起こそうとする詩人の姿勢である」(訳者解説)
いま、名もなきものとなり、ひらかれた野生の庭へーー。歴史や災禍を捉えた機会詩、母の戦争の記憶が交差する長篇詩など、3つの章が織りなす深淵な世界。台湾を代表する、チカダ賞受賞詩人の到達点。
波乱の文化祭編を完全収録
ここが青春ど真ん中──!
文化祭当日、青空たちのクラスはホストクラブに大変身! 大盛り上がりの中、なぜか雷河との間にはぎこちない空気が流れていて…? さらに突然、千春のクラスの演劇に代役として出ることになり…!?
【収録作品】番外編
子どもの発達のプロセスを知っていますか?
大人の世界と子どもの世界は全く違っています。大人がよかれと思ってやっていること、ついついやりがちなこと、順番が違っていることがいっぱいあります。
ノンデジタルで手仕事と自然体験を重視した人間教育をめざすシュタイナー幼児教育をベースに、全国各地で子育てやシュタイナー講座を開催する著者が、「意志、感情、思考」の順で、成長に合わせた「子育ての順番」をお伝えします。
序章 シュタイナー教育が教えてくれたこと
第1章 乳児期(0〜2歳)現生人類への道「赤ちゃんは全身が感覚器」
第2章 幼児期(3〜6歳)からだをつくる縄文時代「生きる根っこの力を育てる
第3章 学齢期(7〜9歳)文字を得る時代「子どもらしく過ごせる“子ども時代”を大切に」
第4章 10歳以降 蛹の時代「“子ども時代”からの脱皮に向けて」
小学生の「友達」について考える学習まんが
『学習まんが小学生日記』は、小学生が日ごろ感じる疑問や考え方、生き方、心の問題などをテーマに描くシリーズ。本書では、ネットやスマホの普及など、変化が著しい今の小学生の生活をリアルに描きながら、新しい時代に即した『新道徳』を考えます。『新道徳』は、子どもたち自身がうまく心の問題を解決できそうにない場合、新たな指針となるべき考え方や行動のヒントとなります。尾木ママの幅広い見識に基づいたアドバイスが盛り込まれています。友達や友情って何だろう? ケンカしてしまったときはどうしたらいいの? など、友達とのコミュニケーションについて、尾木ママといっしょに考えてみましょう。
映画・美術・音楽ージャンルを超えて強烈な作品を生みだすアーティストの脳内Trip。暴力、セックス、夢、死体。謎めいた映像で人々を魅了してやまない著者が、どんなふうに作品が発想されたのかを説き明かし、パワフルに創作する秘訣ー長年実践している「瞑想」の効用を語り尽くす。若きクリエイターへの心を込めたメッセージ。
君が好き、それだけなのに──
恋のライバル・麗果と一緒に頑張る決心をした青空! でも雷河は恋愛に1ミリも興味がないようで大苦戦…。夜の学校で隠れ鬼大会をすることになったけど、なぜか青空が男子を苦手になった元凶の千春が急接近してきて…?
急加速する四角関係に大注目
【収録作品】青に落雷 番外編
ヒマラヤ東端、中国雲南省と四川省の境にある美しい「ルグ(濾沽)湖」のほとりに、「モソ人」と呼ばれる純粋な「母系社会」を守り続ける人びとがいる。国際ファンド系弁護士の職を辞した著者は、訪れたその地にすっかり魅せられ、ついに家を建てて自身が暮らすまでになった。祖母を中心にその娘、孫娘と代々直系の女性が「家長」となる「家母長制社会」。「結婚」「夫」「妻」「父親」の概念が存在せず、男女は「走婚」と呼ばれる自由恋愛を通じて子をなし、すべての子は母系の家に暮らし、成長し、老いていく。
勇者パーティのメンバーである『剣聖』のイサムは、魔王討伐の最中に放たれた魔法から仲間たちをかばい、200年後の世界に飛ばされてしまう。 行くあてもなく途方に暮れるイサムを救ったのは、セシリアという少女だった。 彼女は勇者の子孫で、先祖代々の言い伝えに従い、イサムの世話を申し出る。 イサムもかつての仲間たちに代わり、セシリアを守ることを決意するがーー!?
高2の七海は、同じクラスのイケメン・南条くんが忘れたスマホを見つける。遠い存在だった彼と、スマホを届けたことがきっかけで急接近!ふたりきりで秘密の勉強会をすることになり!?高1の美月は2歳上の幼なじみ・ハル兄が好き。でも、兄弟のような関係だからと気持ちに蓋をしていた。だけどある日、ハル兄が「もう兄貴の顔をしてそばにいられない」と言ってきて…。など、人気作家による5話。憧れの恋を詰め込んだピュアラブ短編集!