京都造形芸術大学比較藝術学研究センター編集による、美術、工芸、文学、建築といった、多様な分野を自在に比較する新しいタイプの紀要第二号。特集「かざる」では、古代アジアの装飾文様からヨーロッパの装飾思想へと広大な領域を横断し、「かざる」という様々なかたちと身振りを浮き彫りにしている。
はじめての環境デザイン入門書。インテリアから建築そして地球環境まで、今デザインの工夫と知恵が必要とされている。誰もが知っておきたい環境デザインの現在。
戦争は最大の環境破壊をもたらし、地球環境の悪化は紛争やテロを生み出す。戦争や暴力を克服して平和に至るために、環境問題がいかに政治や社会の安定に密接に深く関連するかを、現在の紛争地の例などを踏まえて明らかにする。また、アフガニスタンで用水路の建設などの支援活動を行なっていた中村哲医師をはじめとして、日本の先人には環境問題に取り組んできた人々が数多くいる。彼らの先駆的な活動を紹介しながら、困難に直面しながらも地球規模の問題に取り組んだ気概やバイタリティー、そして彼らの目指したところに迫る。
第1章 中村哲医師がアフガニスタンで気づいた気候変動
水と食料の提供で暴力の抑制を目指した中村哲医師/気候変動を克服する道は用水路にあり/一本の井戸が数千人を救う/教わることの多いアフガニスタンの考え方/現地との共生がムスリムに響いた/多くの人に惜しまれた中村医師の死/平和の実現は何によってなされるか
第2章 対テロ戦争の失敗をもたらした環境問題
米国が撤退したアフガニスタンの混迷/諸外国の思惑に翻弄され続けたアフガニスタンの近現代史/タリバンとは何者か/欧米の価値観がすべてではない/タリバン再支配の背景となった「腐敗」/武器では守られない子どもたちの未来/アフガニスタン難民と教皇の祈り/高く評価された日本の「平和力」
第3章 世界の環境を破壊する戦争
なぜ、人間社会は戦争をしてはいけないのか/戦争は未来に大きな爪痕を残す/ウクライナがロシア支配を嫌う背景/ウクライナ侵攻で再認識された環境危機/パン価格の上昇と中東の社会不安/忘れられた紛争地、イエメン/世界の矛盾を表すシリア人傭兵/ウクライナ侵攻で利潤を得る軍産複合体/ガザの不屈とパレスチナの正義
/平和の象徴、オリーブに託される歌/イスラエルの人権侵害に抗議する映画人たち/学生新聞と環境アパルトヘイト
第4章 砂漠の緑化に取り組み平和を構想した日本人たち
狭量なナショナリズムを克服する環境問題への取り組み/フィリピンの環境改善に努めた元日本兵ーー土居潤一郎/中国の緑化に取り組んだ日本の植樹部隊ーー吉松隊/砂漠に三〇〇万本のポプラをーー遠山正瑛/伝統的井戸掘り技術で世界を救えーー中田正一/古代の知恵で「沙漠」化を防止せよーー小堀巌/「みどり一本」運動ーー犬養道子/タイに梅の木二万二〇〇〇本ーー梅林正直/西アフリカ・マリで井戸を掘る歯科医師ーー村上一枝/干上がったアラル海の旧湖底に植林をーー石田紀郎/「ゴミ」でニジェールの平和を考える地理学者ーー大山修一
第5章 芸術は気候変動への警鐘を鳴らし戦争反対の声を上げる
芸術が訴える世界の矛盾と平和への祈り/中村哲医師を称えるルーミーの詩/社会正義がにじむボブ・ディランの詞/ボブ・ディランが心酔した四行詩/ビートルズに平和を説いた哲学者/「プラハの春」のロシアへの教訓/トルコの詩人が感じた地球の環境危機/持続可能な社会とは逆行する戦争
ブラームス没後100年を記念して永く名著として評価の高いガイリンガー著の伝記!!生い立ちからの考証、作品評価、その人間性を詳細に述べたブラームス愛好家の必読書。
ベルリンのアーティスト、塩田千春氏のデザイン教育研究センターにおける特別講義の記録。
大衆の夢をデザインしたモダニズム。スクリーンのなかの都市は、人々の希望としての未来像。映画セットは建築家の実験の舞台でもあった。ミース、コル、ライトらを160点あまりの画像で検証する建築のメディア論。