自らにかけられた「二十歳まで生きられない」という呪いを解くため、故郷の長野を離れ、京都で暮らすことになった澪(みお)。
蠱師(まじないし)の親戚が営む下宿屋「くれなゐ荘」に住み、高校に通う毎日だが、邪霊に襲われることも多かった。
ある日澪は、京都へやって来た兄・漣(れん)とともに出かけ、朽ちかけた橋の袂で女がすすり泣く声を聞く。そのとき、川に引き込まれそうになった澪を助けてくれたのは、謎の少年・高良(たから)だったーー。「呪いを解きたいなら、俺を殺せ」と言い続ける彼の正体とは?
古都で繰り広げられる蠱師vs邪霊の攻防は、蠱師たちの相棒である職神(しきがみ)たちを巻き込んで一進一退の展開へ。
澪の淡い恋の行方も気になる、呪術幻想譚シリーズ第二弾。
「後宮の烏」シリーズで大人気の著者による文庫書き下ろし。
簡単な計算力を得るだけであなたも「できる人」になれる! 数字が苦手な人ほど結果が出る魔法の計算力トレーニング。
江戸で起こる刺激的な事件を集めて記事を書く、読売の“種拾い”の少女・お奈津は、親方から“事故物件”専門の家守(不動産屋)・直吉の話を聞く。見た目は良いが、どこか陰のある直吉に興味を持ち、彼から家を借りた者たちを調べるお奈津だったが、各家の幽霊騒動に巻き込まれるうちに、霊の切ない秘密を知っていきー。江戸を舞台に、死後も続く縁や思いを温かく描く、時代小説シリーズ第一弾!文庫書き下ろし。
元素は現在、全部で118種類ありますが、天然にあるのは約90種類です。その約90種類の元素が、1億を超える地球上の物質や宇宙にある物質も含めて、さまざまな種類の物質を織りなしています。元素は結びつく相手や結びつき方を変えて膨大な物質(万物)をつくりあげているのです。
本書は、天然にあるものとないもの計118種類、原子番号1「水素」から原子番号118「オガネソン」まで、すべての元素の世界を、身近で興味深い話題に結びつけながら、やさしく解き明かしています。学校で習った理科や化学が苦手だったとしても知的好奇心をもって元素の世界を知りたい人に、最適です。
●太陽エネルギーの源は水素の核融合
●天然塩(自然塩)のつくり方
●鉛筆はなぜ「鉛の筆」というのか?
●タバコを吸うと被ばくする⁉
●ローマ時代の水道管、などというように、興味深い話が満載です。
好評書籍の情報をアップデートして文庫化。読みだしたら止まらない一冊。
ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができます。
感染細胞から、ウイルスのタンパク質の設計図が書いてあるDNAをとってきて、それをプラスミドという大腸菌内の環状DNAに入れて増殖させるのです。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れてやると、ウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような実験です。ウイルスは、私たちがもっている生命観からはみ出てしまうような存在なのですが、本当に例外的なのでしょうか?
さらにウイルスは、ある動物のDNAを、別種の動物のDNAに運ぶことがあります。レトロウイルスはまさに現在進行形で、コアラのゲノムに入り込んで、そのDNAを変えようとしています。一方、人間の腸内には約1000種、100兆個から1000兆個もの細菌が住んでいます。このような例を考えると、生物の世界は「種」あるいは「個体」が独立した世界なのではなく、全体で「生命の場」というものをつくりあげ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないでしょうか。
本書は、「生命には場が必要であり、実は全体で一つ」「ウイルスが生命をつないでいて、生命の場を提供している」「個という概念をもつことは生物学的に正しいのか」といったテーマについて、ウイルス学者の視点から考えます。
■1年以上、生死について考えて苦しんだ/■ウイルスを作る/■ウイルスを排除することはできるか?/■細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?--エクソソームがウイルスの起源なのか……/■さまよえる遺伝子/■種はどのようにして分かれていくのか/■現代のコアラはタイムマシーンかーー種の壁を越えていくウイルスの現場/■個とは何か/■生命が生まれたのは必然か偶然か
夜の町ではぐれてしまった二人の少女は、お互いを探し求めて、夜闇を彷徨う。
ノベライズシリーズ12万部突破!
手をーーつないだこの手を、絶対に離しちゃダメ。
日本一ソフトウェアの大人気「夜道探索アクションゲーム『夜廻(よまわり)』の第2弾『深夜廻』公式ノベライズ、待望の文庫化!
あなたをさらいに夜がくるーー。
「二人で花火を見るのも、今年で最後だね」--新学期から別の町で暮らすことになったハルは、夏休みの終わりに、親友のユイと花火を見るため裏山に登った。花火が終わり、すっかり夜も更け、ユイと手を繋いで山道を下っていたハルは、暗闇から自分を呼ぶ“声”が聞こえ、足を止める。怖がるハルを心配したユイが、「ちょっと見てくる」と手を離し、駆け出すが、二人はそのままはぐれてしまう……。
不気味な夜の町でお互いを探して、彷徨う二人に待ち受けるものとは?
ちょっとした着眼点の違いで、小説はもっと面白くなる!本書は、『蹴りたい背中』『ゴールデンスランバー』など、現代の純文学やミステリー、古典などを題材に、作品をより深く楽しく味わうコツを、人気小説家がわかりやすく解説。小説を読んだ後、SNSで、作品の感想を書いたり、意見交換ができるようになる1冊です。文庫版では自著『本心』と『罪と罰』の解説を特別収録!PHP新書版を加筆・修正し再編集。
ーー己のために行なったことはみな、己の命とともに消え失せる。(中略)わが身のためだけに用いれば、人の命ほど儚く、むなしいものはない。されどそれを他人のために用いれば、己の生には万金にも値する意味が生じよう。(本文より抜粋)
時は天平ーー。
藤原氏が設立した施薬院の仕事に、嫌気が差していた若き官人・蜂田名代だったが、高熱が続いた後、突如熱が下がる不思議な病が次々と発生。
それこそが、都を阿鼻叫喚の事態へと陥らせる“疫神(天然痘)”の前兆であった。
我が身を顧みず、治療に当たる医師たち。しかし混乱に乗じて、病に効くというお札を民に売りつける者も現われて……。
第158回直木賞と第39回吉川英治文学新人賞にWノミネートされた、「天平のパンデミック」を舞台に人間の業を描き切った傑作長編。
解説:安部龍太郎
漢字を読むのは難しい。間違った読み方をすると、失礼になったり、恥をかいたりする。ではどうすればよいか。クイズ感覚で覚えてしまうのも有効!本書は、「読めそうで読めない」漢字と、多くの人が「読めない」であろう漢字を、地名、植物、歴史人物などのジャンルに分けてクイズ形式で出題し、解説。難読漢字は、話のネタにもなり、あなたの人生を豊かにする。さあ、漢字博士の問題に挑もう!
Webアプリケーション開発の一端に触れてみたいあなた。3つのMissionをクリアしながら、データベースと連動するWebアプリケーションの仕組みと作り方を理解しよう!
月刊誌『PHP』の好評連載「心に残る父のこと母のこと」から厳選の58編。家族の温かさ、その愛の深さに、きっと涙があふれます。
読みだしたらとまらない、おそろしい植物のはなしが満載!
毎日何かを探してイライラ、モノがあふれた部屋にため息…そんな苦しい日々に、今度こそサヨナラしませんか?本書では精神科医の著者が、心にやさしい“持たない暮らし”を提案。「『捨てられない』で犠牲になるのは、時間、お金、心の健康」「思い出のモノもわずかなほうが、いい思い出になる」など、いらないモノと決別するヒントが満載。
二〇二七年度から、防衛費をGDPの二%に引き上げることが決定した。これまで年間五・五兆円規模であったものが一一兆円を超え、世界第三位の水準となる。一方で、日本の債務残高はGDP比二六〇%という天文学的な数字となっている。防衛費倍増は本当に「しかたない」ことなのか。外交努力によって戦争を回避することはできないのか。「たとえば、外交交渉によりロシアのウクライナ侵攻を止められた可能性もあったのでは」と、米国や中国、北朝鮮と外交交渉を積み重ねてきた著者はいう。現代史における外交努力の歴史と、現場での豊富な経験に基づいて語る、現実主義の平和外交論!
「コロナ太り」を解消する方法(仮)
シンプルに生きるにはどうすればいいのか。シンプルに暮らすとはどういうことなのかーー。
本書は、建功寺の住職兼庭園デザイナーの著者が、「余計なものをそぎ落し、無駄な物を捨て、自分自身を縛りつけている余計な欲望を排除していく」という禅の考えに則り、清々しく心豊かな生き方、暮らし方を説く。
◎空間を埋めない ◎何もしない時間を持つ ◎無心になる ◎物事に白黒つけようとしない ◎苦手なことは人に任せる など、著者が日々の修行のなかで培ったシンプルな生活のすすめが詰まっている。
不安や心配事、執着心といった「心のメタボ」をそぎ落し、人生に「たったひとつの自分自身の芯」を見つけていく私たちの旅路。その先にこそ真の豊かさと安寧があることに気づかされる。
自分がいちばん大切にしなくてはならないもの、自分の人生になくてはならないものーーそのことに思いを馳せるきっかけになる一冊。
お母さんが笑うほど、頭のいい子に育つ
催眠療法中の患者が、前世の記憶を鮮やかに語りはじめた神秘的な治療効果と前世の存在を目のあたりにした精神科医の衝撃の手記。
2021年、イスラム主義組織のタリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧した。アメリカ軍がアフガニスタンから撤退し、暫定政権が発足すると、欧米のメディアは一様に「女性差別」「人権抑圧」について報じ、タリバンを前近代の遅れた存在と見なした。21世紀の民主主義の眼から見れば、そういう話になるのだろう。だが、われわれが日本の歴史を顧みたとき、いまアフガニスタンで起きていることに、どこか思い当たる節があるのではないか。戦争の現場を見て、考え抜いたジャーナリストの眼が、コロナ下の「鎖国」に慣れきった日本人を再び目覚めさせる。