トリ,ヒト,それぞれが視る世界は同じものではない.赤ちゃんはいつごろから自分を自分と認識するのか.心の働きの多様性を比較認知科学・発達認知科学の視点からわかりやすく解き明かす.大学出版部協会創立50周年記念出版.
第一章 トリの「視る」世界ー動物の錯視と心(中村哲之)
私が視ている世界が絶対ではないーー視ることは主観的体験/錯視研究から「視る」を見る/トリとヒトの錯視を比べる/トリとヒトはどのように世界を視ているか/ハトとニワトリの実験部屋/心の相対性から見えてくるもの
第二章 ヒト型脳とハト型脳(渡辺 茂)
いろいろな動物の脳/ヒトの脳はなぜ大きくなったのか/見る能ーーピカソとモネを見分けるハト/ヒトとハトの脳の違い/鏡の中の自分がわかる?/細胞レベルからの脳理解へーー動物の脳研究の可能性
第三章 脳は世界をいかに捉えているか(開 一夫)
意識とはなんだろうか/赤ちゃんの意識/自己映像と脳の活動
第四章 討論ーー心の多様性と現代(藤田和生×中村哲之・渡辺 茂・開 一夫)
ヒトの視覚システムがもし急にハト型になったら/「自己認知できる」とは/
質問?-自然界で錯視は起こる?/質問?-錯視は学習か進化か?/質問?-「使われていない」脳の役割は?/質問?-ヒトの脳は特別?/質問?-研究で人間の本質がわかる?/質問?-動物の権利とは?/心の多様性を人間社会に活かすー比較認知科学の役割
あとがき(藤田和生)
多くの人にとっての働く場であり、自己実現の場である中小企業の多様性を事例をまじえながら描き、その可能性を探る。統計や事例などを大幅に刷新した、第3版。
今でも連綿と続く不可思議な性の習俗。立場を変えた営み、女性からの生存戦略、子孫を残すための生存本能、少数派の進化の可能性、他では見られない奇妙な性の化学反応。性を「貪り」「抗い」「欲する」男女の絡み合う思惑──。
バイセクシュアルだと言っていた一人息子のアレックスから、ある日、「自分はノンバイナリー。男でも女でもないし、男でもあり女でもある」と打ち明けられた母・アミア。
理解したい一心から、ジェンダーやLGBTQ+の学びを始めるが…。
混乱、悩み、行きつ戻りつの奮闘の日々の先に、子供とそのパートナーや夫との関係にも新たな変化が…。
ジェンダーマイノリティをめぐる、世界の動きにとまどう親世代の本音をリアルにつづって、共感必至!
【目次より】
この本を開いてくれたあなたに/LGBTQ+を理解するための基本的な用語解説/はじめに/
第1章 カミングアウトは突然に/第2章 私には勉強が必要だ!/第3章 ありのままのあなたが美しい/第4章 何がなんでも愛してる/第5章 親にもアライが必要だ/第6章 ノンバイナリーの仲間との出会い/
アレックスからエスカへーー私たちのノンバイナリー協奏曲
【著者プロフィール】
アミア・ミラー/Amya Miller
1966年、日本生まれ、東京と北海道育ち。ゴーシェン大学で社会学を学ぶ。卒業後は日本の民間企業や駐日米軍、FBI、アメリカ大使館などで通訳者・翻訳者として活動。2011〜20年、東日本大震災のボランティアをきっかけに陸前高田市の海外広報ディレクター、特別顧問に就任する。現在はフリーランスのライターとして活動。
著書に『TSUNAMI:Our Shock,Pain,and Resilience』(戸羽太(前・陸前高田市長)共著/TRANS PACIFIC PRESS)など。
本書は初めて日本語で執筆した書き下ろしエッセイとなる。アメリカ・シアトル在住。
第34回小説すばる新人賞受賞作。
シャチと人間、種を超えた愛と絆を描く、感動の海洋冒険小説!
【ミッション】
世界環境を救うべく、シャチを訓練して海底に沈んだキャニスターを回収せよーー。
海洋研究所で働くイーサンに、国際バイオ企業から依頼が入る。間もなく、捕獲された仔シャチ・セブンが到着。さっそく訓練を開始すると、セブンは人の意図を理解し、驚異的な能力を発揮していく。だが、事態は一変し……。
永原皓(ながはら・こう)
1965年、長野県生まれ。中央大学文学部卒業。2021年、『コーリング・ユー』で第34回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。
全20冊分冊中第19回配本。ミノタウロスセンチコガネとウシエンマコガネという近い仲間であっても、大きく異なる生態をもつ糞虫の暮らしを描く。訳者のコレクションから原寸大の標本写真も掲載。
地政学リスク、パンデミック、エネルギー危機、物流問題、気候変動……
「予測困難」を克服するサプライチェーンを確立する!
利益創出の鍵はレジリエンス
外部からのシグナルをセンス(検知)する。そして、そのシグナルをもとに今度は社内でピボット(適応)させる。変化により適合するようにその場その場で計画と戦略を適応させるのである。それと同時に、デジタル化や自動化の能力を高めることで適応スピードと効率の向上が図れる。混乱に負けずに利益を創出する「最強のサプライチェーン」を作り上げることはここから始まる。
原著序文 混乱に負けず利益を創出する「最強のサプライチェーン」
第1部 オペレーション戦略を変革する「5つの方程式」
第1章 変化の激しい世界に求められるレジリエント・オペレーション
第2章 方程式1 供給基盤の強化:供給危機に対するレジリエンスを獲得せよ
第3章 方程式2 顧客価値起点のオペレーション:需要危機に対するレジリエンスを獲得せよ
第4章 方程式3 新しい働き方と多様性の活用:レジリエントな組織を構築せよ
第5章 方程式4 人間の判断力と人工知能の組み合わせ:レジリエントな経営脳を強化せよ
第6章 方程式5 サステナビリティによる武装:あくまで長期的なレジリエンスを確保せよ
第7章 戦略に対する「5つの方程式」の適用
第2部 戦略から実行へ:「5つの方程式」の実践
第8章 サプライヤーとの協働で供給危機に対するレジリエンスを構築せよ
第9章 顧客のためのオペレーション体系をつくり上げ需要危機に備えよ
第10章 「スキルの経済」を高め、レジリエントなチームを育てよ
第11章 テクノロジーの可能性を解き放つ、学習と共有、そして協働
第12章 サステナビリティを受け入れて長期的なレジリエンスを確保する
第3部 展望:将来のシナリオに適応するためのレジリエンスの活用
第13章 不都合で不確実な将来シナリオ
第14章 「5つの方程式」に関する事例研究
第15章 数々の変革事例が示した共通の「勝ち筋」
第16章 オペレーション変革の前に向き合うべき「問い」
死を知らない虫が死んだふりをする?
虫に「死」という概念はあるのでしょうか。死んだふりをする虫がいますが、「死」を知るはずのない虫がなぜ死んだふりをするのか…ファーブルは疑問に思います。自らの実験でそれを確かめた結果、さて!
●英語は得意なだけでは、グローバルプロジェクトは進まない!?
●日本企業が陥りやすいマネジメント機能不全の落とし穴とは何か
国際競争にさらされる日本企業・日本人が取り入れたいマネジメントの勘所にせまる1冊!
世界の時価総額ランキングから日本企業の数が減り、残念ながらいまの日本は、国際競争力が高いとはいえない状況に陥っている。それでも、国内市場も頭打ちの環境で、多くの企業が海外を視野にプロジェクトという形で新しいチャレンジを行っている。
こうしたプロジェクトの成功に奇策はない。当たり前のことを当たり前に実施するのみ。
しかしながら、手段が目的化し「何のためにやっているのか?」となるプロジェクトも多いのが現状だ。本書では、マネジメントの基本に立ち返りながら、競争力を生み出すためにどのようにプロジェクトを選択し実行すべきなのか、様々なプロジェクトに携わった実体験から、著者がエピソードを交え解説する。
第1章 日本の国際競争力の現状
1.1 現場感覚とマクロでみる日本との間の違和感
1.2 日本の労働生産性が低いという結果をどうとらえるか
1.3 世界の中での日本の競争力
1.4 国際競争にさらされる日本企業
1.5 勤勉な日本人というステレオタイプ
1.6 日本人は幸せなのだろうか
1.7 すでに起こった未来
第2章 競争力を失いつつある日本企業の課題
2.1 誰の課題なのか
2.2 そもそも企業の目的とは
2.3 マネジメントの機能不全に陥る日本企業
2.4 マネジメントが苦手な日本人の傾向
第3章 成果をあげる組織
3.1 そもそもの組織の存在意義、目指すべき姿は何か
3.2 それは本当にいまやるべきことなのか
第4章 グローバルでのプロジェクト遂行について
4.1 プロジェクトマネジメントについて
第5章 多様性のマネジメント
5.1 基本姿勢
5.2 コミュニケーションマネジメント
第6章 変革のためのマネジメント
6.1 変革のマネジメントの必要性
6.2 変革の障壁
6.3 変革のステップ
第7章 グローバルプロジェクトにおけるリーダーシップとは
7.1 リーダーシップとは何か
7.2 リーダーシップの種類
7.3 グローバルプロジェクトでのリーダーシップ
7.4 リーダーシップを発揮する者
7.5 リーダーシップの開発
第8章 日本企業で輝くグローバル人材について
8.1 グローバル人材の要件
8.2 グローバル人材の育成について
8.3 グローバル人材の真の問題
おいしいごはんが世界を変える!
職場と自宅の往復で晩ごはんといえばコンビニ弁当が定番の冴えない毎日をすごしていた愛子。それがある日、風変わりな隣人・珠子と知り合って世界が一変! 最初は珠子の胡散くささに戸惑っていた愛子だけど、いろんな国のおいしいごはんを作って食べさせてくれる珠子にいつしか胃袋をつかまれて──!?
創業記念企画全20巻中第18巻目。奥本大三郎氏のわかりやすい翻訳、原書にはない写真、イラスト、脚注、訳注を充実。今巻は星座にまでその名が記されるほど民衆の想像力を駆り立ててきたサソリの生態。
多くの異論や懸念にもかかわらず国会で強行採決された「特定秘密の保護に関する法律」-通称「秘密保護法」が施行される。この「秘密保護法」は、誰が、何の目的でつくったのか。法に違反したらどんな裁判が行なわれるのか。そもそも「特定秘密」とは何なのか?本書は、秘密保護法の内実とそれがもたらす影響について、刑法学の見地、知る権利との関係、憲法との整合性など多様な視点から概説する。
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。
それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。
アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。
私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。
本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。
松浦優(まつうら・ゆう)
一九九六年福岡県生まれ。
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。
博士(人間環境学)。
九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員。
専門はクィア・スタディーズおよび社会学。
共著に『フェミニスト現象学:経験が響きあう場所へ』『アニメと場所の社会学:文化産業における共通文化の可能性』『恋愛社会学:多様化する親密な関係に接近する』『入門・家族社会学:現代的課題との関わりで』。
【目次】
はじめにーー「好きになる」とは
第1章 アセクシュアル/アロマンティックとは何か
第2章 Aro/Ace の歴史
第3章 Aro/Ace の実態調査
第4章 差別や悩み
第5章 強制的性愛とは何か
第6章 セクシュアリティの装置
第7章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき
第8章 Aro/Ace の周縁化を捉えるために
第9章 Aro/Ace のレンズを通して見えてくるもの
おわりに
5巻では私たち日本人にも身近なセミとカマキリが登場します。セミの雄が大声で鳴くのはなぜ? またカマキリの雌が交尾した後に雄を食べてしまうのは本当か? 昆虫の不思議に果敢に迫ります。
今、「女」が選挙で勝つためのキーコンテンツになりつつある!?
与野党を問わず、政治家は女性の存在と女性にまつわる政策を“頼みの綱”にしているのだ。
日本の政治がいかに変わりつつあるのかーー。
女性初の朝日新聞政治部次長を務めた著者が、海外の事例を含めて丹念に取材し、データとともにひもとく。
多様化が進んだ現代では政治家も多様性が求められており、分断を広げるだけでは真の男女平等につながらない。
女性政治家が増えれば〈誰もが〉生きやすい社会になるということを可視化する、新しい論点。
民主主義を機能させるのはあなたです!
【目次】
第1章 地方で芽吹く変化
第2章 女性議員が増えると政治の何が変わるのか
第3章 今、杉並区で起きていること
第4章 女性議員を増やすには
第5章 もっと女性議員を増やすには〜海外編
第6章 国政は変わるのか
【著者プロフィール】
秋山訓子(あきやま のりこ)
朝日新聞編集委員。
東京生まれ。東京大学文学部卒業。ロンドン政治経済学院にて修士、筑波大学にて博士号を取得。
朝日新聞入社後、政治部、経済部、AERA編集部などを経て現職。
政治やNPO・市民社会、多様性・ジェンダーなどを中心に取材。
著書に『女は「政治」に向かないの?』『コーヒーを味わうように民主主義をつくりこむ』ほか。
「男が8割」の衝撃ーー。女性の“いない”キャンパス。
現役の教授による懺悔と決意。
これは大学だけじゃない、日本全体の問題だ!
2023年現在、東大生の男女比は8:2である。
日本のジェンダー・ギャップ指数が世界最下位レベルであることはよく知られているが、将来的な社会のリーダーを輩出する高等教育機関がこのように旧弊的なままでは、真に多様性ある未来など訪れないだろう。
現状を打開するには何が必要なのか。
現役の副学長でもある著者が、「女性の“いない”東大」を改革するべく声を上げる!
東大の知られざるジェンダー史をつまびらかにし、アメリカでの取り組み例も独自取材。
自身の経験や反省もふまえて、日本の大学、そして日本社会のあり方そのものを問いなおす覚悟の書。
【目次】
序 章 男だらけの現状
第一章 東大は男が八割
第二章 女性のいない東大キャンパスーー戦前
第三章 男のための男の大学ーー戦後
第四章 アメリカ名門大学の共学化
第五章 東大のあるべき姿
終 章
【著者プロフィール】
矢口祐人(やぐち ゆうじん)
東京大学大学院総合文化研究科教授、同大グローバル教育センター長、同大副学長。
1966年、北海道生まれ。
米国ゴーシエン大学卒業。
ウィリアム・アンド・メアリ大学大学院で博士号取得。
1998年より東京大学大学院で教える。
専攻はアメリカ研究。
著書に『ハワイの歴史と文化 悲劇と誇りのモザイクの中で』(中公新書)、『憧れのハワイ 日本人のハワイ観』(中央公論新社)、『奇妙なアメリカ 神と正義のミュージアム』(新潮選書)など。
これからの注目は「都心北部」だ!
【本書の特徴】
●7日間かけて東京(主に都心北部)を旅する
●詳細地図つき
●歴史的、社会学的に東京を眺める
●過去の痕跡を手がかりに、豊かな時間を取り戻すための提案をする
●モモ(ミヒャエル・エンデ)と一緒に東京を街歩きする
「街を見失わないために、ゆっくり移動することの価値を復権させましょう。エンデが『モモ』のなかで示した時間論を、私たちは東京の街歩きにも活かしましょう。モモの冒険が「灰色の男たち」から人々の時間を取り戻す挑戦であったのと同じように、私たちの街歩きもまた、高度成長期以降の開発主義の東京から、再び人間的時間を取り戻す戦略を含むことになります」--吉見俊哉
【主な内容】
●都心に路面電車を復活させる
●どこに行っても「渋沢栄一」がついてくる
●23区で唯一「消滅可能性都市」とされた豊島区はポテンシャルが高い
●エロス(性愛)とタナトス(死)の境界線を歩く
●川筋から未来の東京を考える
【目次】
第1日 都電荒川線に乗って東京を旅する
第2日 秋葉原ー上野ー浅草間に路面電車を復活させる
第3日 動物園を開放し、公園を夜のミュージアムパークに
第4日 都市にメリハリをつけながら、古い街並みを守る
第5日 都心北部で大学街としての東京を再生させる
第6日 武蔵野台地東端で世界の多様な宗教が連帯する
第7日 未来都市東京を江戸にする
【著者プロフィール】
吉見俊哉(よしみしゅんや)1957年、東京都生まれ。東京大学大学院情報学環教授。同大学副学長、大学総合教育研究センター長などを歴任。
社会学、都市論、メディア論、文化研究を主な専門としつつ、日本におけるカルチュラル・スタディーズの発展で中心的な役割を果たす。
著書に『都市のドラマトゥルギー』『五輪と戦後:上演としての東京オリンピック』など。
世界中の一般家庭を訪ね歩き、食卓を共にした旅の記録。ごはんを作ってもらって一緒に食べることから見える、生きた世界のかたち。