本書は、新古典派とマルクス経済学でこれまで行われてきた集計的経済分析へのアプローチの差異を、明らかにしようとするものである。
ごく普通の人々が日韓の近現代史をいかに生きてきたか!19世紀末以降の済州島の人々の生活実践をとおし構造化というマクロな社会変化に対する個人の主体的対応の可能性を考察する。
本書は、戦後高度成長期(1955年〜73年)の労働問題を実証的に分析したものである。とはいっても、高度成長期の労働問題を全面的に分析しているわけではない。すでに数多くの研究が蓄積されている大企業の労働者については、ほとんど取り上げてはいない。本書で分析の対象としているのは、研究領域としてあまり日の目を見ることのないようないわゆる「底辺」、「下層」の人々である。それは、小規模小売業の労働者であったり、土木業のいわば「長期日雇」であったり、事実上の賃労働者である家内労働者であったりする。
本書は山梨県を対象として、明治期の地方行政の展開と農山村経済の実態を統一的に把握することを試みている。
フランス農民の相続と戦略を明らかにし、民法典との葛藤の中から新しい制度が立ち上がる過程を分析。
本書は、ベーベルの女性論を、没後九〇年を経て、再考するものである。
人間が自然に対してどのような関係を形成するかは、人間が自然をどのように理解しているかによって規定される。人類が抱いてきたさまざまな自然観を哲学的・倫理学的な関心と方法でトレースする。
近代開拓村において、「入植者」の帰属意識はどのように変遷していったのか。心の拠り所であった神社はその媒体となったのか。本書において、近代開拓村における近代国家形成期の終焉を神社の創立由縁の類型化から位置づけ、その変遷を明らかにする。
三部構成とし、一五本の論文を収めている。グローバル化のなかで現代「国家」がどのような変容の過程にあるかを理論的・法制的視点から明らかにするとともに、「グローバル化」時代の民主政という視点から「グローバル・ガヴァナンス」をめぐる諸問題について検討し、その展望を提示することを課題としている。
従来自給自足にもとづく生業活動に依存してきた彼ら先住民にとっては異質であるはずの資本主義的なサケ漁業が、いかにして彼らの“日常”や“伝統”へと変貌するのか。フィールド調査にもとづく人類学的手法から例証した民族誌。2008/2009「カナダ出版賞」受賞。
日本敗戦後中国に残された満州国の産業設備や生産技術が、その後の内戦・復興期を経て人民共和国に継承され、毛沢東時代の中国産業に大きな影響を与えたことを、化学工業を事例として解明した実証研究。
トランスナショナルに生きる日本、日系、在日の女性たち。北米、南米、欧州で繰り広げられる間文化・言語の創造的空間。日本語、英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語によって描き出される多彩な文学世界。